【獣医師執筆】犬や猫の誤飲はペット保険の対象?手術費用なども解説!のサムネイル画像

内容をまとめると

  1. 犬や猫の誤飲はペット保険の補償対象になる
  2. 手術費用は動物病院によっても異なるが、約20万円ほどかかる
  3. ペット保険加入を検討している方は、ペット保険のお見積もりが可能

犬や猫の誤飲事故は多く、実際犬を飼っている人の6割が経験しているほどです。この記事では、誤飲にかかる手術費用やそれを補償してくれるペット保険、誤飲誤食を避けるためにするべきことなどを紹介します。誤飲は最悪死亡にもつながるため、予防策などは実践してみてください。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬や猫の誤飲はペット保険の補償対象?手術費用等も紹介!

犬や猫を飼っていると、目を離したすきに人のご飯を食べてしまった・おもちゃをかじって食べてしまったなんてこと、飼い主のみなさん一度は経験があるのではないでしょうか?


食べたものが犬・猫にとって害がなければいいですが、物によっては手術や入院が必要になる場合もあります


今回「MOFFME」では犬猫の誤飲とペット保険について以下のポイントを中心に解説させていただきます。

  • 誤飲に対して保険適用のペット保険
  • 万が一、誤飲をした場合の治療費
  • 犬猫の誤飲の原因・予防法
  • 異物・中毒物質を食べてしまった場合の症状と対処のしかた
  • 誤飲しやすい犬種・猫種
  • 誤飲とペット保険の必要性

この記事をしっかり読んで、ペットが万が一誤飲をしてしまっても冷静に対処できるようになりましょう!


またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」を紹介しています。気になる方は合わせてお読みください。

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誤飲誤食の治療費や手術費用が補償対象のペット保険を紹介!

記事モデル:チョコちゃん


犬や猫の誤飲はペット保険によっては対象にならない場合もあるため、加入する前に確かめておきましょう。


ただし基本的にほとんど全てのペット保険で誤飲・誤食は補償対象になるので安心してください。

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ペット保険の加入条件とは?ペットが病気でも入れるのか解説!

誤飲誤食を補償してくれるペット保険の保険料を紹介!

誤飲を補償してくれるペット保険を紹介しましたが、確認したところ、約9割が誤飲の治療費を補償対象にしています。


ではどのくらいの保険料で加入できるのでしょうか


補償割合が上がるほど保険料も上がるので、比較的保険料も手頃で補償内容にも満足できる50%と70%の保険が人気なのです。


特に70%の保険は、我々人間の健康保険と同じで自己負担割合が3割になるので、ありがたさがイメージしやすいのではないでしょうか。

基本的に歳をとるにつれて保険料は上がります。

しかし、0歳のペットは免疫力がなく病気にかかりやすいことや、誤飲などの事故が多いことから、1,2歳の保険料より高く設定されていることが多いのです。

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ペット保険は50%と70%プランのどっちがおすすめ?補償割合を徹底解説

犬の飼い主の6割以上がペットの誤飲を経験している!?

ペット保険会社のアイペットが行った、犬の誤飲に関する調査によると、ペットが誤飲をしてしまったことがあると回答した人は全体の60.3%という結果でした。


ペットの誤飲事故は多く起こりうる事故であることがわかります。


また、誤飲事故が起きてしまった時の状況は、「一緒にいて、少し目を離したとき」という回答が53.7%、「見ている目の前で」という回答が22.6%と、飼い主が近くにいるときに起きてしまう事故であることもわかります。誤飲事故では、最悪の場合死に至るケースもあります。


犬や猫の誤飲にかかる治療費や手術費用はどのくらい?

誤飲の治療を補償してくれるペット保険について詳しくみてきましたが、実際に犬や猫が誤飲をするとどのくらいの費用がかかるのでしょうか

わかりやすく表にまとめてみましたので、一緒にみていきましょう。

1歳の猫(スコティッシュフォールド)が、おもちゃを飲み込んでしまった場合の治療内容と費用の例です。動物病院によって治療費や手術費用は異なります。
治療費用
診察1,000円
レントゲン5,000円
点滴4,000円
全身麻酔18,600円
手術140,000円
入院4,500円
注射4,500円
処置1,100円
合計178,700円
誤飲してしまったものの種類や大きさによっては、催吐処置や内視鏡による処置では取り出せず、開腹手術が必要になります。

上の表はまさにそういった例で、全身麻酔なども必要になるため、かなり高額になります

誤飲の場合、その日に手術が必要になることも多いので、このような大金がいきなり必要になるのです。
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愛犬の医療費・治療費に生涯かかる費用の目安はどのくらい?

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猫の医療費は高額?生涯かかる治療費・手術費用などの相場を紹介!

補足:健康診断や去勢等の避妊手術は補償対象外なことに注意!

誤飲や誤食は、ほとんどのペット保険で補償の対象であることが分かり、ほっとしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。


しかし、全保険会社に共通している補償対象外の治療があることはご存知ですか?


補償対象外となる項目としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 既往症や先天性の疾患
  • 犬パルボウイルス感染症など、ワクチン接種で防げる病気
  • 妊娠や出産に関わる費用
  • 避妊や去勢、マイクロチップの装着など健康体に施す措置
  • ワクチン接種など、予防に関わる費用
  • 健康診断
  • 療法食やサプリメント、アロマテラピーなど
  • 自然災害によるケガや病気
  • 飼い主の過失によるケガや病気
こちらは一例なので、詳しく知りたい方は各社の規約等をご確認ください。

ペット保険を利用する中で起こるトラブルは、規約内容を十分に把握していないことが原因であるケースがとても多いのです。

納得できる補償やサービスを受けるためには、加入前に補償内容をしっかりと理解しておく必要があります

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【獣医師が教える】犬や猫の誤飲の原因や予防策を紹介!

なぜ犬猫は誤飲をしてしまうのでしょうか?


誤飲を防ぐためにもその原因を理解し、予防策をしっかりたてることが大切です。


この項では、

  • ペットの誤飲の原因
  • 誤飲をしてしまうと危険が高いもの
  • 誤飲の予防法

について、現役動物病院獣医の経験から飼い主さんが遭遇しやすいトラブルを中心にお伝えしていきます。

犬や猫の誤飲の原因はどんなものが多い?

では、原因別に誤飲しやすい物の具体例も含めて紹介していきます。


①遊んでいる最中に口に入れてしまった

誤食物:おもちゃ、紐、針つき糸、犬用ガムなど

自分の口より小さいおもちゃだと、遊んでエキサイトしている最中に飲み込んでしまうことがあります。これは特に犬の場合に多いです。

猫は紐や釣り竿タイプのおもちゃで遊んでいるうちに、噛んで飲み込んでしまう「ひも状遺物」の誤飲が多く報告されています。

針つき糸は、糸で遊んでいるうちに一緒に針を飲み込んでしまうパターンが多いです。

針なんて痛そうなもの、人間でも飲み込もうとしてもできないと思うでしょう。以外と犬猫は平気な顔して丸飲みしてしまうのです。

②匂い等に惹かれて食べてしまった

誤食物:人の食べ物(チョコレート、手羽先の骨、牛丼、カレーなど)、花・観葉植物

飼い主さんが美味しそうに食べている物・匂いがする物に興味をもつ犬猫は多いです。

人が食べて大丈夫でも、犬や猫にとっては中毒を起こす・危険な物質はたくさんあるので注意しましょう。

③何でも口に入れてしまう癖がある

誤食物:タバコの吸い殻、石、ビニール袋、人体薬

散歩中の犬に多いケースです。

犬は見知らぬもの・興味をもったものをとりあえず口にいれて確認するという習性をもちます。咥えることでその物体がなにかを調べているうちに、そのまま飲み込んでしまうのです。

人用の薬は、体の小さい犬猫には薬用量が多すぎたり、代謝できず中毒になってしまうものもあるので注意しましょう。

④飼い主の気を引くため・驚いた拍子に飲み込む

犬・猫がなにか口にしたときに、誤飲したら大変と大声をあげたり、パニックになって騒いだりしていませんか?

飼い主の大騒ぎも、犬にとっては「飼い主さんが喜んでいる」と捉えることが多いです。○○を咥えればかまってくれると思い込んでしまい誤飲につながります。

また、騒ぐことでびっくりした拍子に飲み込んでしまうこともあります。

⑤精神的問題

主に猫でみられる「ウールサッキング」という問題行動があります。布類を噛む・吸う・食べることで安心感を得ようとします。

早期離乳や強いストレス・トラウマが原因と考えられており、治すには長い時間が必要です。

誤飲をしてしまうと危険が高いものとは?

死亡率が高いとされる異物は、以下のものが挙げられます。

  • ひも
  • 靴下・タオル等の布類
  • 人間の医薬品
ひも状のものは誤飲すると腸に絡まりやすく、腸閉塞に陥る可能性が非常に高いのです。その結果、腹膜炎腸の壊死を起こし、最悪命を落とす危険性があります。

靴下やタオルなどの布類も、同様の理由で致死率が高い異物です。

ロープ等のおもちゃで遊ぶ際はペットのひとり遊びに気を付け、目を離す場合はペットが取り出せない場所にしまうなどの工夫が必要です。

また、人間の医薬品を飲むことで強い中毒症状が起こります。

体の大きさや、薬による作用が人と動物では全く異なるため、万が一誤飲をしてしまった場合には一刻も早く動物病院を受診してください

人間用の医薬品についても、徹底した管理が重要になります。

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【獣医師監修】犬の腸閉塞とは?腸が詰まってしまう病気?症状や原因、治療法を解説

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【獣医師監修】猫の腸閉塞とは?原因から症状、治療法、予防まで解説

犬や猫の誤飲を防ぐにはどうしたら良い?

多くの犬猫の誤飲は飼い主さんが気を付ければ防ぐことができます。

①拾い食いをさせない・何でも咥えないようにしつけをする

犬の場合、食事時に「待て・よし」の合図を行ってから食べさせることで、勝手な拾い食いを防ぐことができます。

逆にしつけられていないと道端にあるもの・部屋の中に落ちている物をとりあえず口に入れて食べてしまうので、食事開始のメリハリはしっかりつけさせるようにしましょう。

②犬猫の行動範囲は常に整理整頓

誤飲の最大の予防法は「誤飲するものを触らせない」ことです。

部屋の中は物が散らばらないように整理整頓を行い、誤飲の可能性があるものは戸棚や収納ボックスにしまうなどして犬猫から隔離しましょう。

おもちゃも出しっぱなしにせず、遊び終わったら片付けるようにしてください。

③口に何かを咥えているときに騒がない

犬や猫が口に何かを咥えてしまったのを目撃した場合は、一度心を落ち着けましょう。

無理やり口から奪おうとすると意地になり余計離さなくなる・飲み込んで隠そうとしてしまいます。

焦らず・騒がず、その子の好きなおやつ・他のおもちゃを見せて、咥えている物を離させるようにしましょう。

④人の食べ物を与えない

食卓でご飯を食べているときに、可愛いからと思ってつい自分の食べている物をペットにあげる飼い主さんがいますが要注意です。

常に人の食べている物を狙う癖がついてしまいます。

⑤飼い主が食べさせてはいけない・危険な物を理解する

誤飲すると危険な物をしっかり理解して、同居している人にも伝えましょう。

自分は気を付けていたけど一緒に住んでいるおじいちゃん・おばあちゃんが知らずに与えてしまったというケースもよくあるので、家族全員で気を付けるようにしましょう。

⑥季節の行事がある日は要注意!

動物病院で働いていると感じることなのですが、クリスマス・バレンタイン・お正月などの行事・イベントがある日の誤食率はかなり多いです。

飼い主さんが食べている骨付き肉・チョコレート・お餅・お酒などを食べてしまい受診する子が毎年必ずいます。

楽しい日なのでついつい気がゆるんでしまうこともあるでしょうが、食べ物・ゴミは犬猫の手の届かないところに置いておきましょう。
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【獣医師監修】犬の誤飲とは?原因や症状、治療、予防法を解説!

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猫の誤飲の対処法とは?獣医師さんへの実際の相談事例と共に解説!

ペットが誤飲しやすいものとは?

これまでペットの誤飲の予防法などを解説してきましたが、ペットが誤飲しやすいものとしてどういったことがあるかを知っておくことも予防として重要です。


ペットが誤飲した事例としてあげられるのは以下のものが多くあります。

  • 犬や子どものおもちゃ
  • ヘアゴムやヘアピン
  • ボタンやビニール
  • 電池
  • 乾燥剤
  • 人間のタバコや薬

見てわかるように、小さくて口に入れやすいものが誤飲しやすくなっています。


消化することができず、腸閉塞や窒息を引き起こすことがあるため特にこういったものはペットから離して置くようにしましょう。

補足:誤飲をしても自然と出ることがある?

犬や猫が誤飲をしてしまっても、うんちとして自然に排泄されることもあります。


少量の綿や小さなボタンといった、身体に対して小さなものであれば身体に大きな影響が出にくいでしょう。


お医者さんと相談して、様子を見ても良いかもしれません。


その際はうんちをしっかり確認して、誤飲したものが排泄されたかどうか見るようにしましょう。出てこない場合は開腹手術となる場合もあります。


しかし針やピンのように小さなものでも胃や食道を突き刺すものは大変危険ですので、誤飲には十分注意が必要です。

人間の食べものでも誤飲すると危険なものが多い!


「美味しい食べものはペットにも分けてあげたい」と思う飼い主さんは多いはずです。


しかし、私たち人間の食べものの中には、ペットにとって有害であるものが紛れています


さらに困ったことに、ペットの健康を害す食材は意外にも多いのです。


それでは、どんな食べものが危険なのか、

  • 犬が食べると危険な食べもの
  • 猫が食べると危険な食べもの
それぞれについて解説していきましょう。

犬が食べると危険な食べもの

犬が食べると危険なものと症状について紹介します。

以下の表をご確認ください。

食べもの症状
アボカド下痢・嘔吐などの中毒症状
アルコール意識混濁など
うに腎臓への大きな負担
コーヒー下痢・嘔吐などの中毒症状
チョコレート痙攣・昏睡状態など
玉ねぎ長ネギ下痢・嘔吐・呼吸困難など
ニラにんにく下痢・嘔吐・貧血
ぶどう急性腎不全
マカダミアナッツ下痢・嘔吐などの中毒症状
特に、アルコールチョコレートネギ類ぶどうについては注意が必要です。

命を落とす可能性が高い食べ物なので、ご家庭でみなさんが食べる際には犬をケージに入れたり、犬の動きをしっかりと確認しておきましょう。

戸棚やゴミ箱を開けてしまう犬の場合は、誤飲・誤食の確率が高まります。

簡単に開けられないような工夫やしつけを見直すことで、誤飲・誤食を回避することできますよ。

猫が食べると危険な食べもの

猫が食べると危険なものと症状について紹介します。 

以下の表をご確認ください。

食べもの症状
アルコール意識混濁など
牛乳下痢・嘔吐
玉ねぎ長ネギ貧血・衰弱など
コーヒー痙攣・昏睡状態など
チョコレート痙攣・昏睡状態など
生たまご下痢・嘔吐などの中毒症状
にんにく貧血・衰弱など
ぶどう・レーズン腎臓への大きな負担
犬同様、アルコールネギ類カフェインぶどうなどは、誤飲・誤食をしないように特に管理する必要があります。

加えて猫は体の構造上、糖質の分解が得意ではありません

そのため、糖質の多い牛乳消化不良を起こしやすいので、与えないようにしてください。

食べもの以外には、α-リポ酸(人間のダイエット用サプリメント)、鎮痛剤解熱剤などは、たった1粒食べただけで死に至る恐れがあります。

人間用の薬については、猫が絶対に触れないような場所で保管するようにしましょう。

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ペット保険で下痢は補償される?症状や治療費用について徹底解説!

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ペット保険で腎臓病は補償される?症状や治療費用について徹底解説!

ペットが異物を食べた!異物誤飲の症状や対処法を解説!


ペットが異物を食べたときの症状や対処法を知っておくことで、もしもの時も慌てずに対応することができます。


また、誤飲した時に知っておきたい疑問点や動物病院での治療法についてもご紹介するので誤飲した時のために備えましょう!


ここでは、

  • ペットが誤飲した時の症状と対処法
  • 誤飲は無症状であることも多い!
  • 誤飲したものを飼い主が吐かせても大丈夫?
  • 動物病院での誤飲の処置はどんなものがあるの?
  • 補足:犬や猫の誤飲が引き起こす腸閉塞とは何?

以上のことについて詳しく解説します。

ペットが誤飲した時の症状と対処法は?

異物を誤飲してしまったときの症状・対処法を解説していきます。


症状

<共通してみられる症状>

  • 下痢・嘔吐・血便などの消化器症状
  • 食欲・元気の低下

<中毒物質による特徴的な症状>
  • 貧血・血尿玉ねぎ中毒、アセトアミノフェン中毒など
  • 低血糖による神経症状:キシリトール中毒
  • 興奮・失神・不整脈:チョコレート中毒など
  • 血液凝固障害:殺鼠剤など

対処法

基本的には誤飲に気づいたらすぐに動物病院に連絡しましょう。

この時に「何を」「どのくらい」「いつ頃」食べたのかを飼い主が把握して動物病院に伝えることが大切です。

誤飲したもの・量・どのくらい時間が経過しているかによって対処方法が変わってきます。

全てを把握するのは難しいと思いますが、なるべく可能性があるものも含めて伝えていただけると獣医としては助かります。

そして食べた物の実物・パッケージを一緒に持ってきていただけると、とても参考になります。

誤飲した物について
  • 様子を見て大丈夫なものなのか
  • レントゲンを撮ることで、どのように映ってくるか
  • どんな成分がどのくらい入っているか
などの客観的情報が手に入るからです。

また、応急処置として背中を叩くなどして吐かせてあげるといったことが必要な場合もありますので、様子を見て判断しましょう。

誤飲は無症状であることも多い!

実は、誤飲後に先述したような症状が全くないケースも散見されます


飲み込んだ直後や無害なものを誤飲した場合には、無症状で普段と変わらず元気な様子を見せるペットが多いのです。


数日後にそのまま便と一緒に出てくることもあり、ほっと胸をなでおろす飼い主さんがたくさんいらっしゃいます。


しかし無症状だとしても、誤飲はペットの命に関わる事故です。


誤飲をした時には何を食べたのかをしっかりと確認し、必ずかかりつけ医の指示を仰ぐようにしましょう。


また、実際には誤飲をしていないという可能性もあります。


誤飲を疑い来院したものの、レントゲンや内視鏡検査で異物が認められないことも珍しくはないのです。


誤飲をしたのか不確かな場合には一度部屋全体を見渡し、食べたと思ったものが落ちていないかを確認してみてください。

誤飲したものを飼い主が吐かせても大丈夫?

ネットには犬猫が誤飲をしたときの応急処置というものも紹介されていますが、基本的に飼い主の自己判断で吐かせるのはやめてください。


間違った処置で胃や食道に炎症が起こってしまったり、吐かせない方がいい物質もあります。


「数日前に少量のネギを食べた。飼い主さんの判断で消毒用オキシドールを飲ませて吐かせたら、ネギは吐いたがその後もずっと吐き続けて元気がない」というトイプードルが来院したことがありました。


オキシドールは「胃をわざと荒れさせる」ことで吐かせます。


昔は動物病院でも行われていましたが、現在では胃へのダメージが強すぎることから推奨されていません。


また、その子の体格や摂取量によっては、吐かせなくていい場合もあります。


そのような判断を飼い主さんが行うのは難しいと思いますので、まずは動物病院に相談をしてください


今は夜間救急病院もありますので、動物病院が閉まっていて相談できないということも少ないと思います。

動物病院での誤飲の処置はどんなものがあるの?

動物病院で誤飲をした場合の処置を紹介します。


①催吐処置

注射薬を使って吐かせるのですが、吐かせる為に開発された薬というものはありません。特定のお薬の副作用で吐かせます。


だいたい注射して5~10分以内に吐きます。


ただし、食べたものが胃の中にある時にしか使用できないため目安としては、誤飲して2~3時間以内くらいまでが対象です。


誤飲に対して最も行われることが多い処置です。


②点滴・肝薬の投与

中毒を起こすような物を誤飲してしまい、時間が経ってすでに体に吸収されてしまっている場合は点滴を行います。


また、毒物を代謝する主な臓器は肝臓なのでその働きを助けるために肝薬を投与します。


③活性炭の投与

まだ胃内に中毒物質が残っている場合は、活性炭を飲ませて中毒物質を吸着させ、体外に排泄させるようにします。


④内視鏡

催吐処置を行ってもでてこない・吐かせると途中で引っかかったり、消化管を傷つける可能性がある場合は内視鏡を口から入れて摘出します。


メリットとしては、開腹手術より動物の負担がすくないことです。


しかし、内視鏡が届くのは食道~十二指腸の手前までなのでそれより奥に異物がある場合は適応外です。


また、形状によっては内視鏡でつかむことができないこともあるので、そのような場合は開腹手術になります。


処置には全身麻酔が必要です。


⑤開腹手術

内視鏡が適応外の場合は、お腹を開けて胃や腸を切開して異物をとりだす手術を行います。


なるべく私たち獣医師も動物の負担が少なくなるように開腹手術は避けたいですが、時間が経ちすぎていたり、尖ったもの・長いもの・大きいものを食べてしまうと開腹手術を選択せざるを得ないことが多いです。

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補足:犬や猫の誤飲が引き起こす腸閉塞とは何?

腸閉塞とは異物などの物理的障害により腸が詰まってしまうことです。


この状態になると消化物が腸を通過することができず、渋滞が起こり消化管の動きが止まってしまいます。


症状として最もでるのは嘔吐です。消化した物が閉塞部位より先に進むことができず、便として出てこないので逆流してきてしまうイメージです。


完全に閉塞してしまうと1日10回以上吐いてしまう場合もあります。想像するだけでかなり辛いですよね。


下痢・便秘・食欲不振・元気喪失などもみられます。


腸閉塞が起きた場合は開腹手術になります。腸の一部を切開して異物をとりだします。


閉塞期間が長いとその部分の腸がもろくなってしまうので、腸を一部切除しなければいけないこともあります。

誤飲しやすい犬種・猫種がある?


誤飲と密接な関係にある消化器系の病気は約7頭に1頭が患っています。


消化器系の病気が多い犬種としてはスパニエルやフレンチ・ブルドッグ、ヨークシャテリアなどがあります。


また、消化器系の病気になりやすい年齢としては1歳未満が最も多くなっています。環境が変わることや身体が未発達なことがなりやすい理由として考えられます。


子犬や子猫の時期は好奇心が旺盛であるため、誤飲・誤食することも多くなっています。


好奇心が旺盛な犬種として、

などがあります。


また好奇心が旺盛な猫は、

などが挙げられます。


これらの種類は活発で社交的な面がある子も多く元気ある姿が可愛らしいですが、何にでも興味を持つため誤飲や誤食に特に注意が必要です。

MOFFMEでできる、ペット保険の無料相談がおすすめ!


近年加入者が増えていっているペット保険ですが、それでも現在の加入率はペットを飼っている方のおよそ10%程度にしかなりません。


ペットの治療費は全額自己負担となりますので、突然の病気による手術等で数十万円といった高額な費用がいきなり請求されてしまうことも珍しくありません。


しかし大切なペットには最適な治療を余裕を持って受けさせてあげたいですよね


もしもの時、治療費の負担を少しでも軽減し飼い主やペットが治療に専念できるように、前もってペット保険に加入しておくことをおすすめします。


MOFFMEでは「どんな保険に加入すれば良いか分からない」・「入りたい保険がいくつかあるけど、どれが一番良いのか悩む」といった方のために、ペット保険の一括比較を行っております。


ペット保険への加入を検討されている方はぜひ利用してみてください!

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まとめ:犬や猫の誤飲の治療はペット保険で補償可能

いかがだったでしょうか?今回の記事でお伝えしたかったことは

  • 誤飲に対してペット保険は適用されることがほとんど
  • 手術になってしまうと高額な治療費がかかることも
  • 飼い主が誤飲させないような環境を作るように心がける
  • 誤飲してしまった場合、「何を・いつ・どのくらい」食べたかが重要

です。


誤飲は身近に起こるトラブルであり、場合によっては命にかかわることもあります。飼い主さんが気を付けることが一番の予防策です。


誤飲・誤食は治療費が高額になりがちですので、万が一の事態にも対応できるようにペット保険に加入しておくと安心です。


MOFFMEでは、この記事の他にも役に立つ記事を多数掲載していますので、是非ご覧ください。