内容をまとめると
- 犬や猫の誤飲はペット保険の補償対象になる
- 手術費用は動物病院によっても異なるが、約20万円ほどかかる
- ペット保険加入を検討している方は、ペット保険のお見積もりが可能
犬や猫の誤飲事故は多く、実際犬を飼っている人の6割が経験しているほどです。この記事では、誤飲にかかる手術費用やそれを補償してくれるペット保険、誤飲誤食を避けるためにするべきことなどを紹介します。誤飲は最悪死亡にもつながるため、予防策などは実践してみてください。
この記事の目次
目次を閉じる犬や猫の誤飲はペット保険の補償対象?手術費用等も紹介!
犬や猫を飼っていると、目を離したすきに人のご飯を食べてしまった・おもちゃをかじって食べてしまったなんてこと、飼い主のみなさん一度は経験があるのではないでしょうか?
食べたものが犬・猫にとって害がなければいいですが、物によっては手術や入院が必要になる場合もあります。
今回「MOFFME」では犬猫の誤飲とペット保険について以下のポイントを中心に解説させていただきます。
- 誤飲に対して保険適用のペット保険
- 万が一、誤飲をした場合の治療費
- 犬猫の誤飲の原因・予防法
- 異物・中毒物質を食べてしまった場合の症状と対処のしかた
- 誤飲しやすい犬種・猫種
- 誤飲とペット保険の必要性
この記事をしっかり読んで、ペットが万が一誤飲をしてしまっても冷静に対処できるようになりましょう!
またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」を紹介しています。気になる方は合わせてお読みください。
誤飲誤食の治療費や手術費用が補償対象のペット保険を紹介!
記事モデル:チョコちゃん
犬や猫の誤飲はペット保険によっては対象にならない場合もあるため、加入する前に確かめておきましょう。
ただし基本的にほとんど全てのペット保険で誤飲・誤食は補償対象になるので安心してください。
誤飲誤食を補償してくれるペット保険の保険料を紹介!
誤飲を補償してくれるペット保険を紹介しましたが、確認したところ、約9割が誤飲の治療費を補償対象にしています。
ではどのくらいの保険料で加入できるのでしょうか?
補償割合が上がるほど保険料も上がるので、比較的保険料も手頃で補償内容にも満足できる50%と70%の保険が人気なのです。
特に70%の保険は、我々人間の健康保険と同じで自己負担割合が3割になるので、ありがたさがイメージしやすいのではないでしょうか。
犬の飼い主の6割以上がペットの誤飲を経験している!?
ペット保険会社のアイペットが行った、犬の誤飲に関する調査によると、ペットが誤飲をしてしまったことがあると回答した人は全体の60.3%という結果でした。
ペットの誤飲事故は多く起こりうる事故であることがわかります。
また、誤飲事故が起きてしまった時の状況は、「一緒にいて、少し目を離したとき」という回答が53.7%、「見ている目の前で」という回答が22.6%と、飼い主が近くにいるときに起きてしまう事故であることもわかります。誤飲事故では、最悪の場合死に至るケースもあります。
犬や猫の誤飲にかかる治療費や手術費用はどのくらい?
治療 | 費用 |
---|---|
診察 | 1,000円 |
レントゲン | 5,000円 |
点滴 | 4,000円 |
全身麻酔 | 18,600円 |
手術 | 140,000円 |
入院 | 4,500円 |
注射 | 4,500円 |
処置 | 1,100円 |
合計 | 178,700円 |
補足:健康診断や去勢等の避妊手術は補償対象外なことに注意!
誤飲や誤食は、ほとんどのペット保険で補償の対象であることが分かり、ほっとしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、全保険会社に共通している補償対象外の治療があることはご存知ですか?
補償対象外となる項目としては、以下のようなものが挙げられます。
- 既往症や先天性の疾患
- 犬パルボウイルス感染症など、ワクチン接種で防げる病気
- 妊娠や出産に関わる費用
- 避妊や去勢、マイクロチップの装着など健康体に施す措置
- ワクチン接種など、予防に関わる費用
- 健康診断
- 療法食やサプリメント、アロマテラピーなど
- 自然災害によるケガや病気
- 飼い主の過失によるケガや病気
【獣医師が教える】犬や猫の誤飲の原因や予防策を紹介!
なぜ犬猫は誤飲をしてしまうのでしょうか?
誤飲を防ぐためにもその原因を理解し、予防策をしっかりたてることが大切です。
この項では、
- ペットの誤飲の原因
- 誤飲をしてしまうと危険が高いもの
- 誤飲の予防法
について、現役動物病院獣医の経験から飼い主さんが遭遇しやすいトラブルを中心にお伝えしていきます。
犬や猫の誤飲の原因はどんなものが多い?
では、原因別に誤飲しやすい物の具体例も含めて紹介していきます。
②匂い等に惹かれて食べてしまった
③何でも口に入れてしまう癖がある
④飼い主の気を引くため・驚いた拍子に飲み込む
⑤精神的問題
誤飲をしてしまうと危険が高いものとは?
死亡率が高いとされる異物は、以下のものが挙げられます。
- ひも
- 靴下・タオル等の布類
- 人間の医薬品
犬や猫の誤飲を防ぐにはどうしたら良い?
①拾い食いをさせない・何でも咥えないようにしつけをする
②犬猫の行動範囲は常に整理整頓
③口に何かを咥えているときに騒がない
④人の食べ物を与えない
⑤飼い主が食べさせてはいけない・危険な物を理解する
⑥季節の行事がある日は要注意!
ペットが誤飲しやすいものとは?
これまでペットの誤飲の予防法などを解説してきましたが、ペットが誤飲しやすいものとしてどういったことがあるかを知っておくことも予防として重要です。
ペットが誤飲した事例としてあげられるのは以下のものが多くあります。
- 犬や子どものおもちゃ
- ヘアゴムやヘアピン
- ボタンやビニール
- 電池
- 乾燥剤
- 人間のタバコや薬
見てわかるように、小さくて口に入れやすいものが誤飲しやすくなっています。
消化することができず、腸閉塞や窒息を引き起こすことがあるため特にこういったものはペットから離して置くようにしましょう。
補足:誤飲をしても自然と出ることがある?
犬や猫が誤飲をしてしまっても、うんちとして自然に排泄されることもあります。
少量の綿や小さなボタンといった、身体に対して小さなものであれば身体に大きな影響が出にくいでしょう。
お医者さんと相談して、様子を見ても良いかもしれません。
その際はうんちをしっかり確認して、誤飲したものが排泄されたかどうか見るようにしましょう。出てこない場合は開腹手術となる場合もあります。
しかし針やピンのように小さなものでも胃や食道を突き刺すものは大変危険ですので、誤飲には十分注意が必要です。
人間の食べものでも誤飲すると危険なものが多い!
「美味しい食べものはペットにも分けてあげたい」と思う飼い主さんは多いはずです。
しかし、私たち人間の食べものの中には、ペットにとって有害であるものが紛れています。
さらに困ったことに、ペットの健康を害す食材は意外にも多いのです。
それでは、どんな食べものが危険なのか、
- 犬が食べると危険な食べもの
- 猫が食べると危険な食べもの
犬が食べると危険な食べもの
犬が食べると危険なものと症状について紹介します。
食べもの | 症状 |
---|---|
アボカド | 下痢・嘔吐などの中毒症状 |
アルコール | 意識混濁など |
うに | 腎臓への大きな負担 |
コーヒー | 下痢・嘔吐などの中毒症状 |
チョコレート | 痙攣・昏睡状態など |
玉ねぎ・長ネギ | 下痢・嘔吐・呼吸困難など |
ニラ・にんにく | 下痢・嘔吐・貧血 |
ぶどう | 急性腎不全 |
マカダミアナッツ | 下痢・嘔吐などの中毒症状 |
猫が食べると危険な食べもの
猫が食べると危険なものと症状について紹介します。
以下の表をご確認ください。
ペットが異物を食べた!異物誤飲の症状や対処法を解説!
ペットが異物を食べたときの症状や対処法を知っておくことで、もしもの時も慌てずに対応することができます。
また、誤飲した時に知っておきたい疑問点や動物病院での治療法についてもご紹介するので誤飲した時のために備えましょう!
ここでは、
- ペットが誤飲した時の症状と対処法
- 誤飲は無症状であることも多い!
- 誤飲したものを飼い主が吐かせても大丈夫?
- 動物病院での誤飲の処置はどんなものがあるの?
- 補足:犬や猫の誤飲が引き起こす腸閉塞とは何?
以上のことについて詳しく解説します。
ペットが誤飲した時の症状と対処法は?
異物を誤飲してしまったときの症状・対処法を解説していきます。
症状
<共通してみられる症状>
- 下痢・嘔吐・血便などの消化器症状
- 食欲・元気の低下
- 貧血・血尿:玉ねぎ中毒、アセトアミノフェン中毒など
- 低血糖による神経症状:キシリトール中毒
- 興奮・失神・不整脈:チョコレート中毒など
- 血液凝固障害:殺鼠剤など
- 様子を見て大丈夫なものなのか
- レントゲンを撮ることで、どのように映ってくるか
- どんな成分がどのくらい入っているか
誤飲は無症状であることも多い!
実は、誤飲後に先述したような症状が全くないケースも散見されます。
飲み込んだ直後や無害なものを誤飲した場合には、無症状で普段と変わらず元気な様子を見せるペットが多いのです。
数日後にそのまま便と一緒に出てくることもあり、ほっと胸をなでおろす飼い主さんがたくさんいらっしゃいます。
しかし無症状だとしても、誤飲はペットの命に関わる事故です。
誤飲をした時には何を食べたのかをしっかりと確認し、必ずかかりつけ医の指示を仰ぐようにしましょう。
また、実際には誤飲をしていないという可能性もあります。
誤飲を疑い来院したものの、レントゲンや内視鏡検査で異物が認められないことも珍しくはないのです。
誤飲をしたのか不確かな場合には一度部屋全体を見渡し、食べたと思ったものが落ちていないかを確認してみてください。
誤飲したものを飼い主が吐かせても大丈夫?
ネットには犬猫が誤飲をしたときの応急処置というものも紹介されていますが、基本的に飼い主の自己判断で吐かせるのはやめてください。
間違った処置で胃や食道に炎症が起こってしまったり、吐かせない方がいい物質もあります。
「数日前に少量のネギを食べた。飼い主さんの判断で消毒用オキシドールを飲ませて吐かせたら、ネギは吐いたがその後もずっと吐き続けて元気がない」というトイプードルが来院したことがありました。
オキシドールは「胃をわざと荒れさせる」ことで吐かせます。
昔は動物病院でも行われていましたが、現在では胃へのダメージが強すぎることから推奨されていません。
また、その子の体格や摂取量によっては、吐かせなくていい場合もあります。
そのような判断を飼い主さんが行うのは難しいと思いますので、まずは動物病院に相談をしてください。
今は夜間救急病院もありますので、動物病院が閉まっていて相談できないということも少ないと思います。
動物病院での誤飲の処置はどんなものがあるの?
動物病院で誤飲をした場合の処置を紹介します。
①催吐処置
注射薬を使って吐かせるのですが、吐かせる為に開発された薬というものはありません。特定のお薬の副作用で吐かせます。
だいたい注射して5~10分以内に吐きます。
ただし、食べたものが胃の中にある時にしか使用できないため目安としては、誤飲して2~3時間以内くらいまでが対象です。
誤飲に対して最も行われることが多い処置です。
②点滴・肝薬の投与
中毒を起こすような物を誤飲してしまい、時間が経ってすでに体に吸収されてしまっている場合は点滴を行います。
また、毒物を代謝する主な臓器は肝臓なのでその働きを助けるために肝薬を投与します。
③活性炭の投与
まだ胃内に中毒物質が残っている場合は、活性炭を飲ませて中毒物質を吸着させ、体外に排泄させるようにします。
④内視鏡
催吐処置を行ってもでてこない・吐かせると途中で引っかかったり、消化管を傷つける可能性がある場合は内視鏡を口から入れて摘出します。
メリットとしては、開腹手術より動物の負担がすくないことです。
しかし、内視鏡が届くのは食道~十二指腸の手前までなのでそれより奥に異物がある場合は適応外です。
また、形状によっては内視鏡でつかむことができないこともあるので、そのような場合は開腹手術になります。
処置には全身麻酔が必要です。
⑤開腹手術
内視鏡が適応外の場合は、お腹を開けて胃や腸を切開して異物をとりだす手術を行います。
なるべく私たち獣医師も動物の負担が少なくなるように開腹手術は避けたいですが、時間が経ちすぎていたり、尖ったもの・長いもの・大きいものを食べてしまうと開腹手術を選択せざるを得ないことが多いです。
補足:犬や猫の誤飲が引き起こす腸閉塞とは何?
腸閉塞とは異物などの物理的障害により腸が詰まってしまうことです。
この状態になると消化物が腸を通過することができず、渋滞が起こり消化管の動きが止まってしまいます。
症状として最もでるのは嘔吐です。消化した物が閉塞部位より先に進むことができず、便として出てこないので逆流してきてしまうイメージです。
完全に閉塞してしまうと1日10回以上吐いてしまう場合もあります。想像するだけでかなり辛いですよね。
下痢・便秘・食欲不振・元気喪失などもみられます。
腸閉塞が起きた場合は開腹手術になります。腸の一部を切開して異物をとりだします。
閉塞期間が長いとその部分の腸がもろくなってしまうので、腸を一部切除しなければいけないこともあります。
誤飲しやすい犬種・猫種がある?
誤飲と密接な関係にある消化器系の病気は約7頭に1頭が患っています。
消化器系の病気が多い犬種としてはスパニエルやフレンチ・ブルドッグ、ヨークシャテリアなどがあります。
また、消化器系の病気になりやすい年齢としては1歳未満が最も多くなっています。環境が変わることや身体が未発達なことがなりやすい理由として考えられます。
子犬や子猫の時期は好奇心が旺盛であるため、誤飲・誤食することも多くなっています。
好奇心が旺盛な犬種として、
などがあります。
また好奇心が旺盛な猫は、
- ラグドール
- バーニーズマウンテンドッグ
などが挙げられます。
これらの種類は活発で社交的な面がある子も多く元気ある姿が可愛らしいですが、何にでも興味を持つため誤飲や誤食に特に注意が必要です。
MOFFMEでできる、ペット保険の無料相談がおすすめ!
近年加入者が増えていっているペット保険ですが、それでも現在の加入率はペットを飼っている方のおよそ10%程度にしかなりません。
ペットの治療費は全額自己負担となりますので、突然の病気による手術等で数十万円といった高額な費用がいきなり請求されてしまうことも珍しくありません。
しかし大切なペットには最適な治療を余裕を持って受けさせてあげたいですよね。
もしもの時、治療費の負担を少しでも軽減し飼い主やペットが治療に専念できるように、前もってペット保険に加入しておくことをおすすめします。
MOFFMEでは「どんな保険に加入すれば良いか分からない」・「入りたい保険がいくつかあるけど、どれが一番良いのか悩む」といった方のために、ペット保険の一括比較を行っております。
ペット保険への加入を検討されている方はぜひ利用してみてください!
まとめ:犬や猫の誤飲の治療はペット保険で補償可能
いかがだったでしょうか?今回の記事でお伝えしたかったことは
- 誤飲に対してペット保険は適用されることがほとんど
- 手術になってしまうと高額な治療費がかかることも
- 飼い主が誤飲させないような環境を作るように心がける
- 誤飲してしまった場合、「何を・いつ・どのくらい」食べたかが重要
です。
誤飲は身近に起こるトラブルであり、場合によっては命にかかわることもあります。飼い主さんが気を付けることが一番の予防策です。
誤飲・誤食は治療費が高額になりがちですので、万が一の事態にも対応できるようにペット保険に加入しておくと安心です。
MOFFMEでは、この記事の他にも役に立つ記事を多数掲載していますので、是非ご覧ください。