猫が寝る際に白目をむくのは大丈夫なのでしょうか?睡眠中に片目から白目が見えるのは可愛いですが、目の病気だったら心配ですよね。また白目(瞬膜)の役割は何でしょうか。この記事では猫の白目について、役割や特徴、ものもらい等の気をつけたい目の病気を詳しく解説します。
この記事の目次
目次を閉じる猫が白目をむいて寝るのは大丈夫?気をつけたい病気も解説!
猫が白目を剝きながら寝ているのを見たことはありませんか?面白い表情になりついつい写真に撮ったり、中には心配になって、寝ているを所を起こしたりする飼い主さんもいるのではないでしょうか。
気持ち良さそうに寝ている猫ですが、白目を剥いている状態はこのまま放置しても良いのでしょうか?もしかして、病気が潜んでいるのでは?
そんな疑問から、今回「MOFFME」では
- 白目の役割とは
- 瞬膜の特徴
- 猫と人間の目の違い
- 白目で分かる危険な猫の病気
猫の白目が見えるのは大丈夫?そもそも猫の白目の役割とは
愛猫の瞳と自分の目をよく観察してみて下さい。人と猫の目には、ある部分に違いがあることが分かります。
それは、人間の目は正面から見ると白目があるのに対し、猫は真正面から見ても白目の部分を見ることが出来ません。実は猫の白目は、瞳を動かす事により現れてきます。
では、なぜ白目の部分がいつもは見えないのか。
そんな疑問にお答えするべく、ここからの内容は
- 正面からはどうして白目が見えないのか
- 白目、瞬膜の特徴
- 瞬膜はなぜ必要なのか
- 人と猫の目の違い
猫の睡眠中に白目が見えても大丈夫!なぜいつもは見えないの?
猫の寝顔を可愛くて癒されますが、たまにふと見ると、白目を剥いて寝ている事はありませんか?驚いて起こしてしまったりしますが、寝ている時に白目を剥いていても特に問題はありません。
猫の瞼は驚くことに、3つ存在しています。眠っている時に目視できる部分は瞬膜と呼ばれ、3つ目の瞼です。
普段は、瞼の下に隠れているため、あまり見ることが出来ません。どうして瞬膜を隠さなければいけないかというと、白い部分を隠すことで、敵に目の動きや自分の位置を察知されない様にしています。
また、猫は夜行性で真っ暗な中行動しています。瞳孔部分が大きければその分光を吸収できるため、必要でない時には隠れています。
そもそも猫の白目とは?瞬膜(第三眼瞼)の特徴を解説!
白目とは瞬膜は別のもので、中心にある瞳の外側に隠れるように存在しています。起きている時にそっと顎に手を添え、反対の手で頭を撫でる様に優しく軽い力で瞼を動かすと見えてきます。
猫には瞼が3つ存在します。上瞼・下瞼そして瞬膜です。瞬膜とは薄い白い膜の事で目頭から目尻にかけて存在しています。寝起きや眠たい時などに、目頭からニュンと出てきます。
また3つ目の瞼という意味で第三眼瞼(だいさんがんけん)とも呼ばれます。瞳と瞬膜は連動しているため、瞬膜だけを動かす事は難しいとされています。
眠っている時に見えていたのは、瞬膜が閉じていた部分でそれが白目を剥いている様に見えていたんです。
では、どうして瞬膜が必要なのか詳しく見ていきましょう。
猫の瞬膜の役割とは?感染症や異物を防ぐ役割がある!
瞳を外的要因から守るために存在します。
- 乾燥から守る
猫をよく観察してみると、余り瞬きをしません。人間は瞬きしないと目がシバシバしてきますよね。
そんな時、瞬膜があることにより目の乾燥を防ぐことが出来るんです。
瞬膜線という部分から、なんと涙の約30%から40%を生産して、瞳の潤いをキープしています。
- 異物から守る
人間のように、上下にまつ毛は生えていません。瞬膜が存在しなければ、異物が簡単に入ってきてしまい、角膜に傷がつく恐れがあります。異物による傷を最低限にしたり、外に排出する働きもします。
- 感染症から守る
目には様々な菌が潜んでいます。健康な時であれば平気な菌でも、免疫が弱れば感染症に罹ってしまう場合もあります。点眼薬のような役割を果たしてくれるため、感染症から目を守ることが可能となります。
瞬膜は、瞬きをすることで瞳が乾いてしまうのを防いだり、異物から瞳をガードしたりと目には欠かせない存在なんですね。
補足:猫と人間の目にはどんな違いがある?
猫と人間の目の造りは、ほとんどが同じです。違う部分は上記で説明した瞬膜があるかどうかです。では他には一体どんな違いがあるのでしょうか。
1つめは視力です。猫は俊敏に動くためにも、動体視力が優れています。しかし逆に動いていない物にはピントが合いづらく、見えにくくなっています。
視力は静止している時で0.1~0.2程度で、人間であれば眼鏡やコンタクトが必須になるくらいの視力ですね。
猫の視力についてもっとよく知りたい方は、以下の記事をご覧ください!
2つめは、色覚です。色覚とは色の見え方の感覚で、人や猫は色を感じる錐状体という細胞を持っています。
しかし、猫には錐状体が少なく色を感じ取ることが苦手です。グレーや赤色などは感じ取ることが出来ません。人間とは見える世界が少し違っているようです。
猫の白目から病気を判断できる?要注意な3つのポイントを紹介!
瞬膜は普段はあまり見ることはないとお伝えしましたが、体調に異変がある場合には表に現れます。
また、目を気にして前足で顔を洗うような仕草を頻繁にする事もあります。特に注意すべき瞬膜の異常を下記にまとめました。
- 濁りがあったり、赤い色をしている
- 瞼の中に戻りづらい
- 出たままになっている
①:瞬膜の色が赤い・濁りがある、血管が充血している
なんの異常もない時には、薄く白っぽい色をしています。しかし、赤みがあったり・濁り・充血が起こっている場合は、炎症が発生しているということです。
傷が出来たり、ウイルスや細菌に感染したり、アレルギーなどで炎症を起こします。その結果、結膜炎・角膜炎・角膜腫瘍などの疾患が現れます。
また、緑内障でも充血を起こす場合があります。
充血とは、普段は白く目には見えない血管に、何らかの理由で増えた血液が流れ込む状態です。
②:瞬膜が瞼の中に戻らない・戻りづらい
瞼の中に戻らなかったり・戻りにくい時には瞬膜の形を保つ軟骨に異常をきたしている可能性があります。軟骨の異常の他、外傷により、腫れている場合にも戻りづらくなります。
また、ストレスがきっかけとなり戻りづらくなっている場合も考えられます。ストレスで瞬膜が出でしまっている時には両目に現れます。
悪化する前に動物病院を受診し、どのくらいの時期から戻りづらくなったかなどを、獣医師に伝える様にしましょう。
③:瞬膜が戻らずに出てるままになっている
瞬膜線という場所に炎症を起こしている可能性がある時は、出たままになったり、瞳の半分以上を覆ってしまっていることがあります。他にも、目や目の周辺に悪さをする腫瘍が出来ている可能性が考えられます。
また、神経系の異常や風邪などで脱水状態になっている場合もあります。神経に異常が確認できる時には、一直線に歩行する事が困難になったり、キャットタワーなどに飛び乗ったりしなくなります。
原因によっては、片目だけではなく両目共に戻らない場合があります。
猫の白目の異常から分かる病気とは?原因や治療法・治療費を解説
健康な猫には、白目に異常は起きません。白目の異常は、健康のバロメーターでもあります。
異常がでる際は、目以外の部分にも病が隠れている可能性があります。猫は動物病院を受診するだけでもストレスになります。
そんな猫の負担を減らすためにも、重症化する前に異常を見つけることが出来れば良いですね。
ここからは
- 結膜炎
- 角膜炎
- チェリーアイ
- ホルネル症候群
①:結膜炎
結膜炎の症状は、充血や涙がポロポロでたり、目が浮腫み開け辛そうにしているなど、外部から見て直ぐに分かる異常が現れます。主に、異物が入り引き起こされる場合と、ウイルス感染とがあります。
- 異物 埃や毛などが瞳に入り刺激し炎症を起こします。
- ウイルス レオウイルスやヘルペスウイルス・マイコプラズマなどがあります。特に猫ヘルペスウイルスは重度の結膜炎になりやすく、充血などの目の異常の他にくしゃみや鼻水が出たり、発熱などの症状も現れます。
治療法は炎症を抑える目薬の処方や、軟膏の塗り薬が処方される場合もあります。症状により複数の目薬が処方されることもあります。また、猫ヘルペスウイルスの様に、目以外の部分に症状が現れている場合には、その症状に合わせ点滴などの治療が行われます。
治療費は、状態や処方内容によって変わってきますが、3,000円~5,000円程となります。
結膜炎はどの猫にも罹りやすい疾患ですが、特に子猫はウイルス感染が多いとされています。
②:角膜炎
角膜炎の症状には、目の表面が白くなっていたり、目やにが出たりなどです。猫ヘルペスウイルス(猫ヘルペスウイルスⅠ型)との関わりが深いとされており、角膜炎と同時に結膜炎や鼻水が出るなどの症状が現れます。他にも角膜黒色懐死症や好酸球性角結膜炎があります。
- 猫ヘルペスウイルス性角膜炎 涙が出る、目が開きにくいなどの症状がでます。
- 角膜黒色懐死症 黒目を覆っている部分に、黒色の斑点が現れます。
- 好酸球性角結膜炎 猫特有の疾患で、血管新生や充血などが起こります。
主な治療法は、抗生剤の目薬が処方されます。ウイルスがきっかけで発症した場合には、内服薬が処方される場合もあります。
治療費は5,000円~10,000円程となります。
角膜炎の詳しい情報は以下の記事をご覧ください。
③:チェリーアイ
第三眼瞼線逸脱とも呼ばれます。瞬膜線が裏返ってしまい、瞬膜が赤く腫れた状態になります。赤く腫れた患部が、さくらんぼに似ているため、チェリーアイと呼ばれます。
主な原因は炎症や傷、遺伝が関係する場合もあります。
- 炎症や傷 なにかの拍子で引っかいたりし、そこから雑菌が入り炎症を起こします。
- 遺伝 遺伝が関係する場合には1歳以下に多いとされていて、第三眼瞼線が生まれつき欠損している場合などがあります。
治療法は裏返ってしまった瞬膜を元の状態へと戻します。そのまま治るケースもありますが、何度も再発してしまうケースもあります。その場合には瞬膜線を手術で固定してしまう方法があります。
費用は、検査・手術・薬代などを含めると30,000円~50,000円が目安となります。しかし、入院日数や病院の治療方法でも金額は異なってきます。
もっとよく知りたい方は以下の記事を参考にして下さい。
④:ホルネル症候群
ホルネル症候群とは、目の神経に障害が起こり、様々な症状が片側の目にだけ現れます。瞳が小さくなる・瞬膜が出てきている・上瞼が垂れている・眼球が後ろへ落ち込んでいる、この4つが当てはまる場合にホルネル症候群と診断されます。
発症の原因は、脳から目に繋がっている交感神経の一部に異常が起きるためです。交感神経の経路は、脳→脊椎→胸→脊椎→首の頸動脈→頭→頭蓋骨→目となっています。
- 中耳炎 細菌などで中耳に炎症や化膿している部分が見られます。
- 椎間板ヘルニア 椎間板が圧迫されて炎症を起こし痛みが出ます。
- 外傷 転落や交通事故などにより、頭部などに強い衝撃が加わります。
その他の原因には、神経経路のどこかに腫瘍がある場合にも発症します。
神経の異常が起こった場所により、足や顔などに麻痺が現れることもあります。
治療法は明らかな原因がない時には経過観察となります。3ヶ月~4ヶ月程で自然に症状が治まる場合があります。原因が分かっている時には、根本になっている疾患の治療を行います。
治療費は、原因により大きく変わってきます。例えば中耳炎であれば15,000円~20,000円程ですが、悪性の腫瘍があった場合にはかなり高額となります。
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まとめ:猫の白目が見えるのは大丈夫?
猫の白目や瞬膜に隠された病気について説明してきました。猫の目からでも健康状態が分かるとは驚きました。
今回の内容は以下となります。
- 寝ている時に白目を剥いていても大丈夫
- 白目だと思っていた部分は瞬膜と呼ばれる3つ目の瞼だった
- 瞬膜は猫の瞳を守る重要な役割を担っていた
- 瞬膜が充血をしていたり、戻らなくなった場合には病気が潜んでいる