ビー玉のように大きく、きれいな目が特徴の猫ですが、視力は良いのでしょうか?猫は止まっているものや遠くを見るのが苦手で、0.1~0.2程度と言われています。この記事では、人間と比較した猫の視力や、猫の視力の良い点・悪い点などの特徴、猫の視力が下がってしまう原因などを紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる猫の視力について解説
記事モデル:おこめ(ぽてち、こゆき)
猫の目は大きく、目が合うとつい見とれてしまいますがその目にはどんな風に景色が映っているのでしょうか。
猫は夜目が効く生き物して知られていますが、実はあまり目の実態について知られていません。
今回「MOFFME」では、
- 猫の視力について
- 猫の目の仕組みについて
- 猫がどれくらいまで離れているものが見えるか
- 猫の目が認識できる色について
- 猫の視力の低下について
- 低下した視力の回復について
- 視力が下がってしまう目の病気について
- 猫の視力を測定する方法について
以上の内容について解説します。猫は、視力以外にも聴覚などほかの感覚も使いながら物を見ているので、なかなか目の変化に気づきにくいということがあります。
この記事を読むことで、猫の目の特性を知ることができます。特性を知ることで、目に関するトラブルを避けることができるかもしれません。
また、MOFFMEではペット保険のランキングについても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。
猫の視力は良いのか悪いのか?
猫は目の前に小動物が現れれば俊敏に動きますし、真っ暗な中でも迷うことなく歩き回ることができますが、実際に目は良いのか悪いのか、はたしてどちらなのでしょうか。
ここでは、
- 猫が見えやすい物と見えにくい物の違いについて
- 猫の目はタペタムの影響で暗闇でもスムーズな行動ができる
- 猫は赤い色を認識できない
- 子猫の目が青い色をしているのはメラニン色素が少ないため
といった内容について詳しく解説します。これらの内容を把握することでネコの目の仕組みが分かり、目の特徴について理解が深まることでしょう。
猫は動体視力が高く静止視力が低い
おもちゃで猫と遊んでいると、獲物を逃すまいと動くおもちゃを一生懸命に追ってくれて、その動きは飼い主として微笑ましい姿です。
ですが、猫はどうして動くものに対して俊敏に動けるのでしょうか。それは、生きていく過程で動体視力に優れた特徴を手に入れたようです。
古来から狩猟動物として小動物を狩るという習慣を行っており、結果として動きに反応する神経細胞が発達させることとなりました。
優れた神経細胞は現在も受け継がれており、動くものを見るとピントが合いやすくなっていて、そのため動くものに対して俊敏に対応できるようになっています。
猫は動体視力は優れていますが目の構造上、静止視力が低くなっており動いていないものは見逃してしまうという特徴があります。
猫は暗闇の中でも行動可能
人は夜道などでは物が認識できなくなり身動きが取れなくなってしまいます。人が暗い中で苦労してしまうのに対して、猫は難なく真っ暗な中でも昼間と同じように歩き回ることができます。
では、人と猫の目にはどんな違いがあるのでしょうか。
猫の目には人の目にないタペタムというという膜が網膜の外側にあります。
タペタムとは反射板のような役割を果たすもので、ほんの少しの光でも反射して増幅させます。
暗闇の中で猫を見かけると目が光るのはタペタムが備わっているためで、そういったこともあり真っ暗な中でも物にぶつかることなくスムーズに歩き回る事ができるという訳です。
ちなみに、タペタムが備わっているのは猫だけでなく、犬や牛などの目にもタペタムは備わっています。
猫は赤色を認識できない
猫は赤色を認識できないということをご存じでしょうか。猫の目には、人の目と同じように錐体細胞という色を認識する細胞があります。
人の場合、その細胞では赤・青・緑が認識できるのでカラフルな世界を認識することが可能です。
しかし、猫の目に備わっている錐体細胞は青・黄が認識ができるようになっていますが、赤を認識することができません。
ですので、猫の目には、青と黄、もしくはその2色が混じっている状態を感じ取ることができます。
猫が赤を認識できなくて困っているのか心配になりますが、青と黄しか認識できないのは進化する過程で色彩がさほど生きていくために重要な要素ではなかったためです。
対して、人は食べ物を識別するために錐体細胞が3色認識できるように進化したと考えられています。
参考:子猫の目が青い理由
子猫は成猫と違い猫種を問わず青い色の目をしています。それは、生まれて間もない時期は虹彩に定着するメラニン色素が少ないためです。
生後2か月を過ぎると虹彩のメラニン色素が定着し始め、猫種によって目の色が変化を見せるようになります。
ちなみに、成猫の目の色が猫種によって違うのは、それぞれの虹彩に定着しているメラニン色素の量が猫種によって違うということが原因としてあげられます。
ですので、将来どんな目の色になるかを知りたい場合は、同じ猫種の成猫の目の色を調べてみましょう(同じ親猫から生まれても目の色が異なる場合やオッドアイになる場合もあります)。
猫の視力は人間でいうとどのくらい?
猫の目が人とは違う特徴を持っていることを解説してきました。それでは、視力は人に例えるとどのくらいになるのでしょうか。
ここでは、
- 猫の視力は0.1~0.2程度である
- 猫は遠い物よりも近い物を見る方が得意
- 猫は人間よりも動体視力が優れている
といった内容について詳しく説明していきます。猫は決して視力が良いわけではありませんが、人が及ばないような目の良さがあります。
人と比較することで、猫の目の優れている点などを知ることができるといえるでしょう。
猫の視力は0.1~0.2程度
猫の視力は人間に例えると0.1~0.2程度です。ですので、猫が見ている景色は想像以上にぼやけて見えるといえるでしょう。
猫が狩りをすることを考えると、この数値は低いように感じられますが、これはあくまで静止視力を表す数値であって、動体視力は考慮されていません。
したがって、物を見る数値は人間に置き換えると低く思えますが、猫は動くものに対してピントを合わせる能力に優れているため、視力が低くても狩りに支障をきたすことはありません。
猫は近い距離のものを見るのが得意
人間に比べて動いてる物がよく見える
ここでは、動体視力について分かりやすく解説します。
動体視力をアニメーションのコマ数に例えると、人は1秒当たり60個が限界だとすると猫は数百個認識することが可能で、人が見逃しているコマも猫はしっかりと認識することができるということになります。
もし、猫が認識している視界を体験したいのであれば、デジカメなどでパソコンやテレビ画面をシャッター速度を上げて撮影してみましょう。
そうすると、撮影した画面に縦縞が映ります。これはフリッカーという現象で人には連続して光っているように見えて、実は光が点滅しているということが分かります。
このように猫は動体視力に優れていますが、実は日常でよく使用されている蛍光灯も点滅して光っているので、この強い光を目に直接当てるのは危険です。
蛍光灯は目に近づけなくても猫からするとチカチカして見えるため、あまり落ち着かないことから控えた方がよいといわれています。
LEDは猫の目に問題ないとよく言われていますが、LEDも点滅して光っています。いずれにしても、強い光は猫の目によくないので気をつけるようにしてあげましょう。
猫の視力も低下することがある?
猫は動体視力が優れている生き物ですが、人間のように視力が落ちることがあるのでしょうか。実は、猫でも老化や高血圧症のような病気で視力が低下したり、場合によっては失明してしまうこともあるのです。
ここでは、
- 猫は病気や老化で視力が低下したり失明することがある
- 視力が低下する病気について
- 猫の目の状態を確認する方法について
といった内容について解説していきます。猫の視力の変化や失明となる原因を理解したりチェックする方法を知ることで、視力の低下を食い止めたり失明を防止することにも繋がることでしょう。
腎臓病や老化が原因で視力低下や失明することがある
猫の視力が落ちたり失明してしまう原因になる物はいくつかありますが、主な原因としてしては老化、高血圧症、ケガがあげられます。
猫も人間と同じように年を取ると体の機能が衰えていきますが、それは目も該当します。視力の衰えは加齢によってもたらされ、避けて通れないことです。
猫が慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症などにかかると、この病気が元となり高血圧症を引き起こすことがあります。
高血圧症が悪化すると網膜剝離になってしまい、その場合視力低下に留まらず失明してしまう可能性があります。
ケガに関しては、猫同士の喧嘩や物に目がぶつかって傷つけてしまうなどといったケースが上げられますが、いずれにしても目が傷つくと視力が落ちたり失明に至ってしまうので注意するようにしましょう。
視力が下がってしまう目の病気を紹介!ペット保険とは
ぶどう膜に傷がついたり、猫免疫不全ウイルス感染症などの感染症にかかったりすることで起こるぶどう膜炎も、視力が下がる病気の一つです。
また緑内障と白内障も猫の視力を下げる病気です。
緑内障は眼圧(目の中の圧力)が高くなることで、視力の低下や失明を引き起こす病気です。
白内障は目の中にある水晶体が一部もしくは全体が白く濁ってしまう病気です。
白内障を引き起こす原因としては先天性の場合や糖尿病など他の病気によって併発するということがあります。
このように猫の目に影響を与える目の病気は様々です。治療が遅くなると失明してしまうかもしれないので、これらの病気が疑われる場合は直ぐに動物病院へ連れて行きましょう。
一度、病気になると何度か動物病院に通院する必要があります。その場合、猫の治療費は全額自己負担であることから、自己負担額は人間より高くなることもあります(白内障手術であれば片目で30万円程度)。
万が一に備えてペット保険に加入しておくと、金銭的な負担を減らすことができます。MOFFMEでは、猫のペット保険に関する記事を多く取り扱っているのでぜひ参考にしてみてください。
参考:場合によっては失明から回復することもある
猫が失明してしまっても、場合によっては回復することもあります。例えば、白内障は手術によって視力が回復することがあります。
とはいえ目の状態を回復するために行えるためには、ある程度条件が限られているので、失明した場合の回復はかなり難しいと考えた方が賢明です。
まずは、猫の視力が落ちていることを感じ取ったら動物病院に連れて行き診察を受けるようにしましょう。
早期に治療を行うことによって治療期間が短く済んだり、病気の進行を遅らせたりすることができます。
参考:猫の目を観察して健康や視力を確認しよう
猫の視力が低下しているかどうか判断するのは難しいといえます。ですが、健康状態や視力が変化していないか判断するためには、小まめに猫の目を観察するようにしましょう。
例えば、瞳孔の大きさが左右違っている場合は、進行性網膜萎縮や中耳炎など様々な病気の可能性が考えられるといえます。
一例ではありますが、このように目を観察することで猫の体調管理もできますし、さらに
視力が落ちていないか知ることもできます。
視力が低下しているか確認する方法としては、音のしないような物を目の前で動かしてみるという方法があります。また、行動の変化(高い所から降りられなくなった、音に敏感になったなど)から視力の低下を確認する方法もおすすめです。
猫は物の動きを聴覚で確認していることがあるので、音を立てないで物を落として目で追うかどうかで判断するようにしましょう。
猫の視力についてのまとめ
猫の視力について解説しましたが、いかがだったでしょうか。この記事を読むことで、人の目と違った特徴を持っているということが理解できます。
記事を要約しますと、
- 猫の目は水晶体や角膜の部分が発達しているため近く物が見えやすい
- 猫の目にはタペタムがあるため、暗闇の中でも歩ける
- 猫の目は静止視力は低く動体視力が優れている
- 猫は赤色が認識できない
- 子猫は虹彩にメラニン色素が定着していないので青い目をしている
- 生後2か月くらいからメラニン色素が定着し猫種によって目の色が変化する
- 猫の視力は人間に例えると0.1~0.2くらい
- 猫が視力を低下させたり失明する原因としては老化・病気・ケガなどがある
- 失明や視力が低下しても手術などで回復する場合もある
- 猫の目を観察することによって健康や視力の状態を把握できる
といった内容になります。猫は聴覚やひげから伝わる情報などいろいろなもので物を見る力を補っているので、なかなか視力の変化を把握するのは難しいといえます。
ですが、日頃から観察することで見逃しやすい猫の体調や目の状態の変化に気づくことができます。
小まめに猫の目を観察して、視力低下や失明から守ってあげましょう。
MOFFMEでは、このほかにも様々なペットや保険に関する役立つ記事を多数公開しておりますので是非ご覧ください。