猫の夏場の留守番にはエアコンが必須!外出時の室温対策を解説!のサムネイル画像

猫を夏場に留守番させる際の適温は、25度~28度とされています。猫は暑さに比較的強いですが、温度が40度を超えると熱中症を引き起こすため、冷房で室温をネコにとっての適温に保つなどの対策が必要です。こちらでは、夏場の猫の留守番中の熱中症対策を解説していきます。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫を夏場に留守番させる時は、どんな対策が必要か解説!

猫に留守番させるときに、不安に思うことはありますか?


時々お留守番カメラを覗いたりと、日頃から留守番中の猫の様子を気にする方も多いのではないでしょうか。特に夏の暑い時期は、熱中症のリスクが心配ですよね。


そこで今回「MOFFME」では、夏場に外出する際の熱中症対策についてご紹介します。

  • 猫の適温は25度前後!エアコンの設定温度は28度がおすすめ!
  • 猫の熱中症の症状とは?熱中症になってしまったらどうする?
  • 外出中の猫の熱中症対策方法を紹介!
  • 暑さ対策をする際の注意点はこれ!留守番中の扇風機は要注意!
  • 1泊2日で夏場に旅行に行く場合、猫はどこかに預けるべき?
  • 補足:なぜ猫は暑さに強いの?
以上の項目に沿って解説していきますので、ぜひご確認ください。

猫の適温は25度前後!エアコンの設定温度は28度がおすすめ!

体毛の長さや筋肉量の違いから個体差はありますが、猫の適温は25度前後です。そのため、夏場にエアコンを付けるときの設定温度は28度がおすすめです。


猫は比較的暑さに強い動物です。28度は私たち人間にとっては少し暑いと感じる温度ですが、猫にとっては冷えすぎず丁度良いのです。


また、猫に適した湿度は50~60%です。湿度が高いと体温を下げにくく、体調不良の原因になります。気温が低くても湿度が高い日は、クーラーだけでなくドライ機能を上手く利用してください。


室内温度が30度以上になると猫が熱中症になるリスクが高まります。子猫や老猫では30度以下でも熱中症になる可能性があるので、注意しながら快適な温度を保ちましょう。

猫の熱中症の症状とは?熱中症になってしまったらどうする?

どんなに対策をしていても、熱中症になってしまう可能性はゼロではありません


そんなときに、猫の熱中症の症状やその対処方法を知っておくことで、迅速な対応が可能です。


それでは、猫の熱中症について、

  • こんな症状をしていたら、熱中症の可能性あり!
  • 猫が熱中症になった時の対処方法は?
以上の内容を確認していきましょう。

こんな症状をしていたら、熱中症の可能性あり!

夏場暑いとき、人間は汗をかいて体内の熱を逃がすことで体温を下げています。しかし、猫は汗腺がとても少なく汗をかけないので、熱が体内にこもってしまうです。

特に室温が30度以上になってしまった場合は、熱中症になっていないか体調の変化を注意深く観察してください。

猫の熱中症は軽度から重度まであり、それぞれの症状は以下のとおりです。

軽度

  • 食欲低下
  • 元気消失
  • 口や耳の中がいつもよりも赤い
  • パンティングしている
猫は犬とは違ってパンティング(荒い口呼吸)をしにくい動物です。パンティングをしているときは、暑さを感じている可能性があるので注意しましょう。

また、食欲低下や元気消失は夏バテの症状と似ていますが、熱中症の初期症状でもあります。見落とさないよう気を付けてください。

中等度
  • 足元がふらふらしている
  • ぐったりと横たわっている
  • 下痢や嘔吐をしている
熱中症が進むと以上のような症状が出ます。早急に動物病院を受診してください。

重度

  • 痙攣している
  • 意識がない
命の危険があり非常に危険な状態です。一刻も早く動物病院での治療が必要です。

猫が熱中症になった時の対処方法は?

猫に熱中症の症状が見られたら早めに動物病院に行き、適切な処置をしてもらいましょう。また、動物病院への移動中には応急処置を行うことが大切です。


それでは、熱中症になった場合の対処方法をご紹介しましょう。


体温を下げる

熱中症のときには、体温を下げることが重要です。その際は、以下の処置を行いましょう。
  • 涼しい部屋に連れて行く
  • 地肌に水をかけて風をあてる
  • 保冷剤でリンパを冷やす
日陰や涼しい部屋に連れて行き、ペットボトルや霧吹きを使って猫の体に水をかけます。その後うちわなどで風を送ると、気化熱で体温を下げることができるのです。水が苦手な猫の場合は、濡れタオルで全身を包みましょう。

タオルで包んだ保冷剤で脇や首のリンパを冷やすのも効果的です。

水を飲ませる

脱水症状を起こしている可能性があるので、猫の意識があるときは水を飲ませましょう。意識がない場合は、窒息の危険があるので無理に飲ませる必要はありません

外出中の猫の熱中症対策方法を紹介!

季節問わずペットを留守番させる機会は多いですが、夏場の留守番は熱中症になっていないか不安になりますよね。


熱中症のリスクを少しでも減らすため、外出中の熱中症対策をご紹介します。

  • 冷房(クーラー)を付けておく
  • 遮光カーテンや遮熱カーテンを取り付ける
  • 室内の様々な場所に水飲み場を作る
  • 冷却マットや凍らせたペットボトルなどの冷却グッズを使用する
  • ドアを開けて部屋を自由に行き来できるようにする
夏場でも安全に留守番ができるように、以上の対策を行いましょう。

①:冷房(クーラー)を付けておく

暑さに強いと言われる猫ですが、湿度が高い場合や30度以上の室内では熱中症になる可能性があります。そのため、夏場はクーラーを付けておきましょう


クーラーの設定温度は、28度が適切です。猫は寒さに弱く、人間が快適だと思う温度まで下げると冷えすぎてしまうことがあるので注意しましょう。


ただし、被毛の長さや筋肉量など個体差があり、それによって快適に感じる温度が異なります。日頃から猫の様子を観察し、猫にとって適切な温度を設定してください。


また、エアコンなしで扇風機だけを付けても、熱中症対策にはならないので注意が必要です。


扇風機の風は、汗を蒸発させて体温を下げる役割があります。しかし、猫は肉球や鼻にしか汗をかかないため、扇風機の風にあたるだけでは涼しさを感じにくいのです。

②:遮光カーテンや遮熱カーテンを取り付ける

夏場は、直射日光が入ると室内温度が高くなってしまいます。対策として、遮光カーテン遮熱カーテンを取り付け、室温の上昇を防ぎましょう


遮光カーテンは、光を遮り部屋の中を暗くしますが、夏場でも日向ぼっこが好きな猫もいますよね。その場合は、カーテンが閉まっている部屋と開いている部屋の両方を用意しておくと良いでしょう。


一方、遮熱カーテンは熱のみを遮るため、明るさは保たれます。冬場は部屋の暖かさを逃がさない効果もあるため、猫にとって快適な空間を作ることができるでしょう。

③:室内の様々な場所に水飲み場を作る

ペットの猫は常に水が置かれており、いつでも飲める状態にありますが、留守番中は特にその環境を整える工夫が必要です。


猫は祖先が砂漠地帯で暮らしていたことから、水をあまり飲まない特徴があります。そのため、夏場は熱中症を予防するために水を飲んでもらう必要があるのです。


室内の水飲み場を増やすと、飲水量も増えると言われています。猫がよく通る場所を狙って水飲み場を設置しましょう。


また、猫は新鮮な水を好みます。古い水のままだと断固として飲まず、「新しい水が欲しい」と鳴いて訴える猫も多いですよね。


そのような猫のためにも夏場に留守番をする際は、いつでも冷たく新鮮な水が飲める循環タイプの給水器をおすすめします。

④:冷却マットや凍らせたペットボトルなどの冷却グッズを使用する

冷却マット凍らせたペットボトルなど、体を冷やすグッズも置いておきましょう。猫が暑さを感じたときに、自分で調節することができるためとても便利です。


冷却マットは、アルミや大理石、ジェルなど様々な種類があるので、猫が好む素材のものを用意してあげてください。


凍らせたペットボトルは、猫が自分で脚の間に挟んだり枕にしたりと、お腹やリンパを冷やすのに役立ちます。冷やしすぎを防止するために、タオルで巻いておきましょう。


ケージに入れて留守番させる猫の場合は、ケージ内で体温調節ができるように、冷却グッズの他に毛布など体を暖めるものを入れておくと安心です。

⑤:ドアを開けて部屋を自由に行き来できるようにする

留守番中にクーラーが効きすぎて寒い場合や、部屋が暑いときなどに猫が移動できるようドアを開けておきましょう


ドアが閉まっていると逃げ道がなく、部屋が寒い場合は風邪をひいたり、暑い場合は熱中症になりやすくなります。


猫は自分で快適な場所を探すことができます。体温を調節させるためにも、ドアは必ず開けておいてください。勝手に閉まってしまうドアには、ストッパーを付けるなどの対策をすると安心です。


反対に、入ってほしくない部屋はしっかりと閉め、留守番中のイタズラや誤飲を防止しましょう。

暑さ対策をする際の注意点はこれ!留守番中の扇風機は要注意!

クーラーを付けるとき、冷気を循環させるために扇風機やサーキュレーターを併用する方は多いですよね。しかし、猫を留守番させる際は、転倒などの事故に注意しなくてはなりません。


扇風機やサーキュレーターを使用することで起こりうる事故は次のとおりです。


【扇風機が倒れる】

何かの拍子に猫が扇風機を倒す可能性があります。衝撃音に驚いて強いストレスを感じたり、猫が下敷きになってケガをする恐れがあるので気を付けましょう。


【扇風機の羽でケガをする】

猫は動くものに敏感です。そのため、回転する羽が気になり、カバーの隙間から指を入れることも考えられます。羽に触れてしまうと、爪が折れたり指を骨折する可能性があるのでとても危険です。好奇心旺盛な猫の場合は、羽がない扇風機を利用するなどの対策を取りましょう。


【コンセントやコードを噛む】

扇風機は夏場だけ利用する場合が多いため、設置すると興味深く隅々まで観察する猫もいますよね。子猫やイタズラ好きの猫の場合は、コンセントやコードを噛む恐れがあります。特に留守番中は、そのようなイタズラはとても危険なのです。


以上の理由から、留守番中の扇風機の利用は危険が多いことを覚えておきましょう。

1泊2日で夏場に旅行に行く場合、猫はどこかに預けるべき?

仕事の出張や旅行など、1泊2日で外出することもありますよね。その際、猫をどこかに預けるべきなのかと迷うことも多いのではないでしょうか?


実は、健康な成猫の場合は、1泊2日の留守番であれば問題はありません


猫は環境の変化が苦手です。かかりつけの動物病院やペットホテルに預けることで、強いストレスを感じて体調を崩す恐れがあるため、家の方が安心なのです。


ただし、子猫や老猫、体調に不安のある猫を1匹にするのはとても危険です。1泊2日の外出をする際は、ペットシッターや知人にお世話を依頼するなど、不在時にも猫のケアができるように対策しておきましょう。


夏場に健康な成猫を留守番させる際、必要な準備は以下のとおりです。


【エサと水を用意する】

夏場のエサは、傷みにくいドライフードを用意しましょう。1泊2日分の量をいくつかのお皿に分けて部屋に置き、猫が自由に食べられるようにします。しかし、食べ残しに唾液が付くため傷みやすいというデメリットがあります。衛生面に不安がある方は、自動給餌器の利用がおすすめです。


水も同様にいくつかのお皿に分けて置くか、自動給水器を利用しましょう。


【トイレを多めに置く】

猫はキレイ好きな生き物なので、汚れているトイレでは排泄をしないことがあります。その対策として、普段使っているトイレにプラスして新しいトイレを1つ増設しましょう。


また、先に紹介した熱中症対策以外にも、

  • 使わないコンセントを抜く
  • 溺れないようにお風呂の水を抜く
  • 誤飲に繋がるおもちゃなどは隠す
などを注意し、安全な状態で留守番をさせてくださいね。

補足:なぜ猫は暑さに強いの?


猫が暑さに強い秘密は、猫のルーツにあります。

西アジアや北アフリカにリビアヤマネコという猫がいますが、それを家畜化したものが現在の家猫だと考えられています。

西アジアや北アフリカはどちらも砂漠地帯で、気温が高く水が少ない環境です。祖先がそのような過酷な地で生息していたことから、現代の猫も暑さに強いと言われているのです。同様に、猫が水を多く飲まないのも祖先の習性が由来しています。

ちなみに、リビアヤマネコの風貌はキジトラによく似ており、人懐っこい性格をしています。

猫は約9500年前から人間に飼われていたという研究報告もあります。猫と人間は、そんなにも長い時間を共に暮らしているのかと驚きが隠せませんね。

まとめ:夏場に猫を留守番させる際は、冷房を28度で付けよう!

夏の猫の留守番について、熱中症対策や注意点をお伝えしました。

改めてこの記事のポイントをまとめます。

【留守番時の熱中症対策について】
  • 夏場の留守番ではクーラーを28度に設定する
  • カーテンを閉めて直射日光が当たらない対策をする
  • 給水器はいつでも冷たい水が飲める循環タイプがおすすめ
  • 猫が自分で体を冷やせるように冷却グッズを用意する
  • 移動ができるよう部屋のドアを開けておく
  • 健康な成猫であれば、夏場でも1泊2日の留守番が可能
【猫の熱中症について】
  • 室内温度が30度以上になると熱中症になる恐れがあるので注意する
  • 猫が熱中症になった場合は、パンティングや足元のふらつき等の症状が出る
  • 熱中症の症状が見られたら猫の体を冷やし、大至急動物病院を受診する
夏場の留守番は紹介した熱中症対策を徹底することで、猫が安全で快適に過ごすことができるでしょう。

MOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひ参考にしてみて下さい!