犬の鼻腔内腫瘍をご存知ですか?正確な原因は不明ですが、鼻血や痙攣、呼吸困難等の症状を引き起こし、転移・再発することも多いです。治療としては手術や抗がん剤の投与等が行われます。この記事では犬の鼻腔内腫瘍について、原因から症状、治療、予防まで詳しく解説します。
この記事の目次
目次を閉じる犬の鼻腔内腫瘍は完治する?良性と悪性、どちらの腫瘍なのか
犬には鼻腔内腫瘍という病気がありますが、ご存知でしょうか?この病気は鼻腔や副鼻腔の中に腫瘍ができてしまうというものです。
この鼻腔内腫瘍が飼い犬に発生してしまった場合、完治するのか、そして腫瘍が良性なのか悪性なのか気になる飼い主の方も多いのではないでしょうか。
今回の「MOFFME」では、
- 鼻腔内腫瘍の原因や症状について
- 鼻腔内腫瘍の治療法や費用、予防法について
- 鼻腔内腫瘍のかかりやすい犬種や年齢、性別について
- 鼻腔内腫瘍が発生した際の完治の有無や余命について
といった内容で犬の鼻腔内腫瘍について解説します。この病気は鼻腔内に腫瘍ができるので完全に取り除くといった完治が困難だといえるでしょう。
しかし、症状などを知ることで病気の早期発見に繋がり、治療法への知識があれば、どんな治療法を選択したら良いかという判断が付きやすくなります。
万が一の事態を想定して鼻腔内腫瘍のことを理解しておきましょう。
またMOFFMEでは、ペット保険のランキングについても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。
犬の鼻腔内腫瘍とは?原因や症状を詳しく解説!
ここでは、鼻腔内腫瘍とはどんな原因によって発生するのか、発生した際の症状について解説致します。
解説する内容は、
- 鼻腔内腫瘍の末期は犬にとって大変苦しい状態になるので、安楽死を最期に選ぶこともある
- 鼻腔内腫瘍の原因は判明していない
- 検査方法としてはレントゲンなどの画像診断と生体検査がある
- 鼻腔内腫瘍の初期症状にはくしゃみなどの鼻炎に似たものがある
- 鼻腔内腫瘍が進行すると顔面変形や痛みで食事が取れないといった症状がある
犬の鼻腔内腫瘍とは?末期だと最期は安楽死のこともあるのか
犬に発生する鼻腔内腫瘍とは、どんな病気なのでしょうか。この病気は鼻の中である鼻腔と、鼻腔から頭側の方にある部分の副鼻腔に腫瘍ができてしまいます。
鼻腔内腫瘍には、腺癌・扁平上皮癌・未分化癌・骨肉腫・軟骨肉腫などいくつか種類がありますが、多くの場合は腺癌が発生することが多いようです。
犬の鼻腔内腫瘍は全腫瘍の1%ほどを占めますが、そのほとんどが悪性の傾向があります。
また、鼻腔内や副鼻腔内といった場所に腫瘍ができるので完全に取り除くことができないということもあり、治療は根治ではなく、QOLの向上などが目的となります。
根治が難しい上に、腫瘍の増大とともに呼吸困難、痙攣などの発作、激しいがん性疼痛などが見られ、末期には犬のことを思って最期に安楽死させる飼い主もいます。
犬の鼻腔内腫瘍の原因は?レントゲン等の検査方法も紹介!
犬の鼻腔内腫瘍の原因については、今のところ判明していないということです。
犬の鼻腔内腫瘍の診断法には、レントゲン検査やCT検査、MRI検査といった画像を用いた検査と、鼻の奥の腫瘍を直接採取する細胞診を行います。
X線検査は麻酔が必要なく、腫瘍とその他の疾患の鑑別を行います。CT検査では鼻腔内腫瘍による骨融解、歯根・歯槽骨の異常などを観察します。最後のMRI検査では骨ではなく、鼻汁、血餅、腫瘤の鑑別を行っていきます。
レントゲン検査、CT検査、MRI検査はそれぞれメリットとデメリットがあるので、検査する際は獣医師と相談して決めると良いでしょう。
鼻腔内腫瘍の痛み、食事を食べない等の症状は?初期症状も解説!
鼻腔内腫瘍は、鼻腔や副鼻腔に腫瘍ができるということもあり、くしゃみ・鼻水・鼻詰まり・鼻血・いびきといった症状がありますが、この症状は鼻炎に似ているため初期の段階で鼻腔内腫瘍と気づかれない場合があります。
そのため、鼻腔内腫瘍に気付かずに腫瘍が増大し、顔面の腫れや眼球の突出といった外貌の変化が現れます。
さらに、痙攣等の発作や腫れ上がる腫瘍の痛みから食事を食べることができなくなる症状を起こすこともあります。
このように、鼻腔内腫瘍は末期になるとかなり痛みを増していく病気で、かかった犬も辛そうですし看病する飼い主としても辛くなってしまい、安楽死を選ぶことも理解できるといえるでしょう。
犬の鼻腔内腫瘍の治療法、治療費、予防法を詳しく紹介!
犬の鼻腔内腫瘍がかかると厄介な病気だということが理解できたかと思います。もし、予防できるのであれば実践して病気を回避したいものです。
ここでは、
- 鼻腔内腫瘍の治療は外科手術・放射線治療・抗がん剤治療などがある
- 費用はCT検査だけでも5万円前後、治療費は100万円以上かかる場合もある
- 予防法としては、タバコの副流煙を避ける等の方法がある
- 異常があれば動物病院を受診する
といった内容を解説していきます。鼻腔内腫瘍の検査や治療費が高額なので驚かれたかと思いますが、この病気は腫瘍ができる病気なので検査や治療に高度な技術を用いるため、また腫瘍疾患の場合は病態の正確な把握がQOLの維持・向上に不可欠なので検査をしっかり行うため高額になってしまうのです。
ここでは、そういった検査費用や治療費が高額になる理由についても取り上げて行きます。そして、予防に繋がる方法についても触れていきます。
鼻腔内腫瘍の外科手術や放射線治療、薬等の治療法、費用を紹介
ここでは、鼻腔内腫瘍の治療法と費用について解説します。がん治療にはステロイドなどで痛みを和らげる薬剤の使用など様々ありますが、鼻腔内腫瘍の治療法に用いる手段としては、外科手術、放射線治療、抗がん剤を用いた化学療法があります。
その中でも効果的なのが放射線治療です。外科手術も腫瘍を体内から排除するという点では効果的なのですが、鼻腔や副鼻腔といった場所に腫瘍ができるのですべてを取り除くことは困難です。
そういったこともあり、この病気に関しては外科手術よりも放射線治療の方が有効な手段といえます。
化学療法は、鼻腔内の腫瘍がリンパ腫であった場合に用いられます。
ただ、この病気はあまり転移することがないので、治療としては放射線治療の方か効果が得られるといえるでしょう。
病気の進行状態によって費用は変わるので目安になってしまいますが、外科手術ですと5万円以上、放射線治療は1回に付き約5万円ですが数回に渡って照射することもあります。
抗がん剤治療は1回に付き2万円以上で、入院する場合はさらに費用が増します。
犬の鼻腔内腫瘍の予防は?異常があれば動物病院へ行こう
非喫煙者よりも喫煙者の方が飼い犬の鼻腔内腫瘍の発生率が高くなる傾向があります。それは、タバコの煙の中に発がん性物質が含まれているためです。
ですので鼻腔内腫瘍を予防したいのであれば、犬のそばでタバコを吸うのは止めるようにしましょう。
ほかには、がんを予防するサプリが販売されているので、犬の食事にサプリを取り入れるとことも良いかもしれません。
ですが、予防していても病気もかかってしまうこともあるので、片側から鼻水や鼻血が出るなど異常を感じたら動物病院に行くようにしましょう。
鼻腔内腫瘍にかかりやすい犬種や年齢、性別はある?
鼻腔内腫瘍にかかりやすい犬種や年齢、性別について解説します。まず、この病気にかかりやすい犬種として上げられるのはシェットランドシープドッグ、シベリアンハスキー、ゴールデンレトリーバーなどの長い鼻先を持った長頭種です。
犬の大きさにも発生の違いが出ており、小型犬よりも中型犬や大型犬の方が鼻腔内腫瘍の発生が多く見られようです。
年齢としては、8歳以上から鼻腔内腫瘍にかかる犬の割合が増えています。性別についてはメスよりもオスの方が、この病気にかかる傾向があるということです。
ですので、長頭型で中型犬や大型犬のオスの犬は、鼻腔内腫瘍にかかりやすいという傾向が見られるので8歳以上になったら、該当する犬種は小まめに体調の変化がないか確認し体調管理に務めるようにしましょう。
もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!
鼻腔内腫瘍は、患部が複雑な場所にあるため早期発見が難しかったり、患部の正確な位置を見つけるための検査に5万円以上の費用がかかります。
さらに治療が始まれば外科手術だけでなく、放射線治療や抗がん剤治療といった回数をこなすような治療を行います。
外科手術だけでもそれなりに出費はありますが、放射線や抗がん剤を使用するがん治療は1回あたりの費用が数万円かかるので、治療費で家計が圧迫されるというリスクがあります。
多額の費用がかかることは辛いですが、もっと辛いのは費用を気にして適切だと思える治療を諦めることです。
ペット保険に加入しておくと、鼻腔内腫瘍のような治療に多額の費用がかかってしまう病気でも、家計の負担を抑えて適切な治療が行えます。
MOFFMEには、ペット保険に関する記事を多く扱っているので加入を検討する際の参考にしてみましょう。
まとめ:犬の鼻腔内腫瘍とは?余命はどのくらいなのか
犬の鼻腔内腫瘍について解説しましたが、いかがだったでしょうか?この病気についてまとめますと、
- 鼻腔内腫瘍は鼻腔や副鼻腔に腫瘍ができる病気
- 病気の原因は判明していない
- 長頭型で中型~大型の8歳以上のオス犬の発生率が高い
- 検査方法にはレントゲン検査などの画像診断と患部を採取する生体検査がある
- 治療方法としては外科手術、放射線治療、抗がん剤治療がある
- 治療費には多額の費用が掛かる
- 鼻水など鼻炎に似た症状がみられる
- 病状が進行すると腫瘍による顔の変形や眼球が圧迫、激痛により食欲不振になる
といった内容について紹介しました。鼻腔内腫瘍は、外見に現れるような症状になっている状態はかなり進行している場合が多いため、初期の段階での病気の発見と初期と治療が難しいという特徴があります。
余命も半年以内ということも多いようです。ですが、治療によっては1年以上生存したという記録も残っています。
ですので、この病気にかかってしまったからといってすぐに亡くならないこともあるので、異変を感じたら直ぐに動物病院に行って対策するようにしましょう。
MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する役立つ記事を公開しておりますのでぜひご覧ください。