犬の胃潰瘍をご存知ですか?慢性腎不全や肝不全、ステロイド等の薬を原因に発症し、嘔吐や出血、食事を食べない等の症状を引き起こします。治療としては原因となった基礎疾患の治療が主に行われます。この記事では犬の胃潰瘍について、原因から症状、治療法まで解説します。
この記事の目次
目次を閉じる犬の胃潰瘍とは?完治する病気なのか
人間が胃潰瘍にかかることは知られていますが、犬も胃潰瘍にかかることをご存知でしょうか?
実は犬も胃潰瘍にかかるのですが、主にかかる原因が人間とは異なります。
今回の「MOFFME」では、
- 犬の胃潰瘍の原因と症状について
- 胃潰瘍の検査方法について
- 胃潰瘍の治療法や治療費について
- 胃潰瘍の予防法について
- 胃潰瘍になりやすい犬種と年齢について
- 胃潰瘍の完治の有無について
といった内容について解説いたします。胃潰瘍にかかると体調が崩れたり、外見でも分かるくらい犬が元気を無くしてしまいます。
その姿を見ているだけでも飼い主としては辛くなりますし、さらに胃潰瘍には他の病気が原因で併発している場合もあります。
そういった点を考慮すると、胃潰瘍は早めに対応するべき病気だといえます。今回の記事の内容を見て、犬の胃潰瘍に早めに対応できるようにしましょう。
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犬の胃潰瘍とは?原因や症状を詳しく解説!
犬の胃潰瘍とはどんな原因が引き金となるのか、また症状はどんなものが出てしまうのか、飼い主としてはとても気になることだと思います。
ここでは、
- 犬の胃潰瘍の原因の大半が薬などや他の病気によるもの
- 犬の胃潰瘍の検査方法には血液検査や内視鏡検査などがある
- 犬の胃潰瘍の症状には嘔吐や出血、食欲不振などがある
といった内容で、胃潰瘍の原因と症状を詳しく解説します。まず、人間と犬では胃潰瘍になる主な原因が違っていたり、どの方法で検査するのかも違っています。
胃潰瘍は人間と犬では病名が同じでも、いろいろと異なる点があるので、犬の胃潰瘍について理解しましょう。
そもそも犬の胃潰瘍とは?血液検査等の検査方法も紹介!
そもそも犬の胃潰瘍とは、どのようにして発症するのでしょうか。犬の胃では食べ物を消化するために強酸性の胃液が分泌されています。
強酸性の胃液が分泌されていると聞くと犬の体が大丈夫なのか心配になりますが、通常ですと粘膜から粘液が出ており、その粘液によって胃を保護しているので問題は起きません。
しかし胃酸が多く出るような状況になり、粘液が対応できる量よりも胃酸が過多になってしまうと粘膜を傷つけてしまい、悪化すると胃潰瘍を発症させてしまいます。
このように何らかの原因で、強酸性の胃液が胃の粘膜を傷つけてしまう状態が胃潰瘍です。
胃潰瘍かどうか調べる時は、血液検査や糞便検査、X検査や超音波検査などを行いますが、それでも病名が分からない場合は内視鏡検査を行う場合があります。
犬の胃潰瘍の原因は?肝不全等の病気やステロイド等の薬が原因!
それでは、犬の胃潰瘍の原因とは何なのでしょうか。人間の胃潰瘍の原因に多く見られるのはストレスですが、犬の場合は慢性腎不全や肝不全などの病気やステロイドなどの薬の副作用が原因に挙げられます。
病気によって胃潰瘍が併発することは理解しやすいことだと思いますが、薬によって胃潰瘍になる仕組みについては分かりずらいと思いますので、解説いたします。
ステロイドといえば、皮膚の痒みを抑えるため、抗炎症や免疫抑制のために服用する薬ですが、この薬には免疫を下げてしまうという副作用があります。
ステロイドによる胃粘液中に含まれるムチンという物質の産生低下によって胃潰瘍を発症させます。
薬が原因で胃潰瘍になるのは、このような体の副作用が関係しているためです。
犬の胃潰瘍の症状は?嘔吐や出血、食欲不振等の症状を解説!
犬の胃潰瘍の主な症状としては、嘔吐・吐血・貧血・食欲不振・元気が無くなる・血便・脱水などです。
胃潰瘍になった犬は、胃の痛みから食事がしづらくなり、痛みと食欲不振により元気も無くなってしまいます。
さらに胃潰瘍が進行すると、胃穿孔になってしまいます。
嘔吐物が黒っぽい色になることもあり、これは胃潰瘍の患部から出血しているためで、場合によっては血だけを吐く場合もあります。
同じような理由で便にも血液が混じってしまい黒色便を引き起こしてしまいます。このように胃潰瘍を発症すると多くの血液を失うことになるので、貧血の症状も起きてしまうケースもあります。
犬が胃潰瘍になると体調を悪化させてしまい場合によっては危険な状態になることもあるので、異変に気づいたら早めに動物病院を受診するようにしましょう。
犬の胃潰瘍の治療法や治療費、予防法を詳しく紹介!
犬の胃潰瘍の原因や症状について解説しましたが、実際に治療をする場合はどのような方法を行い、費用はどのくらいかかるのでしょうか?
ここでは、
- 胃潰瘍の治療法は内科的な方法と外科的な方法がある
- 手術費用は約17~20万円くらい
- 胃を刺激しない食事と定期的な健診が予防に繋がる
といった内容について詳しく解説します。胃潰瘍の治療法には薬剤で対応する内科的な方法と手術を行う外科的な方法があります。
また、治療費については手術を行うと約17~20万円くらいの費用がかかってしまいます。胃潰瘍の治療法や費用などは実際に病気にかからないと分からないことですが、あらかじめ知識を得ておくといざという時に適切な対応ができるようになることでしょう。
犬の胃潰瘍の治療法、手術費用等の治療費を紹介!
薬の副作用により胃潰瘍が発生している場合には、現在服用している薬を中断したり、別の薬への切り替えなどで様子をみます。
胃粘膜保護薬や胃酸分泌抑制薬の投与によって胃粘膜を保護しますが、出血が多い場合は輸血でも対応します。
内科的な治療法を行っても症状の改善がみられない場合は、患部を直接手術で切除する外科的な方法に移行となります。
手術として多くの場合は開腹手術を行いますが、内視鏡手術で行える病院もあります。内視鏡手術を利用すると肉体的な負担を減らすだけでなく、入院期間を短縮できるというメリットがあります。
治療費についてですが、内科的な場合は診察や注射や内服薬の処方などを含めると5,000円くらいになりますが、ほかにも血液検査などいろいろな検査を行うと10,000円前後になると考えて良いでしょう。
手術の場合の料金は約17~20万円くらいが相場です。
犬の胃潰瘍の予防法は?基礎疾患となりうる病気は早めに治そう
胃潰瘍は、とても犬の体の負担となる病気だということが分かりましたが、予防法はあるのでしょうか?
実は、胃潰瘍のこれといった明確な予防法はありません。しかし、予防に繋がる方法としてはいくつかあります。
まずは、胃の負担のかからないような食事を心がけることです。これにより胃酸過多を防いだりいの粘膜を傷つけるということを防ぎます。
そして、胃潰瘍は他の病気が元で発症することもあるので、基礎疾患となるような病気は早めに治すように心がけましょう。
胃潰瘍になりやすい犬種や年齢、性別はある?
胃潰瘍になりやすい犬種についてですが、基本的にはどの犬種もかかる病気だといえますが、特に消化器官にトラブルを抱え易い犬種があります。
- ゴールデンレトリバー
- グレートデーン
- コリー
- ジャーマンシェパード
などです。
年齢は2~5歳くらい、9歳以上になると胃潰瘍になりやすくなります。
消化の良いものなど胃に負担がかからないような食事を与える必要があります。
胃潰瘍のなりやすさについては特に性差はみられないようです。
もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!
胃潰瘍になりやすい犬種や年齢、性別があることについて解説しましたが、この病気は予防しにくいというという特徴からどんな犬でも発症してもおかしくない病気だといえます。
胃潰瘍の確定診断には、いろいろな検査を行って患部を見つけて治療を開始となります。
内科的な治療で済めば治療費を抑えられますが、手術などを行うようになると20万円くらいの費用が必要です。
また、胃潰瘍は他の病気が原因で引き起こされる場合があるので、そういった場合はさらに治療費などの負担が多くなってしまうことも考えられます。
このように、胃潰瘍のような病気を発症すると高額な医療費が飼い主の負担となってしまうのです。
ですので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと医療費を安く済ませることができます。
MOFFMEにはペット保険に関する記事を多く掲載していますので、加入する際の参考にしてみましょう。
まとめ:犬の胃潰瘍は治る病気?
今回は犬の胃潰瘍について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?人間だけでなく犬も胃潰瘍になることには驚いた人もいたかと思います。
今回は犬の胃潰瘍について
- 犬の胃潰瘍の大半の原因はステロイドなど薬の副作用
- 他の病気に続発する場合がある
- 検査には内視鏡検査などがある
- 症状にはまず嘔吐があり、その他食欲不振や貧血・血便など血液に関する物がある
- 胃潰瘍の治療法には内科的・外科的な方法がある
- 胃潰瘍のかかりやすい犬種や年齢性別がある
- 胃に優しい食生活と基礎疾患の治療が予防に繋がる
といった内容について取り上げました。胃潰瘍は薬の副作用や他の病気が原因でかかってしまう病気です。
胃潰瘍は治る病気ですが、基礎疾患などが元で再発してしまう場合があります。再発を防ぐためには食べ物に気をつけたり基礎疾患となる病気を治すといった方法が必要です。
胃潰瘍は突然嘔吐をすることで病気の発症に気づく場合があるので、胃潰瘍を早めに見つけるためにも定期的に検診を受けさせるようにしましょう。
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