猫の膿胸をご存知ですか?外傷等が原因で胸に膿が溜まり、呼吸困難等の症状を引き起こします。治療法としては手術や抗生物質の投与、ドレーンの設置を行います。重症化すると死亡率も上がるため早期発見が良好な予後のためにも大切です。この記事では猫の膿胸について解説します。
この記事の目次
目次を閉じる猫の膿胸は生存率が高い病気?うつる・再発する病気なのか
最近、愛猫がなんとなく元気がない、えさを食べる量が減っている、または口を開けて呼吸をするなど普段と違う様子の変化を感じていませんか。
このようなとき、膿胸という病気が疑われる場合があります。何かしらの原因で膿が胸腔に溜まってしまう状態のことをいいます。
人も発症するこの病気ですが、人間より体の小さな猫が発症した場合、生存率は高いのでしょうか。また、うつったり、一度治っても再発したりするのでしょうか。
そこで今回「MOFFME」では
- 猫の膿胸は完治するのか?原因や症状を詳しく知りたい!
- 猫の膿胸の治療法や治療費、予防法は?回復を早めるために行うこととは?
- 猫種や年齢、性別の違いで膿胸にかかりやすさに差はでてくる?
- 備えて安心!もしもの時のペット保険は加入しておくのがおすすめ!
を中心に詳しく説明していきます。
ぜひ最後までご覧になって愛猫のためにも膿胸について知識を深めていきましょう。
またMOFFMEでは、ペット保険のランキングについても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。
猫の膿胸は完治する?原因や症状を詳しく解説!
猫の膿胸は感染の後、症状が現れるまでには数週間の時間がかかります。また胸腔の片側に膿が貯まるケースと両側に貯まるケースもあります。
それでは猫の膿胸とは完治するのでしょうか。また原因や症状にはどんなものがあるのでしょうか。
ここからは
- そもそも猫の膿胸とは危険な病気なの?死亡することもある?
- 感染症などで胸に膿が溜まってしまう、その原因とは?
- 猫の膿胸はどのような症状がでる?呼吸困難などの症状を解説!
を詳しくご紹介します。
そもそも猫の膿胸とは?死亡することもある危険な病気なのか
猫の膿胸とは、肺の周囲には胸腔という空間があって、その胸腔に何かしらの原因で膿がたまり起こる病気です。胸腔とは肋骨に囲まれている空間のことです。
肺は胸腔の中におさまっているため、胸腔に膿がたまると肺が圧迫されて呼吸困難となって非常に危険な状態になります。重症化した場合、治療中に死亡することもあります。ですので早期に発見し、できるだけ早く治療を行うことがとても大切となります。
しかしこの病気は非常に難しいところがあり、早期発見をするにも膿胸の初期段階では、大半は症状がでることがなく病気に気づかないというところです。
そこで普段の生活の中から、愛猫の様子などをよく観察しておけば、わずかな症状でも気づくことができ、初期の段階で膿胸を発見して治療をすることができれば生存率も高くなると思われます。
また膿胸治療の治療成功率は47.8%から86%と報告されており良好な経過が得られる一方で再発の可能性もあるため注意が必要です。
猫の膿胸の原因とは?感染症等で胸に膿が溜まってしまう
原因や発生および感染経路が正確に解ることはまれですが、主につぎのようなことが挙げられます。
- 外傷
- ケンカなどの咬傷
- 感染症などによる肺炎・胸膜炎
- 不明(多くあります)
猫の膿胸の症状は?呼吸困難等の症状を解説!
それでは、膿胸になるとどのような症状がみられるのでしょうか。
初期の症状では
- 食欲不振
- 元気消失
- 発熱
といった、どのような病気にもみられる非特異的症状が現れます。
また病状が進行すると
- 呼吸困難
- 発咳
- 脱水症状
貯まった膿の量が増えることにより、呼吸が速くなる・口を開けて呼吸する・チアノーゼにより舌の色が紫色になってしまうなどの呼吸困難症状が現れます。
また少しの運動でも、苦しくなってしまうというような症状もでてくるときもあります。
猫の膿胸の治療法や治療費、予防法を紹介!回復を早めるには?
重度であればあるほど、膿胸の治療はリスクが高まります。原因追及のためにはさまざまな検査が必要となるため、治療費が高額になることがあります。
それではどのような検査方法や治療法が行われるのでしょう。また治療費はいくらぐらいになるのでしょうか。
ここからは
- 手術や抗生物質などの治療法は?治療費用はいくらになる?
- 猫の膿胸の予防法を知っておこう!動物病院にて早期発見・治療をしよう!
の説明をしていきます。
猫の膿胸の手術や抗生物質等の治療法、治療費用を紹介!
膿胸の原因をすぐに特定できれば原因に合った治療を行うことができますが、原因を特定することが難しい場合は、溜まっている膿を除去する治療を行います。
基本的には内科療法です。
- 胸に針やチューブなどを刺し膿を抜く
- 胸腔内の洗浄を行う
- 抗生物質等の投与
このような治療を行っていきます。
胸腔ドレーン(チューブ)を設置し、膿の排泄および胸腔洗浄を行う場合もあり胸腔洗浄を数日行うことで呼吸も楽になるようです。
この洗浄と抗生物質の投与を積極的に行った場合、予後は比較的よい状態となります。しかし全身状態が悪い場合には予後が不良になってしまうこともあります。
また異物誤飲の場合は手術を行うのが一般的です。開腹手術によって誤飲してしまったものを取り出します。
治療費用は病院によって異なりますが、一例では初回の場合、血液検査・レントゲン・ウイルス検査・胸腔洗浄・抗生物質の処方などで合計8万円ほどですが、何度も処置をしなければならず、比較的治療期間が長いことから治療費は高額になりがちです。
猫の膿胸の予防法は?動物病院に行き、早期発見・治療が大事!
まずは膿胸にならないように予防が大切となってきます。
適切な予防法は、完全室内飼育をして事故や猫同士の喧嘩を防ぐことです。膿胸は外傷が原因になることが多いですから、外傷を作る原因を排除するようにしましょう。
また早期発見・早期治療のために、
- 外傷の痕跡の確認
- 呼吸数の増加
について日頃から注意して観察してみてください。
呼吸数については、正常な呼吸数はだいたい1分間に20~40回ぐらいですので参考にしてください。開口呼吸や座った姿勢のままで横にならないというのも呼吸困難と判断するための重要なポイントになります。
愛猫の健康のためにも以上の予防法をできるだけ心がけてみてください。
膿胸にかかりやすい猫種や年齢、性別はある?
それでは膿胸にかかりやすい猫腫や年齢はあるのでしょうか。
この病気にかかりやすい特定の猫腫や特定の年齢はありませんが、さまざまな病気にかかりやすい年齢と性別の差はでてきます。
膿胸のかかりやすさ年齢・性別データ表
年齢 | オス | メス |
---|---|---|
0歳 2歳 | 0.034% 0.025% | 0.03% 0.019% |
3歳 4歳 | 0.03% 0.011% | ー ー |
5歳 6歳 | 0.026% 0.058% | ー 0.018% |
7歳 8歳 | 0.085% 0.096% | 0.082% 0.11% |
9歳 10歳以上 | 0.03% 0.227% | 0.07% 0.142% |
(引用:アニコム損保)
このように性別・年齢によっても、病気発症の確率が違ってくることが分かります。
また、膿胸にかかりやすい例としては
- 完全室内飼いではない場合
- ほかの猫と同居している場合
- 気性の荒い性格
などが挙げられます。
もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!
公的な健康保険制度がペットにはありません。自由診療の動物病院では思わぬ高額な診療費がかかる場合があります。このようなことから近年ではペット保険に加入する人が増えています。
人間の赤ちゃんは、生まれてから健康保険に入ります。猫も大切な家族の一員ですからペット保険に入っていることで、さまざまな病気にもお金のことを気にせずにより良い治療を受けさせてあげることができます。
主に通院・入院・手術でかかる診療費を補償してもらえますが、保険会社や保険商品によっても異なってきます。細かな補償内容の違う保険商品が多くあり、どの商品を選べばよいのか頭を悩ませてしまうでしょう。
こちらの「MOFFME」でも
- 【2023】ペット保険を一括で比較!犬猫の動物保険を5秒で見積もり
- 猫におすすめのペット保険は?動物保険を比較(0歳~13歳)
など参考になるペット保険関連の記事を多数掲載しています。ぜひご覧下さい。
ライフスタイルに合わせてペット保険比較をされてみてはいかがでしょうか。
まとめ:猫の膿胸は治る病気なの?
いかがだったでしょうか。猫の膿胸は初期症状に気づきにくく、進行によっては命の危険も伴う病気であることが分かりました。
この記事のポイントは
- 早期発見・早急治療にて完治可能になる
- 原因や症状を詳しく知ることで慌てずに対応できる
- 治療法や治療費の確認を行うことの必要性
- 予防法を知って病気を防ぐ
- 回復を早めるには適切な治療が大切である
- 膿胸にかかりやすい猫種や年齢、性別の差はないが環境や性格の違いが関係する
- ット保険に加入しておけば、もしもの時に費用を気にせずに治療に専念できる
でした。
繰り返しになりますが、猫同士のケンカなどにより膿胸のリスクが高まります。少しでも早く膿胸を発見するためには毎日の体の傷のチェック、および呼吸状態の確認を心がけることが予防につながります。
飼い主だけが愛猫の健康を守ることができます。共に長く楽しい毎日を送るためにもしっかりと健康管理を行っていきましょう。
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