猫がお腹を見せるのはなぜ?その理由と嫌がられないお腹の撫で方のサムネイル画像

猫がお腹を見せるのは信頼されているように感じて、可愛らしいものですよね。しかしお腹を見せてくれていてもお腹を触ると怒る猫もいるのではないでしょうか。そこで今回は、猫がお腹を見せる理由とより猫と仲を深めるために猫のお腹を触る際の注意点を紹介します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫がお腹を見せるのは慣れた証拠?その心理とは

猫が仰向けでお腹を見せてくれるのは、飼い主のことを信頼してくれているように思えてとても嬉しいですよね。

しかし、触ろうと思うとすぐ元に戻ってしまったり、機嫌が悪いと猫が怒ってしまうことも。

一体どのような心境なのかわからないこともしばしば。


そこで今回の「MOFFME」では

  • 猫がお腹を見せる理由とは
  • 猫のお腹がたるんでいるのはなぜ?
  • 初対面の野良猫がお腹を見せてくる心理とは?
  • お腹を撫でると引っ掻く!猫のお腹は触ったらダメ?
  • 猫がお腹を見せたときの撫で方
  • 猫が信頼しているときに見せる行動
上記について詳しくご紹介していきます。

愛猫とより仲を深めるために、参考になる記事となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

猫がお腹を見せる理由とは


猫がごろんと仰向けになる姿はとても可愛いですし、服従のポーズのようにも見え、信頼されているかのような嬉しさもありますよね。


実際のところ、猫がお腹を見せる理由はいくつかあります。


そこでこの項目ではお腹を見せる理由でのひとつである

  1. 安心、信頼している
  2. 甘えている
  3. 遊びに誘っている
  4. 暑いから
  5. 日向ぼっこしている
  6. 仰向けになって鳴くのは発情期かも
  7. くねくねしながらお腹を見せる理由
上記についてご紹介していきます。

猫がお腹を見せる理由①:安心、信頼している

まず1つ目の理由として、猫がお腹を見せるのは、飼い主のことを信頼し、その場が安心できる場所だということを意味しています。


猫にとってお腹は骨に覆われておらず、生きるために必要な臓器がある場所です。

そのためお腹は急所ということになります。


そんな急所を見せられる飼い主は、攻撃してこない安全な人間で、信頼されている証拠。

また、猫にとって安全な場所であるとも言えます。


普段お腹を出してリラックスしながら寝ている猫でも、同じ家の中でも来客があれば通常の姿勢に戻ったり、警戒心が強い猫の場合は家具の影に隠れてしまうことも。


また、飼い主がそばにいても、動物病院などの嫌な経験がある場所ではお腹を見せることは少ないでしょう。

猫がお腹を見せる理由②:甘えている

甘えている」というのも猫が飼い主にお腹を見せる理由のひとつです。


お腹を見せて仰向けに寝転がりながら、喉をゴロゴロ鳴らしながらじっと飼い主さんの目を見つめてきた経験はないでしょうか?


それは正しく猫が甘えたがっている証拠。


猫は子猫のときは、母親に甘えたいときに母親にお腹を見せることがあります。

避妊や去勢を幼いときに施した猫は、精神的に大人になりきらずに、そのような子供らしい仕草が残っている場合もあります。


多少忙しくても、愛猫がお腹を見せて甘えたい素振りを見せているときに、存分に甘えさせてあげると、より猫との信頼関係が深まりますよ。

猫がお腹を見せる理由③:遊びに誘っている

猫が飼い主にかまってほしくて遊びに誘っているときも、お腹を見せる場合があります。


小さい頃にきょうだいたちと遊ぶ場合、お腹を見せて仰向けになり、遊びに誘うことがあり、その名残が残っているのかもしれません。


そのように、遊んでほしいときや注目してほしいときにお腹を見せて飼い主を誘うことがあります。


お腹は猫にとってあまり触られたくない場所でもありますので、最初のうちは様子を見つつ、いきなりお腹を撫でずに、頭や喉などを撫でてあげると、猫も驚かずに信頼関係がより深まるようになるでしょう。

猫がお腹を見せる理由④:暑いから

「うちの猫は夏だけお腹を見せて寝る」という方もいるのではないでしょうか?


その場合は、猫が暑いから暑さを逃すためにお腹を見せて仰向けになっている可能性があります。

もちろん、いくら暑くても危険な場所でお腹は見せませんので、安心できる場所ということも意味しています。


ご存知の通り猫は毛むくじゃらの動物。

とくに長毛種の猫などは、日本の真夏の高温多湿の気候にはなれていません。


もし暑いという理由でお腹を出している場合は、エアコンなどの冷房機器を適宜利用し、猫にとって快適な空間を作るようにしてあげましょう。

猫がお腹を見せる理由⑤:日向ぼっこしている

逆に、肌寒いときや冬の寒い日など、家の中の日向でお腹を見せている猫もいると思います。


この場合は、猫が日向ぼっこをしている可能性があります。


ぽかぽかの場所を好む猫は、安全な場所ならお腹を見せて日向ぼっこをし、そのままリラックスしてお昼寝をすることも。


日の光を浴びることで、幸せホルモンと呼ばれているセロトニンが出ることもわかっていて、精神的に安定した状態になることも確か。


猫がお腹を出して日向ぼっこしながらお昼寝している場合は、なるべく邪魔をせずに見守っていてあげると、猫も「この人は信頼できる人だ」と認識し、さらに仲が深まることに繋がります。

補足①:仰向けになって鳴くのは発情期かも

もし猫がメスの猫で、避妊手術をしていない場合は、仰向けでお腹を見せながら寝ている行為は発情期の合図かもしれません。


メスの猫はペアのオス猫を見つけるために、お腹を見せてオス猫に「近づいても大丈夫」というアピールをします。


いつもと違う大きい声で何度も鳴いたり、スプレー(おしっこ)の回数が増えると発情期の可能性は高いです。


完全に室内飼いの場合でも、妊娠を望まない場合は、避妊手術をすることをおすすめします。


避妊手術をすることで、卵巣や子宮の病気の予防や、乳腺腫瘍の発症率の低下が期待でき、そして、結果的に猫の寿命が長くなることが期待されます。

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補足②:くねくねしながらお腹を見せる理由

猫がお腹お見せて寝転がっているときに、くねくねと体を動かしていることを見たことがある方もいるのではないでしょうか。


体をくねくねさせるのには、次のような理由が考えられます。


興奮している

猫を惹きつけるものとしてお馴染みの、マタタビやキャットニップなどの香りを嗅いだときに、興奮状態になり、仰向けでお腹を見せながらくねくねとする猫は多くいます。

マタタビのあげすぎは猫にとってもあまり良くないことなので、仰向けの姿が見たいからといって与えすぎには注意しましょう。

1人で遊んでいる

飼い主の目が届かない場所でくねくねしながらお腹を見せている場合は、一人遊びをしている可能性があります。

中には遊び疲れてそのまま眠ってしまう場合も。

その場合は、無理に起こしたりせずにそっと見守ってあげましょう。

背中が痒い

背中がかゆい場合も仰向けに寝転んでくねくねした動きをしている場合があります。

人間の私達でも経験がある方もいるかもしれませんが、背中は手が届かないので、なにかにこすりつけてかゆみを解消していることが考えられます。

猫のお腹がたるんでいるのはなぜ?


猫がお腹を見せて寝転がると、たぷたぷとたるんだお腹に目が行く方も多いのではないでしょうか?


お腹以外の場所が通常の体型をしている場合は肥満などではなく、余分な皮であえてできたルーズスキン」と呼ばれるとても大切な役割をしているたるみなのです。


ルーズスキンの役割として

  1. 内臓を保護するため
  2. 柔軟に動けるようにするため
上記のような理由があると言われています。

以下でそれぞれ詳しくご紹介していきます。

猫のお腹のたるみの意味①:内臓を保護するため

前述の通り、猫のお腹は骨で覆われておらず、腹部には内臓が集まり、お腹は猫にとって急所となります。


お腹の部分を攻撃されたり、牙がある動物が噛み付いてしまうと致命的な怪我を負うことに。


そのため、急所のお腹、つまり内蔵を守るために皮がたるみ、保護する役割を持ったと言われています。


このルーズスキンは、ネコ科のトラやライオンなどにも有ることが知られています。


動物園でネコ科の生き物を観察する際は、ぜひ注目して見てみてください。

猫のお腹のたるみの意味②:柔軟に動けるようにするため

よく「猫は水だった」という表現でSNSに投稿されるほど、猫は柔軟な動物です。


柔軟なだけでなく、瞬発力もあり、急に素早く動くこともしばしば。


その柔軟性や瞬発力に役立つのが、このたるんだお腹のルーズスキンだと言われています。


大きく、そして急に動いても皮が伸びるので、皮膚が引っ張られる抵抗がなくなるのですね。

初対面の野良猫がお腹を見せてくる心理とは?


猫好きな方なら経験があると思いますが、野良猫に近づくと脚に擦り寄ってきたり、中にはお腹を見せてくる子に出会った経験はないでしょうか?


「無防備だなぁ…」と思いつつも、初対面の猫にそんなことされれば、猫好きとして嫌ではないはず。


このように、初対面の野良猫がお腹を見せてくる理由はどうしてなのでしょうか?


野良猫は基本、飼い猫のようにいつでも毎日決まった時間に食事にありつけるわけではありません。

なので、いつもお腹を空かせている状態です。


過去の経験で、人間にお腹を見せたり、擦り寄って甘えたときに餌をもらえた経験のある猫は、それを覚えていて、餌がほしくてそのような行動をとっている可能性があります。


ですが、むやみに野良猫に餌を与えるのは、排泄物や鳴き声でのご近所トラブルや、繁殖過多による母体への負担、縄張り争い、また猫エイズなどの蔓延を引き起こし、結果的に猫を不幸にさせてしまう原因にもなってしまいます。


排泄物の後始末や、避妊去勢手術のお世話などができない場合は、むやみに野良猫に餌を与えることはお薦めできることではありません。

もし野良猫にお腹を見せられても、餌を与えるのを一度冷静に考えるようにしてください。

お腹を撫でると引っ掻く!猫のお腹は触ったらダメ?


猫がお腹を見せてきたので、嬉しくなってこちらもお腹を撫でようとしたら猫に拒否された…という経験がある方もいるのではないでしょうか。


猫のお腹は触ってはダメなのか気になるところですよね。


この項目では

  • 猫はお腹を触られるのを嫌がることが多い
  • お腹を触られるのが好きな猫もいる
  • 触ると怒る!猫がお腹を触られるのを嫌がるサイン
上記について詳しくご紹介していきます。

猫はお腹を触られるのを嫌がることが多い

まるで「触ってくれ」と言わんばかりにお腹を見せてくる猫でも、いざお腹を触ろうとすると嫌がって威嚇されたり引っ掻かれたりした経験がある方もいるのではないでしょうか。


それもそのはずで、基本的に、猫はお腹を触られるのが好きではありません。


何度もお伝えしていますが、猫のお腹は急所、つまり弱点にあたります。

そこをいきなり触られたらあまりいい思いはしませんよね。


中には怒ってしまう猫ももちろんいます。


また、寝てるときやうとうとしているときに急にお腹を触られるのは、猫にとっては急に攻撃されているのと同じようなものです。


驚かれるどころか、猫との信頼関係にもヒビが入ってしまいますので、眠っている猫のお腹を触るようなことはNGな行為だと覚えておきましょう。

お腹を触られるのが好きな猫もいる

ですが、中にはお腹を触られるのが好きな猫もいます。


個体差があるので、触られるのが嫌な猫がいれば、好きな猫もいるのは当然です。


ですが、触られるのが好きな場合は、もちろん飼い主との信頼関係があってこそになります。


いつも触り方が優しくて気持ちよかったりすると、それがポジティブな記憶になって好きになることも。


飼い主に触られるのは好きだけど、他の人から触られそうになると逃げてしまう場合もあります。

触ると怒る!猫がお腹を触られるのを嫌がるサイン

愛猫との関係を崩さず、さらにいい信頼関係を築いていくために、猫がお腹を触るのを嫌がるサインを覚えておきましょう。

  • 耳を後ろに倒していわゆる「イカ耳」状態になっている
  • 「ウーッ」と低い声で唸っている
  • 「シャーッ」と怒っている
  • 尻尾をバタバタと左右に振っている
  • 爪が出ている
  • 髭が前の方に向いている
このような仕草を見せたときは、猫が「やめて!」と嫌がっているサインです。

引っ掻かれたり噛まれたりするだけでなく、あまりにもしつこいと信頼関係に深い溝ができてしまいますので、嫌がるサインを見逃さないようにしましょう。

猫がお腹を見せたときの撫で方


猫がお腹を見せてきて、上記のような嫌がるサインを見せることもなく、触って欲しそうにしている場合は触ってもOKですが、むやみやたらに触るのはやはりオススメできることではありません。


猫のお腹を触るときは

  • 優しく脇腹から撫でる
  • お腹を触ることで健康チェック!
  • 急にお腹を見せなくなったら病気を疑う
上記に注意して触れるようにしましょう。

以下で詳しくご紹介します。

優しく脇腹から撫でる

猫が触ってもOKなような仕草をしていても、急に力強くお腹に触れるのはNG行為です。


まず頭や喉、触られて好きな場所から撫でてスキンシップをとり、次に脇腹を優しく撫でるようにしてください。


慣れてきたら、優しい声をかけながら、猫の呼吸とあわせて、毛並みに沿って優しくお腹を撫でるようにしましょう。


このとき、少しでも嫌がるサインを見せたらやめてあげるようにしましょう。


また、脇腹は撫でさせてくれてもいつまでたってもお腹を撫でさせてくれない猫がいます。


それは、お腹は猫にとって急所なので当然のこと。

飼い主のことを信頼していない、好きではない、という意味ではありませんので、無理して触らないようにしましょう。

お腹を触ることで健康チェック!

お腹や体を撫でて、スキンシップをはかることで、猫の健康をチェックすることにもなります。


お腹を撫でながら

  • 不自然な膨らみはないか
  • 不自然なしこりはないか
  • ポチッとした引っかかりはないか
  • 痛がるようなそぶりを見せていないか
などを観察するようにしましょう。

腹水や子宮の病気、腫瘍や皮膚炎、外傷の可能性がありますので、お腹を撫でて「いつもと違うな」という違和感を感じたら、動物病院に相談するようにしましょう。

急にお腹を見せなくなったら病気を疑う

いつもお腹を見せるようにしていた猫が、急にお腹を見せなくなった場合は病気や怪我が原因の可能性もあります。


胃炎や胃潰瘍、腸閉塞などの腹部の病気のほか、ヘルニアなども痛みを感じて姿勢を変えない可能性があります。


お腹が膨れてくるとフィラリアや心筋症、肝臓の病気の可能性も。


多頭飼いの他の猫や外飼いしている場合は近所の他の猫との喧嘩で怪我を負ってしまったり、遊んでいるときに誤って骨折している場合も、痛みでお腹を見せない可能性もあります。


猫がお腹を見せないだけで「絶対に病気や怪我だ!」とは言い切れませんが、普段の様子や食欲、排泄物などに変化がないか注意し、なにか違和感を感じた際は動物病院で診察を受けることをオススメします。

猫が信頼しているときに見せる行動

猫がお腹を見せる仕草は、飼い主を信頼している証拠だとご紹介しましたが、飼い主を信頼しているときに見せる行動は、お腹を見せる以外にもさまざまあります。


いくつか例をあげますと

  • 足に顔をこすりつけてくる
  • お腹を押してくる
  • 顔の近くで添い寝をする
  • 顔や手を舐めてくれる
  • 目を合わせてくる
  • 獲物を見せにくる
  • ふみふみをする
  • 尻尾が上に向かってぴんと伸びている
  • 喉をゴロゴロと鳴らす
などです。

思い当たる節がある方も多いのではないでしょうか。

猫は寝ているときはもちろん無防備になりますので、顔の近くで添い寝をしてくれるのは、信頼してくれている証拠。

また、舐めてくれるのもグルーミングの意味があり、仲間だと思っていてくれている証拠です。

ふみふみしてくれるのは、飼い主を母猫のように慕ってくれている表れでもありますし、獲物を見せてくれるのは「飼い主のためにとったんだよ!」というアピールです。

お腹を見せる以外にもこのような行動を愛猫が見せてくれたら嬉しくなりますね。

まとめ:猫がお腹を見せる理由とは?

今回は、猫がお腹を見せる理由や嫌がられないお腹の撫で方などをご紹介してきました。


ポイントは

  • 猫がお腹を見せるのは、甘えたり、遊びに誘っていたり信頼されている証
  • 発情のサインかもしれないので注意も必要
  • 猫にとってお腹は急所なので基本的には触らない
  • 触ってもOKな仕草を見せてくれたときだけ優しく撫でてあげる
  • 猫のお腹や体を撫でることで、健康チェックも忘れずに
  • お腹を見せる以外にも、「信頼している」サインはさまざま
でした。

愛猫がお腹を見せてくれるのは信頼してくれている意味もあり、嬉しいことです。

無理なくスキンシップをはかり、猫の健康チェックや、絆を深めるのにこの記事を役立ててもらえれば幸いです。

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