猫の多発性嚢胞腎をご存知ですか?遺伝性の病気で、遺伝子異常による腎機能の低下で餌を食べない、血尿等の慢性腎臓病のような症状が起こります。治療法としては内服薬や食事療法が行われます。この記事では猫の多発性嚢胞腎について、原因から症状、治療法を解説します。
猫の多発性嚢胞腎とは?余命はどの位なのか
多発性嚢胞腎とは腎臓に嚢胞ができ(液体がたまった袋)少しづつ大きくなりながら数が増えていき、腎臓の働きが徐々に低下していくという病気です。
余命は治療を始めるタイミングや治療内容などによって変わってきますが、平均寿命は7歳前後だといわれています。
誰でも愛猫がいつまでも元気であってほしいと思うものです。
そこで今回「MOFFME」では以下のことを解説します。
- 原因と症状
- 治療法、治療費、予防法
- かかりやすい猫種、年齢、性別
- ペット保険へのおすすめ
- 寿命を全うできる?
この記事を最後までお読みいただければ、万が一愛猫が多発性嚢胞腎を発症してしまっても落ち着いて対処することができます。
猫の多発性嚢胞腎とは?原因や症状を詳しく解説!
もし愛猫が多発性嚢胞腎とであった場合、どのような体調の変化が出るのか?また余命はどのくらいなのか?など多くの不安や疑問が浮かんでくると思います。
この見出しでは
- 完治するのか、寿命は?
- 発症する原因は?
- 血液検査で知ることができる
- 慢性腎臓病と似た症状である
これらの事をお伝えいたします。
これらを知っておくことで、普段の生活の中で愛猫の体調不良を見逃さないように気を付けることができます。
猫の多発性嚢胞腎とは?完治して最期まで長生きできるのか
多発性嚢胞腎は一度発症してしまうと元に戻らない腎臓の病気で、有効な治療法はなく一度腎機能が失われると元には戻りません。
腎臓を構成するタンパク質異常により、左右の腎臓に嚢胞(液体が溜まった袋)ができ、その嚢胞が年を取るごとに徐々に数を増やしながら大きくなりその結果正常な腎機能が失われてしまう病気です。
この病気はとてもゆっくりと進行するため、初期の段階ではほとんど症状がみられず気づかないうちに病気が進行している場合があります。
そのため、症状が出る前の早い段階で病気を発見することができれば、ある程度の延命効果を期待することができます。
それぞれの猫によって嚢胞の状態の進行度合いはさまざまですが、平均寿命は7歳前後となっています。
ただ、個体差はありますが腎機能の機能が低下することに体が順応し最期まで症状が出ない猫もいるようです。
猫の多発性嚢胞腎の原因は?遺伝性なので血液検査で分かる!
猫の多発性嚢胞腎は
遺伝的なものであり、生まれつきの病気です。親のどちらかに遺伝的な異常がある場合、50%の確率で子猫に遺伝します。
初期の段階では嚢胞がまだ小さく見つけにくい病気ですが、遺伝子検査(血液検査)によって早く、確実に診断を行うことができます。
ご自分の愛猫に、発症する要素が有るかどうか調べる必要がある場合、なるべく早い時期に動物病院において遺伝子検査(血液検査)を受けることをお勧めします。
猫の多発性嚢胞腎の症状は?慢性腎臓病と似た症状が出る!
嚢胞が大きくなるにつれて腎機能が低下してくると、慢性腎臓病と似た以下のような症状がみられるようになります。
これらの病状が現れる場合かなり進行していることが考えられますので、小さなサインも見逃さないように日々の体調に気を配りましょう。
さらに病気が進行して末期の状態になると尿毒症の病状が見られるようになります。
その場合下記のような体調の変化が現れます。
猫の多発性嚢胞腎の治療法や治療費、予防法を紹介!
誰でもご自分の愛猫が病気で苦しむ姿を見たくないものです!早い時期に対処法を知り、悪化しないように出来ることを行うことはとても大切です。
今のところ完治させる治療法はありませんが、腎臓に負担をかけないような食餌療法や進行を遅らせるための内服薬の投与など対症療法を行うことで腎臓への負担を軽減して、ある程度病気の進行を遅らせることができます。
この見出しでは
- 内科的治療、手術などの医療費
- 予防法、早期発見・早期治療
などについてお伝えいたします。
多発性嚢胞腎の内服薬や手術等の治療法、治療費を紹介!
多発性嚢胞腎を治すための有効な薬や手術はないため、以下のような対症療法を行います。
輸液療法
脱水症状を改善したり、体内に溜まった毒素を排出したりします。
慢性腎臓病治療薬(セミントラ)
蛋白尿など腎臓病を進行させる様々な悪化因子を抑えて、残された腎機能を守ります。
血圧降下剤
血圧を安定させて腎臓への負担を減らします。
エリスロポエチン
貧血を改善することができます。
制酸剤
吐き気や嘔吐の症状を抑える事ができます。
治療費の目安
診療項目 | 単価 | 金額 |
---|
診察料 | 1,000円 | 1,000円 |
超音波検査 | 3,500円 | 3,500円 |
皮下点滴 | 3,000円 | 3,000円 |
処方食 | 3,800円 | 3,800円 |
動物病院によって医療費は異なりますので、あくまで参考例となります。
猫の多発性嚢胞腎の予防法は?早期発見・早期治療が大切!
残念ながらこの病気は遺伝的な疾患のため病気にならない為の予防法はありません。
今のところ最善の方法として、多発性嚢胞腎と診断されたネコは
避妊や
去勢手術を行うこと、また
繁殖を控え遺伝させる可能性を減らすことです。
遺伝する可能性の高い猫種の場合超音波検査や遺伝子検査を行うことで、まだ病状が出ていないうちに早期に発見することができます。
早期発見できれば繁殖を控えることができ、また病状の進行を遅らせ延命につながる対症治療を行うことができるので、とても大切といえます。
多発性嚢胞腎にかかりやすい猫種や年齢、性別はある?
多発性嚢胞腎は、発症しやすい猫種や年齢、性別があるのでしょうか?
今のところ分かっているのは、親猫のどちらかが多発性嚢胞腎を持っている場合、性別にかかわりなく50%の確率で子猫に遺伝します。
<多発性嚢胞腎が多く報告されているネコの種類>
- ペルシャネコ・ペルシャネコを交配したネコ(全体の4割近い猫に発症)
- エキゾチック・ショートヘア
- ヒマラヤン
- ブリティッシュ・ショートヘア
などの品種に多く見られます。
また他にもアメリカン・ショートヘアやスコティッシュ・フォールドにもみられ、雑種でも発症例が確認されています。
発症した場合、一般的に3歳から10歳までに腎不全の症状を引き起こすまでに進行します。
もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!
ペットを飼うということは、家族が増え生活が豊かになる一方、一つの命を預かるという大きな責任も伴います。
万が一かわいい愛猫が多発性嚢胞腎にかかってしまった場合、進行を止めることはできず生涯付き合っていかなければなりません。少しでも快適に過ごせるように、早めの対処を行い継続してケアを行うことが必要にです。
しかし現実問題として、ペットの医療費は人間とは違い医療保険がきかず、高額になることがあり必要なケアをしてあげられるかどうかと悩む飼い主さんもいると思います。
そんな万が一の時のためにペット保険に加入しているなら医療費を心配することなくケアを継続することができ安心です。
MOFFMEではペット保険について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
まとめ:猫の多発性嚢胞腎とは?寿命を全うできる種類の病気か
多発性嚢胞腎は遺伝的なものでゆっくりと進行していくため寿命を全うできるかどうかはそれぞれの猫によって、また早めの対応によっても変わると言えます。
ご自分の飼っている愛猫が遺伝的にかかりやすい種類の場合、早めの検査、早めの対症療法を行うことで病状の進行を遅らせ、出来るだけ長生きできるように助けることができます。
この記事のまとめとして
- 病気の原因は遺伝性
- 慢性腎臓病と同じ症状
- かかりやすい猫種
- 遺伝子検査で早期発見・早期治療
- 治療法・治療費・予防法
以上のことを詳しくお伝えすることができました。
愛猫との快適な時間を少しでも長く過ごせるように事前にペット保険に加入することをお勧めいたします。
MOFFMEでは、他にも様々なペット保険に関する記事を公開しておりますのでぜひご覧ください。