猫の甲状腺機能低下症をご存知ですか?原因は先天性と後天性の場合があり、元気消失や肥満等の症状を引き起こします。治療としては甲状腺ホルモン薬を投与されます。この記事では猫の甲状腺機能低下症について、原因から症状、治療法、治療費、予防法まで解説します。
この記事の目次
目次を閉じる猫の甲状腺機能低下症とは?甲状腺機能亢進症とは正反対!
猫の喉の両脇にある甲状腺から分泌される甲状腺ホルモン。
代謝を活発にする働きのあるホルモンですが、機能が著しく低下すると甲状腺機能低下症を引き起こします。
名称の似た病気に「甲状腺機能亢進症」がありますが、この記事で紹介する甲状腺機能低下症とは正反対の病気のため注意してください。
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されすぎる疾患です。甲状腺機能低下症と混同しないように注意してくださいね。
発症すると活動量の低下などさまざまな症状を引き起こす病気ですが、実は猫の発症率は非常に低いとされています。
猫の発症はまれですが、万が一発症したときのためにしっかりと知識を身に付けておきたいですよね。
そこで今回「MOFFME」では、猫の甲状腺機能低下症について
- 猫の甲状腺機能低下症の概要や原因、症状
- 猫の甲状腺機能低下症の治療法や治療費、予防法
- 甲状腺機能低下症にかかりやすい猫種や年齢、性別の有無
- 万が一に備えるためのペット保険への加入
以上のことを中心に解説していきます。
この記事を読んでいただければ、猫の甲状腺機能低下症の原因や症状、治療法、予防法などを理解できるかと思います。
ぜひ、最後までご覧ください。
また、MOFFMEではペット保険のランキングについても解説しておりますので、そちらもぜひご覧下さい。
猫の甲状腺機能低下症とは?原因や症状を詳しく解説!
甲状腺機能低下症とは、喉にある甲状腺から分泌される「甲状腺ホルモン」の分泌が低下することにより発症する病気です。
猫の発症は非常に珍しい病気ですが、万が一のためにしっかり知識として身に付けておきましょう。
ここでは、以下のことについて解説します。
- 血液検査で分かる甲状腺機能低下症の概要
- 甲状腺機能低下症を引き起こす3つの原因
- 甲状腺機能低下症のさまざまな症状
病気への知識を身に付けて、愛猫の健康管理に役立てましょう。
そもそも猫の甲状腺機能低下症とは?血液検査で分かる!
猫の甲状腺機能低下症とは、喉の両脇にある甲状腺から分泌される「甲状腺ホルモン」の機能が低下することにより発症する病気です。
甲状腺ホルモンは、代謝を活発にする働きがあり猫の生長や発育に欠かせません。
うまく機能しなくなり甲状腺機能低下症を発症すると、活動量の低下など全身にさまざまな症状が見られるようになります。
甲状腺機能低下症の発症は血液検査で判断されます。甲状腺ホルモンの数値が正常値より低い場合には、甲状腺機能低下症の可能性が高い判断されるでしょう。
さまざまな症状を引き起こす病気ですが、実は猫の発症は非常にまれな病気です。
しかし、発症の可能性はゼロではないため、万が一のためにしっかり頭に入れておいてくださいね。
猫の甲状腺機能低下症の原因は?先天性と後天性の場合がある!
甲状腺機能低下症の発症原因は以下の3つであるとされています。
- 自分の甲状腺を攻撃してしまう自己免疫疾患
- 原因不明の甲状腺の萎縮
- 甲状腺の摘出や放射性ヨウ素治療による影響
自己免疫疾患は、体内に侵入した異物を除去するはずの免疫系が自分の甲状腺を攻撃してしまうことです。
これが原因で甲状腺が炎症を起こし、ホルモン機能の低下を招いてしまいます。
甲状腺の萎縮に関しては、なぜそうなってしまうのかという原因はわかっていません。
しかし、萎縮することで機能が低下してしまうことは認められており、発症の原因の一つとされています。
治療が原因で発症するのは、両方の甲状腺を摘出したあとや放射性ヨウ素の治療を行ったあとです。
必ず発症するわけではないので、猫の健康状態を日々チェックしておきましょう。
また、甲状腺機能低下症は先天性と後天性の場合があります。猫の場合、先天性であることは極めて珍しく、後天性であることがほとんどです。
甲状腺機能低下症の症状は?脱毛、餌を食べない等の症状を解説!
甲状腺機能低下症は、全身や行動にさまざまな症状を引き起こします。主な症状は以下の通りです。
- 元気がない・周囲へ興味を示さない・動作が鈍いなどの活動量の低下
- 気温が温かくても寒がる寒冷不耐性
- 全身のむくみ
- 肥満
- 体幹部やしっぽの脱毛
- 脱毛部の色素沈着
- 心拍数の低下
- 血圧の低下
- 麻痺や運動失調などの神経症状
- 脂漏症や膿皮症などの皮膚疾患
このような症状が起こると、食欲がなくなるため餌を食べず、栄養が十分に取れない状態になります。
甲状腺機能低下症が疑われる場合には、猫の食欲もよくチェックしてみてください。
また体幹部の脱毛は、左右対称に毛が抜けることが特徴です。日々のブラッシングなどの時にこまめにチェックするようにしましょう。
猫の甲状腺機能低下症の治療法や治療費、予防法を紹介!
猫の甲状腺機能低下症の発症率は限りなく低いですが、絶対に発症しないとは限りません。
もしものときのために治療法や治療費、予防法を把握しておきましょう。
この見出しでは
- 甲状腺ホルモン製剤による投薬治療や基礎疾患治療による治療法
- 甲状腺機能低下症にかかる治療費
- 甲状腺機能低下症の予防法
以上のことについて解説していきます。
日頃から愛猫の健康チェックを欠かさずに、もし甲状腺機能低下症の症状がみられた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
猫の甲状腺機能低下症の治療法や治療費を紹介!
甲状腺機能低下症の治療は、甲状腺ホルモン薬を投与することによる投薬治療か甲状腺機能低下症を引き起こしている基礎疾患の治療で行います。
投薬治療は、投与量の調整が難しい治療法です。投与量が少ないと効果がなく、多いと甲状腺機能亢進症を引き起こす恐れがあります。
投与量が適量かどうか判断するためには定期的に血液検査が必要になるので、動物病院の指示に従って検査をしましょう。
基礎疾患の治療は、甲状腺機能低下症の原因となる疾病を治療することで回復させる治療法です。
甲状腺機能低下症を引き起こす疾病には、クッシング症候群などがあります。
甲状腺機能低下症の治療費は、通院1回あたりにつき10,000円程度かかるとされています。血液検査がある場合もあるので、余裕を持って準備しておきましょう。
猫の甲状腺機能低下症の予防法は?早期発見・早期治療が大切!
甲状腺機能低下症にかかりやすい猫種や年齢、性別はある?
猫の中でも、甲状腺機能低下症にかかりやすい猫種や年齢、性別はあるのでしょうか。
まず、甲状腺機能低下症にかかりやすい猫種というのは特にありません。どの猫種でもかかる可能性があるので注意しましょう。
ただし、強いて言えばアビシニアン、スコティッシュ・フォールド、ノルウェージャン・フォレスト・キャットの高齢猫がかかりやすいです。
年齢は10歳以上、性別はオスの方が比較的かかりやすい傾向にあります。
逆にシャム猫はかかりにくいと言われているので、飼う時などには参考にしてみてください。
種類を問わず発症の危険があるので、日々の健康チェックを欠かさずに行うことが大切です。
もし甲状腺機能低下症の症状がみられた場合はすぐに動物病院を受診しましょう。
もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!
日本で飼われている猫は室内飼いがほとんどです。室内で飼っているから病気や怪我のリスクは少ないだろうと考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、家の中にも危険な場所はたくさんあり、生活習慣病やガン、猫特有の病気なども警戒しなければなりません。
ペット保険に加入すると、通院や入院、手術の費用など幅広い補償を受けることができます。
保険に加入していないと、万が一のことがあった時に高額な医療費がかかってしまうため加入しておいた方が安心ですよ。
ペット保険によっては年齢制限があったり病気になってからの加入が難しい場合もあります。早めに加入して万が一の事態への備えを万全にしておきましょう。
MOFFMEには猫のペット保険に関する記事が多数掲載されているので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ:猫の甲状腺機能低下症とは?
猫の甲状腺機能低下症について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは
- 甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの機能低下により発症。自己免疫疾患、甲状腺の萎縮、治療の影響が原因で、全身や行動にさまざま症状を引き起こす
- 猫の甲状腺機能低下症の治療は、投薬治療や基礎疾患の治療により行われ通院1回あたり1万円程度の治療費がかかる。こまめな検診や日々の健康チェックで予防する。
- 甲状腺機能低下症にかかりやすい猫種は特になし。10歳以上のオスが比較的かかりやすい
- 万が一のことがあった時に高額な医療費が負担にならないようペット保険への加入がおすすめ