猫のアトピー性皮膚炎(過敏性皮膚炎)についてご存知ですか?アレルゲンに過剰反応するアレルギー反応の一種で、湿疹や脱毛、粟粒性皮膚炎などの皮疹等の症状が出ます。この記事では猫のアトピー性皮膚炎について、原因から症状、かゆみ止め等の薬や治療法、予防法も解説します。
この記事の目次
目次を閉じる猫のアトピー性皮膚炎とは?サプリメントや食事療法が有効なのか
- 猫のアトピー性皮膚炎とは?
- 猫のアトピー性皮膚炎:治療法や治療費、予防法
- 猫のアトピー性皮膚炎:猫腫や年齢による違いはある?
- もしもの時に備えて加入!ペット保険とは?
- まとめ:猫のアトピー性皮膚炎について
について紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、大切な愛猫の健康を維持する参考になさってください。
猫のアトピー性皮膚炎とは?原因や症状を解説!
家の愛猫が顔や体をかきむしっている場合、いったい何が起きたのかと不安になってしまいますよね。
それはアレルギー反応によるアトピー性皮膚炎(過敏性皮膚炎)かもしれません。即座に生死にかかわるものではないと言われていますが、継続するかゆみは強いストレスを引き起こす可能性があります。
この項では、
- そもそも猫のアトピー性皮膚炎とはどのようなもの?
- 猫のアトピー性皮膚炎:環境や遺伝等の原因を解説!
- 猫のアトピー性皮膚炎:湿疹やかさぶた等の症状を紹介!
について述べていきます。
アトピー性皮膚炎が疑われる場合には、すぐに専門家の判断が必要となりますので、早めの対処のためにも記事内容をご参考になさってください。
そもそも猫のアトピー性皮膚炎とは?皮膚病の一種なのか
猫のアトピー性皮膚炎(過敏性皮膚炎)は皮膚病の一種で、猫がおかれている環境の中にあるアレルゲン(アレルギーの原因物質)が体内に侵入することで起こる皮膚炎です。
猫を含めるペットが発症しやすい皮膚のトラブルとしては、
- 食べ物やノミ、花粉等に対するアレルギー
- カビ、細菌等の感染
- 体を舐めすぎてしまう等の過度なストレス
- ダニ、ノミ等の寄生虫
など、複数のものがあげられますが、その中でもアレルギー反応によって引き起こされる皮膚炎がアトピー性皮膚炎です。
以下の項目では、引き続き、猫のアトピー性皮膚炎について詳細を解説していきます。
猫のアトピー性皮膚炎の原因は?遺伝等の原因を解説!
アトピー性皮膚炎を含むアレルギー症状の原因ははっきりしていません。専門家ではない人にとって、一つに絞り切ることはできません。しかし、主な原因となり得ることについては、特徴があります。
主な原因としては、
- 遺伝的なもの(皮膚のバリア機能が弱い体質、アレルゲンに反応しやすい体質など)
- 環境内のアレルゲン(ハウスダスト、花粉、細菌やカビなど)
- ストレス(急激な環境の変化、高すぎる温度・湿度など)
などがあげられますが、一つだけに反応して発症しているとは限りません。複数の要因が重なって、結果的に皮膚への症状が出てしまっていることも多いとのことです。
猫のアトピー性皮膚炎の症状は?湿疹やかさぶた等の症状を紹介!
猫のアトピー性皮膚炎における主な症状は「強いかゆみ」であるようです。グルーミングの頻度が増えたり顔や体をかきむしったりしていたら要注意。
かゆみは頭から首の範囲をはじめ、全身に広くあらわれます。
皮膚をかき過ぎたりなめすぎたりすると脱毛することがあり、慢性化すると皮膚が厚くなったり黒ずんだりする可能性もあります。
猫のアトピー性皮膚炎の治療法や治療費、予防法を紹介!
上記では、猫のアトピー性皮膚炎について、原因や症状の例を述べてきました。愛猫にアトピー性皮膚炎のような症状がみられたら専門家の判断を受けることが大切になるでしょう。
さて、実際にアトピー性皮膚炎と診断された場合、その治療方法や費用、予防法などが気になってきますよね。
そこで、ここからの項目では、
- アトピー性皮膚炎の治療法や治療費
- シャンプーの有効性
- 猫のアトピー性皮膚炎の予防法
について解説。
治療に対する事前資料として、ご活用ください。
アトピー性皮膚炎の治療法や治療費とは?シャンプーが有効なのか
実際にアトピー性皮膚炎の症状を抑える治療法としては、
- 生活環境から可能な限りアレルゲンを排除していく
- アレルゲンを少量ずつ摂取して慣れさせる
- 保護具を装着して物理的に肌を守る
- 薬物投与、シャンプーなどの利用
など、複数の方法があげられます。
薬物投与としてはステロイド剤の効果が高いようです。この薬は比較的安価で、飲み薬だけでなく塗り薬やスプレー剤などもあり、使いやすい薬として広まっているとのことです。
ただし、ステロイド剤は効果が高い反面で、長期間の摂取で副作用が起こりやすい薬剤としても知られています。医師の指導の下、適切な使用が大切ですね。
また最近はステロイド剤より副作用の少ないシクロスポリン(免疫抑制剤)が使われることも多いそうです。
シャンプーについては、皮膚に付着したアレルゲンを洗い流す効果が期待できるとのことです。しかし、猫がひどくシャンプーを嫌がる場合はストレス要因にもなるため、様子を見ながら実施する方が良いようです。
さて、ペットの治療に対しては費用面も気になるところです。猫の皮膚病に関しては、一度だけの通院で収まるということは難しいようですね。
大抵の場合、複数回の通院が必要となり、治療用の薬や予防のための物品に関しても費用が掛かってしまいます。費用の高額化を含めて長期的な対応を想定しておく必要があるでしょう。
猫のアトピー性皮膚炎の予防法は?
アトピー性皮膚炎の予防について、重要なのはこまめに室内の掃除を行い、清潔さを保つことだと言われています。
アレルギー反応の一種であるアトピー性皮膚炎は、ハウスダストや花粉などの微細な粒子が原因になりやすいものです。
ハウスダストは家の中のチリやホコリの中でも目に見えないほど小さなものであり、人間の皮膚片やフケ、ダニの死骸やフンなども含まれます。
花粉が大量に飛ぶ季節などは、飼い主さんも外出先から帰った後に服の清掃を行い、花粉を室内に持ち込まないように注意が必要となるでしょう。
また、前述したように猫の皮膚病は一種類ではありません。アトピー性皮膚炎に加えて、他の皮膚病を併発してしまうこともあるとのこと。
特にノミアレルギーを併発する危険性が高いと言われており、ノミ・ダニなどを含めた寄生虫の駆除は重要とされています。
他にも、皮膚に栄養を与えてバリア機能を改善させることを目的とし、必須脂肪酸を含むサプリメントや栄養補助食品を食事にまぜて摂取させることも有効と言われています。
アトピー性皮膚炎にかかりやすい猫種や年齢はある?
アトピー性皮膚炎にかかりやすいのは、アビシニアン、ヒマラヤン、ペルシャ猫と言われています。しかし、他の種類の猫が発症しないというわけではありません。全種類の猫に可能性があります。
発症しやすい年齢としては、肌の保護機能が成熟していない3歳以下くらいまでに発症することが多いようです。しかし、大人になってから症状が現れることもあるとのこと。
アトピー性皮膚炎が発症する可能性は全ての種類の猫にあり、年齢によって限定することも難しいもののようです。
症状が疑われる場合には、獣医師の判断を仰ぐことが大切のようですね。
もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!
人間には医療に特化した医療保険がありますが、猫や犬など、ペットには基本的に公的な医療保険はありません。
最近では民間の保険会社各社からペット用の保険商品が販売されており、種類も豊富になっています。
ペットの通院や入院、手術にかかる費用を一定の割合で補償してくれます。
ある会社では、24時間対応のペット用健康相談窓口があり、フォローサービスも充実しているようです。万が一の備えとしてペット保険は有効な手段と言えるかもしれませんね。
MOFFMEでは、ペット保険に関する記事も多く掲載していますので、気になった方は検討材料としてお読みいただきたいと思います。
まとめ:猫のアトピー性皮膚炎とは?ステロイド等の薬が効果的!
- 猫のアトピー性皮膚炎とは皮膚病の一種
- 猫のアトピー性皮膚炎はステロイド剤の投与や薬用シャンプーで治療される
- 猫のアトピー性皮膚炎は3歳以下くらいまでが好発年齢
- 高額な治療費に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ
となりました。
アトピー性皮膚炎はアレルギー反応の一種。予防・改善法としては室内の環境管理が必須ということをご理解いただけたと思います。
また、食事による栄養補給やシャンプーによる清潔さの保持なども有効です。愛猫の状況に応じて使い分けていきたいですね。
治療薬にはステロイドの使用が一般的です。当然ながら使用には医師の指導が必要ですので、獣医師への相談は早めに実施なさってください。
MOFFMEでは、ペットの健康に関係する記事やペット用の保険の解説記事などを数多くそろえています。関心をお持ちの方は、ぜひ他の記事もお読みください。