猫の子宮蓄膿症についてご存知ですか?開放型と閉鎖型の2種類があり、メスの猫がかかる病気です。手術が遅れるだけで手遅れになってしまう程の危険な病気で、早期発見・早期治療が大切です。この記事では猫の子宮蓄膿症について原因や症状、治療法と治療費、予防法を解説します。
この記事の目次
目次を閉じる猫の子宮蓄膿症とは?手術にもリスクや後遺症のある危険な病気!
猫がかかる病気には子宮蓄膿症という病気があります。あまり聞きなれない病気ですがどのような病気なのでしょうか。
子宮蓄膿症とは、子宮を持つメスの犬や猫に見られる病気で子宮に細菌が入り込んで子宮内に膿液が溜まってしまう病気です。
子宮蓄膿症の症状が分かりずらいケースもあり、病気を見つけたとしても進行状況によっては手術が難しく、術後も後遺症が出る場合があるなど発症してしまうと厄介な病気だといえます。
今回「MOFFME」では猫の子宮蓄膿症などの解説を行っていきます。要点としては
- 子宮蓄膿症の原因や症状について
- 子宮蓄膿症を放置した場合のリスクについて
- 子宮蓄膿症の検査方法や手術方法、予防法について
- 子宮蓄膿症にかかりやすい猫の種類や年齢について
といった内容を取り上げます。本記事を読むことにより、子宮蓄膿症の原因や症状について知ることができます。
それにより、発症後の早期対応に繋がり猫への体の負担を減らすことが可能になるといえるでしょう。
猫の子宮蓄膿症とは?原因や症状について解説!
猫の子宮蓄膿症とはどのような病気なのでしょうか。簡単に説明しますと
- 子宮蓄膿症はメスの猫が発情時の排卵4週以降の黄体期に発症しやすい
- 子宮頸管を通じて細菌が子宮に侵入し、炎症を起こしてしまい膿が大量発生する
- 症状としては水分の過剰摂取などの行動に出るタイプや腹部肥大など身体的に出るタイプがある
- 子宮蓄膿症は開放型と閉鎖型がある
以上が子宮蓄膿症の原因と症状になります。原因としては細菌感染によるもので、この病気は症状が急速に悪化し手遅れになってしまうという場合があるので、猫の変調に気づいた時は早期対応が必要気です。
ここでは、子宮蓄膿症の原因や症状について詳しく解説していきます。
そもそも猫の子宮蓄膿症とは?放置すると手遅れになるのか
メスの猫は発情期になると妊娠しやすくなるために、プロジェステロンが関与して子宮内膜の過形成を起こすだけでなく、子宮腺の分泌の発達や腺分泌亢進、子宮頸管の収縮を起こし子宮内腔を閉鎖させます。
その状態の時に細菌が入り込んで子宮内で炎症を起こし、膿が発生する病気が子宮蓄膿症です。
この子宮蓄膿症の症状には、子宮に溜まった膿が外陰部から流れ続ける開放型と子宮に発生した膿が体内に溜まってしまう閉鎖型があります。
解放型は子宮から膿が流れ続けるので、飼い主などによって発見されやすいという特徴を持っておりますが、閉鎖型は膿が体内から漏れ出ないので発見が遅くなってしまいます。
閉鎖型は症状の発見が遅れ病気を放置してしまうという恐れがあります。そのため閉鎖型の場合は、目に見えるような症状が出てくるようになると急速に病状が悪化し手遅れになってしまうというケースも出てくるので、ちょっとした猫の体調の変化には気をつけるようにしましょう。
猫の子宮蓄膿症の原因は?発情期や妊娠した猫は要注意!
猫の子宮蓄膿症の原因となるのが子宮頸管から侵入する細菌です。では、発情期のメスの猫が細菌感染しやすくなる理由とは何のでしょうか。
発情期のメス猫はオス猫の精子を受け入れて妊娠しやすくなるために、子宮内での白血球反応の抑制を起こし、免疫力が下がります。
そのため、体の抵抗力が落ちてしまい結果として細菌に感染しやすくなってしまうのです。そういったこともあり、発情期を迎えている猫や妊娠した猫は子宮蓄膿症にかかってしまう可能性があるので注意が必要となります。
もし、外陰部から膿のような粘液が出ていたり、お腹が膨れるなどの症状が出るなどいつもと様子が違うのであれば、子宮蓄膿症になっている可能性が考えられます。
そういった違和感を見つけることで病気の早期発見に繋がるといえるでしょう。
猫の子宮蓄膿症の症状は?
猫の子宮蓄膿症の原因について紹介しましたが、どんな症状が見られるのでしょうか。子宮蓄膿症の症状としては猫の行動に出る症状と身体的に出る症状があります。
猫はあまり進んで水分を取りたがらない生き物ですが、積極的に水分を取り、尿量も増えるといった症状が見られるのであれば子宮蓄膿症を疑った方が良いでしょう。
他にも元気や食欲が無くなるのも子宮蓄膿症の行動的な症状といえます。身体的に特徴が表れて、かつ行動に出る症状としては、開放型の場合に見られる外陰部から膿様の液体やおりものが出てくるというものがあります。
このような状態になると猫が外陰部をよく舐めるようになったり、体外に出る膿は白っぽかったり血液が混じっているような物が出てきます。膿からは臭いもしてくるので飼い主に発見されやすい症状だと言えるでしょう。
閉鎖型は子宮に膿が溜まるので腹部の辺りが膨らむようになるという特徴がありますが、この症状は外的にはわかりずらく子宮蓄膿症の発見が遅れてしまうというケースも見られます。
猫の子宮蓄膿症の検査法や治療法、治療費と予防法を解説!
子宮蓄膿症の原因や症状について解説してきましたが、病気を発見した際にどのような検査や治療が行われるのか、そして治療費の金額はどのくらいかかるのかなど飼い主としては気になる点が多くあるのではないでしょうか。
ここでは、
- 子宮蓄膿症の検査法や治療法
- 子宮蓄膿症の治療費の実例
- 子宮蓄膿症の予防法
以上の内容を解説します。これらの内容を把握することで猫が子宮蓄膿症にかかった時の対応方法が見えてきます。
飼っている猫が子宮蓄膿症にかかった場合にどのような検査や治療が行われ、かかる費用が分かると飼い主としては安心して病院に行くことができます。
さらに、病気を防ぐためにはどんな方法を行うと良いか理解しておくと猫の体にかかる負担を減らすことに繋がります。
猫の子宮蓄膿症の治療法は?抗生物質等の薬や手術を解説!
子宮蓄膿症は自然治癒で完治する病気ではないので、膿を体内から排除する治療が必要になります。
治療法には手術をおこなう外科的な方法と抗生物質や、子宮頸管を開く作用のある薬を用いる内科的な方法があります。
抗生物質や子宮頸管を開く作用のある薬を用いた治療法を行う場合は、猫が高齢で手術に耐えられない状態の場合や子宮を温存したいといった理由が上げられます。
内科的な方法は効果があるのですが、病気の原因となる子宮が猫の体内に残るので再発のリスクが避けられません。
そういった点で、手術を用いた病気の原因となる子宮を取り除く外科的な方法は病気の再発も防げ、猫の体の負担を軽減することができます。
確実に病気の再発を防ぎたい場合は卵巣と子宮を手術で摘出する外科的な方法が良いでしょう。
猫の子宮蓄膿症の治療費は?入院費用や手術費用も実例で紹介!
子宮蓄膿症の入院や手術の費用はどのようになっているか実例で紹介します。まず、子宮蓄膿症の手術費用ですが、子宮摘出の平均的な金額として45,000~50,000円くらいで設定されているようです。
ほかにも手術を行うためにはエコー撮影や血液検査などがあります。それらを含めると50,000円くらいになるので手術費用としては総額で100,000円前後になります。
そこに入院費用が加算されるのですが1日あたり5,000円くらいの料金が発生するので一週間くらいの入院をするとなると手術費用と併せると平均には150,000円くらいになるとみて良いでしょう。
この金額は手術を行った外科的な方法の費用ですが、薬を用いた内科的な方法の治療でも費用は変わらないので、どちらの方法を取ったとしてもかかる費用が変わるというわけではありません。
猫の子宮蓄膿症の予防法は?避妊手術がおすすめ!
子宮蓄膿症を発症してしまうと猫の体に負担がかかり、場合によっては手遅れになってしまうことがあります。
しかも手術を行えば高額な費用がかかってしまいます。この病気を防ぐ予防法はないのでしょうか。
この病気の確実な予防法として上げられるのが避妊手術です。避妊手術には子宮を温存し卵巣を残すタイプと、子宮を摘出するタイプがあります。
もし卵巣のみの摘出手術をおこなった場合、子宮蓄膿症の原因となる子宮が猫の体内に残ってしまうので病気にかかる可能性が出てきてしまいます。
ですので、確実に病気を予防したいのであれば子宮を摘出する避妊手術を選択すると良いでしょう。
そうすることにより病気の原因となる子宮を摘出するので、子宮蓄膿症にかかる心配がありません。
子宮蓄膿症にかかりやすい猫種や年齢、猫の状態は?
ここでは子宮蓄膿症にかかりやすい猫の種類や年齢、どういった状態の時に発症しやすいのかといった点について解説していきます。
子宮蓄膿症にかかりやすい猫に種類があるのかという点ですが、特に猫種で発症の確率が変わるというわけではありません。
この病気は、どの猫種でもメスの猫であればかかる可能性があります。病気のかかりやすさという意味では年齢の方が大きく影響を与えます。
この病気は猫が妊娠する体になると発症するリスクが出てきます。ですので、早いと1歳くらいでかかる場合があります。
発症の確率が上がる年齢としては5歳以上からになります。猫の年齢の5歳は人間の年齢にすると36歳くらいになるので、5年しか生きていなくてもそれなりに猫の体も加齢していることが理解できます。
また、子宮蓄膿症は猫が発情期を迎えていたり妊娠しているとかかりやすくなるので、この状態の猫は気をつけてあげるようにしましょう。
もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!
子宮蓄膿症にかかった場合、手術費用が入院費を含めて平均150,000円くらいかかることが判明しました。
猫がこの病気にかかるのは犬よりも確率が低いことは知られています。しかし、避妊手術を受けていないメスの猫であれば、どの猫種でもかかるリスクという点では変わりありません。
そういったことを考慮したときに、万が一に備えペット保険に加入しておくと良いでしょう。ペット保険に加入しておくと、猫が手術や入院するような状況になった時に保険金が支払われるので負担する費用が抑えることができます。
また、ペット保険は入院や手術だけでなく通院などの場合でも利用が可能です。MOFFMEにはペット保険に関する記事を多く取り扱っています。
ペット保険についていろいろ知りたいのであれば、MOFFMEの記事を参考にしてみましょう。
まとめ:猫の子宮蓄膿症とは?
猫の子宮蓄膿症について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。改めてこの病気についてまとめますと
- 子宮蓄膿症の原因は細菌が子宮内に侵入し炎症を起こすため
- 炎症により子宮内に膿が大量発生する
- 子宮蓄膿症には膿の出ない閉鎖型と膿が出続ける開放型がある
- 閉鎖型は症状が出てきにくいので分かりずらい
- 猫の変調に気づいたら早めに治療をおこなう
- 症状には猫の行動で判断できるものと身体的に判断できるものがある
- 子宮蓄膿症の治療法には外科的と内科的な方法がある
- 発情期中や妊娠中の猫はがかかりやすい
- 発症年齢は5歳以上が多い
- 避妊手術が子宮蓄膿症の予防法になる
といった内容になります。子宮蓄膿症は自然治癒で治るという病気ではなく、気づかないうちに病状が進行していき手遅れになる場合もあります。
早期の対応であれば、猫の体に負担をかけずに治療を行えるので、子宮蓄膿症の症状を感じたら直ぐに動物病院へ連れて行きましょう。
MOFFMEでは、他にも役立つペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので是非ご覧ください。