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猫に魚が好きなイメージもある影響か、魚肉ソーセージも食べるかもと考えがちです。しかし魚肉ソーセージには塩分が多く含まれているため、おすすめできません。この記事では、猫に魚肉ソーセージを与えても大丈夫なのかを説明すると共に、おすすめできない理由なども紹介します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

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猫に魚肉ソーセージを与えても大丈夫なのか解説


記事モデル:グレ&バル


魚肉ソーセージは、低カロリーで高タンパク商品です。

カルシウムも豊富で身体にも良く、健康食品のひとつとも言われていますよね。


魚のすり身ですから、魚は猫の好物だしと思い、餌のひとつ、或いはおやつとしてあげたくなりますよね。猫も喜んで食べる事でしょう。


しかし、猫にとって魚肉ソーセージは身体に良いのでしょうか?

実は、猫に魚肉ソーセージはおすすめできない事なのです。


そこで、今回「MOFFME」では次の事をお伝えします。

  1. 猫に魚肉ソーセージを与えるデメリット4つ
  2. 猫が魚肉ソーセージを食べてしまった時の対処法2つ
  3. 猫が魚肉ソーセージを食べたがる理由とは

最後までお読みいただければ、猫に魚肉ソーセージを与えてはいけない理由、対処法が分かります。是非、ご覧下さい。

猫にとって魚肉ソーセージは塩分が多くおすすめできない

猫にとって魚肉ソーセージはおすすめ出来ません。


「魚肉ソーセージ」とは、ソーセージの形をしていますが、中身は魚肉のすり身をケーシングに入れて加熱して作った練り物製品です。


別名、「フィッシュソーセージ」とも言われ、魚好きの猫の好物と思われるかもしれません。


しかし、魚肉ソーセージに入っている次の成分は、猫の身体に悪く、健康を害する可能性もあるため、おすすめできません。

  • 塩分過剰
  • 香辛料
  • 添加物
  • 玉ねぎ
1つずつ詳しく説明して行きましょう。

デメリット①:塩分過剰

文部科学省「食品成分データベース」によると魚肉ソーセージの塩分量は100gあたり2.1gです。


成人男性の1日の塩分摂取量は7.5gまでとなっているのを考えても、多い塩分量ですよね。


これを、猫の場合で考えてみましょう。


猫の場合、1日に必要なカロリー量とナトリウム量から計算して行きます。

計算方法は次の通り。

  1. ナトリウム3.1mg×1日に必要なカロリー=1日に必要なナトリウム量・・・①
  2. ①×2.54÷1,000=1日に必要な塩分の量(①で計算したナトリウム量を塩分量に再計算したもの)・・・②

上記に当てはめると、1日400kcak必要な猫の場合、

①3.1mg×400kcal=1,240mg

②1,240mg×2.54÷1,000=3.1496g


上記の猫の1日あたりのナトリウム摂取量は約3gになります。

魚肉ソーセージ1本は約90gです。計算すると、1本あたりの塩分量は1.89gとなります。


猫が取る1日の塩分量の63%をおやつの魚肉ソーセージで摂ってしまう事になります。

明らかに塩分過多ですよね。


猫が塩分を取り過ぎた場合、血圧が上がって、腎臓に大きな負担を掛けてしまいます。ひどくなると腎不全を起こす事もありますので、十分に注意が必要です。

デメリット②:香辛料

魚肉ソーセージとかまぼこは、どちらも魚のすり身を使っていますが、大きな違いの一つに、魚肉ソーセージには「香辛料」が使われている事が挙げられます。


香辛料は、魚臭さを消して香りを付け、ソーセージらしい食味を出す目的で使われています。


主に含まれている香辛料は、白コショウ、ショウガ、桂皮、タイム、オールスパイス、セージ、ローレル、クローブなどです。


これらの香辛料を魚肉に混ぜて練って魚肉ソーセージを作っています。


人間にとっては香りも料理のひとつで、大変美味しいのですが、香辛料を入れて作るのは、あくまで人間の嗜好に合わせてに加工したものです。


同じ物を猫に与えると、猫にとっては刺激が強すぎます。

胃腸への負担が大きくなり、肝臓や腎臓へも悪影響を及ぼしてしまいます。猫には香りづけは不要ですね。

デメリット③:添加物

魚肉ソーセージにはいろいろな添加物が入っています。

魚肉ソーセージの添加物の中で、次の2つを紹介します。


「リン酸ナトリウム」

魚肉ソーセージの粘着剤の役割を果たしています。

リンはいろいろな食品に含まれていますから、身近な添加物です。


魚肉ソーセージのリン含有量の実態について/川崎医療福祉学会誌によると、成人男性1日のリンの上限量が3,000mgに対して、魚肉ソーセージ1本あたりのリンの量は約70mgと少量です。人間にとっては何の問題もない量です。


「赤色102号」「赤色106号」(タール系色素)

魚肉ソーセージを美味しく見せる着色料です。

日本国内では上記色素は食品への使用は認められています。


しかし、札幌消費者協会「気をつけたい指定添加物の科学的に合成された着色料」によると、タール系色素は発がん性の疑いがあり、使用を禁止された色素もあります。


安全性を考慮して、食品メーカーによってはタール系色素を使わないようにしているところもあります。


このように、人間にとっては問題がなくても、添加物は決して身体に良い物ではありません。


猫は人間と比べて身体が小さいですから、人間が大丈夫な量と、猫が大丈夫な量は明らかに違います。


猫の健康の為には、無添加の餌が良いですので、魚肉ソーセージはおすすめではありません。

デメリット④:玉ねぎ

魚肉ソーセージには一般的に魚肉を練り合わせる時に混ざり物のない物と、混ざり物のある物があります。

この、混ざり物のある魚肉ソーセージの事を「特種魚肉ソーセージ」と言います。


特種魚肉ソーセージには、チーズや粗挽き肉や玉ねぎなどを混ぜ込んでいます。


特種魚肉ソーセージの中で、特に気をつけなければならないのが「玉ねぎ」入りの魚肉ソーセージです。


猫は玉ねぎなどのネギ類を食べるのは危険です。


何故なら、玉ねぎやニンニク、ニラなどのネギ科の食べ物にはアリルプロピルジスルファイドと呼ばれる辛みの成分が入っているのですが、この成分がヘモグロビンを酸化させて溶血性貧血を起こし、猫はタマネギ中毒を起こしてしまうからです。

参考:タマネギ中毒の症状とは

猫がタマネギ中毒を起こすと、どのような症状が起きるでしょうか。


一番の症状は、溶血性貧血の症状です。

他にも次のような症状が現れます。

  • 吐く
  • 下痢をする
  • 食欲がなくなる
  • 元気がなくなる
  • 尿が赤い、黒い
  • 黄疸(白目が黄色くなる)

タマネギ中毒は、血液検査や尿検査で判明します。


タマネギ中毒にならないようにするには、ズバリ、タマネギを食べさせない事です。


犬と違って猫は用心深く、何でも口に入れないので、危険性は犬よりも少ないのです。

それでも魚肉ソーセージのように、ネギのニオイもしなければ味もしない加工品では、猫も知らずにタマネギを食べてしまうでしょう。


猫の体重1kgに対して5gのタマネギを食べると、タマネギ中毒になるという目安はあります。


しかし、それぞれの猫に必ずしも当てはまるとは限りません。


ですから、やはり飼い主が常に気を付けて、タマネギが入っている食べ物は決して与えないように十分注意をする必要があります。

もし猫が魚肉ソーセージを食べてしまったら?ペット保険も解説!


ここまで、猫が魚肉ソーセージを食べてはいけない理由を詳しくお伝えしました。


猫が魚肉ソーセージを食べないように飼い主が気をつけるようにすれば良いのですが、いくら気をつけていても、ちょっと目を離した隙に誤って猫が食べてしまわないとも限りません。


そこで、もしも猫が魚肉ソーセージを食べてしまった場合、次の3つの対応策があります。

  1. まずは様子を見る
  2. 症状が出たら動物病院へ
  3. 受診時には情報を整理して伝える

ひとつずつ説明します。

対応①:まずは様子を見つつ情報整理

猫が誤って魚肉ソーセージを食べたからと言って、すぐに重大な症状が現れるわけではありません。ほとんどの場合、すぐには特に症状は起きません。


ですから、誤って魚肉ソーセージを食べた姿を発見した場合、しばらくは猫の様子を注意深く観察して下さい。


一番大事な事は、猫が魚肉ソーセージを食べてしまった事に気持ちが動転してしまって、うろたえたり、慌てたりしない事です。


最初は何ともなくても、時間の経過と共に、症状が現れる事もあります。

猫の様子をしっかりと観察して、情報を整理しましょう。


例えば、何時頃にどのくらいの量の魚肉ソーセージを食べたか?食べた直後の猫の様子、数時間後の猫の様子など、詳しく記録するようにして下さい。

対応②:何かしらの症状が現れた場合は動物病院へ

もしも何か普段と違う様子が見られた場合は、ただちに動物病院へ行きましょう。


特に子猫の場合は、身体が小さい分、重症化しやすいですから、食べた物を戻したり、下痢の症状が起きた場合には、速やかに受診しましょう。


また、猫の場合、治療費は全額負担となってしまいますので、苦しんだり、かなり様子がおかしくなってからでないと病院へ連れて行かないという方もいます。


手遅れになっては大変ですよね。

そのような治療費の負担を軽減するために、「ペット保険」があります。

ペット保険では入院や手術の他にも、誤飲や誤食した場合にも対象になります。


ですから、様子がおかしい場合だけでなく、心配でしたら、誤食した事を獣医さんに伝えて、動物病院の受診を受けると良いでしょう。


しっかりと獣医さんに診てもらう事で安心ですね。

対応③:受診時には整理した情報を伝える

獣医さんを受診する時には、「いつ、何を、どのくらい」食べたのかを詳しく伝えるようにしましょう。


そのためにも、誤って魚肉ソーセージを食べた時の情報を細かくメモしておいて持参すると説明がしやすいですね。


愛猫の体調が崩れた時は、飼い主は動揺して上手く獣医さんに伝えられないかもしれませんので、メモを取っておく事は大事です。


また、どんな魚肉ソーセージを食べたのか、魚肉ソーセージのパッケージを持参するのも良いでしょう。

パッケージには、どんな成分が入っているか細かく書いてあります。


例えば、成分に「玉ねぎ」と書いてあれば猫が嘔吐や下痢を起こした原因が玉ねぎにあると原因の追求がしやすくなります。


パッケージがなければ、食べ残した魚肉ソーセージを持参しても良いでしょう。


このように、情報量が多いほど、獣医さんも正確に判断しやすくなります。

猫が魚肉ソーセージを食べたがる理由とは?


ところで、猫が魚肉ソーセージを食べたがる理由は何でしょうか?


私達人間からしてみると、猫は魚が大好きで喜んで食べますよね。

ですから、好物の魚のすり身を使った魚肉ソーセージの味が好きなのだろうと、単純に思いがちです。


しかし、魚の味そのものが魚肉ソーセージを食べたがる理由ではないのです。


次の2点の理由があります。

  • 猫は味よりも匂いを重視しているから
  • 猫には好みの食感があるから

以上について詳しくお伝えして行きます。

猫は味よりも匂いを重視する

猫は魚肉ソーセージの味が好きで食べたがっているのか?というと、実はそうではなく、匂いで食べたがっています。


猫の味覚は人間よりも劣っています。

舌にある「味蕾(みらい)」という場所で味を感じて「美味しい!!」と思うのですが、人間は味蕾の数が約1万個に対して猫は10分の1程度しかありません。


ですから、食べたからと言って、美味しい!とかしょっぱい!とかという味の感覚は猫は薄いのです。


逆に、猫は人間と比べて匂いにとても敏感です。

鼻には、嗅細胞と呼ばれる匂いを嗅ぎ分ける受容器がありますが、人間が4000万個に対して、猫は2億個もあります。


そのため、人間が気づかない匂いにも反応します。

そして、人間より匂いを強く感じる、というのではなくて、匂いを嗅ぎ分ける力が優れているという事です。


ですから、魚肉ソーセージは魚の匂いがプンプンするので、猫は匂いに反応して好んで食べようとするのですね。


このように、猫は匂いによって「美味しい!」を判断しています。

猫には好みの食感がある

猫には好みの食感があります。


具体的に、猫の好みの食感を調査したのは、オランダのユトレヒト大学の獣医学部の人達です。調査したのは、次の3つの項目です。

項目結果
pH
pHが大きいほど嫌われている
(pHが大きい=アルカリ性に傾く)
つまり、酸性のものを好む。
硬さ軟らかい食感のものが良い。
猫は基本、食べ物を丸呑みするので、
硬いとノドに引っ掛かりやすい。
かまなくても飲み込みやすい軟らかいものを好む。
粘度粘りっこいものは苦手。
ネバネバ系のものはノドを通りにくいので、
ネバっとドロっとしていないものの方が好み。

以上の3点で考えると、猫の好みの食べ物は、生の魚や生の肉系の食感に近いものになります。

そう考えると、その食感に近い魚肉ソーセージを好む理由が分かりますね!

参考:餌やおやつが偏食の原因になることも

可愛いからといって、アナタの愛猫にあげている餌やおやつのあげ方で、偏食になる事もありますので注意して行きましょう。


偏食になる理由は次の通りです。


飼い主と同じ物を食べたがる

愛猫は可愛いから、と言って、側に来ると自分の食べている魚肉ソーセージなどを猫に与える事はありませんか?


これは、猫の偏食のきっかけになってしまいます。


人間用の食べ物は、普段食べている物と違うので、猫は興味を持ちます。


食べてみて、その食感や匂いが好みだったら、飼い主が食べている物=美味しい物とインプットされ、本来の餌を食べなくなってしまう事もあります。


ですから、最初から、人間の食べ物は与えないようにする事が大切です。

一度覚えた味は忘れないものですから!


ウエットフードが好き

キャットフードの中でも、猫はウェットフードが好きです。


ウェットフードは副食やおやつです。匂いや味が猫好みなので、あげ過ぎると主食である総合栄養食のドライフードを食べなくなりますので量には十分注意しましょう。


餌の種類をよく変更する

猫の餌であるキャットフードのメーカーをしょっ中変えていませんか?


ホームセンターで安売りしていたので、今回はA社のキャットフード、今日はつい買い忘れたから、近くのスーパーでB社のキャットフードを購入。という風に、しょっ中変えていると、食べるキャットフードと食べないキャットフードが出て来てしまいます。


いつも食べているC社のものより、B社の方が美味しかった場合、いつものC社のキャットフードは食べなくなってしまい、結果として偏食の原因となります。


ですから、餌は決まったキャットフードを与えるようにしましょう。

猫に魚肉ソーセージを与えても大丈夫?のまとめ


ここまで、猫に魚肉ソーセージを与えても大丈夫かどうかをお伝えしてきましたが、いかがでしたか?


今回の記事では次の事をお伝えしました。

  • 猫に魚肉ソーセージはおすすめできない。
  • 猫に魚肉ソーセージを与えてはいけない理由は、塩分過多・香辛料の刺激の強さ・添加物・玉ねぎなどが、猫の身体に悪影響を及ぼすから。
  • もし猫が魚肉ソーセージを食べてしまったら、しばらく様子を観察し、冷静に情報を整理する事。
  • 猫が魚肉ソーセージを食べて症状が出た時は速やかに動物病院へ行く事。
  • 猫の誤飲や誤食は「ペット保険」の対象になるので、万一の時は利用しよう。
  • 猫が魚肉ソーセージを食べたがる理由は、匂いと食感が猫好みだからである。
  • 猫に与える餌やおやつが偏食の原因になる事があるので、与え方に注意が必要

魚肉ソーセージは魚のすり身だからと言って、猫に安易に与えるのは、猫の健康を害する大きな原因になります。


人間の食べる物と猫の食べる物はしっかりと分けて、猫の健康管理には十分気をつけて行きましょうね!


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