犬のうるさい鳴き声や無駄吠えの問題は、ご近所からの苦情やトラブルに発展しやすい問題です。場合によっては警察や保健所への通報や、引っ越しなどの事態に繋がりかねません。この記事では、飼い主と周囲の住民、それぞれの視点から、犬のうるさい鳴き声の対処法を紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる自分の愛犬や隣近所の犬がうるさい理由と対処法を解説
ワンワン吠えてうるさい愛犬…落ち着かせようにも、なかなか上手くいかない!
上記のような悩みを抱えている方も、きっといることでしょう。
ワンちゃんが激しく吠えていても、その理由が分からず対処ができないという悩みは、愛犬家にとってはつきもの。
また、自分の家の愛犬はおとなしくても、隣近所の犬がうるさくて悩んでいるという方もいるのではないでしょうか?
今回「MOFFME」では、悩めるあなたのために自分の愛犬や隣近所の犬がうるさい時の対処法を徹底解説します。
- 犬の鳴き声がうるさい理由はさまざま
- 犬がなぜうるさいのかを見定めて適切に対処する必要性
- うるさい場合の4つの理由
- 自分の愛犬がうるさい場合の対処法
- 隣近所の犬がうるさい場合の対処法
- 犬の鳴き声が事件や裁判に発展した事例
犬の鳴き声がうるさい理由はさまざま
犬がワンワンと激しく鳴くのには、必ず理由があります。
犬は元々牧羊犬や番犬などとして飼われ、吠えることを仕事にしてきた動物。
主人に何かを知らせるために、あなたのワンちゃんは必死に吠えているのです。
しかし、それが不要になった現代社会で生きるためには、しつけも必要。
なぜワンちゃんが吠えているのかを見極め、正しい対処をしてうるさく吠えないようしつけをしてあげましょう。
飼っているワンちゃんが吠えてうるさい場合は、以下の4つの理由が考えられます。
- 恐怖心や警戒心
- おねだり
- 感情や精神的な問題
- 発情期(さかり)
以下では、犬が吠える4つの理由について詳しく解説します。
なぜうるさいのかを見定めて適切に対処しよう
犬がワンワンと激しく吠えるのには、必ず理由があります。
激しく鳴く犬は、あなたに何かを訴えているのです。
吠えている犬を怒鳴って叱ったり、叩いたりするのはNG。
犬は吠える本能がある動物であり、それを叱ると飼い主との信頼が崩れるだけでなく、ストレスや恐怖でさらに吠えるようになるケースがあるのです。
何故吠えているのかを特定したら、適切な対処をして「今は吠えなくていいんだよ」と教えてあげましょう。
飼っているワンちゃんが吠えてうるさい場合は、以下の4つの理由が考えられます。
- 恐怖心や警戒心
- おねだり
- 感情や精神的な問題
- 発情期(さかり)
以下では、犬が吠える4つの理由について詳しく解説します。
理由①:恐怖心や警戒心
犬には知らない人が近づくと、周りの仲間に危険を知らせようと吠える習性があります。
これは、自然界で犬のご先祖さまが群れで生きていた時の名残で、「警戒吠え」と呼ばれるものです。
「知らないやつが来たぞ!みんな気をつけろ!」
と、飼い主さんや家族にアピールしているのです。
家庭犬の場合、ワンちゃんは以下の理由で警戒吠えをしていることが多いです。
- 誰かが来るよ!と飼い主に知らせている(主人への忠義心が強い)
- 勝手になわばりの前を通るな!と威嚇している(警戒心が強い)
- 怪しい物音がした!怖い!と怯えている(怖がっている) など
理由②:おねだり
犬は飼い主に何かを要求する時にも、激しく吠えることがあります。
これは「要求吠え」と呼ばれるもので、以下のような気持ちの時に犬が発するものです。
- おやつが欲しい
- 飼い主と遊びたい
- ケージから出してほしい
- 散歩に行きたい
- 抱っこしてほしい
- 飼い主に甘えたい など
理由③:感情や精神的な問題
犬は精神的なストレスが溜まっていると、吠えてしまうことがあります。
飼い主にかまってもらえないストレスを抱えていたり、退屈を感じていたりすると不安から激しく吠え出すことも。
また、気持ちが高ぶった犬も興奮して吠えることが多いです。
感情や精神的な問題で吠える犬を落ち着かせるには、今ワンちゃんがどんな気持ちなのかを知ることが大切です。
ワンちゃんの表情やボディランゲージを基に喜怒哀楽を判断し、なぜ吠えているのかを判別してあげましょう。
理由④:発情期(さかり)
メス犬には、本能に基づいた生殖できる時期をオスに知らせる発情期があります。
メス犬は発情期が来るとフェロモンを出し、攻撃的になって飼い主さんに威嚇吠えをするようになります。
それを発見したオス犬は、繁殖期のメス犬に自分の存在をアピールするために、ひたすらワンワンと吠えるのです。
この際の吠え行為は犬にとって子孫を残すための重要なものですが、繁殖予定がない場合には飼い主さんにとって騒音でしかありません。
繁殖期特有の無駄吠えを防ぐためにも、繁殖予定がないならば愛犬に避妊・去勢手術をすることをおすすめします。
自分の愛犬がうるさい場合の対処法
- 基本の対処法は「しっかりしたしつけ」を
- 適切な環境での飼育や適切な運動をさせよう
- 発情期対策には不妊・去勢手術を
- 他人にとって犬の鳴き声は騒音でしかないことを意識しよう
しっかりとしつけるのが基本の対処法
犬の無駄吠えをなくすためには、しっかりと社会化をうながすしつけをすることが何より重要です。
子犬の頃からほかの人や犬に慣れさせたり、刺激に慣れさせたりして社会化を促すようにしましょう。
成犬となったワンちゃんの吠えが日常化しているならば、まずは吠えるきっかけとなる刺激に慣らしたり、刺激そのものを減らしたりしましょう。
窓の外に向かって吠えるワンちゃんならば窓に目隠しフィルムをしたり、食事中に要求吠えをするワンちゃんならばケージを食卓から離したりしましょう。
原因から引き離すことにより、それだけで吠えることがなくなるケースも多々ありますよ。
また、警戒吠えが多いワンちゃんには、ハウストレーニングをし直すのも効果的。
ハウスとなるサークルの中やケージなどを安心な場所だと認識させれば、警戒や興奮から吠えることが少なくなります。
適切な環境での飼育や適切な運動も必要
犬は何かを訴える時に吠えることが多い動物です。
もし、あなたのワンちゃんが何かを訴えて吠えている時には、以下の項目を見直す必要があるかもしれません。
- 食事や睡眠、運動の量
- 飼育環境の広さ
- 飼育環境の清潔さ
- 飼育環境の温度や湿度 など
愛犬が何かに対し不満を持ち、「飼い主さん、なんとかしてよ~!」と訴えている場合には、その原因を解決するだけで無駄吠えが止むことも多いです。
いつも無駄吠えをしないワンちゃんがワンワンと激しく吠えていたら、飼育環境や運動量が適切かをまず見直してあげましょう。
発情期(さかり)対策には不妊・去勢手術も手段のひとつ
発情期に盛んに吠える犬に避妊・去勢手術をするだけでも、無駄吠えをしなくなるケースもあります。
避妊・去勢を行うことにはメリットもありますが、同時にデメリットもあります。
避妊・去勢手術のメリット・デメリットは、以下にまとめています。
【避妊・去勢のメリット】
- 繁殖ができなくなる(オス・メス共通)
- 代謝が減り太りやすくなる(オス・メス共通)
- ホルモン反応性尿失禁のリスクがある(メス) など
他人にとって犬の鳴き声は騒音でしかない
飼い主は我慢できたとしても、激しく吠える犬の声は他人にとって騒音でしかありません。
ワンちゃんの声は、実は大きな音がする工場と同じくらいの騒音レベル。
犬の鳴き声を放置していたら騒音被害を訴えられ、裁判にまで発展した事例もあります。
ワンちゃんが吠えて他人に迷惑をかけてしまった場合、損害賠償を請求されることもあるのです。
環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」では、犬の無駄吠えをなくす努力をする必要が飼い主にはあると記載されています。
あなたにとってはかわいいワンちゃんの鳴き声も、他の誰かにとっては騒音になることを必ず意識してください。
愛犬が無駄吠えをしていたら必ずしつけをし、苦情があった際には必ず謝罪をするよう心がけましょう。
参考:犬の寝息(いびき)がうるさい場合は?
犬の吠え声ではなく、いびきがうるさい時にはどうしたらよいのでしょうか。
犬のいびきのほとんどは、気にする必要がない無害なものです。
いびきは特に、鼻や喉の空気の通り道が狭くなると起こりやすい現象で、以下のような犬によく見られます。
- フレンチブルドッグやパグなどの短頭種
- 肥満体系の犬
- 首を折り曲げて寝る癖がある犬
- アレルギー性鼻炎の犬
愛犬の無駄吠えをしつける際の注意点
ここでは、愛犬の無駄吠えをしつける際の注意点を3つ紹介。
- 無駄吠え防止グッズには一時的な効果しかない
- 叩くしつけは絶対にダメ!
- トレーナーにしつけを任せるのも手段のひとつ
無駄吠え防止グッズには一時的な効果しかない
「近所に迷惑がかかるから、犬の無駄吠えを早く終わらせなきゃ!」
上記のような悩みを抱えた末に、無駄吠え防止グッズに手を出す飼い主さんもきっといることでしょう。
しかし、無駄吠え防止グッズには、犬が刺激に慣れると効果が薄れるというデメリットがあります。
犬がグッズに慣れてくると、うるさい状態に逆戻りすることも珍しくないのです。
無駄吠え防止グッズを使われると「飼い主さんに嫌なことをされた!」と思ってしまう子もいるため、愛犬のためにも極力使用は控えるべきだといえるでしょう。
無駄吠え防止グッズは、あくまでも最終手段。
騒音を警察に通報されたりときなど、どうしようもなくなったときにだけ使用するようにしてください。
叩くしつけ(暴力)は絶対にダメ!
愛犬の無駄吠えをしつける時に、叩いたり大声で叱ったりするのは絶対にNGです。
暴力で犬をしつけることには、以下のようなたくさんのデメリットがあります。
- 人に対する警戒心や不信感が高まる
- 肉体的ストレスから不安に陥る
- 罰を受けた人や環境、出来事を嫌なものだと認識してしまう
- 恐怖心から怒られないようビクビクするようになる
- 何もしなくなり無気力な状態に陥る など
トレーナーにしつけを任せるのも手段のひとつ
自分で犬をしつけるのが難しいと感じた場合には、プロのドッグトレーナーにしつけを依頼するようにするのも手段のひとつです。
ドッグトレーニングには、以下のような種類があります。
- トレーナーの自宅訪問
- 教室でのプライベートレッスン
- 教室でのグループレッスン
- 犬のみ参加の泊まり込み合宿 など
隣や近所の犬がうるさい場合の対処法
上記のような悩みを抱える方もいるのではないでしょうか。
犬の鳴き声は非常に大きく響くため、騒音トラブルになることもしばしばあります。
飼い主との人間関係に注意し、犬の鳴き声の騒音トラブルには対処しましょう。
- まずは飼い主と話をする
- 自分に対して吠えかかってくる場合は犬と仲良くなるのも手
- 超音波式の犬笛やしつけ用グッズを使う
- それでもだめなら第三者や公的機関(警察・保健所など)に相談を
犬の飼い主との人間関係に注意しよう
犬の飼い主と騒音について話をする際には、人間関係にしっかり気をつけるようにしましょう。
飼い犬の声がうるさいと伝える際には、言葉を選び対処することが大切です。
フラストレーションがあるため、落ち着こうと思っても苦情を口にする時には感情的になっていることも…。
怒りをあらわにしたり、怒鳴ったりして攻撃的な態度をとると、問題が複雑化し関係が悪化することになってしまいます。
不満を口にする際にはまず深呼吸をし、イライラせず冷静に落ち着いて話をしましょう。
対処法①:飼い主と話をする
隣や近所の犬がうるさいと感じたら、まずは犬の飼い主に自分が困っていることを伝えましょう。
その際、飼い主に何か事情があるのならば、そのことには理解を示すようにしてください。
相手の気持ちを気遣う態度や行動をとることにより、穏便に事が運びやすくなるからです。
感情任せに話をするのは、騒音問題を解決するのには逆効果です。
感情の爆発を相手に押し付けると、話が進まないどころか相手に不快な思いをさせてしまうことになりがちです。
相手と話すときは心を落ち着け、必ず冷静に話をするようにしましょう。
対処法②:犬と仲良くなる
犬があなたに向かって吠え掛かってくる場合、その犬はあなたを警戒しているのかもしれません。
自分を見るたびに隣の家の犬が鳴くようなケースの場合には、以下のような方法で警戒心を解いてあげるとよいでしょう。
- 庭で過ごす時間を増やし、犬をあなたの存在に慣らす
- 犬が見える場所にあなたの匂いがするものを置き、ニオイに慣れてもらう
- 飼い主とあなたが親しい場合には、犬と直接遊んだり好物を与えてみる など
対処法③:超音波式の犬笛やしつけ用グッズを使う
近所や隣の犬の無駄吠えには、超音波を使うのもおすすめです。
犬が嫌がる周波数の超音波を出すことにより、無駄吠えをしつけることができます。
この超音波は人間に害はなく犬のみに影響を与えるため、周囲にも気づかれにくく安心です。
超音波は市販されている犬笛やしつけグッズのほか、スマートフォンのアプリでも気軽にダウンロードすることができます。
しかし、この超音波が効くかどうかには個体差があります。
全く効かない犬がいたり、徐々に耐性がつき反応しなくなったりする犬がいたりする点には注意しましょう。
対処法④:第三者や公的機関(警察・保健所など)に相談する
犬の吠え具合がすさまじかったり飼育状況がひどいかったりする場合、飼い主に改善する気が全くない場合には、自分に危害が及ぶ前に第三者や公的機関に相談しましょう。
集合住宅・戸建て別の相談機関は、以下の通りです。
- 集合住宅やマンションの場合:大家や管理会社・組合
- 戸建ての場合:町内会や自治会などの第三者
犬のうるさい鳴き声が事件や裁判に発展することも
「犬の鳴き声がうるさくてノイローゼになった…」
上記のような理由で、犬の鳴き声に関する苦情が事件や裁判に発展することも、珍しくありません。
犬の鳴き声により発生した病気やノイローゼに対して損害賠償を請求されたり、弁護士費用の支払いを請求されたりすると高額の支払いをしなくてはいけなくなります。
以下の訴訟は、実際に犬の鳴き声で訴訟に発達した例です。
【昭和61年に横浜で起きた訴訟】
深夜から早朝にかけてに犬の鳴き声がうるさいとして、裁判に発展した事例。
犬の飼い主は昼間に家を留守にしており、犬をしっかり運動させることもなかった。
よって、飼い主は「保管義務違反」を犯していたとされ、原告夫妻には各30万円の慰謝料支払いが命じられた。
裁判で訴訟されたとなれば、住んでいる地域の人からの目も冷たくなることでしょう。
裁判になるまで犬の騒音問題をこじらせないようにするためには、飼い主がしっかりしつけをすることが重要です。
周囲の人も訴訟問題になるのを防ぐため、メンタルを病まないうちに落ち着いて早めに対処することが大切。
犬の声を騒音に感じたら、早めに飼い主さんになんとかできないかを相談しましょう。
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近年加入者が増えていっているペット保険ですが、それでも現在の加入率はペットを飼っている方のおよそ10%程度にしかなりません。
ペットの治療費は全額自己負担となりますので、突然の病気による手術等で数十万円といった高額な費用がいきなり請求されてしまうことも珍しくありません。
しかし大切なペットには最適な治療を余裕を持って受けさせてあげたいですよね。
もしもの時、治療費の負担を少しでも軽減し飼い主やペットが治療に専念できるように、前もってペット保険に加入しておくことをおすすめします。
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自分の愛犬や隣近所の犬がうるさい理由と対処法のまとめ
いかがだったでしょうか。
この記事のまとめは、以下の通りです。
- 犬が吠えるのには、必ず理由がある
- 犬が吠える理由は主に「恐怖心や警戒心」「おねだり」「感情や精神的な問題」「発情」の4つ
- 犬の鳴き声は工場レベルの騒音に相当するため、他人にとっては騒音でしかない
- 自分の愛犬の無駄吠えをしつけるには、対策グッズに頼らず愛犬がなぜ吠えているのかを見分けてトレーニングをするとよい
- 隣近所の犬がうるさい場合には、飼い主との人間関係に注意したうえで話をし、犬と仲良くなる努力をするとよい
- 隣近所の犬の無駄吠え防止には犬笛などの超音波グッズも効果的
- それでも解決しない場合には、自分に危害が及ぶ前に第三者や公的機関に相談を
- 犬の鳴き声は事件や裁判に発展することもある