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犬に生肉を与えても大丈夫かご存知ですか?犬に生肉を与えることはできますが、与える際にはいくつか注意が必要です。愛犬に生肉を与えたい飼い主さんは生肉の正しい与え方を知りたいですよね。この記事では、犬に生肉を与えるメリット・デメリット、与え方を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬が生肉を食べるのは大丈夫?与え方と注意点を解説!

 

記事モデル:ぽん吉


ご自分の愛犬にはいつまでも元気でいてもらいたいものです。愛犬の健康を維持するためにはやはり食事が大切です。


愛犬に生肉を「食べさせるのはどうか?」、そう考える方々は多いかもしれません。犬は肉食動物ですし、加工品を与えるよりも元気になると考えても不思議ではありません。


しかし、愛犬に生肉を与える際、気を付けなければいけないこともあります。愛犬の健康状態やアレルギーの有無等を無視し、生肉を与えれば、身体に変調をきたす恐れもあります。


そこで今回は「犬が生肉を与えるメリット・デメリット、そして注意点」について

  • 犬に生肉を与えるメリットとは?
  • 犬に生肉を与えるデメリットとは?
  • 犬に生肉を与える際の注意点はいろいろある
  • 犬への生肉を与える方法とその量
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読めば、犬に生肉を与える際どんな肉が最適か、食中毒やアレルギー症状を起こした場合の対応等についても、良くおわかりとなることでしょう。

ぜひ、最後までご覧ください。

犬に生肉を与えても大丈夫!

犬はもともと肉食動物です。そのため獲物を捕らえて、その肉を引きちぎって食べることに向いている歯の構造、そして体内の構造になっています。


犬の歯をみてもわかりますが、その構造上食べ物をすりつぶす役割は果たしていません。また腸の構造も生肉の消化吸収を効率よく行うようにできており、犬の腸の長さは約3mとなっています。


この腸の長さなら、動物性たんぱく質を非常に素早く吸収できるのです。消化吸収し難い植物を、時間をかけて分解・吸収する牛の腸(約40m)とは対照的な構造となっています。

犬に生肉を与えるメリットを3つ紹介!

 

生肉は消化吸収に良い食べ物です。胃に入って約4~5時間で腸へ達します。その後、エネルギーを得ることができます。


犬にとって生肉は、非常に効率の良い食事と言えるでしょう。生肉を愛犬に試してみたい飼い主さんもおられるのではないでしょうか?


こちらでは

  • 生肉は酵素やビタミン・ミネラルが豊富に摂れる食事
  • 生肉は健康維持効果が期待できる
  • 生肉は食糞の予防にもなる
について解説します。

メリット①:酵素やビタミン・ミネラルが豊富

生肉はたとえ少量でも酵素やビタミン・ミネラルが豊富で、愛犬の体力の回復や免疫力の維持に秀でた商品と言えます。


確かにドライフードは、手作り不要で、保存・管理しやすく愛犬に与えやすいドッグフードですが、添加物を使用しています。そのため、愛犬にアレルギーが発生してしまうこともあります。


また、ドライフードをあげる場合、やはり多くの商品で穀物・糖質は多く、愛犬が肥満になる恐れもあります。


生肉はアレルギーや、肥満になり難い食物なので、飼い主も安心して愛犬にあたえることができます。

メリット②:毛艶や口内環境の健康維持効果がある

生肉には前述したように酵素、そして良性菌等、愛犬の口内環境を整える栄養が豊富に入っています。


口内環境を整え、歯石等によるトラブルを予防でき、口内環境の健康維持効果があります。


一見、ドライフードのほうが硬く、歯石予防になるような気もします。しかし、犬の歯は破損し易く、愛犬に生肉を与えた方が、適度な弾力と酵素・良性菌の働きで歯の健康が保てると指摘されています。


また、生肉で新鮮な脂肪分やタンパク質が摂れるので、愛犬の毛艶も良好になります。

メリット③:食糞を予防できる

食糞動物が自分自身や他の動物の糞を食べる行動のことす。犬もこのような行動をとることがあります。


原因の一つとして、未消化の炭水化物が便から出てしまい、食べ物が持つ臭い・栄養を摂取するために食糞することがあげられます。


ただし、生食中心の生活にすれば、栄養が効率よく吸収されるため、便の量も少なくなり食糞を予防することが可能です。

犬に生肉を与えるデメリットを3つ紹介!

 

犬に生肉を与えると、健康維持へとても役立つことになるのは間違いありません。早速、生肉を中心とした食生活を考え始めた飼い主さんもいるはずです。


しかし、生肉を与えるデメリットもよく考慮しておいましょう。


こちらでは、

  • 生肉は結構コストがかかる
  • 生肉は保存が大変
  • 万能の総合栄養食というわけではない
について解説します。

デメリット①:通常のドッグフードに比べてコストがかかる

飼い犬とはいっても小型犬や中型犬、大型犬と様々です。当然、生肉は少量でも酵素やビタミン・ミネラルのような栄養素を効率よく摂れるとはいえ、必要な量は全く異なるはずです。


仮に1日で生肉1kgあたり2,000円分を消費した場合、30日では60,000円にもなります。ドライフード中心の食生活と比べ、何倍もの食費がかかります。


まさか家族の食費を大幅に削って、愛犬に対する生肉中心の食生活を徹底するのは考えものです。


そこで、家計の負担をしっかりチェックしながら、週に5日はドライフードで、残り2日は生肉中心にするのが良いでしょう。


また、ドライフードに生肉をトッピングして、レシピを工夫しつつ少量ずつ分けて与える方法もお勧めできます。

デメリット②:保存が大変

生肉を愛犬にあたえる以上、鮮度は大切です。冷蔵庫で保存する場合は、3~4日で使い切ることが大切です。


もちろん、冷凍庫で保存をすれば問題なく長期保存は可能です。ただし、生肉を冷凍庫で保存する場合、そのなりの量を買い込めば、人間用の冷凍食品のスペースを圧迫してしまいます。


また、生肉をブロック状に一度凍らせると、使う分の生肉の解凍が難しく、事前に切り分けて保存する等、工夫が必要になるでしょう。


ただし、最近ではお値段がそれなりにかかるものの、小分けにされた犬用の生肉も各業者から販売されています。こちらの方が、使いやすく保存もし易くて便利です。

デメリット③:総合栄養食にはならない

生肉は愛犬にとって理想の食べ物ですが、本来、肉食動物は草食動物の内臓を摂取することで、野菜の栄養も吸収します。


つまり、生肉だけを与えても、野菜の栄養素を十分に摂ることはできません。そのため、野菜の栄養素をバランス良く配合した、ドライフードをあたえることも大切です。


前述したように、日ごとにドライフードや生肉どちからをあたえたり、ドライフード・生肉をトッピングしてあたえたりした方が良いでしょう。

犬に生肉を与える際の注意点を紹介!

 

犬に生肉を食べさせる場合は、どんな動物の生肉・部位でもあたえれば良い、というわけではありません。もちろん、犬用生肉なら衛生管理も行き届いていて安心です。


しかし、飼い主自らがチョイスする場合は、それなりに注意を払わなければいけません。


こちらでは、

  • 生肉に細菌や寄生虫がいるリスク
  • 犬のアレルギー症状に注意
  • 生の豚肉は要注意?
  • 腎臓病の犬に生肉は禁物
について解説します。

カンピロバクター等の細菌や寄生虫が危険!新鮮な肉を与える

生肉は購入後すぐに冷凍保存すれば、細菌や寄生虫は大概死滅し、解凍後に安心して愛犬へあたえることができます。


ただし、カンピロバクター感染症は注意が必要です。この感染症は、カンピロバクター属の細菌によって引き起こされる細菌性腸炎です。


感染した動物の排泄物等に接触することで感染しますが、カンピロバクター菌に汚染された生肉でもやはり感染のリスクが高いです。この細菌は低温で長期間生存することが可能です。


そのため、新鮮な生肉の状態で愛犬にあたえるか、やや時間の経った生肉(特に鶏肉)の場合は、しっかりと加熱してから食べさせた方が無難です。

アレルギーに注意!初めて与える際は犬の様子を観察しよう

これまでドライフードだけを食べて生活してきた愛犬の場合、良性菌等を十分お腹に取り入れているとは言えません。


そのため、健康に良いからといきなり生肉を食べさせると、身体が受け付けずにお腹を壊すケースも考えられます。


まず最初は生肉を少量ずつあたえ続け、愛犬を注意深く観察しつつ、その後も異常が見られない時には量を増やして構いません。

生の豚肉や肝臓等の内臓の肉は与えない

犬に豚肉を食べさせても、基本的には問題ありません。ただし、豚の生肉は人間同様に食べさせない方が無難です。


豚肉には、腸管出血性大腸菌やサルモネラのような病原性の細菌が付着しているケース、E型肝炎ウイルス等のリスクも考えられます。


もしも豚肉を食べさせるならば、加熱した豚肉をあたえましょう。


一方、肝臓(レバー)等の内臓の生肉も同様で、体内で悪さを働く菌を摂取する可能性があります。


ただし、肝臓(レバー)は、生肉はもとより調理してもカロリーが高いため、愛犬が肥満になる場合もあります。また、ビタミンAが多いため食欲不振・関節炎のリスクに注意も必要です。

腎不全等の腎臓病の犬には与えない

犬の場合も、腎不全等の腎臓病にかかるリスクはあります。腎機能の低下がみられた場合、動物病院の医師から、概ねタンパク質を制限するように指示されるはずです。


この場合、たんぱく質を豊富に含んだ生肉は控えるべきでしょう。ただし、健康な愛犬の場合、腎機能の低下の予防には生肉を中心とした、新鮮な食材をあたえることが必要です。


愛犬の健康状態に応じ、生肉をあたえるか否か良く判断し、健康管理を行うべきでしょう。

犬への生肉の与え方と量、与えても良い肉の種類を解説!

 

愛犬へ生肉をあたえる場合、新鮮ならばどんな動物の肉でも良いわけではありません。また、個々の犬には生肉をあたえて良い適量があります。


こちらでは、

  • 脂肪分の少ない部分の生肉を利用
  • 安全な生肉はどんな動物の肉か?
  • 業者が販売する犬用生肉が最も無難
について解説します。

少量ずつ、脂肪分の少ない部分の生肉を与える

愛犬に生肉を食べさせる場合は、脂肪分の少ない赤身部分を選んだ方が良いでしょう。脂肪分があっても毒になるわけでは無いですが、過剰な摂取で下痢や肥満の原因ともなります。


また、生肉をあたえて良い適量もあります。生肉の1日の摂取量は、愛犬の体重の1%程度と言われています。


つまり、体重4kgの犬の適量は40gとなります。意外に少ないと思われるかもしれません。しかし、犬は生肉を効率よく体内でエネルギー源にするので、これで十分と言えます。


生肉を食べさせるときは、ドライフードの量から肉の分量を差し引いて調整しましょう。1日の食事量を超えないようにあたえることが大切です。

犬に与えても良い安全な生肉の種類は?

安全な生肉は主に4種類あります。こちらでは、馬肉・鶏肉・鹿肉・ラム肉について解説します。


馬肉の場合

人間の場合でも生食として提供されています。もちろん、適切な冷凍処理を行うことは大前提ですが、安全に愛犬へあたえることができます。

馬肉の特徴は次の通りです。
  • 低カロリー・高タンパクで、たんぱく質は牛肉・豚肉の2倍以上でありながら肪分は牛肉の約1/5、カロリーは1/2
  • グリコーゲンやビタミンA・ビタミンE、鉄分、カルシウムがとても豊富

鶏肉の場合

高カロリーで、1度に与える量が少なくて構わない肉です。多頭飼い、中型犬や大型犬でたくさん食べる愛犬に向いている生肉です。

鶏肉の特徴は次の通りです。
  • たんぱく質は良質であり、アミノ酸スコアが100となっている
  • 消化吸収がよく、コラーゲンも豊富

鹿肉の場合

鹿は自然界で育っているため、化学薬品等の有害物質を食べること無く育つので、愛犬がアレルギーになりにくいと言われています。


鹿肉の特徴は次の通りです。

  • タンパク質は豊富だが、牛肉や豚肉と比較してカロリーは1/3、脂肪分は1/15程度
  • DHAやビタミンB2、鉄分が豊富


ラム肉の場合

主にタウリンが豊富なため、シニア犬の体力維持や、涙やけ(目頭から目の周り鼻にかけて被毛が変色する症状)にも効果的です。


ラム肉の特徴は次の通りです。

  • L-カルニチン・不飽和脂肪酸が豊富でタウリンを含有している
  • ビタミンB1・B2・Eが豊富

犬用として売られている生肉を与えるのもおすすめ!

馬肉・鶏肉・ラム肉は近所のスーパーマーケットでも売られていることでしょう。ただし、鹿肉は流通していません。


バランスよく生肉を食べさせたいなら、数多くの業者から「犬用生肉」が販売されています。こちらの購入を検討してみてはいかがでしょうか?


前述した馬肉・鶏肉・鹿肉・ラム肉いずれも取り揃えており、衛生処理はシッカリと施されています。気軽にネット通販で取り寄せることも可能です。

犬が生肉で嘔吐や下痢等の食中毒やアレルギー症状を起こしたら?

飼い主が気を付けたつもりでも、愛犬に生肉が合わず嘔吐や下痢をしてしまうことや、食中毒等の症状が発生する場合があります。


当然ながら放置は論外です。しかし、飼い主さんが大慌てでは、速やかな愛犬の治療も行えません。まずは、動物病院に愛犬を連れていき担当医師に診てもらいましょう。


その際はなるべく

  • いつ:生肉を摂ったすぐ後か?何時間か経ってから症状が発生したのか?
  • 何を:生肉の他どんな食事を摂ったか(生肉以外の原因もあるため)
  • どれくらい食べたか:食事は適量を摂ったか等
を、具体的にわかりやすく医師へ伝えましょう。

参考:念のためにペット保険に加入しておくのもおすすめ!

愛犬の病気やケガも心配ですが、生肉を摂ったことによる食中毒等も注意しなければなりません。万一の事態には動物病院での治療となりますが、その費用は全額飼い主の負担です。


そこで、愛犬の病気やケガはもちろん、食中毒等の治療に備えるため、「ペット保険」の加入を検討しておきましょう。


ペット保険は損害保険の1種であり、1年毎に更新される商品がほとんどです。最近では多くの保険会社から商品が販売されています。犬はどんなペット保険でも補償対象となります。


補償内容は50%・70%補償プランと言うように選べる商品がほとんどです。もちろん、ペットの年齢や身体の大きさ、選ぶプランによって保険料は異なります。


MOFFMEではペット保険に関する記事が多数公開されています。是非、保険選びの際の参考にしてください。

まとめ:犬に生肉を与えても大丈夫!

犬が生肉を与えるメリット・デメリット、そして注意点について解説してきましたが、いかがでしたか。


今回は

  • 犬は基本的に生肉の消化吸収を効率よく行うことができる
  • 犬にとって生肉は、健康維持に最適な食事
  • ただし、ドライフード(ドッグフード)とバランスをとりながらあたえるべき
  • 生肉を食べさせる場合は食中毒やアレルギーの症状に注意
  • 生肉として与えると良いのは馬肉・鶏肉・鹿肉・ラム肉
でした。

犬にとって生肉は、健康維持に最も相応しい食べ物と言えます。ただし、ドライフードばかりを食べてきた愛犬は、生肉を受け付けないケースも考えられます。

愛犬の体調をチェックしながら、生肉をあたえ続けるかどうかを良く判断しましょう。また、生肉をどのようにあたえるのが良いか、獣医師に聞いてみることも大切です。

MOFFMEでは、ペットに関する役立つ記事を多数公開しておりますのでぜひご覧下さい。