猫にとってナッツ類は、中毒症状を引き起こす危険な食べ物です!食べてしまった場合には、症状が出ていないから大丈夫と安心せず、すぐに動物病院で診てもらうようにしてください。この記事では猫にとってナッツ類が危険であることを解説すると共に、食べた場合の対処法なども紹介しています。
この記事の目次
目次を閉じる猫にとってナッツ類は危険な食べ物であることを解説
記事モデルモナカ&銀河
ナッツ類は、栄養価が高く美容・健康のために食べている人も多いのではないでしょうか。
飼い主が好んで食べていれば、好奇心から欲しがる猫もいるでしょう。
かわいい猫が欲しがったら、ついつい与えてしまいたくなりますね。
しかし、猫にナッツは与えるべきではありません。
人の体によい食べ物も、猫にとって危険な場合があるのです。
今回「MOFFME」では、猫がナッツを食べることについて
- 猫にナッツ類を食べさせるのは危険
- 中毒やアレルギーを起こす危険なナッツ類
- ナッツ類の加工品は与えて大丈夫?
- 猫がナッツ類を食べてしまった場合の対処法
- ペット保険への加入は必要?
以上を解説していきたいと思います。
食べ物は愛猫の体を作る大事なものです。
人間にとって僅かな量でも猫にとっては中毒を起こしたり健康を害することがあります。
愛猫にいつまでも健康で長生きしてほしいと思う飼い主さんにぜひ知っておいてほしい情報です。
ぜひ最後までご覧ください。
猫にナッツ類を食べさせるのは危険!
体によさそうなイメージのナッツ類ですが、猫がたべてはいけない食材と言われています。
理由は3つあります。
- 脂質が多く下痢や肥満などの原因となるため
- 中毒を起こすナッツがあるため
- アレルギーを起こす可能性があるため
この3つの理由について、具体的に解説していきます。
与えてはいけない理由と、与えることによっておこる体への影響を理解しましょう。
理由①:脂質が多く消化しにくい(下痢や肥満などの原因に)
人であっても健康によいからとナッツを食べすぎると、カロリー過多でかえって太ってしまったり、食物繊維の摂りすぎでお腹の調子を悪くする人がいます。
それはナッツ類の成分で共通して多いのが脂質と食物繊維だからです。
猫の場合、ナッツの摂取量が人よりはるかに少ない量であっても、肥満や消化不良のリスクがあります。
肥満は外見の問題だけではなく、糖尿病、関節炎、尿路疾患、心臓や肺の障害など多くの病気につながる原因となります。
また、ナッツの不溶性食物繊維は、猫の胃腸では消化しづらいため、下痢や嘔吐を起こす可能性があります。
うまく消化できずに腸閉塞を起こした場合は、開腹手術が必要になることも考えられます。
理由②:中毒症状を引き起こすものがある
ナッツには中毒症状を起こす種類が多くあります。
とくに、ビターアーモンド・マカダミアナッツ、くるみには注意が必要です。
猫の体質や年齢、摂取量などによって症状の現れ方が違いますが、よく知らずにナッツを与えるのは危険です。
中毒をおこす可能性があるナッツを食べた場合、下痢・嘔吐、高熱、ふるえ、無気力、運動失調、呼吸障害などを起こし、死に至る場合もあります。
誤って食べることも無いよう、家にナッツ類がある場合は厳重に管理しましょう。
理由③:アレルギーを引き起こす可能性がある
ナッツ類にアレルギーを起こす猫がいます。
アレルギーは、体内を守る免疫が、特定の物質に対して過剰に反応してしまう状態です。
アレルギーは生後半年以降に発症することが多く、主に皮膚のかゆみや脱毛がおこり、他には嘔吐・下痢、おなかの張りや発熱などの症状がでることもあります。
耳をよく引っ掻いたりする、口周りや体を壁に擦り付ける、足を舐めたり噛んだりする回数が多いなどは、かゆみの症状がでている行動と考えられます。
おなかの張りや発熱などは気づきにくい症状ですので、中毒性のないナッツであっても注意深く観察する必要があります。
また、1種類のナッツでアレルギーがでる場合、それ以外のナッツ類でもアレルギーがでる可能性がありますので、与えないようにしてください。
特に危険なナッツ類を紹介
ナッツ類といってもたくさんの種類があります。
その中でも中毒を起こす危険性の高いナッツ類は以下の3つです。
- アーモンド(ビターアーモンド)
- マカダミアナッツ
- くるみ
これ以外に、マメ科のピーナッツもナッツと似た栄養素を持つため与えないほうが良いと言われています。
実際これらのナッツ類を食べることによってどのような影響があるのか、また摂取したとき、死に至る量とはどの程度なのかなど、特に注意が必要なナッツについて解説していきます。
アーモンド(ビターアーモンド)
普段私達が口にするのは、食用として栽培されているスイートアーモンドです。
スイートアーモンドは猫が食べたとしても中毒を起こすことはありません。
ただし、杏仁豆腐などのスイーツの香料として多く使われるビターアーモンドに注意しましょう。
野生種のビターアーモンドは、アミグダリンという青酸の毒性物質を含んでおり、摂取した場合、消化器官で青酸が発生し、中毒を引き起こします。
呼吸困難や痙攣などがその症状として挙げられます。
食用として出回ることはありませんが、香料やオイルなどで生産されています。
スイーツなど加工品に含まれることがある成分なので気をつけましょう。
ただ、食用のスイートアーモンドであっても、食べすぎると脂質の摂りすぎとなったり、丸呑みすると窒息や腸閉塞の原因となるため食べさせないほうが良いでしょう。
マカダミアナッツ
マカダミアナッツは、犬での中毒症状が報告されています。
猫でも同様の症状が出る可能性が高いため絶対に与えてはいけない食べ物となっています。
中毒を引き起こす特定の物質は解明されていませんが、ほんの少量でも死に至ったケースが報告されています。
マカダミアナッツ中毒は摂取から1時間から12時間以内に、嘔吐や痙攣、運動失調、下半身の脱力や麻痺などの症状がおこります。
いきなり立つことも歩くこともできなくなったりすることがあり、びっくりする飼い主さんも多いようです。
少量でも口にしたことがわかったらすぐに動物病院へ連れていきましょう。
くるみ
くるみの中に含まれる「ペニトリウムA」という成分が中毒を起こす可能性があります。
ペニトリウムAを猫が摂取するとパンディングや痙攣症状を起こします。
舌をだしてハァハァ荒い息をすることをパンティングと呼びます。
呼吸器系に異常をきたしている可能性があります。
またくるみには脂質や、マグネシウム・リンなどのミネラルが多く含まれています。
脂質は前述のとおり肥満のリスクが高まり、消化不良の可能性があります。
ミネラルのとりすぎは、ミネラルが尿路内で結晶化し尿路結石症を起こすかもしれません。
さらに消化しづらい食物繊維も多いので、胃腸の弱い猫が食べると嘔吐・下痢、食欲不振の原因となってしまいます。
参考:ピーナッツも避けたほうが良い
ピーナッツは、ナッツ類と思われがちですが、実はマメ科の地中で育つ植物で、木の実ではありません。
ナッツ類と似た栄養成分を含みピーナッツ(豆ナッツ)と名付けられています。
結論からいうとピーナッツは中毒は起こしませんが食べさせないほうが無難です。
少量を食べる分には大きなリスクはありませんが、飲み込んでしまうと窒息する可能性があります。
また脂質やミネラルの摂りすぎになる恐れがあるため、肥満・糖尿病・尿路結石など病気のリスクが高まります。
おつまみなどの有塩のピーナッツは、猫にとっては塩分が多すぎて腎臓への負担が大きいため与えてはいけません。
また殻を食べてしまうと消化できず腸閉塞を招く危険があります。
ゴミ箱などもあさられないよう処理にも気をつけましょう。
参考:危険なナッツ類の致死量はどのくらい?
危険なナッツ類の中毒症状は、ナッツの種類や、猫の体質によって様々で個体差があります。
目安としては、3~5キロの成猫の場合、3粒程度のナッツが致死量と一般的に考えられています。
子猫や老猫の場合は、内蔵機能が弱く、免疫力も成猫ほどありません。
非常に少量であっても重篤となり死に至る可能性も高くなります。
飼い主が与えることがなくても、留守中に猫が部屋をあさって食べてしまい、中毒をおこしてしまうことが無いよう十分気をつけるべきです。
ナッツ類の加工品(ピーナッツバターなど)も避けるべき
ナッツ類の加工品として代表的なものはピーナッツバターやマカダミアナッツチョコなどがありますね。
これらも、猫には与えるべきではありません。
ピーナッツバターは、砂糖も大量に含まれており、脂質に加えて糖分も摂りすぎることになり、肥満のリスクが一層高まります。
また、ナッツ系チョコレートにおいては、そもそもチョコレートが猫にとって超危険ランクの食べ物ですので絶対にやめましょう。
チョコレートはテオブロミンやカフェインといった成分が含まれており、猫の消化能力では体内に排出できず、中毒を起こしてしまうのです。
またそれ以外にも、ビターアーモンドのエッセンスは、杏仁豆腐だけでなくブランマンジェ、パン、ケーキ、クッキーなどにも香料として含まれていることがあります。
このようなお菓子も砂糖が大量に入るため与えるべきではないですが、ビターアーモンドが含まれる場合は中毒の危険があることも認識しておきましょう。
猫がナッツ類を食べた場合の対処法
猫にナッツ類を与えるのは避けるべきです。
とくにマカダミアナッツ、くるみ、ビターアーモンドは非常に危険です。
しかし、もし、食べたことがわかった場合どのように対処しますか?
もし様子に変わりがなければ、大丈夫だろうと放置することがあるかもしれません。
ここからは、
- 危険なナッツを食べたときの対処法
- 万一に備えておくペット保険
についてご紹介します。
猫の体は明らかに人間と体のつくりが違いますので、安易に自己判断をするのは危険です。
ただ、動物は公的な保険がないため、病院の治療費が負担になるのも確かです。
もし誤食した場合どのくらい金額がかかるのか、不安ですね。
ペット保険に加入していれば、どの程度カバーできるのでしょうか。
また誤食事故だけでなく、猫も生活習慣病などの病気のリスクがあります。
事故・病気に備え、ペット保険についてもこの機会に考えていきましょう。
症状が出ていなくてもすぐに診察を受ける
誤食しないよう猫の生活環境に注意を払うべきですが、想定外の行動も多く、目を離している間に起こることがあります。
中毒の可能性がある食べ物を食べた場合、もしまだ口の中に残っているようならガーゼなどでふいてとり除いてあげましょう。
ただ、もう飲み込んでしまっていたら、自己判断での処置をしてはいけません。
無理に吐かせようとすると、嘔吐物が喉につまり窒息する可能性があります。
中毒症状は時間が経ってから出る場合もありますので、症状が出ていなかったとしても病院で診察を受けるようにしてください。
もし深夜や休日の場合でも開いている病院に連絡し、指示をもらうようにしましょう。
また病院では「いつ・何を・どのくらいの量」食べたのかをきちんと説明できるようにし、食べたもののパッケージがあれば、持参するようにしましょう。
嘔吐をしているようであれば嘔吐物も病院に持っていきます。
病院では、状態をみて猫の体重や摂取した量、経過時間などから最適な治療を行います。
ペット保険に加入している場合は積極的に利用しよう
危険なナッツ類など誤食があったとき、動物病院で処置をしてもらうとどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
猫の「消化管内の異物/誤飲」の手術・入院費用は以下の通りです。
- 手術費用 平均 約12万円
- 入院費用 平均 約11万円
参考:もしもの時に安心できるペット保険
猫が病院で治療を受けたときに支払う費用は全額自己負担となります。
調子が悪いときに気軽に病院に連れて行ってあげたいけれど、治療費の負担が大きいので診察を先送りにしてしまうことがあるかも知れません。
しかし様子を見ているうちに重篤になってしまうことも考えられます。
ペット保険への加入は、治療費の負担が軽いため、気になったらすぐに受診でき、病気を早期発見できることが大きなメリットとなります。
補償割合によりますが、例えば1歳の混血猫の保険料は、月々1000円~2000円代です。
ペット保険に加入しておくと、僅かな負担でペットを守ることができ、安心です。
病気や高齢になると保険加入が難しくなる場合もありますので、元気なうちに検討しておきましょう。
猫にとってナッツ類は危険な食べ物であることのまとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは
- ナッツ類は中毒やアレルギーを起こす危険がある
- ナッツ類は脂質が高く・ミネラルが多いので病気のリスクが高くなる
- 危険なナッツは、ビターアーモンド・マカダミアナッツ・くるみ
- ナッツ類の加工品も与えない
- 危険なナッツ類を食べた場合はすぐに受診し、正確な状況を説明する
- 万一にそなえてペット保険に加入しておくと安心
たいていの猫は多くの食品に興味を示します。
欲しがっていたら、あげないとかわいそうに思うこともあるでしょう。
しかし猫にとっては、欲しがったときに貰えないストレスより、減量や治療のほうがつらいストレスとなります。
飼い主にとっても、猫にとっても健康が一番の幸せです。
愛猫の健康は飼い主に委ねられていますので、今一度、愛猫に与える食事について考えてみてください。
そして、万一のときにペットを守るためにもペット保険について検討してみましょう。
MOFFMEでは、他にも読んでおきたいペットに関する記事が多数掲載されていますので、ぜひ御覧ください。