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猫にとってパイナップルは、食べても大丈夫な果物です。ただし皮や芯、葉などは消化できない部分なので、必ず果肉だけを与えるよう注意してください。この記事では猫がパイナップルを食べても大丈夫であることや、パイナップルから得られる効果、注意点なども解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

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猫にパイナップルをあげても大丈夫なのか解説

   
記事モデル:しょう

みずみずしい果肉で甘みと酸味が美味しいパイナップルですが、猫が食べたそうにしていたら与えても大丈夫なのでしょうか?


酸味が苦手な猫が多いですが、パイナップルは栄養価も高くヘルシーで猫が食べても大丈夫な果物です。


なかにはパイナップルが好き、またはパイナップルの葉が好きな猫もいます。


しかし、与える際の気をつけることとは、どのようなことなのでしょう。飼い主が食べているものをそのまま食べさせてもよいのでしょうか。


また栄養面ではどうなのでしょう。


ここからは

  • パイナップルは食べられる!
  • パイナップルから得られる効果やメリット
  • 知っておきたい!与える際の注意点
  • 与えてもいい?缶詰や加工品

の説明をしていきます。


それでは、猫とパイナップルの気になる関係を深めていきましょう。ぜひ最後までご覧下さい。

猫がパイナップルを食べるのは問題ない

  

猫にパイナップルを食べさせたことで、中毒症状を引き起こしてしまうといった危険性はなく、パイナップルは与えても問題はありません。


甘みと酸味を伴う果物のため、パイナップルが嫌いな猫もなかにはいるかもしれません。


食物繊維が豊富で糖分も多めの果物でもあり、少量を与えるだけならヘルシーなフルーツです。しかし、食べ過ぎは肥満や腎臓病の元となり、下痢などの症状を引き起こす可能性があります。


初めてパイナップルを与える際は注意して与えるようにしましょう。 

適量を与えて猫の水分補給に

パイナップルは糖分が含まれており、その味は甘く感じます。


甘味を感じることが猫にはできないと信じられていますが、わずかな甘味を感じる受容体が舌の部分にあるため、ほんの少しは味を分かっているのかもしれません。


繊維質が多く、硬くて食べづらいパイナップルを食べ物をすりつぶすような歯の構造になっていない猫には、小さく噛みちぎったら飲み込むことしかできません。   


パイナップルはタンパク質ではなく、そのほとんどが水分と食物繊維と糖質でできている果物です。100gあたりおよそ85gの水分量が含まれており、水分補給にも役立つ果物であるとも言えます。


ですので、適量を猫の水分補給程度に与えてみることもよいでしょう。

食べ過ぎは消化不良や肥満の原因になる

少量であれば与えても大丈夫ですが、食べ過ぎは下痢になるだけでなく、消化不良肥満の原因になります。


食物繊維が多すぎることで腸の動きを悪くしてしまう可能性もでてきます。 とくにパイナップルの芯の部分には食物繊維が多く含まれているので、与えるときは取り除いてあげましょう。 


猫は糖分をそれほど必要としているわけではない動物です。また、人間と同じほどではありませんが糖質を代謝することができます。


しかし、パイナップルを大量に与えてしまうと糖質の過剰摂取となり猫の体に負担がかかるだけでなく肥満や腎臓病になる可能性もでてきます。


さらに肥満から、糖尿病の原因にもなってしまいかねないので与え方には注意が必要です。

食べられるのはパイナップルの果肉だけ

  

猫が食べられるパイナップルの部分は果肉だけになります。


芯と皮を取り除き細かく切ってあげましょう。果肉が大きいと上手に食べられないので、消化しづらくなり消化不良を起すことがあります。


また、パイナップルには舌をヒリヒリさせる成分の高活性のブロメラインが含まれています。舌や口の中がヒリヒリ痛い感じがするという感覚は、ブロメラインによるたんぱく質分解酵素の働きで粘膜が刺激されるためです。


このことは、猫にも同じように起こりうることがありますが、嫌がって食べない場合には無理に与える必要はないでしょう。


そして、パイナップルを丸のままテーブルなどに置いておくと、興味をもって棘などがある表面をかじってしまうかもしれません。危険防止のため猫が届かないところに置くようにしましょう。

パイナップルを与えるメリットや効果

  

それでは猫に、パイナップルを与える際のメリットや効果はどのようなことがあるのでしょうか。


豊富な栄養分があり、免疫力も高まるビタミンCが豊富な果物です。摂取することにより、猫の健康にプラスになるさまざまな成分や栄養素とはどのようなものがあるのでしょう。


ここからは

  • 食物繊維は便秘解消に効果を発揮する!
  • 消化吸収を助けるブロメライン成分とは?
  • さまざまな効果があるカリウムやビタミンCなどの成分

を詳しく解説していきます。

食物繊維:便秘解消に効果あり

便秘を防ぐ効果があるパイナップルには、不溶性食物繊維という水に溶けない食物繊維が多く含まれており、猫の便秘対策になります。

  • 不溶性食物繊維は水分を吸収して便を増やす作用がある
  • 腸内のぜん動運動を促して便を排出しやすくする
  • 腸内環境を整えるのに必要な善玉菌を増やす働きがある

便秘傾向がある猫には、よい効果ですが多くの量は与えないようにしましょう。


そして、この不溶性の食物繊維が豊富に含まれていることで、便秘対策だけではなく、毛の抜け代わりの時期に食物繊維を増やすこと毛球症による毛の排出にもつながるようです。


しかし酵素が直接、腸に溜まった毛玉を溶かすわけではありませんので 毛玉をよく吐く場合は、よくブラッシングをしてあげて飲み込む毛の量を減らしたほうがよいでしょう。

ブロメライン:消化吸収を助ける効果

パイナップルの代表的な栄養成分に、ブロメラインと呼ばれるものがあります。これはタンパク質を分解する酵素の一つで、消化吸収を効率的に行う働きをしてくれる成分になります。


人間の料理にパイナップルが、よく肉料理に添えられていたり、肉にかけるたれに含まれていたりすることには意味があったということになります。


肉はタンパク質ですので、そうした筋肉や体のさまざまな部分を構成するのに必要なタンパク質を効率よくスムーズに消化吸収する役割を担う成分がブロメラインであることが分かります。


また、このブロメラインには、腸内の腐敗物を分解する働きもあります。ですので消化器系の障害などに、とても効果があるといわれています。

カリウムやビタミンCなど:さまざまな効果

パイナップルには、さまざまな効果のある成分が多く含まれています。猫にとって大切な栄養素となるものは、どのようなものでしょうか。

パイナップル成分とその効果
  • ビタミンC
    病気などさまざまなストレスへの抵抗力を強めたり鉄の吸収をくしたりする
    抗酸化作用が有害な活性酸素から守る働きをするので動脈硬化や心疾患を予防することができる
  • ビタミンB1
    水溶性ビタミンなのでたくさん摂取しても排出される
    ビタミンB1が不足すると糖質の分解がスムーズに行われなくなり、ビタミンB1欠乏により肝臓や腎臓機能が低下し胃腸障害などの原因となる
  • カリウム
    腎臓でのナトリウムの吸収を抑えて体内の毒素の排出を促し血圧の上昇を抑える
    筋肉の収縮をスムーズにしたりするといった働きもあり、水分代謝を促し腎臓の働きをサポートすることで、おしっこと一緒に老廃物を排出する
  • マグネシウム
    糖質や脂質の代謝に働きかける酵素をサポートし、脂肪がたまる要因となる糖質や脂質を活動力として使いやすくする
    脂肪を溜まりにくくするなどの役割を担う成分が含まれている 
このように、多くのよい効果があります。

パイナップルの与え方と注意点

ここまでに、パイナップルにはたくさんのよい効果やメリットがあることを紹介してきましたが、注意すべき点もいくつかあります。


それでは、猫に安心してパイナップルを与えるために、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。


ここからは、

  • パイナップルは果肉だけ
  • 皮・芯・葉は消化できない
  • 食物アレルギーに注意!
  • アレルギーを発症した場合の対処法

を説明していきます。


子猫の頃はとくに注意が必要ですので、与え方と注意点をしっかりと確認していきましょう。

果肉だけを生のまま細かくして与えるのが基本

パイナップルには、たくさんの食物繊維が含まれており、人間が食べるサイズで与えると喉に詰まらせる危険性もでてきます。


また、糖分も多く含まれていて、たくさんの量を与えてしまうと肥満糖尿病といった病気につながりかねないため、量に注意が必要です。


与える際は

  • 基本は生のまま果肉だけを細かく刻んで与える
  • 果肉を与える量は刻んで小さじ1程度
  • 果汁にして小さじ1杯程度

このように食べやすく、ひと手間かけてあげることや、適量を知っておくことで心配せずに与えられます。


また、猫の手作りごはんの調味料としても使えます。肉と一緒に与えることで消化もしやすくなります。パイナップル酵素でお肉を柔らかくして、食べやすくなるように作ってあげましょう。

注意点①:消化できない部分は与えない(皮・芯・葉)

果肉を与えるときには、皮と芯、葉をと取り除きましょう


皮は棘があり、口の中に刺さってしまうなど非常に危険です。きちんと実だけをカットして与えるようにしましょう。


また、パイナップルの芯は非常に固く、猫が食べてしまうと消化できず嘔吐下痢、あるいは腸閉塞を起こすなどして、手術をしなければいけなくなる可能性もでてきます。 


葉の食感が好きでかじる猫もいるようですが、パイナップルの葉は人間でも、もちろん食べられませんので、猫に与えたとしてもうまく消化できない可能性があり誤飲を防ぐためにも与えない方がよいでしょう。


猫の体に弊害を起す可能性のある、皮・芯・葉は、切ったままで放置せずに、すぐに処分をしましょう。

注意点②:食物アレルギーに注意する

人だけでなく猫の場合も、どんな食べ物にアレルギー反応を起こすかは違ってきます。


また、食材に対して過剰に免疫反応を起こしてしまう食物アレルギーは、発症するとさまざまな症状を引き起こしてしまいます。


パイナップルアレルギーを持つ猫もいるため、初めて与える際は、時間をかけて少量ずつ与え、猫に異常な行動がみられないかを観察していく必要があります。


それでは食物アレルギーとは、どのような症状があらわれるのでしょうか。


食物アレルギーの症状は

  • 目の充血
  • 下痢
  • 嘔吐
  • お腹の張り
  • かゆみやかぶれ
  • 発熱
  • 脱毛
  • 外耳炎
  • 膿皮症

などが挙げられます。


そして、上記のような症状が出たら早めに動物病院で検査や適切な処置を施してもらうようにしましょう。

参考:アレルギーを発症した場合の対処法

万が一アレルギー症状が現れた、あるいは疑わしいと感じた場合にはすぐに病院で診てもらいましょう。


比較的、嘔吐や下痢は気づきやすいですが、お腹の張りや発熱などは見落としがちになります。また、痒みがでて傷がつくまで引っ掻くなど、皮膚のかぶれが悪化して膿皮症になってしまうこともあるようです。


猫のアレルギーの主に3つの原因があります。

  • ノミアレルギー
  • 食物アレルギー
  • 環境性アレルギー

このように、パイナップル以外のアレルギー反応を引き起こしている場合もあります。見極めることは困難ですので、できるだけ早い段階での治療の必要があるでしょう。


そして、何かしらの食材を食べて体調を崩したりアレルギー症状がみられた場合には、早めに動物病院に連絡をしましょう。


その際には、いつなにをどの程度どのように食べたかなどを詳しく説明できるように事前にメモなどを残しておくとよいでしょう。

缶詰やジュースなどの加工品を与えてもいい?

それでは、缶詰のジュースや加工品をされたカットパインなどを与えてもいいのでしょうか。


缶詰は、ほとんどがシロップ漬けにされていることも多く糖分摂取が過剰になるため健康にはよくありません。

 

多量の糖分を摂取することで、猫の体に負担や害を与えてしまうだけなので、このような食品は避けたほうがよいでしょう。


また、パイナップルを肉に加えて柔らかくする場合にパイナップル酵素が必要ですが、缶詰の場合は、加熱処理によって酵素が壊れているものもあります。 酵素を健康に取り入れる意味では、缶詰は意味がないと言えるでしょう。


ジュース状にして与えたい場合、市販の濃縮還元ジュースは糖質が多いので避けたほうがよいでしょう。生のパイナップルを絞ったり、ミキサーにかけたりして与えることをおすすめします。

参考:猫がパイナップルの葉をかじるのはなぜ?

パイナップルの葉をかじる猫がいるのは、なぜでしょうか。


植物の葉をかじるのは、猫の獲物の毛をむしる野生の本能からくる行動だと言うわれています。パイナップルの葉はちょうど獲物の羽や毛と似ているため、かじってしまうのでしょう。


獲物を捕らえると羽や毛をむしる行動がDNAにインプットされており、その欲求を満たすためにパイナップルの葉をかじっていると考えられます。


 諸説がありますが、草を食べるのは吐きやすくするためや毛をむしるため、などとも言われているようです。 葉をかじることにより、大きな獲物を捕らえた気持ちになるのかもしれません。


確定した情報ではありませんので、ひとつの意見や考え方として参考にしてください。

猫にパイナップルをあげても大丈夫?のまとめ


いかがだったでしょうか。パイナップルは猫に与えても大丈夫でしたが、その与え方やさまざまな注意点があることが分かりました。


記事のポイントは

  • 猫はパイナップルを食べられる
  • 与えることで効果やメリットがたくさんある
  • 与える場合の注意点の重要性
  • 缶詰や加工品は与えない方がよい

でした。


栄養豊富なパイナップルはフードや猫用の缶詰にも加工されているものもあります。


このような加工品と、パイナップルを合わせて与えるときは量が多くならないように意注必要です。


そこで、ご褒美のおやつとしてのみ与えてあげるのもよいでしょう。


また、飼い猫の体に合ったフードを継続している場合には、野菜や果物などをすすんで与えることは必要ないと言えます。


高齢の猫や心臓の弱い猫にも与えない方がよいでしょう。腎機能が低下している可能性もあります。持病や体調、年齢などもよく考えてから与えましょう


愛猫の健康を考え、共に長く楽しい生活を送るためにも、しっかりと健康管理をおこなっていきましょう。


MOFFMEでは、この他にもペットやペット保険に関する記事を多数掲載していますので是非ご覧下さい。