
りんごは猫が食べても大丈夫な果物です。ただしりんごの種には毒性があり、病気の原因になる危険性があるため、特に注意が必要です。この記事では、猫がりんごを食べても大丈夫であることを説明すると共に、メリットや注意点、種を食べた場合の対処法についても解説します。
この記事の目次
目次を閉じるりんごは猫でも食べられるのか解説
記事モデル:とらじ
猫がりんごを食べてしまった場合、大丈夫なのでしょうか。大切なペットには与えてよい食べ物、または与えてはいけない食べ物があります。
人間には栄養がある果物ですが、猫にとって栄養面はどうなのでしょうか。
また、好奇心旺盛な動物なので、飼い主などが食べているときに興味をもって近寄ってくることがあります。そして隙を見て有毒である種まで食べてしまうこともあるかもしれません。
そのようなときは、どうすればよいのでしょうか。
ここからは
- りんごを食べても大丈夫?
- 与える際のメリットや注意点は?
- 知って安心!種を食べたときの対処法
- 市販のりんご酢やりんごジュース与えていい?
の説明をしていきます。
大切な飼い猫に安心して、りんごを与えられる内容をご紹介していきます。ぜひ最後までご覧ください。
りんごは猫でも食べられる果物

少量であれば基本的に大丈夫
基本的に小し量のであれば与えても大丈夫です。
AAFCOにて定められている栄養基準では、子猫に必要な1日のカリウム量は100gあたり0.6%以上となります。カリウムはりんごに含まれる成分です。
(引用元:米国飼料検査官https://www.k9natural.jp/column/pet/6.html)
それでは、与えてよい量とはどのくらいでしょうか。
- 子猫の場合にはすりおろしを小量
- 成人猫の場合には小さじ1杯~1杯半くらい
- 老猫の場合には、ごくたまにほんの少しだけ与える
食べさせ方
- 小さく刻み少量をその他のご飯と一緒に食べさせることで便秘予防につながる
- 飲んでくれるならば擦ってジュースにしてもよい
- 体の小さな猫にとっては多い量となる場合もあるので気をつける
また、人にとっては少量でも猫にとっては胃や腸に負担をかけたり中毒のおそれの可能性もででくるので与える量には注意が必要です。
肉食の猫にとって果物は必要ない食べ物
それでは、果物は必要ない食べ物なのでしょうか。
猫は肉食の動物で基本的に、果物や野菜は与えなくてもよいのです。
また、内臓は、果物の食物繊維をうまく消化するような作りにはなっていません。ですから、肉を消化するのは得意ですが果物の消化は苦手となります。
また、小鳥やネズミ、とかげといった小動物を内臓や骨なども含めて食べることで必要な栄養を取り入れています。
しかし、野菜や乳製品からの栄養が足りていないのでは、と心配になるかもしれませんが小動物の内臓からビタミンやカルシウムを摂取できるので果物などから補う必要はないのです。
ペットとして飼われている場合は、総合栄養食のフードを与えておけば十分に栄養は摂取できます。
注意:普段のペットフードを食べなくなる可能性について
食べたり食べなかったりと、1回にすべての餌を食べることがあまりなく食べムラがある動物と言われています。
ペットフードなど食べる量が、明らかに減っていると感じる場合には、いくつかの原因があるのかもしれません。
原因の一例では
- 餌のニオイが減少している
- 餌の好みの違いによるもの
- 好みの餌が変わってしまった
- 餌の味に飽きてしまった
- 老化にともなう食欲の減少
高級な餌や好みの餌を与えても、途中で食べるのをやめてしまうことがあります。その場合は習性である食べムラの可能性があるでしょう。
また、食べムラは子猫から成猫になったときの場合でしたら心配ありません。どれぐらいの餌の量を食べるのかを日頃からチェックしておくとよいでしょう。
りんごを与えるメリットや注意点
それでは、与えることでメリットはあるのでしょうか。また、注意しなくてはいけないこととは、どのようなことなのでしょう。
猫の体は人間と同じような作りではないため、効果のある栄養素の違いや食べられる部位まで違います。
また、与えすぎによる胃腸障害の可能性もでてきます。
そこでここからは
- メリットは健康に役立つ栄養素が豊富
- 消化不良や下痢は与え過ぎが原因?
- 皮や芯は与えてはいけない?
こちらを詳しくご紹介していきます。
猫の健康に役立つ栄養を得られるのがメリット
- カリウム
- ミネラル
- 有機酸が肉類などの消化を助ける
- 腸内細菌がバランスを整えたりすることで便秘を解消する効果がある
- 有機酸のうちクエン酸は疲労回復効果がある
- クエン酸は猫に多い腎臓や泌尿器の疾患予防となる
- カリウムが豊富に含まれており、不要な塩分を体内の排出する働きがあり高血圧予防にも効果を発揮する
与え過ぎは消化不良や下痢の原因に
- 細かく刻む
- すりおろす
皮や芯は与えないように注意
それでは、皮や芯は与えてもよいのでしょうか。
食べ物を噛まずに丸のみしてしまう習性があるため、皮や繊維質が集中している芯の部分は特に消化しにくく、与えないよう注意が必要です。
皮には人間にとっては健康に良いとされていて、ポリフェノールがたっぷり含まれていますが農薬物質が残留している可能性もあり、皮は避けて実の部分をあたえるようにしましょう。
芯は、喉や腸につまらせてしまう危険もあります。体内では消化することは出来ませんし、堅いので咀嚼することも難しいのです。
また、芯や皮、タネ、葉などは猫にとって中毒症状を起こす毒物が含まれているため、与えないようにしましょう。
飼い主が目を離した際に誤って口にしてしまわないように充分に注意しましょう。
猫がりんごの種を食べてしまった場合の対処法

要注意!りんごの種には毒がある
- 微量ながらアミグダリンという物質が含まれている
- アミグダリンは消化器官のなかでシアン化水素(青酸配糖体)という毒性物質に変化する
手順①:食べた時間と量を確認する
万が一、種を食べてしまったらどうしたらよいのでしょうか。
食べてしまった量や、または身体の状態などを全体的に判断して、変わった様子がとくに見られないようであれば、吐かせる処置などの緊急対応は行わずに様子をみることが必要になります。
まずは、慌てずに観察をしていきましょう。
そして、このようなときには
- おおよその食べた時間の把握をしておく
- どのくらいの量を食べたのかを確認する
- 一緒に食べたものは何だったのかの確認
- 種を食べたあとに食べたものなどの確認
以上のことを把握して、念のためにメモなどに残しておくことをおすすめします。
また、食欲が減退や嘔吐があったり、明らかに元気がない場合には早めの動物病院の受診が必要です。
手順②:しばらく様子を見る
- 必要な状況であれば吐かせるなどの緊急措置を行う
- とくに問題がなければ数日様子をみる
- 体調や様子だけではなく便通も確認する
また、少し時間が経ってから種などが消化官の途中に詰まってしまうようなこともありますので、毎回便に種が出てきていないか確認することも必要です。
手順③:様子がおかしい場合はすぐに動物病院へ
- 下痢
- 嘔吐
- 痙攣
市販のりんご酢やりんごジュースを与えるのは避けよう
人間の体によいものでも、猫にもよいとは限らないものもあります。
それでは、市販のりんご酢やりんごジュースはどうなのでしょう。皮や芯、種といった与えてはいけない部分が入っていないため大丈夫なのでしょうか。
また、初めてのものに興味を持ちやすい動物ですが、独特な匂いに興味をもったりもするのでお酢は舐めさせないようにしなくてはなりません。
そして、市販のりんごジュースは人工甘味料が多く含まれているものもあります。
りんご酢の中には猫にとって良くないものも
- 酢酸
- アミノ酸
- クエン酸
- 糖分
- りんご酢の甘味料は特に人工甘味料や添加物に注意するもの
- りんご酢ドリンクには黒酢に果汁加えただけのものや、または人工甘味料が加えられているもの
市販の人間用りんごジュースもNG
それでは、人間が飲用する市販のりんごジュースは与えてもよいのでしょうか。
りんごには、多くの糖分が入っていますが、さらに過度な糖分やその他添加物などが入っている可能性があります。猫の体には適した飲み物ではなく、市販のりんごジュースは与えない方がよいでしょう。
りんごジュースを与える場合には
- 市販の猫用のジュース
- りんごをミキサーにかけた手作りのジュース
ジュースを作る際には、必ず皮や芯、種などはしっかりと取り除きましょう。
また、酸味をとるためや、甘味が増すよう砂糖や塩など調味料は入れずに、与えてあげるとよいでしょう。
必要以上に糖分を摂取することで、肥満や下痢などの原因にもつながりますので注意が必要です。
参考:りんご以外に猫が食べられる果物は?

- いちご
- 1粒は多く半分以下のサイズにがカットして与えるくらいが適量です。いちごのほとんどは水分で食物繊維も多いので少量食べても大丈夫です。
- スイカ
- 大さじ1杯以下程度です。スイカも水分、カリウムが多く含まれおり多く取りすぎると腎臓に負担をかけ腎不全になることも考えられ与えすぎには注意する。
- メロン
- タネを飲み込むことで喉を詰まらせてしまうこともあるためしっかり取り除きましょう。メロンも水分が多くカリウムも含まれおりスイカと同様に与えすぎには注意が必要です。
- 梨
- 実のほとんどが水分です。種は取り除いて与えるようにしましょう。果肉が硬いこともあるため小さく刻んだ一口大程度のものを小量与えるとよいでしょう。
- 桃
- 少量食べたとしても大丈夫とされる果物です。種を食べると中毒を起こす可能性があるため与えないようにしましょう。
- アボカド
- ぶどう
- マンゴー
- イチジク
猫はりんごを食べられる?のまとめ
- りんごを食べても大丈夫である
- メリットや注意点をしっかり把握する
- 種を食べてしまったときの対処法
- 市販のりんご酢やりんごジュースは与えるのNG