猫がきゅうりにびっくりするのはなぜ?理由や与える際の注意点も解説のサムネイル画像

後ろにこっそり置いたきゅうりに気付いた猫が、飛び上がって驚く動画をご存知でしょうか?なぜ猫はきゅうりを見て驚くのでしょう?この記事では、猫がきゅうりを見て驚いてしまう理由を説明すると共に、猫を脅かす弊害、猫にきゅうりを与える際のポイントも紹介します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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なぜ猫はきゅうりを見てびっくりするのか解説

 

記事モデル:かぶら丸


猫がきゅうりをみて驚く姿が一時期SNSで話題になりました。


話題になるのも分かります。

きゅうりに対して猫がパニクる姿に「え?なんで?すごい!!」と笑いを誘われます。


ほとんどの人が単に動物のおもしろ動画として楽しんでいるでしょう。

しかし、この猫にきゅうりの動画は、波紋を呼んだ動画でもあるのです。


今回の記事では、猫ときゅうりのテーマについて

  • 猫がきゅうりにびっくりする理由
  • 猫を驚かせることに問題はないのか
  • 猫にきゅうりを与える際に気をつけるポイント

などを解説したいと思います。


この記事を読めば、猫の背後にきゅうりを置くことは猫にどんな影響があるのか、また食べ物として与えることはどうなのか、などを解説していきます。


ぜひ最後までご覧ください。

猫がきゅうりにびっくりする理由

猫がご飯をたべているときにそっと背後にきゅうりを置く。

いつも冷静な猫が、きゅうりに気づいた瞬間にすごいジャンプ力を見せて逃げ去る。


このような猫の行動がまたたく間に話題となりtwitterなどで拡散され、自分の飼っている猫にも試してみる、ということが起きました。

テレビの情報番組でも取り上げられるほどでした。


予想以上の跳躍力と、大きなリアクションで話題になっていたのですが、なぜ猫はきゅうりをみたときに、あんなにびっくりするのでしょうか。


はっきりと解明されているわけではありませんが、色々な理由が説かれていますので、見ていきましょう。

「蛇に似ている」などの理由が考えられる


人間から見るとただのきゅうりですが、アメリカの認定動物行動学者ゴールドマン氏の説では、緑で細く長い物体を、猫は「だと思うそうです。


さっきまでなかったものなので生き物だと錯覚し、細長いものを蛇と紐付けるのかもしれませんね。


ペットの猫は蛇を知らないのでは?と思う人もいるでしょう。


しかし猫が威嚇するとき「シャーッ」と音を出して防御反応を見せることがありますね。


あの音は、猫の祖先である山猫が、蛇に遭遇した時に蛇の真似をして「シャーッ」と音をだし牙を見せ身を守っていた方法を受け継いでいると言われています。


野生の中で蛇を天敵としていた祖先から、蛇が自分の身に危険を及ぼすものと遺伝子に植え付けられているのでしょう。


そう考えると、きゅうりが目に入った瞬間、本能的に危険だと察知し跳び上がって距離を取るのも納得ですね。

猫がきゅうりを見て驚くのは「驚愕反応」

   

猫は安全な場所でしかリラックスしません。


その安全な場所に、いままで無かったものが唐突に現れたことで、尋常ではない驚愕反応を見せるのです。


多くの場合は、食事中に背後にそっときゅうりを置いています。

きゅうり1本そのままの状態を見たことがある猫は少ないでしょう。


猫は新しいものに対し恐怖を抱くネオフォビア(新奇恐怖症)と呼ばれる習慣があると言われています。    


食事をしている時は、特に無防備で、警戒心がなくなるときです。


そんなとき、いきなり至近距離に見たことのない物が床にある(いる)のです。

びっくりするのも不思議ではありません。


人間でも、ふと足元に見慣れないものがあったら、慌てて動揺しますよね。 

猫にとって驚かせる行為はストレスでしかない

  

猫によって性格は様々ですが、ペットフード販売会社の日本ヒルズ・コルゲートが調査したアンケートでは、愛猫がストレスを感じやすいと答えた飼い主は49.8%に上ったそうです。 

このことから猫は神経質でストレスを抱えやすい動物といえます。


そしてもともと狩猟を行う猫は、縄張りを持ち警戒心が強い性質があります。


きゅうりを置くだけの行為でも、猫は縄張り内に何かが入り込んだと身の危険を察知し、極度の緊張を感じます。


その強い緊張は、猫のストレスとなってしまいます。

何度も試していたならば、かなりの強いストレスがかかっていることも考えられます。


単に笑っていた人からしてみれば、猫にとってストレスになっていたなんて考えもしなかったでしょう。

猫をきゅうりで脅かすことによる弊害

猫が飛び上がるほど驚いているということは、それだけ猫を怖がらせているということなのです。


認定動物行動学者ゴールドマン氏は「動物にストレスを与えるのはよくない。面白半分にやっているなら、人間性を疑います」と言っています。  


この小さなイタズラが、猫の一生を大きく変えてしまうことにもなりかねないのです。

おおげさと思うかもしれませんが、どんな危険があるのか、考えていきましょう。

①ケガをする・物を壊す

きゅうりに驚いた猫がとる主な行動は、すごいスピードで逃げたりジャンプしてその場を離れようとします。


猫の頭の中はパニック状態なので、力の限り跳ね上がったり、突進したりします。


勢いで壁やテーブルにぶつかり、打撲内蔵損傷する可能性があります。


その部屋の窓が開いていたら飛び出して事故にあうかもしれません。 

 

また高いところから普段は着地できる猫でも、冷静な状態ではないのでうまく着地出来ず骨折したり、危ない所に着地したりする可能性があります。


衝撃で物が落下して壊れてしまったり、その壊れた物で怪我をする恐れもあります。


きゅうりを置いただけで愛猫に怪我を負わせることになったら、後悔のしようがありません。

②トラウマになる

猫の記憶力は過去に多く実験されており、自分の興味のあるものに対しては、短時間なら人間の20倍も記憶できるという結果が出ています。


それと同様に、自分の身を自分で守る猫は、怖かった経験や痛かった経験など、身の危険があったことを記憶する力が備わっており、不快な出来事を一生涯記憶する猫もいるようです。


ジャンプに失敗して落ちたり、カーテンに爪が引っかかって動けなくなったり、袋をかぶってしまい抜けなくなったり、よくある猫のトラウマのケースです。

きゅうりで驚かせることも同じことが言えます。


強烈にびっくりした出来事は記憶に刻まれトラウマとなります。

一度トラウマになるとその恐怖心を取り除くことは非常に難しいことです。


食事を食べる場所で恐怖心や警戒心を強く持たせてしまうと食欲不振にもなりかねません。

自分の家に危険が潜んでいると思うと、常に怯えたり攻撃的になることもあります。

 

もし強烈なショックや恐怖を感じてしまった場合、ASD(急性ストレス障害)を患う可能性もあり、嘔吐や下痢、異常な毛づくろい、膀胱炎など様々な体調不良を引き起こしてしまうかもしれません。


猫により個体差はありますが、人間にとっては些細な出来事も、神経質な猫にとっては強いインパクトを与える可能性があると覚えておきましょう。

③信頼が失われる

大好きな飼い主が、自分を怖がらせて喜んでいる。

猫の心理からするとちょっとしたイタズラでもこんな風に感じる可能性があります。


不快な出来事と飼い主が結びつけば、飼い主への不信感へと繋がる可能性があります。

嫌な記憶が刻まれて心を閉ざしてしまうと、修復に長い時間がかかることも考えられます。


築き上げてきた愛猫と信頼関係が崩れることは非常にショックなことですね。

信頼していた飼い主から嫌な思いをさせられた猫もかわいそうです。


安易な気持ちが、大事な猫の心を傷つけているかもしれません。

びっくりさせられる猫の立場になって考えてみてあげてくださいね。

猫がきゅうりを食べても問題ない

   

きゅうりは年中手に入るポピュラーな野菜ですね。

特に夏は安く手に入ることもあり家に常備している人も多いでしょう。

 

さて、猫をびっくりさせるためにきゅうりを置くのはやめるべきとお伝えしましたが、食べ物としてきゅうりを与えてもよいのか疑問に思いますよね。


本来肉食動物ですので野菜を好む猫はあまりいないと言われていますが、結論からいうと、猫がきゅうりを食べても問題はありません。


猫に安全な植物リスト/ASPCA(アメリ動物虐待防止協会)にも無害であることが掲載されているので安心です。


ただし、きゅうりを猫に与えるときには、いくつか注意すべき点があります。


そこでここからは猫に与えるきゅうりについて、

  • きゅうりを摂ることのメリット 
  • きゅうりの与え方 
  • 食べ物アレルギー

以上を説明していきたいと思います。

きゅうりを与えると水分補給の補助になる


きゅうりは夏が旬の野菜で、5月~8月頃多く見かけますが通年を通して手に入れることができる安価な野菜です。


猫にとって有害な成分はなく、安心して与えられます。


栄養価は低い野菜なのですが、95%水分でできるているため、水分補給をサポートするのに適していると言えるでしょう。


猫はもともと水を飲む量が少ないため、きゅうりを食べることで水分が補給でき、夏は熱中症対策にもなります。


猫の中には、かじってカスや種を吐き出すこともありますが、それでも噛んでいる間に水分補給はできています。


カロリーが低く老廃物を排出する効果があることから、肥満気味であればおやつにきゅうりを与えても良いでしょう。

きゅうりを与える場合は皮を剥いて細かくする

きゅうりの皮は洗っても雑菌が残っており、また新鮮なものほど棘があります。

胃腸に負担をかけないようにするため、皮は厚めにむき、千切りかスライスし細かくしてから与えましょう。


漬物やサラダなど、人間用に味付けしたものは、猫にとって塩分が強すぎたり有害な成分を摂ってしまう可能性があるため、必ず味のついていない生のきゅうりを与えて下さい。


さらに体を冷やす作用があることから、温度や量についても注意が必要です。

冷蔵庫から出したてのきゅうりではなく、しばらく常温におくかお湯に浸して冷たさをとってから与えることが望ましいでしょう。 


水分が多く、体を冷やすため一度にたくさん与えると下痢や嘔吐を起こす可能性があります。

量は目安として体重4キロに対し15グラム程度が適量です。


個体差があるため、初めて食べる場合は少量からスタートして、様子をみながらあげることをおすすめします。

猫にとってきゅうりは基本的に必要がないもの

きゅうりが水分補給にはなることを前述しましたが、基本的にキャットフードが総合栄養食なので、野菜で栄養を補う必要はありません。


本来は猫には必要のない食べ物です。


肥満気味の時、食欲がない時や、水分不足を感じる時に、おやつもしくは噛んで遊ぶ程度に与える程度でよいでしょう。


なお腎臓の機能が弱った猫には与えないでください。

きゅうりに多く含まれるカリウムがうまく排出できず、不整脈を起こしたり最悪のケースは死に至ることもあります。


きゅうりを欲しがるなら与えても大丈夫ですが、もともと野菜を消化する機能が弱いので、与え方には十分気を付けてくださいね。

参考:食物アレルギーに注意

人間と同様に食物アレルギーを持った猫もいます。


アレルギーは体に入った異物を取り除こうとする体の防御反応ですが、猫もアレルギーを引き起こすアレルゲンを摂取した時、体に異変が起きる場合があります。


アレルゲンとして多い原料は、牛肉、豚肉、鶏肉、ラム肉、魚、牛乳、生卵などのタンパク質や小麦・とうもろこしなどの穀物が多くなっています。


きゅうりなどの瓜科でアレルギーが起きる可能性は低いですが、新しい食品を与える場合は、与えてから飼い主がしばらくの間観察できるときにしましょう


アレルギーが起きた時によくあらわれる症状は

  • 下痢、嘔吐、お腹の張りなど胃腸反応
  • かゆみやかぶれなどの皮膚反応

上記以外にも発熱 、脱毛などの症状が現れることがあります。 


下痢などの症状の場合、他の原因があるかもしれませんが、いつもと様子が違うようであれば動物病院で検査してもらうことをお勧めします。 

猫がきゅうりを見て驚く理由のまとめ

いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 猫は、きゅうりを蛇だと思い驚く
  • 猫は、見知らぬ物が現れると驚く
  • きゅうりで猫を驚かせることは、猫に強いストレスを与える
  • きゅうりは水分補給になるが無理に与える必要はない

でした。


「猫 きゅうり」と検索するとたくさんのYou Tube動画が出てきます。

話題になった時にたくさんの飼い主が、自分の猫で試した動画でしょう。

そしてこれからもこの動画を見た人は自分の猫に同じことをするかもしれません。


マイペースな猫の、オーバーアクション。

たしかに人間にとって面白い瞬間かもしれませんが、猫にとっては心の傷となり得る行為で、繰り返せば虐待にも値することを専門家も注意喚起しています。


人間にもいろいろな性格の人がいるように、猫にもストレスを感じやすい猫がいます。


かわいい愛猫が怖がる思いをしないよう、食べさせることはあっても驚かせることはしないでくださいね。


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