犬にカレーを食べさせるのは危険です。カレーには犬にとって有害な「玉ねぎ」をはじめ、各種香辛料や小麦などが使われているため、さまざまな害が発生する可能性があるためです。この記事では、犬にとってカレーが危険である理由や、食べてしまった場合の対処法などを紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる犬にとってのカレーの危険性について解説
記事モデル:はな
香辛料のにおいが食欲をそそるカレー。
カレーが嫌いという人はあまりいないのでは?
「そんなおいしいカレーを愛犬にも食べさせてあげたい」という方も多いのではないでしょうか。
犬も私たちと同じようにカレーを食べてもいいのかというと、犬にとってカレーは危険な食べ物なので与えるのはやめましょう。
今回の記事では、
- 犬にとってカレーは注意すべき危険な食べ物
- カレーに含まれる危険な食材
- 犬がカレーを食べる・舐めるなどした場合の対処法
について紹介していきます。
この記事を読んでいただければ、犬とカレーについて正しい知識がつき、安心して愛犬と過ごすことができるようになります。
ぜひ最後までご覧いただき、愛犬との生活の参考にしてください。
犬にとってカレーは注意すべき危険な食べ物
カレー嫌いの人は少ないのではないかと思いますが、犬にとってカレーは注意すべき危険な食べ物です。
カレーにはさまざまな食材が含まれており、なかでも玉ねぎは犬にとって危険な食材です。
玉ねぎの危険性については、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
さらに犬はカレーの匂いも苦手なので注意しましょう。
犬がカレーをあやまって食べたり舐めたりすることがないように気を付けてください。
愛犬がおねだりをしてくると、ついついあげたくなってしまいますが、絶対に与えないようにしましょう。
カレーにはさまざまな素材が使われている
カレーにはさまざまな素材が使われています。
具材がゴロゴロしているカレーには、犬のにとっての危険がいっぱいです。
どのような種類のカレーであっても、犬にカレーを与えることはやめましょう。
カレーに含まれる食材には
- 玉ねぎ
- 香辛料(唐辛子・コショウ・にんにく)
もっとも注意すべきは「玉ねぎ」
まずはもっとも注意すべき食材は玉ねぎです。
玉ねぎはビタミンB6やビタミンCを多く含むため、人間にとっては健康のために役立ちますが、犬にとってはとても有害な食べ物です。
玉ねぎには硫黄の一種の成分が含まれており、これが粉砕されるとアリシンという成分を形成します。
犬はアリシンを消化することができないので、玉ねぎを食べてしまうとアリシンが赤血球
の機能を阻害してしまうのです。
そして赤血球を破壊し、重度な貧血を引き起こすことで最悪の場合、死に至ってしまいます。
たとえ少量でも重篤な障害を引き起こすことがあるほどに、犬にとっては危険な食材です。
玉ねぎは生の状態でも加熱した状態でも関係なく危険なので、犬が勝手に食べてしまうことがないよう十分に注意をしましょう。
玉ねぎ以外にも犬にとっての危険がたくさん
カレーには玉ねぎ以外にも犬にとって危険な食材がたくさん入っています。
具体的には
- にんにく、とうがらし
- チョコレート、ココア
- ワイン
- バター
・にんにく
にんにくは玉ねぎと同じ成分が含まれているため、少量であってもとても危険な食材です。
・チョコレート、ココア
チョコレートの原料のカカオに含まれるカフェインは犬にとって中毒を引き起こす成分です。
そのため摂取してしまうと、下痢や嘔吐などの症状が現れます。
・ワイン
犬はアルコールを分解することができません。
そのため少量でも危険な食材です。
・バター
バターは乳製品アレルギーを引き起こす可能性がある食材です。
そのほかにもカレーにより、多くの食材が使われている可能性があります。
そのため特定のカレーがダメというわけではなく、単純にNG食材が含まれている可能性が高いため、種類を問わずカレーを与えることは危険だということを覚えておいて下さい。
犬はカレーの匂いも苦手
犬はカレーに含まれる食材だけでなく、カレーの匂いも苦手です。
犬は敏感な嗅覚で対象物の匂いを嗅ぎ、食べていいかどうかの判断や飼い主、敵味方の判断をしています。
そのため犬にとって嗅覚は、脳の役割を果たしているといわれるほどです。
そして犬の嗅覚は人間の100万倍もあり、鼻の奥にある細胞の数はなんと2億個もあります。
それほど嗅覚のするどい犬ですから、人間がいい匂いだと感じても犬にとっては嫌な臭いということが多くなります。
特にカレーはスパイスの匂いが強く、鼻を刺す刺激臭なので犬にとっては苦手な匂いといえるでしょう。
カレーを食べるときには犬が部屋に入ってこないようにしたり、外に出してあげたりすると良いでしょう。
カレーの何が犬にとって危険なのか
カレーに入っているさまざまな食材が危険だということをここまで紹介してきました。
それではそれぞれの具材の何がどのように危険なのかそれぞれご紹介します。
今回は、
- 玉ねぎ(たまねぎ中毒の可能性)
- 香辛料(犬にとっての刺激物)
- 塩分(犬にとっては塩分過多)
- 食物アレルギー(小麦、じゃがいも、にんじんなど)
それぞれの食材に、犬にとっていろいろと危険なことがあるのでしっかりと把握して、愛犬との生活に役立ててください。
①玉ねぎ(たまねぎ中毒の可能性)
まずはカレーの中でも最も危険な玉ねぎについて解説します。
犬は玉ねぎだけでなく、ネギ科の植物全般が危険です。
その理由は、玉ねぎに含まれているアリルプロジスルファイドという成分が、犬の赤血球を破壊して、溶結性貧血を引き起こしてしまうからです。
この成分は加熱しても消滅しないため、火にかけたからと安心することはできません。
そのほかにも玉ねぎを食べてしまった場合には、玉ねぎ中毒を引き起こす可能性もあります。
その症状は、
- 下痢や嘔吐
- 食欲がなくなる
- 血尿や血便が出る
- 発熱する
- けいれんや震えが起こる
などがあります。
中毒症状は早い場合には一日で症状が出る場合が多いですが、3~4日後に症状が出る場合もあるので、上記の症状が現れた場合には玉ねぎを食べてしまったことを疑いましょう。
②香辛料(犬にとっての刺激物)
香辛料は、犬にとっての刺激物になります。
カレーには多くの香辛料が含まれているため注意が必要です。
なかでも、
- 唐辛子
- にんにく
1.唐辛子
唐辛子は胃腸の刺激物となります。
犬の年齢や体の大きさ、そして食べた量にもよりますが、下痢や嘔吐の症状を引き起こしてしまう可能性があります。
そのほかにも胃腸障害を起こしたり、さらに重症になると感覚麻痺を起こしてしまいます。
2.にんにく
にんにくも玉ねぎと同じ成分が含まれているため、絶対に食べさせてはいけません。
しかし実際には相当量を食べない限り、症状は出ないようですが避けたほうが安心です。
仮に何日間か続けて食べたしまった場合には、危険性が高まるようです。
③塩分(犬にとっては塩分過多)
カレーの塩分は、犬にとっては多すぎます。
カレールーの1食分(20g前後)には、食塩が2g前後含まれています。
犬が一日に必要とする塩分の量は、体重1kgあたり0.0635g~0.127gといるのでカレーに含まれる塩分は犬にとっては多すぎるということになります。
もし塩分を過剰摂取した場合には、
- 腎臓疾患
- 心臓疾患
犬は人間のように十分に汗腺が発達していないため、塩分を上手に排出することができません。1食分が塩分過多になったとしても、いきなり症状が現れるというわけではありませんが普段の食事にも塩分は含まれているため、気をつけておかないといつの間にか塩分を摂り過ぎていたということになりかねません。
そうならないためにも普段の食事から十分に注意をしておきましょう。
参考:全日本カレー工業協同組合
④食物アレルギー(小麦、じゃがいも、にんじんなど)
犬は食物アレルギーが多い生き物です。
ここまで見てきた通り、カレーにはたくさんの材料が使われています。
したがってアレルギーが発生する可能性が高くなります。
特に、
- 小麦
- じゃがいも
- にんじん
1.小麦
小麦には犬には消化できないグルテンというタンパク質が含まれています。
摂取した場合、下痢や嘔吐、目の充血などの症状が現れます。
2.じゃがいも
じゃがいもの芽や緑色の皮には、ソラニンという毒性成分が含まれています。
摂取した場合、下痢や嘔吐、そして運動障害の症状が現れます。
3.にんじん
にんじんは、よもぎやカボチャに対してアレルギーを持っている犬の場合には、交差反応を引き起こしてしまう可能性があります。
アレルギーを持っている犬の場合には注意が必要です。
この3品目は多くのカレーに入っています。
そのため少量でも口にすることでアレルギー反応を引き起こしてしまう可能性があるので、気を付けておきましょう。
参考:商品によってカレールーの材料は異なっている
商品によってカレールーの材料は異なっています。
カレールーの材料は玉ねぎ、にんにく、カカオマス、あさりエキス、生クリームなど、様々です。
昨今ではカレー人気もあり、多種多様な食材が含まれたカレールーが発売されています。
そのため、あちらのカレールーではアレルギー症状が発生しなかったとしても、こちらのカレールーでは中毒症状が発生するという可能性があります。
カレールーの材料は基本的に、
- 食用油脂
- 小麦粉
- 食塩
- でんぷん
- 砂糖
- カレー粉
そのほかにもリンゴやバナナなどの果物類も多く含まれています。
さらにものによっては、マンゴーやいちご、モモなどが入っている場合もあるようです。
すべての原材料に注意することは難しいことですから、初めからカレーを与えないようにしてください。
犬がカレーを食べる・舐めるなどした場合の対処法
それでは次に犬がカレーを食べてしまったり、舐めてしまったりした場合の対処法について解説していきます。
まずは犬がカレーを食べないようにするための対策が必要ですが、もし食べたり舐めたりしてしまった場合には、
- 様子を見る
- 病院で診てもらう
- 水を飲ませて応急処置をする
対処法を知らないと、何かあったときに慌ててしまって何もできずパニックに陥ってしまう可能性があるので、しっかり覚えておきましょう。
①様子を見る
もし犬がカレーを食べたり、舐めてしまったりした場合にはまずは慌てず様子を見るようにしましょう。
アレルギー症状はすぐに顕れる場合もありますが、2~3日経ってから発症する場合もあります。
そのため少量口にしてしまった場合には下痢や嘔吐などが起こる可能性がありますが、まずは様子を見ておいて大丈夫です。
仮に大量に食べてしまった場合には、玉ねぎ中毒やカレーに含まれる唐辛子やニンニクなどの香辛料が胃腸への刺激になり、問題が起こる場合もあります。
カレーを食べた後に激しい下痢や嘔吐などの症状が現れた場合には、すぐに獣医師に相談をしましょう。
よほど症状がひどい場合でなければ、まずは様子を見て、
- 何時くらいに食べたのか
- どれくらいの量を食べたのか
- どんな症状が出たのか
②病院で診てもらう
もし激しい下痢や嘔吐などの症状が現れた場合には病院で診てもらうようにしましょう。
その際には愛犬の様子をメモに記しておくと診察がスムーズです。
メモの内容はできるだけ詳細にしたほうが良いため、
- WHO(誰が)
- WHEN(いつから)
- WHAT(なにが)
- WHY(なぜか)
- WHERE(どこで)
- HOW(どのように)
これは思考法でも有名な5W1Hです。
愛犬の状況が詳細であればあるほど、獣医師としても診察・治療がスムーズになるのでできる限りの内容を書き記しておきましょう。
毎日愛犬の詳細な様子をメモに記す習慣をつけると良いのですが、負担も大きいので
- 何時くらいに食べたのか
- どれくらいの量を食べたのか
- どんな症状が出たのか
参考:水を飲ませて応急処置を
もし犬がカレーを食べてしまったり、舐めてしまったりした場合には
- 様子を見ること
- 病院で診てもらうこと
様子を見ることに合わせてしたほうがいい対処法として、水を飲ませるということがあげられます。
カレーを食べた後に下痢や嘔吐の症状が現れた場合には、脱水症状を起こしてしまうことがあります。
脱水症状を判断するには犬の背中の皮を引っ張ってみましょう。
すぐに皮が戻った場合には脱水症状ではないということです。
犬にとってのカレーの危険性についてのまとめ
ここまで「犬がカレーを食べていいのか」について、犬とカレーを中心に紹介してきました。
今回の記事をおさらいすると、
- 犬にとってカレーは注意すべき危険な食べ物
- 玉ねぎを食べると最悪の場合、死に至る
- にんにく、とうがらし、チョコレート、ココア、ワイン、バターなど隠し味に使われている材料も犬にとって危険
- カレーの食材だけでなく、匂いも犬は苦手
- カレーには塩分が多いため、犬にとっては危険
- カレーに使われる小麦、じゃがいも、にんじんはアレルギーの原因になる可能性がある
- 商品によってルーの材料が違うので、安心しないこと
- カレーを食べてしまったら、様子を見る⇒病院で診てもらう
- 応急処置として、水を飲ませる
わたしたちにとってはすごくおいしいカレーですが、犬にとっては危険がいっぱいな料理です。
カレーは小さい子も好きなので、誤って犬に与えることがないようにしっかり見ておきましょう。
カレーは犬にとって危険だということを認識して、愛犬と食事を楽しむようにしてくださいね!