猫がチョコを食べてしまった場合どんな症状になるのか、致死量はどのくらいなのか愛猫が死亡しないように猫の飼い主として必ず知っておきましょう。この記事では猫がチョコレートを食べてはいけない理由ともし食べてしまった場合の対処法をご紹介します。猫はチョコのにおいが好きで欲しがるのであげたくなりますが中毒を起こしてしまうので絶対にやめましょう。
この記事の目次
目次を閉じる猫がチョコを食べてしまったらどうなる?
人間にとって美味しい食べ物でも、動物が食べると体の具合が悪くなってしまう場合があります。例えばチョコレートは男女問わず人気でよく食べる方も多いと思いますが、実は猫にとって有害な物。
後ほど詳しく解説していきますが、チョコレートに含まれているカフェインやテオブロミンという成分によって、下痢や嘔吐等の症状が出てしまう場合があるため注意が必要です。
今回の「MOFFME」の記事では以下の4点について解説していきます。
- 猫にチョコレートがダメな理由
- 猫がチョコレートを食べたらどうなる?
- 猫がチョコレートを少量舐めた・食べたけど大丈夫?
- 猫がチョコレートを食べてしまったときの応急処置と対処法
なぜチョコレートが猫にとって有害なのか、もし食べてしまった時の対処の方法はどのようなものがあるのか、詳しく解説しますので、ぜひ最後までご確認くださいね!
猫にチョコレートがダメな理由とは?
チョコレートに含まれる成分として、カフェインやテオブロミンという成分があります。
テオブロミンという成分は聞き慣れない方がいらっしゃると思いますが、カフェインはよく耳にする成分でしょう。
これらの成分は、中枢神経系を刺激する作用があり、人が食べると、リラックス効果や集中力向上等の効果が得られます。
しかし猫の体は、これらの成分をうまく分解して排出することができません。刺激成分が長く体内に留まってしまうため、脳神経などの中枢神経や心臓に強く作用してしまい、最悪の場合だと死に至るケースもあるくらい有害なため、猫がチョコレートを食べたり舐めたりすることは絶対にNGです。
では、これほど危険なチョコレートをもし猫が食べてしまったらどのような症状が出るのでしょうか。次の項で詳しく解説していきます。
猫がチョコレートを食べたらどうなる?中毒症状について
猫がチョコレートを食べると中毒症状が現れます。どんな症状がどのくらいの時間で現れるのでしょうか。
ここからは
- 猫がチョコレートを食べたときに現れる中毒症状
- 中毒症状が出るまでの時間
- 後遺症は残るのか?
猫がチョコレートを食べた時に現れる中毒症状
ひと言で「中毒症状」と言っても、その症状は多岐に渡ります。具体的な症状を見ていきましょう。
- 発熱
- 嘔吐
- 吐き気
- 下痢
- 頻尿
- 尿失禁
- 興奮
- 震え
- けいれん
- 頻脈
- 不整脈
- 呼吸が乱れる
中毒症状が出るまでの時間
中毒症状が出るまでの時間は、猫がチョコレートを食べて2〜6時間ほどで症状が出ることが多いです。
しかし、半日や1日ほど経ってから体調が悪くなるケースや、数日間体調不良が続くケースもあります。
症状が出るまでの時間は、あくまでも目安です。
「チョコレートを食べたり舐めた後でも元気に遊んでいるから大丈夫」「6時間を超えても症状が出てないから大丈夫」と思わずに、「放置することは危険」ですので、すぐに動物病院で診てもらうようにしてくださいね。
猫がチョコレートを食べたら後遺症は残る?
中毒症状が出た場合でも早めに処置をすれば、元気になることが多いです。しかし、治療が遅れたり中毒症状が続いたりすると、後遺症が残ってしまう可能性があることは否めません。
例えば、けいれんが続くと脳細胞が傷ついてしまい、一度傷ついた脳細胞はもとに戻らないため、神経機能に異常が残ることがあります。
後遺症を残さないためにも、早めの治療が肝心です。
猫がチョコレートを少量舐めた・食べたけど元気だから大丈夫?致死量はどれくらい?
猫がチョコレートを食べると中毒症状を引き起こし、最悪の場合は死の危険もあることを解説してきました。
では、舐めた量や食べた量が少しの場合も、中毒症状が現れてしまうのでしょうか。ここからは
- 少し舐めた・少量食べた場合も中毒症状が出るのか?
- 危険な致死量とは?
少し舐めた・少量食べた場合も中毒症状が出る?
舐めた量や食べた量が少量の場合は、中毒症状が出ないこともあります。
しかし、チョコレートを舐めた量が少量であったとしても、テオプロミンやカフェインの含有量が多い場合や、その時の空腹具合・その日の体調によっては中毒症状が出ないとは限りません。
時間が経って症状が出ることもあるし、目安の時間より早く、症状が出始めることもあります。
先ほど触れたように、中毒症状への治療は早めが鍵!チョコレートを舐めた・食べたこと気付いたら、症状が出ていなくても動物病院で診てもらった方が安心です。
危険な致死量とは?
致死量は、猫の体重1㎏あたり250〜500㎎です。一般的な成猫の体重である4㎏で考えると、1,000〜2,000mgほどになります。
中毒量の目安は、猫の体重1㎏あたり15〜20㎎。40〜50㎎とると症状が重くなり、60㎎をとると発作が引き起こされることが増えてきます。
体重4㎏の猫であれば、80㎎ほどとると軽い中毒症状が見え始め、200㎎ほどとると症状が重くなる計算です。
具体的にどのくらいの量のチョコレートを食べると危険なのか市販の板チョコ50gに含まれる中毒物質の量をまとめたので、ご覧ください。
チョコの種類 | テオブロミン量 | カフェイン量 |
---|---|---|
カカオ99% | 550mg | 60mg |
カカオ88% | 400mg | 42mg |
カカオ77% | 355mg | 34mg |
ミルクチョコレート | 135mg | 18mg |
カカオの含有量が多いほど、テオブロミン量とカフェイン量が増えていきます。
4㎏の猫であれば、
- 高カカオの板チョコ2枚を食べると致死量
- 半分食べると中毒量
猫がチョコレートを食べてしまった時の応急処置と対処法
「大事な猫がチョコレートを食べてしまった!」「命の危険があるかもしれない」と思うと、一秒でも早く治療を始めたくなりますよね。
ここからは、猫がチョコレートを食べてしまった時の応急処置と対処法について、詳しく解説していきます。
自宅でできる応急処置はないためすぐに病院へ
チョコレートの誤食に気づいたら、一刻も早く病院へ行きましょう。
「食べたものを吐き出させれば大丈夫かな」と思ってしまいますが、素人の行う医療行為は、逆に危険です。吐いたものが肺や気管に入り、窒息事故につながったり、吐かせる方法によっては、胃腸に障害が残ったりするかもしれません。
うまく吐けずに、猫に苦しい思いをさせてしまうこともあります。
非常に心苦しいですが、お家でできる処置はないため、少しでも早く病院に行くことが大切です。
診察の参考になる情報があると、処置がスムーズに進みやすくなります。
- 食べた時間
- 食べたチョコレートの量
- 食べたチョコレートの種類
- 成分表がわかるもの
病院での対処方法
まず行われるのは体重測定です。体重をもとに中毒量を計算し、食べた量が致死量や中毒量に届いていないかチェックします。
その後に、身体検査です。心音や瞳孔の大きさ等をチェックし、危険度の高さを判断します。 食べたチョコレートの量が多い、胃の中にチョコレートがまだ残っている等の場合は、嘔吐を促す薬剤を点滴し、吐かせる処置が可能です。
薬を使っても嘔吐を促せないときは全身麻酔をし、胃を洗浄する処置を行います。
食べて2時間以上経っている場合は、食べたチョコレートが腸にいってしまっていることが多く、吐かせる処置の効果が期待できません。
食べてから時間が経っている、症状が出始めている場合は、吸着剤や胃粘膜保護薬、二字的な病態防止のための抗生物質などを使い、現れた症状に対する治療をしていきます。
すぐに元気になれば良いですが、数日間、中毒症状が続くこともあります。症状が続く場合は、入院のうえ、治療を継続しなければなりません。
どのような状況になっても、獣医師が猫の様子を見ながら最適な治療を選んでいきます。
誤食に気づいたら、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
他にもこんな食べ物に注意
猫にとってチョコレートが有害であることを解説してきましたが、カフェインを含むコーヒーや紅茶、またはテオブロミンが含まれるカカオを材料としたココアやコーラ、栄養ドリンクにも注意が必要です。
他にも気をつけなければならない食べ物があります。
まず、玉ねぎなどのねぎ類がなぜ食べてはいけないのか解説します。
ねぎ類にはアリルプロピルジスルファイドという物質が含まれています。
この物質は猫の赤血球を破壊してしまうので、溶血性貧血になることがあります。そのため、絶対に食べさせてはいけません。
次にアルコールです。
猫はアルコールを人間のように肝臓で分解することができず、少しの量でも酩酊状態になってしまいます。
そのため、内臓が機能障害を起こしてしまう危険性があるので、気をつけなければなりません。
【まとめ】猫にチョコレートは危険なので、絶対に与えないこと!
今回の記事では猫にとってなぜチョコレートが有害なのか、もし食べてしまった場合にはどのような対処をしたら良いのかについて解説しましたがいかがでしたか?
ここまでの内容をまとめると、
- 猫にチョコレートを舐めさせたり食べさせたりしてはいけない
- チョコに含まれる成分により、様々な消化器症状や神経症状等の中毒症状が出る
- 中毒症状が出るまでの時間は、食後2~6時間ほど
- 治療が遅れると後遺症が残ることがある
- お家でできる応急処置や治療はない
- 食べたり舐めたりしたことが分かったときは、すぐに動物病院に行って診てもらう
家族の一員である猫を危険な目に合わすことを防ぐためにも、この記事を参考にしていただけると幸いです。
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