こんにゃくは犬でも食べられる食品です。ただし強い弾力があるため、人間と同様に詰まらせてしまう恐れがあります。この記事では、犬はこんにゃくを食べられるものの、リスクがあることを説明すると共に、食べて具合が悪くなってしまった場合の対処法なども紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる犬はこんにゃくを食べられるのか解説
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愛犬にえさを与える時に、ドッグフード以外にも人間が食べているものと同じものを与えている人も多いかと思います。
しかし、特に加工品は人間用として作られているので、全てが犬向きに作られているわけではなく、えさとしておすすめできない食べ物もあります。
そんな中で、こんにゃくを犬に食べさせたいけど、犬に与えても問題ないのか?与える際に注意すべきことはあるのか?といった疑問を持っている方も多いでしょう。
そこで、この記事ではこんにゃくを犬に食べさせたいと考えている人のために、
- 犬にこんにゃくを食べさせても大丈夫かどうか
- こんにゃくを食べさせる際の注意点
- こんにゃくによるリスクへの対処法
- こんにゃく以外でのおすすめダイエット食品・ダイエット法
犬はこんにゃくを食べても大丈夫だが、おすすめしない
こんにゃく自体は栄養価も高く、犬が食べれる食材ですが、与えるに際して気を付けるべき点も多く、犬用のえさとして積極的におすすめできる食べ物ではありません。
こんにゃくのメリットを聞いて、犬用のえさとして与えたい気持ちはとてもいいことです。ただし、悪い面を知らずに与えてしまうと、犬にとって良くないものを与え続けてしまうことになるので注意が必要です。
こんにゃくは犬にとって良い栄養を持っている
犬用のえさとしてこんにゃくを与えるのはおすすめしないとお話をしましたが、実はこんにゃくは栄養価が高く、様々な効果が期待できます。それらの栄養価について紹介していきます。
- 食物繊維・・・こんにゃくには豊富な不溶性の食物繊維が含まれているため、胃や腸の中にある水分を多く吸収して、便としてたくさん排出されるようになります。便秘解消や腸内のお掃除役として活躍
- カリウム・・・ミネラルの一種。ナトリウムと相互作用で細胞の浸透圧を一定に保つ役割があります。利尿作用により血圧を下げてくれたり、心臓機能、筋肉の機能を調整をする
- カルシウム・・・骨や歯などを丈夫に形成する役割
こんにゃくは消化できないので大量に食べさせるのはNG
こんにゃくは健康面からみると、食べても問題はないという話をしましたが、どうしても食べさせたい場合は注意が必要です。
こんにゃくに含まれる不溶性の食物繊維は、腸内で水分をよく吸収してくれますが、言い方を変えると、非常に消化の悪い食べ物であるからです。
こんにゃくを一度にあげる量には注意が必要です。大量にあげるとお腹の中で消化されずに残ってしまい、下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。さらには、腸の中で詰まってしまう危険性もはらんでいます。
犬にとってこんにゃくは、毒性はないがリスクがある食べ物
こんにゃく自体は健康的な食べ物ですが、犬に食べさせる時には、様々なリスクを伴うことを覚えておきましょう。
犬用のペットフードなど、栄養価の高い食べ物は他にもあるので、無理をしてまでこんにゃくを与える必要はありません。本当に大切なペットであれば、犬が欲しがってきたり、健康面であげたかったとしても我慢することも大事です。
どうしても犬にこんにゃくを与えたい場合には、リスクがあることを認識しておきましょう。リスクを覚えておけば、間違った与え方や一度にまとまった量をあげてしまうなどの失敗も無くなります。
ここでは、こんにゃくを与えたときのリスクにはどのようなものがあるのか説明をしていきます。
リスク①:下痢や嘔吐してしまう可能性
こんにゃくに含まれる食物繊維には、便秘解消や、胃や腸のお掃除をしてくれる役割がありますが、その一方で、下痢や嘔吐を引き起こしてしまう危険性をはらんでいます。
こんにゃくの食物繊維は不溶性なので、胃の中でうまく消化されずに、それが原因で下痢・嘔吐を起こしてしまいます。健康体の犬だったとしても、消化がうまくできないので、老犬や持病がある犬に与えるのはやめておきましょう。
もしこんにゃくを与えたあとに、体調が著しく悪くなってしまったり、下痢・嘔吐の症状がみられる場合には、すぐに病院へ連れていってあげてください。
リスク②:腸や喉に詰まる可能性
こんにゃくを犬に食べさせることにより、喉や腸を詰まらしてしまうという危険性もあります。
こんにゃくは非常に弾力のある食べ物です。犬は人間のようによく噛んでご飯を食べるという習慣が無く、口に入れたものをそのまま丸のみしてしまいます。
喉に詰まらせた時に、自力で吐くことができればいいのですが、最悪の場合には、窒息死に繋がる危険性をはらんでいるので気を付けてください。
また、喉に詰まらしてしまうのと同じように、腸の中でこんにゃくが詰まってしまい腸閉塞を引き起こす可能性があります。この場合、手術によって詰まったこんにゃくを取り除いたりしなければいけなくなります。
腸閉塞は処置が遅くなればなるほど、最悪の場合は死に至ってしまうので、こんにゃくを安易に犬に与えるのは注意しましょう。
リスク③:アレルギーの可能性
こんにゃくは芋類に分類されます。芋アレルギーを持っている犬の場合は、こんにゃくを与えることによって、アレルギーを引き起こしてしまいます。
こんにゃくを与えたあとに、下痢や嘔吐の症状があったり、皮膚に赤みがみられるようになったり、目の充血などのアレルギー症状が見受けられる場合は、すぐに病院を連れていくようにしてください。
また、少しでもそのような症状が出た場合は、こんにゃくを与えるのをすぐに止めるようにしましょう。
こんにゃくを始めて与える場合には、少量でまずは様子をみてみることも大事です。また、与え始めたばかりの頃は大丈夫でも、そのうちアレルギー症状がみられるようになることもあるので、気を付けてください。
犬がこんにゃくを食べてしまった場合の対処法
こんにゃくには毒性があるわけではないので、少量であればえさとして犬に与えること自体は悪いことではありません。栄養価も高いので、正しい知識をもとに、適切な量であれば、食べさせても問題にはならないでしょう。
もし、こんにゃくを犬に食べさせた時に、喉に詰まってしまった、アレルギー反応が出た、下痢や嘔吐などの症状がみられるようになった場合の対処法について説明をします。
万が一自宅で問題が起きた時のために、覚えておくようにしましょう。
対処法①:喉に詰まった場合
こんにゃくは弾力性が高いため、犬がこんにゃくを口に入れてそのまま丸のみしてしまった場合、喉に詰まらせてしまう危険性が高いです。
もしこんにゃくを喉に詰まらせてしまった場合、背中をたたいたり、下腹から突き上げるようにして吐き出させてあげましょう。
ただし自宅で吐き出させることは簡単ではないので、病院に連れていくまでの間の応急処置として考えておいてください。喉に詰まらせてしまうと、呼吸困難を引き起こしてしまうほか、食道炎などの危険性があるので、早急な対応が必要です。
対処法②:下痢や嘔吐した場合
軟便で下痢をしているということは、腸内で消化不良が起きている可能性が高いです。一時的に下痢になっただけで、すぐにいつもの便の硬さに戻れば気にする必要はありません。
もし下痢がしばらく続いたり、嘔吐などを伴っている場合は、すぐに対処をするようにしましょう。自宅でできる対策としては、絶食して胃腸を強制的に休ませることです。
なかには、絶食をしてしまうと嘔吐してしまう犬もいるので、その場合は少量だけあげてください。キャベツやリンゴなどの消化に良い食べ物がおすすめです。
また、嘔吐やげっぷが多くなり、さらには腐敗臭のようなにおいを伴う場合は、腸閉塞の可能性も高くなります。その場合は、すぐに病院へ連れていってあげましょう。
対処法③:アレルギー症状が出た場合
こんにゃくを与えたあとに、目が充血している、皮膚に赤みが出る、嘔吐や下痢などの症状が出ている場合、アレルギーを引き起こしている可能性が高いです。
アレルギー症状がみられた場合、まずはすぐにこんにゃくを与えることはやめましょう。症状が軽度の場合でも、与え続けることによって、さらに体調を悪化させてしまいます。症状があまりにもひどい場合は、病院に連れていって診てもらいましょう。
犬にとって安全なこんにゃくの食べ方と注意点
犬はもともとよく噛まずに食べ物を食べてしまう生き物です。特に柔らかい物や、小さなサイズの食べ物であれば、丸のみをして飲み込もうとします。中には、体内に取り入れる前に咀嚼する犬もいますが、ほとんどの犬はしません。
犬の場合は、人間に比べて、胃の中で強力な胃液が出るようになっているので、丸のみをしたとしても、胃の中で消化ができてしまうのです。
人間でも蒟蒻畑などのこんにゃくゼリーを、喉に詰まらしてしまい、死亡してしまったというニュースが昔はあったように、食べ方を間違えてしまうと非常に危険に食べ物にもなりかねません。
犬にこんにゃくを食べさせる時は、喉に詰まらす危険をはらんでいる食べ物であることを認識してください。
ただし、食べさせ方に気を付ければ、喉に詰まらせるなどのリスクを減らすことはできるので、いくつかこんにゃくの食べさせ方について紹介していきます。
下茹でをし、細かく刻んで少量のみ与える
犬にこんにゃくを食べさせる前に、下茹でをしたり、細かく刻んであげることによって、下痢を予防したり、喉に詰まらす心配を減らすことができます。
こんにゃくはアクの強い食品です。アクを取らずにそのまま与えると、それが下痢の原因になりやすいので、こんにゃくの下茹でをするようにしましょう。
茹でる時間は3分くらいを目安にしてださい。冷まさずにそのままあげると、丸のみして喉を火傷してしまうので、茹でたあとは必ず冷やしてあげましょう。
こんにゃくの中には、最初からアクが少ない製粉を使っている製品もあるので、そういったこんにゃくを使うのも一つの手です。
また、喉に詰まらす危険性を少しでも減らすために、細かく切り刻んで食べさせることも大切なことです。糸こんにゃくやしらたきといった、最初から細くなっているこんにゃくをさらに切り刻むくらいでちょうどいいです。
アレルギーに注意する
参考:こんにゃくゼリーはNG
蒟蒻畑などのこんにゃくゼリーを愛犬に食べさせたいと考えたり、実際に与えている人がいますが、こんにゃくゼリーを犬に与えることはNGです。
市販のこんにゃくゼリーには、甘味料や砂糖などが多く含まれており、健康的なこんにゃくに比べて、栄養価が高くはありません。ダイエット目的でこんにゃくを犬に食べさせたい方には、肥満の原因になるので、おすすめしません。
健康面でもお勧めできない他、こんにゃくと同様で、こんにゃくゼリーを喉に詰まらす危険性もあるため、愛犬にこんにゃくゼリーを与えることはやめておきましょう。
犬のダイエットが目的ならこんにゃく以外の方法がおすすめ
こんにゃくは100g当たり6kcalという非常に低カロリーな食品で、ダイエットにとても向いている食品です。
普段のペットフードを減らして、その減らした分をこんにゃくで代用することによって、簡単にカロリー摂取量を抑えることができます。
また、こんにゃくに含まれる水溶性の食物繊維が、体内の水分を吸収して膨らむことにより、満腹感を得ることができるので、愛犬にダイエットをさせたい飼い主には、こんにゃくはおすすめの食べ物です。
ただし、こんにゃくだけでなくても、他の方法でダイエットを成功させることはできるのでいくつか紹介をしていきます。
方法①:こんにゃくを寒天に変える
こんにゃくの代わりに、寒天を与えることでもダイエット効果が得られます。
寒天は海藻からできており、その主成分のほとんどが食物繊維で、体内で消化はされず、そのまま便として出てくるので、とても低カロリーです。また、食物繊維の他の働きとして、腸内をキレイにしてくれる効果も期待できます。
良い事だらけの寒天でも、与えすぎには注意が必要です。あまり大量に上げ過ぎると、体内で消化不良で残ってしまい、下痢・嘔吐を引き起こしかねません。
その他にも、寒天に対してアレルギーを持っている場合もあるので、最初は少量からあげるようにして、アレルギーを持っていないか様子をみてください。
方法②:食事回数を増やす代わりに食事量を減らす
1日の食事の総量を減らすことができれば、それだけでダイエットになります。そんな時に試して頂きたいのが、食事回数を増やして、トータルの食事量を減らす方法です。
ただし、1回の食事量を今までと同じ量をそのまま与えてしまっていては、太ってしまうので、1回当りの食事量を減らして、1日に摂取する量を減らすことができれば、ダイエットの効果が期待できます。
しかし、この方法は、食事の回数が増えるために、手間がかかるほか、食事量の他にも、総摂取カロリーにも注意が必要になります。愛犬がどのくらいカロリーを摂取したかを計算しながら、実践をしてみてください。
方法③:カロリーが低い野菜でかさ増しする
ドッグフードの代わりに、野菜でかさ増しをしてカロリーを抑えた食事を与える事で、満腹感も得られつつ、ダイエット効果も期待できます。
低カロリーでおすすめの野菜は、キャベツやレタスです。生で与えても問題は無いので、細かく刻んで普段の食事に混ぜて食べさせられます。キャベツやレタスには、ビタミンCやビタミンUが多く含まれており、愛犬の健康面も支えてくれます。
各栄養の効果は下記の通りです。
- ビタミンC・・・抗酸化作用があり、発がん性物質を抑えてくれたり、疲労回復などの効果がある
- ビタミンU・・・胃腸の粘膜の新陳代謝をよくしてくれます。十二指腸潰瘍や胃潰瘍といった病気の予防や治療に効果的です
- ビタミンE・・・ビタミンC同様に抗酸化作用があるほか、末梢血管を広げてくれる効果があり、血行が良くなる事が期待できます
方法④:運動させる
食事によるダイエットもありますが、日々の運動によるダイエットも可能です。カロリーや食事量、調理の手間など面倒なことは無く、外での運動をするだけでダイエットになります。
犬のダイエットが主目的だとしても、飼い主さんも運動することになるので、一緒にダイエットしたり、運動不足を解消することができます。家の中で、おもちゃを使って走らせるのもいいですが、せっかくの機会なので、外で一緒に歩いたりして、散歩などをしてみましょう。
犬はこんにゃくを食べられるのかについてのまとめ
犬がこんにゃくを食べることに対するリスクや、食べさせるときに注意すべきことなどを説明しましたがいかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは以下の通りです。
- こんにゃくは健康的な食べ物なので、食べさせること自体は問題ない
- 食べさせ方を間違えると、健康面で問題があり、最悪の場合は死に至る
- こんにゃくを食べさせるときは、大きさや量などに注意して食べさせる
- ダイエット目的であれば、こんにゃく以外の食べ物や、食事以外でのダイエット方法がおすすめ