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人間の医療費は非課税となっていますが、ペットの医療費は税金(消費税)がかかります。その理由は、ペットは法律上「物」として捉えられるためです。また、ペットを購入する際にも、消費税は課税されます。今回は、そんなペットと税金について解説していきます。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

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ペット保険では税金がかかる?ペット保険の医療費への税金について解説!

ペットショップで可愛いペットを眺めていると、とても癒されますよね。様々な種類のペットがいるペットショップに行くと、とても値段の高い犬や猫がいて驚くこともしばしばです。


ペットを飼うには、餌代やケージ・リードなどの飼育費に加えて、病気になった時の医療費など、意外に多くのお金がかかります


家族同然ながらも多くの費用がかかるペットには、果たして税金はかかるのでしょうか?


今回「MOFFME」では、

  • ペットの治療費や医療費に、消費税はかかる?
  • ペットショップでペットを買う際に、消費税はかかる?
  • ペット保険で控除される税金はある?
  • ペット保険で得たお金は、確定申告をする必要がある?
  • ペットを飼うことで、ペット税や犬税が取られる?

について詳しく解説していきます!


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ペットの治療費や医療費に、消費税はかかる?


ペットを病院に連れて行った際、その治療費に税金はかかるのでしょうか?


私たち人間の場合、公的医療保険でカバーされる医療については、非課税となっています。そのため、一般診療には消費税がかからないような仕組みになっています。


また、1年間に使用した医療費が一定額を超える場合は、医療費控除として一部のお金が返ってくる仕組みがあります。


しかし、ペットの場合は消費税の非課税対象にはなりません。なぜなら、ペットは法律上「物」として捉えられるため、消費税の課税対象になってしまいます。そのため、ペットの病院代や生命保険の費用などには、消費税が加算されて提示されています。


参考:国税庁 医療費を支払ったとき

ペットショップでペットを買う際に、消費税はかかる?


では、ペットショップで犬や猫などのペットを購入する際には、消費税はかかるのでしょうか?


結論から申し上げると、ペットを購入する際も、消費税の課税対象になります。そのため、ペットショップではペットの料金に消費税が加算されて販売されています。


また、ペットショップを運営している方は、簡易課税という消費税を簡易に計算できる仕組みを使うことがおすすめです。


簡易課税を用いる事で、難しい勘定科目を使わなくても簡単に消費税の申告ができるようになります。納税の際に損をしないためにも、ぜひ簡易課税制度は活用していきたいですね。


参考:国税庁 簡易課税制度

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ペットの医療費で控除される税金はある?


ペットの医療費には、消費税が加算されることが分かりました。こうした税金を、なるべくなら抑えられるようにしたいですよね。


人間の場合、多額の医療費を支払うと、その一部が控除として返ってくる仕組みがあります。では、ペットの場合は、多額の医療費を支払ったことで、税金が控除される仕組みはあるのでしょうか


ここからは、ペットの治療費として

  • 医療費控除
  • 生命保険料控除
  • 社会保険料控除

が適用されるか、解説していきます。

医療費控除

人間の場合、支払った医療費や薬代の一部は控除として戻ってきます。


しかし、ペットの場合は医療費控除の対象にはなりません


医療費控除の対象は、『その年の1月1日から12月31日までの間に自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合』とされています。ペットは親族には当たらないため、医療費控除の対象外になります。

生命保険料控除

人間の場合、生命保険料や介護医療保険料・個人年金保険料を支払った際に、一部が控除をして戻ってきます。年末に確定申告や年末調整をすることで、過払い金の税金を受け取ることが可能です。


しかし、ペットの場合は生命保険料控除の対象にはなりません


また、ペット保険による保険料にも控除は行われません。ペットは法律上「物」として扱われるため、生命保険でなく損害保険の分類になるからです。


不要な支出を避けるために、なるべくペットが病気にかからないように日々注視すること大切ですね。

社会保険料控除

人間の場合、国民年金や国民健康保険、厚生年金保険などを納税した際、支払った保険料の一部が控除として戻ってきます。


しかし、ペットの場合は社会保険料控除の対象にはなりません


社会保険料控除の対象は、『納税者が自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合』とされています。ここでも、ペットは親族には当たらないため、社会保険料控除の対象外になります。

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ペット保険で得たお金は、確定申告をする必要がある?

ペット保険で得たお金は、税務署に確定申告を行う必要があるのでしょうか?


ペット保険の保険金は、少額なら確定申告は必要ないです。ただ、確定申告が全くいらないかと言われたら、そうではありません。


保険金として50万円以上の金額をペット保険会社から受け取った時、一時所得として確定申告を行う必要があります!


50万円以上の保険金を受け取った場合は、確定申告を行い、追加で納税を行う必要があります。税金分の損をしてしまうと思われがちですが、申告漏れとして後でバレると、多額の徴収が行われる可能性があります。


アニコム損保アイペット損保などの高額な補償限度額があるプランでは、50万円以上の保険金を受け取る可能性もあるので、もし50万円以上の保険金を受け取った場合は、必ず確定申告を行いましょう。


確定申告をすべきかどうか、どうするか迷った時には、安心のために確定申告を行っておくと良いと思います。

ペットを飼うことで、ペット税や犬税が取られる?


みなさんは「犬税」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?


犬税とは、その名の通り、犬を飼う事に対して課税される税金です。犬を飼っているだけで税金が取られるなんて、想像したくもないですよね。


このような犬やペットに対する税金はあるのでしょうか?


ここからは、

  • 日本では、ペットに対する税金は廃止されて、今はない!
  • 海外では、ペット税がある国もある!
  • 補足:ペット保険先進国はスウェーデン!犬の加入率は76%!

について解説していきます。

日本では、ペットに対する税金は廃止されて、今はない!

実は日本にも、昭和50年代まで犬税が存在しました。


犬税は明治時代から昭和まで、各府県ごとに徴収されていて、

  • 犬を飼っている頭数
  • 犬の飼育目的
  • 犬の犬種

などの要素から、税金額が決められていました。猟犬と愛玩犬でペットの税金が異なっていた地域もあったそうです。


最盛期には全国2,700箇所の自治体で犬税が適用されていましたが、昭和57年に廃止されました。その理由は、納税額より犬税の徴収コストの方が高かったからと言われています。


最近では、2012年に大阪府泉佐野市で「飼い犬税」を導入しようという試みがありました。


道路や公園に放置されたふんの撤去費用として、社会問題解決のための飼い犬税の導入を試みましたが、「税負担が不平等になる」として導入は見送られました。


江戸時代には、野良犬を保護する施設を運営するための費用として、犬税が導入されていました。これは、徳川綱吉の執政による野犬増加の社会問題解決のために導入された税金でした。


過去には日本でもこうした犬税が導入されていたため、将来的に犬税が復活することもあるかもしれないですね。

海外では、ペット税がある国もある!

海外に目を向けてみると、犬税やペット税を導入している国はいくつか存在します。


こうした国では、税収のためというよりも、環境保護やペット飼育に対する意識の向上として、ペット税が定められています。ここでは、ペット税を導入している

  • ドイツ
  • 中国
  • オランダ
  • オーストリア

のペット税事情について解説していきます。


ドイツ

ドイツは、ペット先進国とも言われています。昔から貴族や犬を狩猟用・愛玩犬として飼っていたこともあり、ペット文化が長く存在する国です。


ドイツのペット税は、主に犬が街中に溢れないようにするために導入されています。そのため、飼っている犬の数が多い程、納税する金額が高くなる仕組みになっています。


ドイツ各都市でのペット税は、以下のようになっています。

都市名ペット税
ベルリン1頭:120ユーロ(約14,000円)/年
2頭目以降:180ユーロ(約22,000円)/年
ブレーメン1頭あたり:122.64ユーロ(約15,000円)/年
ハンブルグ1頭あたり:90ユーロ(約11,000円)/年
シュトゥットガルト1頭:108ユーロ(約13,000円)/年
2頭目以降:216ユーロ(約26,5000円)/年
ケルン1頭あたり:156ユーロ(約19,000円)/年

また、闘犬や闘犬との混血の犬を飼っている場合は、さらに多くの納税金額がかかります。以下の犬種の場合は、1頭につき600ユーロ、2頭では1,800ユーロを収める必要があります。

  • アメリカンスタッフォードシャーテリア
  • ブルテリア
  • アメリカンピットブルテリア
  • スタッフォードシャーブルテリア
  • アラーノエスパニオール
  • アメリカンブルドック
  • ブルマスティフ
  • ドゴアルヘンティーノ
  • フィラブラジレイロ
  • マスティフ
  • スパニッシュマスティフ
  • ナポリタンマスティフ
  • ロットワイラー
  • 土佐犬

このような高額なペット税があるドイツですが、そのためペットも人間と同じ扱いをされています


例えば、ペットと一緒にカフェに入ることが出来たり、電車やバスに一緒に乗ることが出来たり、オフィスにペットを連れて行くことが出来たりします。


まさに、飼い主とペットに、自由と責任が強くある国ですね。


中国

中国では、犬の登録に登録費用が必要になります。初年度の登録費用だけでなく、2年目以降の更新費用も必要になります。


中国の各都市での犬の登録税は、以下のようになっています。

都市名ペット税
北京1年目:1,000人民元(約14,000円)
2年目以降:500人民元(約7,000円)
広州1年目:10,000人民元(約140,000円)
2年目以降:6,000人民元(約80,000円)

また、犬の散歩禁止地区で散歩をさせた場合は、最高で500人民元(約7,000円)の罰金が科せられます。


これらの高額なペットに対する税金があるため、中国では犬を連れて歩く人はほとんど見かけないそうです。実際、中国はアメリカの4倍以上の人口であるにも関わらず、ペットの数はアメリカと同等程度となっています。


中国では、ペットを飼う人は富裕層が中心となっていますが、近年は一般層にもペットの需要が広がってきています。中国のペット市場も、7年で400%の成長をしています。


オランダ

オランダも、ドイツと同じく多くの自治体で犬税を徴収しています。


オランダもドイツと同じく、ペットを飼う事に対して税金を納めることで、飼い主とペットに自由を与えています。オランダの各都市での犬税は、以下のようになっています。

都市名ペット税
デンハーグ1頭:125.76ユーロ(約17,000円)/年
2頭:322.80ユーロ(約44,000円)/年
3頭:572.64ユーロ(約79,000円)/年
犬小屋:373.44ユーロ(約51,000円)/年
ハールレム1頭:94.80ユーロ(約13,000円)/年
2頭目:160.32ユーロ(約22,000円)/年
3頭目以降:290.28ユーロ(約40,000円)/年
犬小屋:416.52ユーロ(約33,000円)/年
エイントホーフェン1頭:81.00ユーロ(約11,000円)/年
2頭目以降:160.00ユーロ(約22,000円)/年

また、アムステルダムやロッテルダム、アムステルフェーンなどの都市では、犬税はかからなくなっています


オーストリア

オーストリアも、ドイツやオランダと同じく犬税が存在します。


これらの国では、ペットを飼う事に強い責任があるため、ペットの殺処分施設というものがありません。保護犬は、新しい飼い主に譲渡されるか、保護施設で死ぬまで面倒を見てくれます。


オーストリアの各都市での犬税は、以下のようになっています。

都市名ペット税
ウィーン1頭:72ユーロ(約8,800円)/年
2頭目以降:105ユーロ(約12,800円)/年
ザルツブルグ1頭あたり:52.20ユーロ(約6,400円)/年

これらの税金の額は毎年変更され、オーストリアでは1年で62%の税率UPが行われた地域もあったそうです。

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補足:ペット保険先進国はどこ?スウェーデンのペット保険加入率は76%!

ここまで見て頂ければ分かる通り、ヨーロッパはペット愛護の先進国となっています。


ペット保険もヨーロッパが特に定着率が高く、ペット保険加入率1位のスウェーデンでは、なんと76%もの方が犬の保険に加入しているそうです。


ペットに対してきちんと面倒を見ること、そして死ぬまで一緒にいることが飼い主の責任とされているヨーロッパの国々では、ペット保険に加入しない理由は少ないです。


日本では、ペット保険の加入率はまだ16%程度と低調で、ペット保険に入るべきか迷っている方も多いです。これから社会で動物愛護の意識が向上するごとに、日本でもペット保険の加入率が高くなっていくと思われます。

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まとめ:ペットの治療費には、消費税を払う必要がある!

ここまで、ペットにかかる税金について解説してきました。


この記事では、

  • ペットの治療費や医療費に、消費税はかかる?
  • ペットショップでペットを買う際に、消費税はかかる?
  • ペット保険で控除される税金はある?
  • ペット保険で得たお金は、確定申告をする必要がある?
  • ペットを飼うことで、ペット税や犬税が取られる?

についてお伝えしてきました。


日本ではペットへの税金がない一方、ペット保険での医療控除はありません。しかし、日本でもペットに対する意識が向上していくと、ペット保険に控除が適用されるようになるかもしれないですね。


ペット保険の保険金受領額によっては、確定申告を行う必要がある場合もあるので、忘れないよう注意していきましょう。


MOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてください!

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