犬は甘いものが大好きです。そのため人間が食べているみかんを見て、欲しそうにすることもあります。そんな時、みかんをあげても大丈夫なのでしょうか?この記事では、犬にみかんをあげる際に注意してほしいことや、みかんジュースなどの加工品についての注意点なども紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる犬はみかんを食べても大丈夫なのか解説
みかんのあの甘さとみずみずしさはたまりませんよね。
「こたつにみかん」はもはや日本の風物詩といえるかもしれません。
「でもうちの愛犬もみかんを食べられるのかな?」や「みかんを食べられるとしても気を付けることはない?」といった疑問が浮かんできます。
実はみかんは犬も食べられる果物なんです!
与えるときにいくつか注意をすれば、愛犬と一緒においしいみかんを楽しめますよ。
今回「MOFFME」では犬とみかんについて、
- 犬はみかんを食べても大丈夫なのか
- 犬にみかんを与える際に注意してほしい4点
- ジュースや缶詰などの加工品はあげてもいいのか
- みかん以外の柑橘類は食べても大丈夫なのか
愛犬とともにみかんを楽しみたいと考えている方、みかんを与えるときの注意点が気になる方に参考になると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
またMOFFMEでは、ペット保険のランキングについても解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。
犬はみかんを食べても大丈夫!でも皮はNG!
犬はみかんを食べても大丈夫です。
ただし、外皮と種は取り除くようにしてください。
外皮と種はとても固いため、消化不良を起こし、下痢などの原因になります。わたしたち人間が食べないものは愛犬にも食べさせないようにしましょう。
子犬に与える場合には、離乳してからにすること。酸味が強い場合もあり、意を荒らしてしまうこともあります。
少しずつ、様子を見ながら与えるようにしましょう。
老犬に与える場合には、みかんを絞った果汁にしてあげると良いでしょう。
みかんなどの柑橘系の果物の外皮には、「ソラレン」という物質が含まれており、下痢や嘔吐などの症状を引き起こす中毒性があります。
そのためみかんを与えるときには必ず皮をむくようにしましょう。
みかんには犬にとって良い栄養が含まれており水分補給の手段としても!
ビタミンCで加齢や酸化ストレスを防ぐ
みかんにはビタミンCが多く含まれているので、ビタミンCが不足しやすい夏にもおすすめの果物といえるでしょう。
ビタミンCの抗酸化成分が、加齢や運動による酸化ストレスなどを防ぐ役割をしてくれます。
クエン酸で疲労回復
柑橘類であるみかんには、クエン酸も多く含まれています。クエン酸は疲労回復効果で有名ですね。
酸化した細胞を修復させようとしている状態が疲労につながるのですが、この修復に使われるのがクエン酸です。
そのためクエン酸を補うことで疲労回復につながるといわれています。
カリウムで過剰なナトリウムを排泄
体内の水分調整をおこない、過剰になってしまったナトリウムの排泄を促します。ナトリウムが過剰になると、心臓病や腎臓病のリスクが高まります。
夏場の水分補給に
みかんは水分を多く含んでいるので、こまめな水分補給が必要な夏場にもとても役立ちます。
水をたくさん飲んでほしくてもあまり飲んでくれないときには、甘みのあるみかんを与えることで手軽に水分補給が可能になります。
その際には必ず皮をむき、種を除いてから与えるようにしましょう。
注意:犬にとってみかんは基本的に不要な食物
みかんはビタミンCを多く含み、栄養価の面でも水分補給の面でもとても役立つ果物です。
犬にみかんを与える際に注意してほしい4点
みかんは犬の体にも良いものですが、与える際に注意してほしい点がいくつかあります。
今回は、
- 熟したみかんをあげる
- 皮や種などは食べさせない
- あげすぎは下痢の原因になる
- アレルギーに気を付ける
みかんには中毒性はありませんが、あくまでもみかんはおやつやごほうびとして与えること。
主食はドッグフードにするという基本を頭にしっかりと持ち、みかんと上手に付き合っていきましょう。
それではひとつずつご紹介していきます。
注意①:熟したみかんをあげる
みかんを犬に与える際には必ず熟したみかんをあげるようにしてください。
熟していないみかんには、体にとって毒になる場合がある「アルカノイド」が多く含まれています。
アルカノイドはアクの成分で下痢や嘔吐、けいれん、そして呼吸困難といった中毒症状が出ることがまれにあります。
ただし大量に摂取しない限り、致死量にはならないので心配しすぎる必要はありません。
おやつやごほうびとして与える程度であれば、中毒症状を起こしてしまうこともないでしょう。
注意②:みかんの皮や種などは食べさせない
犬にみかんを与える際に、皮や種は食べさせてはいけません。
それぞれ理由を紹介します。
外皮
かたい外皮は必ずむいてから与えるようにしましょう。消化不良を引き起こし、下痢や嘔吐の原因になるほか、ワックスや消毒がついている場合もあります。
種
注意③:あげすぎは下痢の原因になる
みかんは犬にとって消化しやすい食べ物ではないため、あげすぎてしまうと下痢の原因になってしまいます。
それではみかんを与える量はどの程度にしたらよいでしょうか。
目安としては3㎏の犬に対してみかん半分程度と覚えてください。
これをベースに考えて、愛犬に与える際の目安にしましょう。
体の大きさ別にご紹介しますので、合わせて覚えておくと良いでしょう。
- 小型犬(3㎏):約56g(約0.5個)
- 中型犬(10㎏):約130g(約1.3個)
- 大型犬(30㎏):約344g(約3.5個)
上記はあくまでも目安として考え、あげすぎないように気を付けてください。
みかんは消化のしにくさもそうですが、水分も非常に多いため下痢を起こしやすくなります。
もし下痢を起こしてしまった場合には、与えることを中止し様子を見るようにしましょう。
注意④:アレルギーに気を付ける
みかんを食べることは問題ありませんが、アレルギーを起こしてしまう場合があります。
犬にも体質がありますので、様子を見ながら与えるようにしましょう。
みかんによるアレルギーには、
- 下痢
- 嘔吐
①下痢
原因は消化不良と考えられます。下痢が長引くと、脱水症状を起こしてしまうこともあるので気を付けてください。
②嘔吐
原因は外皮を食べてしまったことだと考えられます。
嘔吐の場合には、下痢ほど深刻ではない場合が多いですが要観察が必要です。
一度食べたときに大丈夫でも、2回目、3回目とあとからアレルギー症状が出る場合があります。
そのため一度出なかったからと安心せず、しばらくは様子を見ながら少しずつ与えるようにしましょう。
参考:食物アレルギーの症状は下痢や嘔吐だけではない
食物アレルギーの症状は下痢や嘔吐だけではありません。
そのほかにも
- 体をかゆがる
- フケが出る
- 抜け毛が増える
- 足の裏を執拗に舐めるようになる
犬の外来の中でも最も多いのが皮膚病といわれ、その中でもかゆみの強いことが特徴なのが皮膚炎です。
特に体をかゆがる「皮膚炎」は気づきにくいため、注意が必要です。
食物アレルギーであれば、アレルギーの原因であるものを食べないことで皮膚炎が治ります。
そのため強い薬は必要ありません。
原因となる食べ物を避けることで皮膚炎を抑えることができるのですが、だからこそ正確なアレルギー検査が必要になります。
アレルギーの原因がはっきりしないと、知らない間に口にしていたということも起こってしまいます。
アレルギーを特定するためには血液検査をおこないます。
その検査により原因がわかれば、次に除去食試験をおこなうという流れが一般的なようです。
除去食検査とは、アレルギーを起こさないであろうと考えられる食べ物と水だけを1~2ヵ月程度与え、皮膚炎が治るかどうかを見る検査です。
もし治るようであれば、その食べ物のアレルギーが疑われるという流れになります。
ワンちゃんにとってアレルギーはつらいものですので、「アレルギーかな?」と思う場合には、早めに獣医師に相談するようにしましょう。
糖分に注意!ジュースや缶詰、ゼリーなどの加工品のみかんは基本的にNG
みかんは生の状態はもちろんのこと、ジュースや缶詰、ゼリーなど加工品も多く出回っています。
そのどれもがおいしいのですが、犬に与える際には注意が必要です。
その理由は「糖分が高い」ということ。
特にみかんジュースや缶詰には大量の糖分が含まれています。加工品を与える際には、100%のみかんジュースだけと覚えておきましょう。
考え方としては、「食べられない」というわけではなく「食べさせるメリットよりデメリットのほうが大きい」ということになります。
参考:犬にとって危険なキシリトール
みかんの缶詰には「キシリトール」が含まれていることがあります。
人工甘味料としてガムに入っていることでも有名です。
しかし人間と犬では、キシリトールに対する体の反応が違うので注意が必要です。
犬にとってキシリトールは危険な成分なのです。
犬も人間も食べたものを消化して、ブドウ糖として吸収します。このときにブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなりすぎないように、インスリンというホルモンが調整をします。
人間の場合であればキシリトールにはインスリンを放出させる力がないのですが、犬の場合にはインスリンを放出させる力がとても強いので、血糖値を低下させてしまいます。
そうなると脱力やけいれん、肝障害を引き起こしてしまうことがあります。
参考:もしもの時に使えるペット保険
ペット保険で万が一に備えよう
万が一、食物アレルギーを起こしてしまったときにも加入しておくと安心なのが「ペット保険」です。
愛犬などペットの場合には人間と違い自由診療になるため、全額自己負担になります。
手術や長期の入院など、万が一のことが起こってしまった場合には費用が高額になることも考えられます。
そのためペット保険に加入しておくと安心です。
ペット保険は何を保証してくれるの?
- 通院
- 入院
- 手術
犬に食べさせて良いみかんの種類
一口に「みかん」と言っても、季節によってさまざまな種類のみかんが販売されています。
基本的に犬に食べさせて良いみかんの種類は以下の7種類です。
①オレンジ(バレンシア、ネーブルなど)
②はっさく
③デコポン
④ポンカン
⑤夏みかん
⑥伊予柑(いよかん)
⑦ぼんたん
どのみかんを食べさせる時も、皮と種は除去してから与えるようにしてください。
みかん以外の柑橘類は大丈夫なのか?あげ方の注意点を紹介
柑橘類にはみかんのほかにも、レモンやグレープフルーツなど様々なものがあります。
「みかんを食べてもいいのはわかったけど、ほかの柑橘類はどうなの?」といった疑問を解消していきましょう。
レモンやグレープフルーツも基本的には食べることに問題はありません。しかし与えすぎは胃に負担をかけるので、少量のみ与えるようにしてください。
柑橘類に多く含まれるビタミンCですが、犬は体内で生成することができます。
そのため積極的に与える必要がないことに注意してください。
グレープフルーツには注意が必要
グレープフルーツは柑橘類の中でも特に注意が必要です。
健康な犬に与える場合はいいのですが、薬を服用している犬の場合には危険があります。
なぜならグレープフルーツには、薬物の代謝に影響を与える成分が含まれているためです。
薬の種類によっては、グレープフルーツを食べることで薬の作用が強くなるなどの影響があります。
そのほかにもグレープフルーツの苦みの成分である「ナリンギン」というポリフェノールの一種が、薬の作用を阻害する場合もあります。
すべての薬に反応するというわけではありませんが、万が一のことがありますのでグレープフルーツを与える前に獣医師に相談しておくと安心でしょう。
こうしたことからもグレープフルーツは積極的に与える必要はないと考えてよいでしょう。
犬はみかんを食べても大丈夫なのかについてのまとめ
ここまで「犬はみかんを食べても大丈夫なのか」について紹介してきました。
この記事のポイントをまとめると、
- 犬はみかんを食べても大丈夫
- 子犬は離乳した段階で与える
- 老犬はみかんを絞った果汁を与える
- 豊富な栄養素が含まれるので、犬にもうれしい果物
- 手軽な水分補給にもぴったり
- 熟したみかんをあげる
- 皮や種などは食べさせない
- あげすぎは下痢の原因になる
- アレルギーに気を付ける
- 加工品は糖分が高いので肥満に注意
- みかんの缶詰に含まれるキシリトールは危険
- ペット保険に加入にして万が一に備える
- 薬を服用している場合はグレープフルーツに注意
旬の時期になると、味も良く、価格もお手頃になるみかん。
みかんはあげる量やあげ方に気を付ければ、人間にとっても愛犬にとってもうれしい果物です。
今年はみかんをかわいい愛犬とともに楽しんではいかがでしょうか。
「犬にみかんを与えていいのかな?」、「みかんをあげるときにはどんなことに注意したらいいの?」と悩んでいる方はぜひこの記事を参考にしてみてくださいね!