多くのペット保険で癌は補償されます。しかし、癌の治療に使う放射線治療は「先端医療」に含まれていて、この先端医療はペット保険によっては補償対象外な事もあります。そこで今回は、ペットの癌治療の治療費や、先端医療が補償されるペット保険について解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じる癌はペット保険で補償されるの?おすすめの保険もご紹介!
ペットの飼育環境や医療が良くなったことで、感染症やけが、事故などで亡くなるペットが減り、人間同様、ペットも高齢化社会と言われています。
長く愛犬や愛猫と一緒に居られるのは素敵なことですが、その分病気に注意が必要です。
現在、犬や猫の死因1位は癌だと言われています。
(※)腎不全や心臓病などもペットの死因として上位に挙がっています。
犬や猫は人間に比べて癌の進行が早いため、一部の早期癌を除いて治療でコントロールすることが難しい病気です。
身体のサイズが小さいチワワやトイプードルなどは、手術や麻酔の負担がとても大きくなります。また、高齢になればなるほど、癌にかかるリスクが上がるため十分注意が必要です。
今回MOFFMEでは、
- ペット保険で癌は補償対象?
- ペットの癌の原因や治療費
- 癌になりやすい犬の特徴とは
- 癌に備えるためのペット保険
について詳しく解説します!
ペットも人間と同じように、いつどこでどんな病気にかかるか分かりません。従順な子の場合は、自分の異変を訴えてくれないこともあるので、日頃からよく様子を見ることと・万が一に備えておくことが大切です。
MOFFMEではペット保険の一括比較を行っているのでぜひご確認ください。
ペット保険で癌は補償対象!保険によっては待期期間があるので注意!
ペット保険は、ペットが怪我や病気をした時の治療費を補償してくれるものです。
そのため、もちろん癌も補償対象となっています。中には、癌と診断された時に一時金が補償されるなど、癌に対して手厚い保険もあります。
ただし保険によっては、癌の補償に待機期間が発生する場合があるため注意が必要です。
ここからは、
- ペット保険で癌は補償対象となるか
- 癌の待機期間に注意
- ペットの死因について
上記について詳しく解説します。
ペット保険への加入や乗り換えを検討している人は、万が一の時のためにも参考にしてください。
ペット保険で癌は補償対象となる!
現在ほとんどのペット保険で癌は補償対象となっています。
癌と診断されると多くの場合、抗がん剤治療や手術となり治療費が高額になるため、備えておくのがおすすめです。
動物病院やペットの症状、癌の進行具合によっては放射線治療といった先進医療を選択できる場合もあるでしょう。
治療期間が長引く可能性が高く、費用面でもかなり負担がかかります。費用の関係で先進医療を諦めなくてはいけない場合もあるかもしれません。
ペット保険に加入していれば、治療費の自己負担を軽減できるため、より良い治療を選択しやすくなる点もメリットです。ほとんどのペット保険で癌は補償対象となっているため、どの保険に加入していても癌の治療費負担は軽減できるでしょう。
より治療費の軽減ができる保険を探すためのポイントや、癌の備えにおすすめのペット保険は後ほど解説しています。そちらも参考にしてください。
多くの保険では待機期間があるので注意!
ペット保険には「待機期間」が設けられている場合が多くなっています。
待機期間とは、審査に通り保険期間が始まってから、補償が開始されるまでの期間を指すものです。
保険に加入したからといってすぐに病気や怪我が補償されるわけではありません。待機期間がある保険の場合、待機期間中に発生した怪我や病気の治療費は、待機期間が終わっても補償されないため注意が必要です。
どれくらいの待機期間があるのかと言うと、
- 怪我:0日~15日
- 病気:15日~30日
- 癌:60日~120日
上記の期間が待機期間として設けられている場合があります。
癌は怪我や病気とは別に、長めの期間が設定されていることも多いです。
その理由としては、癌は気付かないうちに罹患している場合が多いからです。高齢になるほど癌に気付くのが遅いとされています。
加入時に健康状態に問題が無かったとしても、知らないうちに癌などの腫瘍ができている可能性があります。ペット保険は基本的に「加入後にかかった病気の治療費を補償するもの」です。
間違いなく保険に加入した後でかかった病気だと証明するために、待機期間が設けられています。保険によって待機期間が無いところや、癌の待機期間を設定していないところもあるので、加入時に確認しておきましょう。
補足:現在では犬の死因の上位に癌が入るようになっている!
冒頭でもお伝えしたとおり、現在ペット(犬・猫)の死因の上位に癌が入っています。
ペットも高齢化社会が進み、病気が原因で亡くなる割合が増えてきているようです。
犬の死因で多いとされているのが以下の通りです。
犬の死因 | 1歳〜6歳 | 7歳〜 |
---|---|---|
1位 | 交通事故(14.9%) | 癌(28.9%) |
2位 | 癌(14.6%) | 循環器(17.2%) |
3位 | 突然死(12.7%) | 消化器(10.6%) |
猫の死因で多いとされているのが以下の通りです。
猫の死因 | 1歳〜6歳 | 7歳〜 |
---|---|---|
1位 | 感染症・寄生虫(21.6%) | 腎・泌尿器(36.1%) |
2位 | 腎・泌尿器(20.1%) | 癌(16.0%) |
3位 | 循環器(15.5%) | 内分泌系(8.4%) |
参考:日本アニマル倶楽部
犬の死因は、1歳〜6歳の若い年齢でも2位に癌が入っています。7歳以上の高齢期になると一気に癌のパーセンテージが上がっていることが分かりますね。
猫は若い間は癌が入っていませんが、7歳以上になると2位と高い確率です。
猫の場合、さらに11歳以上になると癌で亡くなる割合が「23.8%」に増加しています。犬も猫も死因に癌が入っている以上、備えておきたい病気のひとつと言えるでしょう。
そもそも癌とは?癌について原因や治療費などについて解説!
そもそも癌とはどういった病気なのか、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
癌はペットが高齢になるほど発症のリスクが高くなる病気です。どのような病気なのか、どんな治療方法があるかについて予備知識として知っておくと、いざという時に冷静に判断できるでしょう。
癌と聞くと難しい病気といったイメージを持つかもしれませんが、早期に適切な治療を受ければ寛解に期待できます。
ここからは、
- 癌について
- 癌の原因とは
- 予防方法
- 治療方法と治療費
について詳しく解説します。
早期発見・早期治療で治療効果に期待できる病気のため、異変を感じたらすぐに病院に連れていきましょう。
癌は自宅治療は行いにくいので、すぐ病院に連れて行きましょう。ペットの異変に気付けるように、癌について詳しく知っておくのがおすすめです。
癌とはどんな病気?しこりが腫瘍ができたら要注意!
癌とは、がん細胞の塊、つまり悪性腫瘍のことを指します。
実は犬や猫の体内にがん細胞があるのは当たり前のことと言われています。がん細胞を指して「癌」とは言いません。
まず腫瘍が見つかり、生体検査や組織検査をした上で、その腫瘍が「がん細胞の塊」であることが判明すれば、「癌」という病名が診断されます。
癌は悪性腫瘍のことを指しますが、種類によっては腫瘍を作らないものもあります。
リンパ節の腫れや血液や体液検査などで「癌」と診断されることもしばしば。また、メラノーマと呼ばれる歯肉に出来ることが多い腫瘍もあります。
ペットと触れ合った時にしこりがある、エコー検査などで腫瘍があると言われた場合は注意が必要です。すぐに検査してもらいましょう。早期の癌であればコントロールできる場合もあります。
表皮嚢胞という、中〜高齢の犬によく見られる皮膚のしこりが出来ることも。これは基本的に良性の腫瘍に分類されるものです。6歳を過ぎたら定期的に検診に行っておくと安心です。腫瘍ができている場合、しこりが表れるため触診で気付ける可能性も高いでしょう。
癌の原因とは?生活習慣やウイルスなど、癌になる原因は様々!
癌は感染症ではありません。もともと持っている細胞が変化してがん細胞になることから始まります。
正常な細胞が、がん細胞に変化してしまうことは珍しいことではありません。細胞には修復機能が備わっており、異変が起きても自らで修復する力を持っています。
修復できないほどダメージを受けてしまったり、修復が失敗したりすると正常な働きを保てずにがん細胞に変化してしまうというわけです。
(※)癌の発生については諸説あります。
なぜ悪性腫瘍(癌)が出来てしまうのか、はっきりした原因は分かっていません。
しかし発生に関係があるとされている原因はあります。
- 運動不足
- ストレス
- ホルモン
- 環境によるもの
などが癌の発生に関係するのではないかと言われているものです。
乳がんや肛門周囲線腫などは、ホルモンが関与しているとされており、避妊や去勢手術をすることでリスクを下げられることが分かっています。
また飼い主さんが喫煙家であることも原因のひとつです。受動喫煙によって悪性腫瘍が出来るリスクが高まります。
癌の予防方法はある?免疫力の強化が大切!
癌は、正常な細胞ががん細胞になり、がん細胞が腫瘍になることで診断される病気です。
正常な細胞の修復機能を上げるためにも、免疫力の強化が予防に繋がります。また、早期の避妊手術や去勢手術も予防になるでしょう。
普段からペットが食べるものには気を付けるのがおすすめです。今は免疫力を上げる健康フードやサプリメントなどがたくさん販売されています。それらを日常的にペットに与えるのもいいでしょう。
確実に癌を予防する方法はありませんが、癌にならないよう普段から健康に気をつけてあげることは可能です。
適度な運動でストレス発散をさせたり、ビタミンやミネラル、DHA・EPAなどの抗がん作用があると言われている栄養素を与えたりしてみてはいかがでしょうか。免疫力を上げることで、癌だけでなく他の病気の予防にもなります。
もし癌になってしまったら、抗がん剤や注射などの治療費はどれくらい?
癌の治療費は高額と言われていますが、実際にいくらかかるのでしょうか。
癌にかかる費用の項目は、
- 癌と診断されるまでの検査代
- 外科治療・化学治療・放射線治療代
等があります。
検査は、「病理検査・レントゲン検査・CT検査・MRI検査・超音波検査」などを行います。
中でも病理検査費用は高額になりがちで、2万円程度かかる場合も多いでしょう。癌と診断された場合の治療方法と、費用の目安は以下の通りです。
治療方法 | 治療内容 | 費用目安 |
---|---|---|
外科治療 | 手術によって癌を取り除く方法 | 約10万円〜15万円程度 |
化学治療 | 抗がん剤による治療方法 | 1回約3万円程度 |
放射線治療 | X線装置を使用する治療方法 | 1回約1万円〜5万円程度 |
手術をした場合でも、数回程度抗がん剤による治療を行う場合があります。その場合は癌手術費用と合わせて、抗がん剤費用がかかります。
また、抗がん剤による治療はペットの大きさや種類によって異なり、病院によっても設定されている費用が異なるため注意が必要です。
基本的には注射器で薬を注入します。症状や癌の進行を落ち着かせる薬であるため、定期的に打つ必要がある場合も多いでしょう。
放射線治療は大体20回程度行う必要があり、その度に費用がかかります。また、高度医療施設を紹介される可能性も高いでしょう。
入院が必要な場合は、これらに加えて入院費用もかかってくるため、癌の治療費は検査代を合わせるとかなり高額になることが予想されます。
ペットが癌と診断されるだけでも心配ですが、治療費もさらに心配となり、飼い主さんの負担は大きいでしょう。
癌になりやすい犬猫の特徴4選!こういう場合は気をつけよう!
癌は正常な細胞が変化してがん細胞となり、それらが塊となることで症状を起こす病気です。良性と悪性があり、悪性腫瘍を癌と言います。
犬や猫の死因上位に入る病気であり、どんな種類の犬・猫でも高齢になるとリスクが上がるのが特徴です。
ここからは、
- 去勢・避妊手術を受けていない
- 高齢である
- ストレスが多い
- 飼い主や家族に喫煙者がいる
など、かかりやすいとされるリスクについて解説します。
どんな犬・猫でもリスクはありますが、犬種によって違いがあるのかについても見ていきましょう。
特徴①:去勢、避妊手術を受けていない
乳線や卵巣、精巣に出来る腫瘍は、ホルモンの影響を受けると考えられています。早期に避妊や去勢手術をすることで、これらの部位の癌が発症するリスクを下げてくれる効果に期待できるでしょう。
避妊手術・去勢手術を受けていない場合は、早めに受けるのがおすすめです。
またアニコム損保の調査によると、
が腫瘍疾患の発症率上位だということが分かりました。
特にゴールデンレトリーバーの発症率が高いとされています。上記犬種を飼っている場合は、早めに去勢・避妊手術をしておくのがおすすめです。
特徴②:高齢
人間と同じようにペットも高齢になるほど病気のリスクは上がります。
がん細胞は体内で毎日生まれている細胞ですが、免疫力によってがん細胞が排除されていれば癌を発症することはありません。
しかし、高齢になるほどがん細胞の数が増え、免疫力が低下することで癌になるリスクが高まります。
犬の場合は小型・中型犬で10歳程度、大型犬は8歳程度からシニアと呼ばれます。大体どの犬種も6歳〜7歳あたりから中年期だと思っていいでしょう。その辺りから病気になるリスクが上がるため、定期的な検診に行くのがおすすめです。
猫の場合は7歳〜8歳くらいから体力が落ち始め、11歳くらいでシニアと言われるようになります。基本的にどんな動物でも、年齢が上がれば病気のリスクも上がるので普段から健康的な食事や運動、検診を心がけておくといいでしょう。
特徴③:ストレスが多い、強いストレスがある
ストレスは免疫力を下げてしまう原因となります。犬や猫も人間と同じようにストレスを感じる生き物です。動物は話せない分、繊細でストレスを感じやすい場合もあります。
飼い主さんとのコミュニケーション不足や運動不足、生活環境や飼育環境などでストレスを感じていないか確認してみましょう。
ストレスが溜まると何らかのサインが見られるはずです。犬のストレスサインは、
- 攻撃的な行動をする
- 吠える
- パニックになったり逃げたりする
- 口を開けて激しく呼吸する
- 目を合わせない
- 元気が無い
- 食欲の低下
などが見られます。これらの症状が見られた場合、ストレスまたは病気のサインです。
猫のストレスサインは、
- 食欲の低下
- トイレ以外での排泄
- 過度なグルーミング
- 突然鳴いたり走り回ったりする
- 攻撃的な行動する
などが見られます。
犬や猫は話せませんが、態度や行動、表情で気持ちを表してくれるのです。ペットが発しているサインを見逃さないよう、普段からスキンシップを取りましょう。
特徴④:飼い主や家族が喫煙者
喫煙者と暮らしている犬や猫は癌にかかりやすいと言われています。
受動喫煙はペットの体にも良くない影響を及ぼします。また、犬や猫は嗅覚が人間よりも優れていますし、危険なものを嗅ぎ分けることも可能です。基本的には動物はタバコの煙を嫌うでしょう。
飼い主さんや家族に喫煙者がいる場合は、喫煙スペースにペットは入れないようにする、ペットのいないところで喫煙するなど工夫が必要です。
またタバコの有害物質がついた服や肌をペットが舐めたりするのにも注意してください。受動喫煙は癌だけでなく、他の病気のリスクも上げてしまいます。
癌のペットにおすすめのペット保険3選を徹底解説!
癌の治療費は高額ですが、癌に限らずペットの治療費は高額です。飼育費用に合わせて、治療費用がかかることはペットを飼う上で避けては通れないでしょう。
そんな高額な治療費用に備えるためにペット保険はおすすめです。
癌の場合、高度医療の選択肢があるため、費用の問題で満足な治療を受けさせてあげられない場合もあるでしょう。ペット保険で治療費が軽減できれば、治療に専念しやすくなるのではないでしょうか。
ここからは、
- 高額な治療費用を補償してくれるペット保険
- 先進医療も補償してくれるペット保険
- 待機期間のないペット保険
を紹介します。万が一に備えてペット保険への加入を検討している人は、参考にしてください。
高額になる治療費を補償できる制限なしの保険がおすすめ!
ペット保険には、通院や入院・手術それぞれに限度日数や回数といった制限が設けられていることがほとんどです。
癌や外耳炎など、通院や入院が長引く可能性がある病気の場合、通院途中で日数制限に達してしまうと、以降の通院費用は補償されません。
高額になりがちな治療費を、少しでも多く長く補償してもらいたいなら制限無しの保険がおすすめです。
制限無しのペット保険なら、1回の治療費や年間の回数などを気にせず利用しやすいでしょう。(年間補償額以内の範囲)
先進医療も補償してくれる保険がおすすめ!
癌の治療のひとつ、放射線治療は先進医療に含まれる治療方法です。
設備の整った病院での治療となるため、普段通っている動物病院とは違う病院に通う場合も多いでしょう。
ペットの医療制度は年々進歩しています。人間のように先進医療や高度な医療にも対応出来る場合も増えました。しかしその分、治療費の負担は大きくなります。先進医療となると他の治療と比べても高額になることがほとんどでしょう。
待機期間のない保険がおすすめ!
先述のとおり、ペット保険には待機期間がある場合があります。期間は保険会社によって異なりますが、0日〜120日の待機期間が発生します。
癌に関しては待機期間を長く設定しているペット保険もあるため注意が必要です。待機期間中に発症した病気の治療費は、補償開始となっても補償されません。
ちなみに、癌でも入れるペット保険はほとんど無いと言っていいでしょう。
いかなる場合でも加入できない疾患のひとつに悪性腫瘍が含まれている場合が多いからです。ペット保険は健康なうちに備えておくことでメリットを感じられます。なるべく健康で若いうちに加入しておくのがおすすめです。
まとめ:癌はペット保険で補償される!
今回、犬・猫の癌について解説してきました。
この記事でお伝えしたいポイントは、
- 癌は犬猫の死因上位
- 癌の検査・治療は高額になる
- 癌はほとんどのペット保険で補償対象
- 癌に備えておくなら日数・回数制限無しの保険がおすすめ
- 先進医療を補償してくれる保険がある
- 待機期間の無い保険がある
となります。
癌は治療費が高額なため、費用面でも精神面でも負担が大きいでしょう。
少しでも負担を軽減するために、ペット保険へ加入しておくのがおすすめです。満足出来る治療をさせてあげるためにも、万が一の場合の負担を考えておきましょう。
MOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!