【獣医師監修】マルチーズの寿命や性格・飼育方法は?小型犬の平均と比較して長い?短い?のサムネイル画像

注目記事マルチーズのペット保険人気ランキングを確認する。ペットの病気・ケガの治療費は全額自己負担です。

人懐っこく、大人しく、そして愛らしい顔で人気なマルチーズ。平均寿命は13~14歳とされており、小型犬の相場くらいでしょうか。(大型犬よりも小型犬のほうが長生きすると言われています)この記事ではマルチーズの平均寿命、最長寿命を紹介し、心臓病など気をつけるべき病気やペット保険を紹介します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

目次を閉じる

マルチーズの平均・最長寿命は何年?

マルチーズは犬の中でも、人になつきやすく、大人しいことでとても人気で、実際見てみると、とても可愛いですよね。


そんなマルチーズですが、平均的に何年くらい一緒に過ごせるのか気になるところです。


また最長どのくらいの寿命なのか気になりますよね。


今回「MOFFME」では、

  • マルチーズの寿命
  • マルチーズがよくかかる病気
  • 長生きさせるコツ
  • マルチーズが加入するペット保険
以上4点について解説します。

この記事を最後まで読んでいただけると、きっとマルチーズと長い間楽しい時間を過ごしていただけることと思います。

また、MOFFMEでは「マルチーズのペット保険のランキング」など様々なコンテンツを紹介しているので、そちらも是非ご覧ください。

マルチーズのペット保険ランキングを確認する

小型犬マルチーズの平均寿命は13~14歳!最長寿命は?


マルチーズは犬の中では、小型犬に分類されます。

一般的に、大型犬よりも小型犬のほうが長生きすると言われています。


そんなマルチーズの平均寿命は、おおよそ13~14歳だと言われています。

これは人間で言うと、70歳前後に換算されます。


ちなみに、同じく人気の高いチワワミックスだと13~14歳、トイプードルミックスだと13歳前後のようです。マルチーズは他の小型犬と同等程度の平均寿命と言えます。


当然、この年齢は平均寿命ですのでもっと長生きしたマルチーズもいるようです。

もちろん犬種によって寿命が異なりますが、犬のギネス記録は29歳5か月です。


一方、マルチーズでは寿命に関するギネス記録がありません。ただし、日本で24歳まで生きたという報告があるようです。これは人間でいうところ100歳を超える年齢にあたりますので、長寿を全うしたマルチーズだったといえます。

マルチーズの最高寿命は23歳

他の犬種ならギネス記録等があり、正確な最高寿命が分かることもあるのですが、マルチーズの最高寿命はギネス記録等にありません。


しかし、日本では24歳まで生きているという報告があり、これが国内における最高寿命と考えられています。

これは平均寿命の2倍程度生きています。大変長生きしていますよね。


ところで、最高寿命まではなくとも長生きする秘訣はなんでしょうか。

詳しくは後述しますが、簡単に言えば、無理をさせないことが最も重要ではないかと考えられます。


マルチーズは小型犬ですので、歩幅が小さければ体力もありません。

たとえば散歩のスピードが速すぎないか、運動量が過度に増えていないかなど、飼い主の感覚では普通であっても、マルチーズにとっては非常に大きな負担となり、それが寿命を縮めると認識しましょう。

【マルチーズの年齢換算表】人間でいうと何歳?

ところで、先ほどからマルチーズの年齢が人間でいうと何歳になるのかという話がありました。


ここではマルチーズの年齢が人間でいうと何歳に当たるのか確認します。

犬の月齢(人間の年齢)マルチーズの人間換算した年齢犬の成長
3か月4歳子犬
6か月7歳半子犬
9か月11歳子犬
1歳15歳子犬
1歳半19歳半子犬
2歳23歳成犬
3歳28歳成犬
4歳32歳成犬
5歳36歳成犬
6歳40歳シニア犬
7歳44歳シニア犬
8歳48歳シニア犬
9歳52歳シニア犬
10歳56歳シニア犬
11歳60歳シニア犬
12歳64歳シニア犬
13歳68歳シニア犬
14歳72歳
高齢犬

いかがでしょうか。


3歳からは人間でいうところの4歳ずつ年を取っています。

マルチーズは子犬の期間はたった2年足らずで、わずか2年で23歳まで成長し、成犬にまで成長することもご確認いただけるかと思います。


また、その後は、6歳で40歳を迎え、シニア犬になります。

最終的には、14歳高齢犬となります。このとき、人間でいうと72歳で寿命を迎えるのもこの頃となります。


人間同様、年をとればとるほど罹患リスクは上がります

当然、年齢もより高い年齢になれば、リスクは上がりますし、成長が早いため、病気にかかるのも早くなります。


その節目と言えるのが、やはり6歳のシニア犬になる頃です。


この頃から歯周病による口臭が気になったり、白内障による視力の低下が見られるようになります。

マルチーズはどんな性格?特徴や歴史も解説!


小柄な体に、白いふわふわの毛から見える瞳がとても可愛らしい、マルチーズ。

膝の上にのせて可愛がる犬として、貴族にも愛された歴史ある犬です。


今も絶大な人気があり、ペットを飼おうと考えた時に候補として考える人も多いでしょう。


マルチーズが愛される理由やその特徴について、まずは以下の点を紹介します。

  • マルチーズはいつから飼われている?マルチーズの歴史
  • マルチーズはどんな性格?
  • オスとメスの違いは?飼いやすいのはどっち?

飼う前には、自分や家族の生活スタイルに合うか、相性が良いかなど、犬の特徴や性格を踏まえて検討するとよいですね。


まずは、マルチーズがどんな犬か詳しく知っていきましょう。

マルチーズの歴史とは?愛玩犬として誕生!

マルチーズはとても古い歴史をもつ犬種とされています。原産国はイタリア南部に位置するマルタ共和国。

紀元前1500年頃にマルタ島に持ち込まれた犬がマルチーズの元であると言われています。


マルタ島では何世紀にも渡り交配が行われ、その過程でシルクのように美しい被毛を受け継ぐ「マルチーズ」が誕生。


他の犬種は昔、猟犬として扱われることが多かったですが、マルチーズは初めから「愛玩犬」として親しまれていたようです。


マルチーズは15世紀にフランスで、18世紀にはヨーロッパで大流行。

イギリス王室でビクトリア女王に溺愛されていたこともあったようです。


マルチーズはその後徐々に世界中へと広がり、今では多くの方に愛される犬種となっています。

マルチーズの性格と特徴!素直で甘えん坊な性格!

絹のように美しい被毛

マルチーズの最大の特徴は、絹のように美しい被毛です。

真っ白で光沢もあり、とても綺麗です。

マルチーズの被毛はオーバーコートのみの1層構造で下毛もないため、抜け毛がとても少ないとされています。


華奢な体格

マルチーズは体高よりも体長が長く、華奢な体格をしています。

体重は2~3kg程です。


素直で甘えん坊な性格

マルチーズはおおらかで愛情深い性格の持ち主のため、しつけやすい犬種であるとされています。

一見気が弱そうに見えるマルチーズですが、知らない人が来た際には吠えたり、自分より大きい犬に会っても逃げずに立ち向かうことが多く、小さいのにとても気が強いと言われています。

ただ甘えん坊のため構い過ぎると、飼い主が留守にした時に分離不安を起こし、室内を散らかすなどの問題行動をおこしやすいです。
さらに、構ってほしくて問題行動を起こすこともあると言われています。

そのためマルチーズを飼っている方の中には、性格が悪いと思っている方がいるようです。
ただ、この問題行動はしつけをすれば改善することが可能であるため、しつけをしっかり行うことが大切です。

オスとメスの性格の違いは?

基本的に素直で甘えん坊な性格であるマルチーズですが、オスとメスで性格が異なるとも言われています。

ここでは、オスとメスの性格の違いを見ていきます。


オスの性格

オスは成犬になっても活発で遊びが大好きです。また、メスよりも甘えん坊なことが多いとされています。

メスの性格

メスも子犬の時はオスと同様、活発で遊びが大好きですが成犬になると落ち着くと言われています。
また、オスよりも賢く気が強いとされています。

ただ、性格を性別だけで判断するのはよくありません。
なぜなら、性格は個体差が非常に大きいからです。

成犬になってからも活発に遊ぶメスもいますし、大人しいオスもいます。
そのため、性別だけでなくそれぞれの性格を見てあげるようにしましょう。

参考:マルチーズを留守番上手にするには?

マルチーズは甘えん坊な性格のため、留守番が大の苦手です。

24時間365日一緒にいてあげられるのならいいですが、仕事や用事などでどうしても家を空けないといけないこともあると思います。


ただこの際、急に長時間の留守番を任せてしまうと分離不安から室内を散らかしたりなどの問題行動を起こしてしまう可能性があります。


そのため、徐々に留守番できる時間が長くなるように練習させていくことがおすすめです。


留守番させる前の準備

留守番させる時には、ケージやサークルの中で過ごしてもらう必要があります。

そのため飼い主がいない間も、ケージやサークル内で快適に過ごせるようにすることが大切です。


留守番させる前に必要な準備は以下の通りです。

  1. ケージ・サークルの中には、ベッド・おもちゃ・トイレ・フードを置き、できる限り快適な環境にする。
  2. ケージ・サークルで過ごすことに慣れてもらう。
初めはケージやサークルに自ら入ることができないと思います。
ただ、この時無理やりケージやサークル内に入れないように注意してください。

どうしても入らない時は、おもちゃや餌で自ら入ってもらえるように誘導してみましょう。


留守番上手にするコツ

マルチーズは留守番が苦手ですが、賢いので練習をすれば留守番上手にもなります。


留守番上手にするには、留守番の練習を段階的に行っていくことが大切です。

  1. 家に一緒にいる時に一人になる時間を作る
  2. ケージ・サークル内で一人で過ごす時間を作る
  3. ケージ・サークル内で一人で過ごす時間を徐々に長くする
犬は一人にさせられると、飼い主が帰ってこないのではないかと不安な気持ちになってしまいます。

なので、まずは数分~数時間など短時間の留守番から体験させ、飼い主は必ず帰ってくるということを理解させてあげましょう。

そして短時間の留守番に慣れてきたら、徐々に時間を長くしていくと良いです。

また、もし留守番中に室内を荒らされていても、決して叱らないようにしましょう。
悪いことをしたらその時に教えてあげないと、なんで怒られているのか理解することができないからです。

留守番をしたのに叱られると余計、留守番をするという行為が嫌になると思われますので、注意してくださいね。
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マルチーズのしつけ方は?しつけを始める時期や正しいしつけ方を解説

マルチーズのお迎え・購入方法は?価格や選び方も紹介!


マルチーズを選ぶとき、何を基準に選ぶとよいのでしょうか。


インスピレーションも大事だと思いますが、価格や選び方もきちんと知っておきたい点です。

また飼うことになった時、快適にすごせるよう準備も整えたいものです。


これからは、マルチーズを購入するにあたってのポイントを、以下の点を踏まえて説明していきます。

  • マルチーズを迎えるために準備すること
  • マルチーズはどこで探せばよい?
  • マルチーズの価格や、購入する時のチェックポイント

迎え入れたら新しい家族です。


長い時間を共にするため、飼うならしっかり心構えをして慎重に選びましょう

マルチーズのお迎え・購入方法

マルチーズを迎える前に、飼育するためには何が必要か知っておきましょう。

飼う時の必需品は以下の通りです。

  • サークル
  • ベッド
  • 移動用キャリー
  • トイレシート・トイレトレー
  • 食器
  • ブラシ
  • 爪きり
  • おもちゃ
それでは、マルチーズはどこで探すのが良いのでしょうか。

手に入れる方法は大きく3つあります。
それぞれの特徴や注意点を見ていきましょう。

ペットショップ

一般的なペットショップは、見た目よく手入れされており、予防接種健康管理がされています。
ローン支払い・ペット保険への加入・備品購入や割引などトータルでカバーされており飼い始めるにあたって安心感があります。

ただ親犬についての情報がないことが多く、成長後の大きさや毛色など、遺伝に関することはあまり情報がないのがデメリットです。

ブリーダー

親犬や交配を確認できるので、成長後の予測がある程度出来ます。
特に血統書付き純血種を求めている場合はブリーダーからの購入が良いでしょう。

ただ系統を絞って繁殖させているブリーダーが多いので、その犬種に対する知識は豊富ですが、複数の犬種を比較したい人は不向きです。

商売目的の悪徳ブリーダーもいるため、飼育されていた環境や健康管理についてきちんと確認し見極めなければなりません。

里親

雑種が多く犬の料金は無料ですが、不妊治療費や譲渡費用がかかる場合があります。

子犬は少なく生い立ちが様々ですが、多種の中から探すことができます。
ある程度成長している場合、性格が定まっており、子犬よりも世話の労力は少ないでしょう。

ただ、保護団体の多くは里親条件を非常に厳しく設けているため、家族構成や住環境、年齢などいくつもの条件をクリアしなければなりません。

マルチーズの価格や選び方

マルチーズの価格は、平均10~25万円です。ただ、この価格は大きさ・性別・血統・月齢などにより変動します。基本的に身体が小さい方が、価格は高くなる傾向にあります。


また、メスは子供を産むのでオスよりも価格が高くなるようです。さらに血統書付きの犬、年齢が低い犬も価格が高くなります。


ただ価格が高ければ、良い犬というわけではありません。なぜなら健康状態が悪かったり、病気を抱えていたりする可能性があるからです。


そのため価格だけで決めるのではなく、健康状態をきちんと確認する必要があります。

確認するポイントは以下の通りです。

  • 元気に動き回っているか、ぐったりしていないか
  • 足をかばって歩いている様子はないか
  • 目やに・涙やけはないか
  • 耳は汚れていないか
  • 肛門がただれていないか
  • 重さは軽すぎないか
上記を確認して、引っかかる点があれば病気のある可能性が高いです。
ただ、上記を確認しても健康状態を全て把握できるわけではありません。

そのため、購入する際は店員さんやブリーダーさんに、健康状態などを詳しく聞くようにしましょう。

マルチーズがかかりやすい病気やその治療法・治療費は?


マルチーズを飼う際に心配となるのは、どんな病気にかかりやすいのではないかではないでしょうか。


結論としては、マルチーズがかかりやすい病気はあります。

しかも、それを放置していると、深刻になる可能性はあり、注意が必要です。

大切なペットですから、元気に過ごしていけるように気を付けてあげましょう。


ここでは、マルチーズがかかりやすい5つの病気について解説します。

病気と治療法①:皮膚炎、流涙症・涙焼け

1つ目の病気は、皮膚炎と流涙症です。

流涙症は涙焼けとしてご存じの方も多いのではないでしょうか。


皮膚炎

まずは、皮膚炎について解説します。

皮膚炎の中でも特にマルチーズが罹患しやすいのが、マラセチア皮膚炎と呼ばれるものです。


原因としては、マルチーズの長い飾り毛が挙げられます。

これが原因となり、マルチーズは通気性が悪い状態に晒されています。そのため、足指の間は雑菌やカビが繁殖する温床となっている場合があります。


よく外出先から帰宅すると、お風呂に入れる方がいらっしゃいますが、これもマルチーズの皮膚炎防止の観点では悪影響です。


マラセチア皮膚炎に罹患したときの症状としては、以下のものが挙げられます。

  • 皮膚が白くなりむけている(鱗のようになっている)
  • 出血が見られる
  • 皮膚が紫色に変色している
  • 皮膚が湿り気を帯びている
これらは皮膚に付着した雑菌やカビの影響を受け、炎症を受けて引き起こしているものです。
また、それらによってかゆみを感じるため、患部を掻いてしまうため、全身に感染が拡大する傾向にあります。また、マルチーズの長い毛によって発見が遅れることも珍しくないので、気づいた時には深刻な状態になっていることも見受けられます。


予防法としては、

  1. 長い毛を適度な長さに維持する
  2. 散歩から帰宅したときには、シャワーではなく乾いた布での足ふきに留める
  3. 耳や足の付け根など、特に毛におおわれている箇所はこまめに掃除する
以上が主要な対策となります。



マラセチア皮膚炎に罹患したときの治療法としては、飲み薬塗り薬で治療することになりうます。


基本的には、飲み薬により栄養補給や患部の化膿の進行を抑えることで快方に向かいます。しかし、この病気の場合、全身への感染等を抑えるため、患部を掻きむしらないようにするために塗り薬で対処することもあります。


流涙症

次に、流涙症について解説します。


流涙症は、マラセチア皮膚炎と同様に涙によって雑菌の繁殖等により毛の色が黒く変色する病気です。見た目が悪くなるため、飼い主の方が気づきやすい病気であることも特徴です。


原因としては、主に2つ挙げれます。

  1. 毛による刺激
  2. 鼻涙管の閉塞
1については、目に刺激が加わることで大量の涙が流れることで引き起こされます。
具体的には、瞼に毛が入り込むことで起こることが多いようです。また、放置していると角膜への色素沈着が見られるときもあります。

2については、鼻涙管が生まれつき狭かったり、閉塞していると涙が正常に流れず、涙が目から大量にあふれることが原因です。
鼻涙管とは、目から鼻へ涙を流す管のことです。


症状としては以下が挙げられます。

  • 目の周りが黒く(茶色に)変色する
  • 顔に皮膚炎とみられる症状がある

実は、流涙症の効果的な予防法はないのが現状です。

そのため、日頃からこまめに涙があれば拭いてあげる、濡れていれば拭いて乾かしてあげるといったケアを行うしかありません。


流涙症の治療法は多岐にわたります。

その理由は、単に色素沈着をしているだけの場合は、涙を拭きとるだけでも一定の効果があります。また、色素沈着をしにくくするサプリメントを処方する対処もあります。


一方、目に毛が入り込んでいる場合は、手術により毛を正常な向きに整えたり、場合によっては目の整形手術を行う必要もあります。


鼻涙管が狭い場合は鼻の洗浄を行う必要もありますし、閉塞している外科的対処を行うときもあります。

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【獣医師監修】犬の流涙症とは?原因から症状、治療、予防まで解説!

病気と治療法②:僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症とは、僧帽弁が十分に閉じることができなくなる心臓病です。

僧帽弁は犬の心臓にある弁です。機能としては、心臓の中で血液が逆流しないように閉じたり開いたりしています。


つまり、この病気になると、血液が心臓内で逆流します。

すると、十分な量の血液が全身に行き届かず、心臓はより強く血液を送ろうとし、その負担によって心臓の壁が大きくなり、徐々に機能が弱まり最終的には、正常に血液を送り出せなくなってしまいます。 


また、送り出せなかった血液が心臓に溜まっていきます。血液は次第に肺にも溜まっていきます。すると、肺に水が溜まった状態になり、最終的には、肺だけではなく、血液は犬の胸やお腹など様々なところに溜まるようになります。


詳しい原因は今のところ分かっていません

ただし、遺伝的にマルチーズがかかりやすい病気であることは言えます。


また、原因が分からないため、予防法もありません

そのため、非常に怖い病気と言えます。


症状としては、以下のとおりです。

  • 心雑音
  • 疲れやすい

心雑音については、日常生活の中では発見することは極めて困難と言えます。


また、疲れやすくなると、よく寝るようになったり散歩を嫌がるようになります。

さらに症状が深刻化すると、咳が出るようになります。犬が大人しくしているのに、咳が出る、夜中寝ているときに席が出るといった状況には注意したいところです。


さらに重症化すると、浅い呼吸をするようになったり、十分な血液が送られていないために、ふらついたりすることもあります。


また、この病気は完治しないと言われており、治療法としては、進行を遅らすことが有力な対処となります。


具体的には、以下のとおりです。

  • 薬により病気の進行を遅らす
  • 自宅に設置した酸素室内で過ごす
  • 肺などに溜まった血液を抜く

いずれにしても完治しない以上、一生病気と付き合いながら生活を送る必要があります。

その際は、興奮させないようにする等なるべく静かな環境で過ごすことが重要です。

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【獣医師監修】犬の僧帽弁閉鎖不全症とは?その症状と原因、治療法について解説!

病気と治療法③:白内障

白内障は人間にもある病気です。

目の水晶体が濁り、視力が低下する病気です。放置すると、最悪の場合失明に至ります。


原因は、大きく2つに分けられます。

それは、白内障は先天性(遺伝性)のものと後天性(老年性)のものがあるからです。


先天性のものは、生まれたときから目が濁って生まれてくる犬がいます。このとき先天的な異常があり、白内障を患います。また、生後6ヵ月~5歳頃までの犬でも、まれに若年性の白内障が見られます。


一方、後天性のものは、老化が原因で起こります。この場合、シニア犬と呼ばれる6歳頃から多く見られます。


他には、糖尿病から白内障を併発することもあります。  


症状としては、下記のような症状が見られます。

  • ふらふらと壁伝いに歩く
  • 物にぶつかる
  • 階段などの段差につまずく
いずれにしても、視野がはっきりしていないことから、歩行がスムーズにできなくなることが要因として挙げられます。

ここまで悪化するまでには、なかなか飼い主が気づいてあげられないことがほとんどです。気づいたときには、すでにかなり悪化していることも多いのが実情です。

予防法としては、効果的なものはありません
上記の症状が見られまる前に日頃から定期的に病院に連れていくことも有効な手段として考えられます。

白内障の治療法は、基本的には外科的治療をおこないます。

完治を目指すなら、外科的治療を行う必要があります。手術で水晶体を取り除く方法や、眼内レンズを入れて視力回復させる方法もあります。

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【獣医師監修】犬の白内障とは?原因や症状、治療・手術費用、予防法を徹底解説

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ペット保険で白内障は補償される?症状や治療費用について徹底解説!

病気と治療法④:膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は、ひざのお皿が脱臼する病気です。


原因としては、マルチーズなどの小型犬では、関節溝が浅いことが挙げられます。

つまり先天的な要因が大きい病気です。また、生活環境などの物理的な負担によってひざに負担がかかると発症するとも言われています。


症状は、重症化の進度によって異なりますが、以下のようなものが見られます。

  • 手で押すと脱臼する
  • 足を引きずる(跛行の症状)
  • 跛行が常態化し、患部が痛いため悲鳴をあげる
  • 歩行が不自由になる
初期症状としてはケガに似た様子なので気づきにくいのが実情です。一方、進行すると跛行の症状が徐々に見られるようになるので、足を引きずったり、股関節を気にするようになったら、病気になっている可能性が高いと言えます。

予防法としては、膝に負担がかからないように配慮してあげることが重要です。

具体的には、椅子などを低いものにする、ドッグランでは過度に運動させない、急な方向転換をさせない、フローリングの上にじゅうたん等をひくといったものになります。


治療法は、進行状況によって異なります。

初期の段階では、グルコサミンのサプリメントの摂取で治療していくことができます。他には、関節の保護を行う等の支持療法になることもあります。さらに徐々に症状が進行すると、手術により膝蓋骨を整復します。しかし、手術ができないほどに悪化すると、完治が難しくなります。

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【獣医師監修】犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)とは?原因や症状、治療費を解説

病気と治療法⑤:水頭症

水頭症とは、脳の周りを流れている脳脊髄液が溜まり脳を圧迫する病気です。


原因は、先天的な遺伝が原因の場合と、後天的な外的な要因に分けられます。

先天的な場合は遺伝が原因ですが、一般的には頭の小さな犬種がなりやすいと言われています。また、外的な要因としては、頭を打ってできた脳内出血、ウイルス感染による脳炎、脳にできた腫瘍等が原因として挙げられます。


また、遺伝的な要因と外的な力により発症する病気ですので、マルチーズを気にかけてあげるくらいしか対策ができず、明確な予防法がないのが実情です。


症状は以下のとおりです。

  • ボーとする時間が多くなる
  • 元気がなくなる(攻撃的になる)
  • 歩くときにふらつく
  • 頭が膨張する
  • 食欲が異常に減退する(食欲が異常に増す)
  • けいれん発作を起こす
  • 意識がなくなる
いかがでしょうか。これらの症状は他の病気でも見られるものですし、食欲が異常に変化してもすぐに水頭症と判断をつけることは非常に困難です。他の病気同様、マルチーズに異常が見られたら、なるべく早くに病院へ連れていくしかありません。

治療法は、内科的治療と外科的治療の大きく2種類あります。いずれも脳脊髄液を減らして、脳への圧迫を下げるものです。水頭症を罹患すると、完治することはありません。これらの治療は症状をやわらげるという目的で治療が行われます。


内科的治療としては、症状をやわらげるための投薬治療です。多くのケースではこちらになります。具体的には、脳脊髄液が脳にたまるのを防ぐための降圧剤や、脳細胞の膨張を抑えるステロイド剤、髄液を尿と一緒に流すための利尿剤を投与します。症状によって薬は異なりますが、薬の投与自体は一生続きます。


外科的治療としては、水頭症が深刻な場合に行うのが一般的です。また、外科的治療を行う場合であっても、内科的治療も同時に行うことが一般的です。


シャントと呼ばれる特殊なチューブを頭蓋骨からお腹に通して、脳脊髄液を循環させる手術を行います。なお、このシャントは付けると一生外せません。

特殊なチューブからの感染症や、チューブがつまる等、術後もマルチーズの体調や様子に注意が必要です。

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【獣医師監修】犬の水頭症とは?薬や手術による治療法や手術費用、症状、原因を解説

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ペット保険で水頭症は補償される?症状や治療費用について徹底解説!

マルチーズを長生きさせる3つのコツ・飼い方を解説!


ここからはマルチーズを長生きさせるコツを紹介します。


大まかには

  • 適切な食事生活
  • 適度な運動量
  • 予防接種
  • 定期的な健康診断
  • 適度なスキンシップ
5つが挙げられます。

当たり前のことかもしれませんが、環境の整備で寿命も長くなります。

なるべく一緒に過ごすためにぜひ実践してみましょう。

長生きのコツ①:適切な食事生活

マルチーズの食事生活でのポイントは、高タンパク低脂肪低アレルゲンです。


特にマルチーズの場合は、運動量が多くないため、肥満のリスクが高い傾向があります。


そのため、栄養素だけでなく、食事量も増えすぎないよう注意が必要です。


また、マルチーズの寿命について、アレルギーが問題として挙げられます。


マルチーズの皮膚疾患は食事に起因していることが多いものです。


積極的に低アレルゲンの食事を用意したり、マルチーズに異変があれば、早めに病院に行くなどの対応をすることで、マルチーズの寿命を延ばすことができます。

長生きのコツ②:散歩で適度な運動量

マルチーズの散歩のキーワードは、「短時間で複数回行う」です。


マルチーズは室内犬なので、散歩が必要ないと考えられている方もいらっしゃるかもしれませんが、マルチーズは元々好奇心旺盛な性格なので、肥満対策だけでなく、ストレス発散の目的としても散歩が必要です。


おすすめは、毎日10~20分間程度を2~3回程度行う散歩量です。


また、さきほどの病気でも紹介したとおり、多すぎたり段差を上り下りしたり、急な方向転換を繰り返したりすると病気の原因になりますので、ゆっくり歩いて散歩をしましょう。


運動量の目安としては、マルチーズの息が上がらない程度に抑えてください。


逆に息が上がってきたら、散歩量としては少し多いと考えてください。

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マルチーズの散歩は必要?散歩の必要性と適切な頻度・時間等を解説!

長生きのコツ③:予防接種

これはマルチーズに限らずいえますが、狂犬病と混合ワクチンの予防接種より、病気のリスクを減らすことは大切です。


一般的に必要なワクチンは以下の4種のとおりです。

  • 狂犬病予防接種
  • 子犬時期のワクチン接種
  • 成犬の混合ワクチン接種
  • フィラリア予防接種

なお、成犬の混合ワクチンについては、5種を行うことが一般的ですが、マルチーズの生活環境等を考慮すると、より効果的に接種ができます。


もし、不安な場合は、病院へ相談に行きましょう。


また、接種後、体調を崩す犬が一定数いるのも事実です。


予防接種を行った後は、1日程度はあまり激しく運動等をさせないほうが無難だと思います。

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【獣医師監修】犬の予防接種とは?ワクチンの種類や費用、打つ回数と注意点を解説!

長生きのコツ④:定期的な健康診断で早期発見

かかりやすい病気のポイントでも解説したとおり、マルチーズの罹患リスクの高い病気は日頃の仕草だけでは見つけにくいものがあります。


そのため、定期的な健康診断で病気を早期発見することが重要です。


頻度としては、6歳で迎えるシニア期までは年1回程度のペースで問題ありませんが、それ以上は複数回行くのがベターな判断です。

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【獣医師が教える】ペット保険で犬猫の健康診断費用の補償はできる?

長生きのコツ⑤:ストレスを感じさせない、適度なスキンシップ

人間と同様、マルチーズもストレスを感じると寿命が短くなります。


また、ストレスを感じるポイントとして、マルチーズの元来の性格が関係しています。


マルチーズは好奇心旺盛で、飼い主への愛情が深い犬種です。


そのため、飼い主の方に優しく抱っこされることが大好きです。


逆に言うと、飼い主以外に対しては嫉妬心が強いとも言えます。


そのため、適度なスキンシップがない場合、ストレスを強く感じることがあります。


いつも抱っこする必要はありませんが、適度に抱っこをしてあげるなど、スキンシップを意識してあげてください。

マルチーズのペット保険は?保険料や補償内容、特約も解説!

マルチーズを飼うと、ペット保険について検討をしている方は多いと思いますが、プラン内容や条件について納得感をもって加入されている方は少ないのではないでしょうか。

そもそもペット保険とは、病院で治療費が発生したときのために、保険料を支払うことで、費用の一部を補償してくれるものです。

ペット保険に加入をするときは申告義務といって病気の既往歴や健康状態、年齢等を正しく保険会社に伝える必要があります。

その申告内容に基づいて、加入の可否について審査されます。

余談ですが、この申告内容に虚偽等があった場合は、補償が適用されない場合がありますので、ご注意ください。

最近は保険プランが多様化しており、3つのプランに大別されます。
タイプメリットデメリット
フルカバー補償範囲が広く安心保険料が割高
手術特化高額になりがちな手術費への補償が厚い他の補償に不安があるかもしれません。
通院特化定期健診等も費用負担を抑えられますいざ処置が必要なときの補償が手薄かもしれません。

保険商品が多様化することで、ご自身が求めている補償内容にあったものに加入することができます。

例えば、フルカバータイプは保険料が高い傾向にありますが、補償範囲が広いため安心感は他のものよりも高いでしょう。

一方で、マルチーズのように脱臼等軽手術が見込まれる犬種を飼っている方は手術特化型タイプに加入するなど、それぞれのニーズに基づいて加入することができます。

犬には、人間のような社会保障制度がありませんので、定期健診やちょっとしたケガの処置でも数万円の負担が発生することも珍しくありません。

このような経済的なリスクを抑える意味でも保険加入は重要です。

ちなみに、フルカバータイプの場合は、治療費の50%又は70%を補償してくれる補償内容が一般的です。

気になる保険料ですが、犬種により大きさで分類していることが多いです。

マルチーズの場合は、ほとんどのケースで小型犬に分類されるます。

フルカバータイプ70%補償で、シニア犬までは2,000円~3,000円、シニア犬以降は4,000円~が目安となっています。

また、最近は賠償責任保険特約が付けられる方が増えているような印象があります。

犬が他の犬や飼い主の方を噛んでしまったときなどにも対応できる補償内容になりますので、規約等や保険料を確認の上、必要に応じてこのような補償を足していくことも重要です。

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まとめ:マルチーズの平均・最高寿命や長生き方法について

マルチーズの飼い方のポイントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

  • マルチーズの平均寿命は13~14歳程度
  • マルチーズは素直で穏やかで気が優しい甘えん坊な性格
  • マルチーズは多くの病気に罹患するリスクがあり、早期発見が困難なものもある
  • 日頃のケアが寿命を延ばしてあげるポイント
  • 十分な治療を受けるためにも保険加入が重要
以上のことについて理解を深めていただけたのではないでしょうか。

マルチーズは昔から愛玩犬として飼われており、人懐っこい性格からも人気の高い犬種です。

ぜひ今回の記事を参考に長く一緒に過ごしてあげてください。

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