
犬の鼠径ヘルニアは鼠径部の隙間から脂肪や臓器が飛び出る症状です。犬の鼠径ヘルニアの症状や原因、治療・手術方法、予防法、かかりやすい犬種・年齢、ペット保険の手術費用の補償等を紹介しています。鼠径ヘルニアの術後や再発のリスク、手術で治るのかなどを紹介しています。
この記事の目次
目次を閉じる犬の鼠径ヘルニアとは?
鼠径ヘルニアとは、腹膜や腸管の一部が鼠径部と呼ばれる足の付け根部分の隙間からポッコリと飛び出してしまう病気で、人でも発症しますが犬にもみられる病気です。
この病気は先天的な場合もあれば、後天的に発症する場合もあり、愛犬の鼠径部が膨らんでいることに気付いてびっくりした人もいるのではないでしょうか。
通常、鼠径ヘルニアと診断を受けると、経過観察となる場合もありますが多くの場合、飛び出している臓器を元に戻すために手術を行い治療します。
手術と聞くと、一気に病気のレベルも高く感じ、きちんと治るのか術後の体のことはもちろんですが、治療費がいくらかかるのかも気になりますよね。
今回「MOFFME」では、犬の鼠径ヘルニアの
- 原因と予防法、治療法
- 術後と再発リスク
- 鼠径ヘルニアにかかりやすい犬種や年齢
- 手術費用について
この記事を読めば、今鼠径ヘルニアの治療中の愛犬がいる方も今後犬を飼う方にとっても愛犬の健康管理のための参考となると思いますので、是非最後までご覧下さい。
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鼠径部の隙間から脂肪や臓器が飛び出る病気

通常、お腹の中の臓器は「腹膜」と呼ばれる膜により守られています。しかし、様々な原因でそこに隙間が出来て脂肪や組織、臓器が飛び出してしまうことがあります。このことを「ヘルニア」と言いますが、鼠径ヘルニアとは、この現象が後ろ足の付け根部分の鼠径部と呼ばれる部分でおこる病気のことです。
犬の鼠径ヘルニアの症状
症状は、飛び出してしまった臓器の種類やその状態、腹膜に空いてしまった穴の大きさによって変わってきます。鼠径ヘルニアでは、腸や子宮、膀胱などの臓器が圧迫または閉塞を起こすことが多く、このことが原因で様々な不調が起こります。
症状としては、腹膜部分の穴が小さく、飛び出しているのが脂肪だけの場合には無症状のことも多いですが、鼠径部のしこりや膨らみを触ると痛がることで気づく人も多いと思います。このしこりや膨らみは仰向けではよくわからないことも多いですが、立った状態になると重力の関係で膨らみが顕著に現れます。
腸管が飛び出している場合には、嘔吐や下痢、便秘の他に腸閉塞や腸ねん転など消化器官の不調が現れることがあります。腸閉塞や腸ねん転の場合には、命に関わりますので早い対処が必要です。
膀胱が飛び出している場合には、排尿が上手く出来なくなる場合もあります。また、メスの場合には、子宮が飛び出してしまうこともあり、無症状の場合もありますが腹痛や衰弱などの症状が現れることもあります。
犬の鼠径ヘルニアの原因
遺伝などの先天的なものと、生まれてからの後天的なものとがあります。しかし先天的な要因についての詳しいメカニズムは解明されていません。
後天的なものでは、
- 交通事故などの衝撃による外傷
- 出産等の過度な腹圧
犬の鼠径ヘルニアの治療や手術
冒頭でも説明しましたが、鼠径ヘルニアの治療は多くの場合、全身麻酔による外科手術になります。
飛び出しているものが、脂肪だけなど穴が小さく、成長と共に塞がる見込みがある場合などは経過観察になることもあります。特に、小型犬で発症年齢が低い場合には、成長するにつれて自然治癒する場合もあります。
また、緊急性が低い場合には、麻酔による体の負担を考慮して去勢・避妊手術と合わせて行うこともあります。
外科手術では、飛び出した組織や臓器を元にもどし、ヘルニア部分の穴を塞ぎます。締め付けが強く、腸管等が壊死してしまっている場合には切除が必要になります。この場合には、通常の入院日数よりも少し伸びて1週間程度の入院が必要となります。
犬の鼠径ヘルニアの予防法
鼠径ヘルニアは、残念ながら先天的な場合も多く予防が難しい病気です。そのため、早期発見と早期治療が重要です。
腹膜に開いた穴が小さい場合や、無症状の場合には、なかなか気が付きにくい場合も多いと思います。健康診断を受けさせるなど、少しでも異常に早く気付けるようにしていきましょう。そのために自宅でも、定期的に体を触りスキンシップをはかり、変わったところはないか変化に迅速に気付けるようにしましょう。
最初は無症状であっても、成長するにつれて腹膜の穴が広がり、症状が出始める場合があります。健康診断は、一度ではなく定期的に受診することが大切です。
また、肥満の予防も過度な腹圧がかかることを抑えることができます。適度な運動等で肥満にならないようにしましょう。
参考:犬の鼠径ヘルニアの術後や再発のリスクについて
治療法のところでも説明したとおり、鼠径ヘルニアの治療は外科手術となります。
術後は、基本的に24時間絶飲食となり、2日後から流動食が開始されます。ただ近年では術後の絶食期間は短い方がいいと言う人もおり、手術翌日の朝から少量の食事を開始することもあります。
経過が順調ならば4日から一週間程度で退院できることが多く、2週間ほどで抜糸となります。
鼠径ヘルニアは、外科手術で治療すれば再発率の低い病気ですので、しっかりと治療することが大切です。
鼠径ヘルニアにかかりやすい犬種や年齢は?
先ほど、鼠径ヘルニアは先天的な場合も多いことを説明しましたが、かかりやすい犬種や年齢はあるのでしょうか。
ここでは、鼠径ヘルニアを発症しやすいとされている犬種や年齢について詳しく説明していきます。
鼠径ヘルニアにかかりやすい犬種
鼠径ヘルニアは、先天的な場合も多く、「遺伝」が関係していると考えらています。鼠径ヘルニアを発症しやすいとされている犬種は以下の通りです。
- チワワ
- ミニチュアダックスフンド
- ミニチュアピンシャー
- ポメラニアン
- ウェストハイランドホワイトテリア
小型犬を飼う場合には注意するようにしましょう。
鼠径ヘルニアにかかりやすい年齢
鼠径ヘルニアは、小型犬でなくても「仔犬」に多いとされています。これも、やはり先天的なものが多いからでしょう。このため、ペットショップやブリーダーから仔犬を迎えいれる際には、鼠径ヘルニアに注意が必要です。
仔犬の場合、成長するにつれて自然治癒する場合もありますが自己判断せず、きちんと獣医師に相談して治療法を決めましょう。
後天的なものが要因である場合には、もちろん成犬でも発症します。
犬の鼠径ヘルニアの手術費用はペット保険で補償される?
犬の鼠径ヘルニアはペット保険で補償されるのでしょうか。
犬の鼠径ヘルニアの手術費用は、地域差や病院差が大きいです。現在は、「3.5万円から5万円」で治療できる病院も多いようですが、鼠径ヘルニアの場合には、外科手術が必要なので手術費用の相場としては「5万円から10万円程度」となっており高額です。
手術費用の内訳は
- 入院費
- 術前検査(採血やレントゲンなど)
- 手術費用
手術代などの治療費が高額となることから、飼い主としては保険が使えるのかどうかは気になるポイントだと思います。ペット保険では、既往症や先天性異常では保険を使うことが出来ません。そのため、残念ながら鼠径ヘルニアも、先天的な理由での治療は適用外となります。
しかし、後天的な理由で発症したものに関しては、保険の適用が認められる場合もあります。保険が適用になるかどうかは、加入している保険会社に確認してみましょう。
まとめ:犬の鼠径ヘルニアについて
犬の鼠径ヘルニアについて詳しく説明してきましたがいかがでしたか?
今回の記事のポイントをまとめると
- 鼠径ヘルニアとは鼠径部(後ろ足の付け根部分)の腹膜の一部に穴があき臓器や組織が飛び出してしまう病気
- 病気が軽度である場合無症状のことも多いが、鼠径部の膨らみにより気づく。飛び出している臓器により症状は異なるが消化器症状や排尿困難などが多くみられる。
- 鼠径ヘルニアは先天的なものが多く、小型犬や仔犬でよくみられる。後天的なものでは交通事故や出産などによる過度な腹圧が要因となる。
- 先天的な鼠径ヘルニアでは残念ながら予防法は存在しないが、肥満の防止や食後すぐの運動を避けるなど、後天的なものの予防は可能である。早期発見と治療が大切なので日頃スキンシップをきちんととり、異常があればすぐに動物病院で診てもらう。
- 治療は、軽度の場合には経過観察の場合もあるが、基本的には外科手術により飛び出した臓器を戻す必要がある。
- 入院日数は、4日から1週間程度。治療費用は、3.5万円から10万円と地域差や病院差、病気の程度により異なる。ペット保険は基本的には適用外であるが、後天的な理由による場合は保証される場合もあるので保険会社に要確認
治療に関しては、外科手術となることから、治療費は高額となりますが残念ながら多くの場合は保険適用外となります。遺伝的な要因によって、生まれつき鼠径ヘルニアを持っている犬もいます。
特に治療が必要なく成長と共に治癒する場合もありますし、治療が必要になることもあります。仔犬を迎え入れる際には、この点も含めてきちんと検討しましょう。
MOFFMEでは、この他にも様々なペットや保険に関する役立つ記事を多数公開しておりますのでぜひご覧ください。