いくつか種類がある尿路結石のうちのひとつである膀胱結石、犬もかかることがあるんです!主に細菌感染や、おやつやドックフードなど食べ物の偏りが原因のようです。悪化すれば手術が必要になる可能性もある犬の膀胱結石、今回はその症状や原因、手術費用などについて徹底解説!
この記事の目次
目次を閉じる犬の膀胱結石とは?いくつか種類がある尿路結石のひとつ?
愛犬に排尿時の異常はありませんか?
何度もトイレに行っては辛そうに声を上げる愛犬を見ているのは、こちらも辛いですよね。
何かがおかしいと思っても、愛犬の体の中で何が起こっているのかがわからなければ、より一層不安になってしまうことと思います。
排尿の際に辛そうにしている、尿の色やにおいがいつもと違うなどの症状があったら、それは膀胱結石という病気かもしれません。
今回「MOFFME」では、
- 膀胱結石ができてしまったらどうなるのか
- 膀胱結石の原因
- 膀胱結石を治すには
- どんな犬が膀胱結石になりやすいのか
- ペット保険での補償
尿を貯める膀胱に結石が認められる病気!
人間の体と同じように、犬の体でも様々な原因で結石が生じてしまいます。
その中でも特に、尿を貯める袋である膀胱の中に結石がある状態を膀胱結石と言います。
犬の尿は腎臓で作られ、尿管という細い管を通って膀胱に蓄えられます。ある一定の量まで尿が膀胱内に貯まると、尿道を通って体外に排泄されます。
この時、臓に結石が存在する状態を腎結石、尿管に存在する状態を尿管結石、尿道の時は尿道結石と言い、先に述べた膀胱結石とまとめて尿路結石と言います。
体の中に、本人のものではない異物がある状態というのはいいものではありませんよね。
膀胱内にある結石は膀胱粘膜を侵害し、排泄時に痛みを与える可能性もあります。
排尿したいのにお腹が痛くてうまくできない、とても辛い状態になってしまうのです。
では、膀胱結石という病気について少し見ていきましょう。
ここでは、膀胱結石の症状、原因、治療について説明致します。
犬の膀胱結石の症状!血尿やさらなる危険も!?
犬の膀胱結石の症状には以下のようなものがあります。
- 頻尿:何回もトイレに行く
- 血尿:尿に血が混じる
- 排尿困難:排尿姿勢を取るのに排尿しない
- 腹痛
- 元気消失
- 食欲低下
- 発熱
犬の膀胱結石の原因!おやつやフードの偏りが良くない?
では、膀胱結石はなぜできてしまうのでしょうか。
そもそも結石は、尿中のタンパク質や何らかの原因で剥がれ落ちた膀胱の上皮細胞の周りにミネラルが沈着して発生します。
つまり、タンパク尿の素因があったり、膀胱炎によって膀胱内の環境が悪くなっていたりすると結石ができやすくなってしまうのです。
特に犬では、細菌性膀胱炎によってストラバイトという結石ができやすいと言われています。
そこに、普段の食事やおやつによって過剰に摂取されたミネラルが沈着していきます。
また、偏った食事は尿のpHに影響を与えます。
尿が酸性になったりアルカリ性になったりすると、膀胱結石ができやすくなってしまいます。
また、冬場になって飲水量が減少したりすると尿が濃くなりますので、結石ができやすくなるとも言われています。
意外と、普段の食生活が膀胱結石の発生に関与しています。
人間と同じように犬も、バランスの良い食事を心がけたり、悪い食べ合わせを避けたりすることで膀胱結石を予防することが可能なのです。尿pHを調整する健康維持食もあるので、それを与えるのも良いでしょう。
犬の膀胱結石の治療・手術方法!手術費用は高いの?
しかし、いくら注意していても膀胱結石ができてしまうことはあります。
その治療としては、内科的治療と外科的治療があります。
内科的治療は、食事療法と投薬によって行われます。
ある種の結石は、尿のpHをコントロールすることによって溶けていきます。
フードを変更することで尿のpHを調整するのですが、結石の大きさによっては溶けるのに時間がかかることもあります。
また、膀胱炎を併発していることもあるので抗生物質の投与なども同時に行っていきます。
外科的治療は、手術によって物理的に膀胱内の結石を取り除く方法です。
尿のpHを調整しても溶けない種類の結石がある場合や、膀胱内の結石がかなり大きくなってしまっている場合に選択されます。
X線検査や超音波検査によって膀胱内にある結石の数を特定し、下腹部に存在する膀胱を切開して結石を摘出します。
また、手術後もしばらくは排尿の管理が必要になるため、入院は避けられません。
膀胱結石は非常に再発しやすいため、結石ができやすい体質だったり、結石の成分によってはその後も食事管理が必要になったり、定期的な検診のために通院する必要があるかもしれません。
それぞれの費用に関しては各病院によって様々ですが、概算を以下の表に示しますので参考にしていただければと思います。
- 検査(血液検査、尿検査、X線検査、超音波検査など):2~3万円ほど
- 治療(抗生剤の投与、消炎鎮痛剤の投与など):5千円~1万円ほど
- 定期的な尿検査、画像検査:1回当たり1万円ほど
- 検査(麻酔前の血液検査、尿検査、X線検査、超音波検査など):2~3万円ほど
- 外科手術:10~20万円ほど
- 入院:1日当たり1~2万円ほど(およそ1~2週間必要です)
- 術後の通院(定期的な検査など):1回当たり1万円ほど
犬の膀胱結石になりやすい犬種・年齢は?
膀胱結石に罹りやすい犬種や年齢はあるのでしょうか。
知っておくことで、愛犬の異常を早期に発見できるかもしれません。
早速、見ていきましょう。
犬の膀胱結石になりやすい犬種
遺伝的素因によって膀胱結石になりやすい犬種が存在します。
- シーズー
- トイ・プードル
- ヨークシャー・テリア
- ペキニーズ
- ミニチュア・シュナウザー
- ビション・フリーゼ
- ジャーマン・シェパード
- ダルメシアン
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
犬の膀胱結石になりやすい年齢
一般的に高齢の方が膀胱結石になりやすいと言われています。
その理由としては、
- 若齢犬に比較して水分の摂取量が減る
- 結石ができやすくなる基礎疾患(糖尿病、慢性腎臓病、クッシング症候群など)に罹患しやすくなっている
犬の膀胱結石はペット保険で補償される?
犬の膀胱結石はペット保険で補償されるのでしょうか。
結論から言えば、膀胱炎に対する投薬などの内科的治療や、外科手術に対しては補償されることがほとんどです。
しかし保険会社によっては、食事療法のための療法食に対しては適応外となることもあります。
内科的治療にしても外科的治療にしても、医療費は高額になる可能性があります。
実際、内科的治療では検査や治療などを含めて5~7万円くらい、これに保険適応外である可能性のある療法食の継続が必要になりますから、合計で10~20万円は見積もっておくとよいでしょう。
外科的治療は検査、手術、入院でおよそ20~30万円くらい、療法食のことを考えると合計で40~50万円にもなります。
しかし無治療の場合、尿道閉塞に移行する恐れのあることを考えると、膀胱結石は治療をしなくてはならない病気です。
ペット保険に加入していれば、療法食以外の部分だけでも30~70%減額されるので、内科的治療では1万5千円~5万円くらい、外科的治療に関しては6万円~20万円くらい減額される可能性があります。
ただし、これらの減額率や減額上限は各保険会社によって異なるので事前に確認が必要となります。
罹りやすい犬種や、罹りやすい年齢を挙げましたが、基本的には誰でも罹る可能性のある病気でもあります。
万が一の時に備えて、ペット保険に加入しておくという選択肢もあってもいいかもしれません。
まとめ:犬の膀胱結石について
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、
- 膀胱結石はどの犬にでも起こりうる
- 膀胱結石は治療には時間がかかるし、再発率も高い
- 気づくのが遅れると尿道閉塞に移行することもあり、場合によっては命の危険もある
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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