【獣医師監修】犬の偽妊娠(想像妊娠)とは?症状や原因、期間等について解説!のサムネイル画像

内容をまとめると

  1. 偽妊娠(想像妊娠)はホルモンバランスの乱れによって引き起こされる
  2. 避妊手術を行うことで偽妊娠(想像妊娠)を予防可能
  3. 偽妊娠(想像妊娠)は病気でないため保険適用が難しいが乳腺炎等の症状を引き起こしている場合は補償対象内になることが多い

本記事は犬の偽妊娠(想像妊娠)について紹介しています。犬の偽妊娠(想像妊娠)の症状や原因、手術等の治療方法、予防法、ペット保険が補償されるのでしょうか。犬は偽妊娠をすると乳房やお腹が膨らむ、食欲の低下、ぬいぐるみなどを自分の子供のように可愛がる等の症状や行動をします。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬の偽妊娠(想像妊娠)とは?


記事モデル?:ぽこ


人間と同じように、犬も発情期が来ると、偽妊娠になる可能性があります。


偽妊娠の意味は、人間と一緒なので、なんとなく分かる方も多いかと思います。


愛犬家の皆様でしたら、雌犬の発情が来る度に、偽妊娠にならないか不安になりますよね。


偽妊娠は、悪い病気ではないので、そのまま自然に治るまで何もしない飼い主さんが多いかと思います。


しかし、発情の度に偽妊娠をしていては、犬も辛い思いをしてしまいます。


そこで今回「MOFFME」では

  • 犬の偽妊娠はどのように起こるか?
  • 偽妊娠の症状は?
  • 偽妊娠の原因は何か?
  • 予防治療法について

以上の内容を中心に、詳しく説明していきたいと思います。


ぜひ最後までご覧頂き、大切なワンちゃんを助けてあげてくださいね。


またMOFFMEでは、ペット保険のランキングについても解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

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犬の偽妊娠(想像妊娠)はホルモンバランスによって生じる症状


偽妊娠とは、妊娠していないのに、妊娠した時と同じような症状がでます。


これは犬も人間も一緒なので、先ほどもご紹介したように意味としてはご存知の方も多いかと思います。


では、なぜ犬も偽妊娠をしてしまうのでしょうか?


人間の場合は、妊娠したいなどの強い願望から偽妊娠になる事が多くあります。


犬の場合、妊娠を強く希望することはありませんが、ホルモンバランスが崩れてしまう事があるのです。


女性の方だと、ホルモンバランスの乱れにより、生理が止まったり、気持ちが不安定になる経験ありませんか?


雌犬も、ホルモンの影響で身体に変化が現れるので、偽妊娠をする事も珍しい事ではないのです。


では具体的な症状原因などをこれからの記事で詳しく解説していきたいと思います。

犬の偽妊娠(想像妊娠)の症状は?しこりができたら注意!お腹が膨らむ?

犬が偽妊娠をすると主にどのような症状がでるのでしょうか?

  • 乳腺の異常…ホルモンの大量分泌により、乳腺が発達し乳汁(母乳)が出る
  • 腹部の変化…お腹が膨らむ
  • 行動の変化…新聞紙・タオル・毛布などを集める、警戒心が高くなる
  • 食欲不振・嘔吐…フードを食べない、吐いてしまう

発情後4~6週頃にこのような症状が見られたら偽妊娠の可能性があるでしょう。


乳汁が出ると自分で乳首を舐めてしまい、乳腺炎を起こしてしこりができてしまう事もあるので注意が必要です。


妊娠した時のようにお腹も膨らむので、腹部変化も観察しましょう。


妊娠時に何か収集する時は雌犬が出産に向けて巣作りをしている事もあり、警戒心が高まります。


またつわりの影響で、食欲が低下したり、食べても吐いてしまうのを繰り返す。


飼い主さんが目で見て分かる症状ばかりなので偽妊娠だと気づきやすいのです。

犬の偽妊娠(想像妊娠)の原因

実際に妊娠した雌犬は黄体ホルモンが分泌され活性化する事で、妊娠状態をキープする事が出来ます。


大量に黄体ホルモンが分泌される為、身体に様々な症状が現れるのです。


この時の症状が偽妊娠でも起こりえる症状になります。


なぜ妊娠していない雌犬に妊娠した時と同じ症状がでるのでしょうか?


ホルモンバランスの異常が偽妊娠へと繋がっていくのです。


妊娠していないのに黄体ホルモンが高濃度かつ大量に分泌されてしまう事があります。


そして黄体ホルモンの分泌が低下する頃に乳腺刺激ホルモン(プロラクチン)の分泌が活発になると、偽妊娠の様々な症状があらわれる様になります。

犬の偽妊娠(想像妊娠)の治療・手術方法は?どのくらいの期間で治る?

実際に偽妊娠になってしまった時、どのような治療があるのか?


治療をしなかった場合、多くの場合は発情後12週間くらいまでに自然に症状はなくなります。


治療法としては自然治癒、もしくは抗プロラクチン薬などの投与です。抗プロラクチン薬は乳腺の発達を促すプロラクチンの分泌を抑える効果があります。


その結果、偽妊娠の症状を軽減する事が可能になるでしょう。


しかしこの治療法は副作用がある為、犬に負担がかかってしまいます。


偽妊娠に効果的な予防方法は避妊手術です。


それでは次の項目で避妊手術について詳しく説明していきたいと思います。

犬の偽妊娠(想像妊娠)の予防法

発情期が来る限り、偽妊娠する可能性は十分にあり得ます。


自然現象ですので、何もしなければそのまま発情が繰り返されます


偽妊娠を唯一予防する方法としては、避妊手術をする事です。


偽妊娠とは関係なく避妊手術をしている飼い主さんも多くいるかと思います。


避妊手術は子宮・卵巣を摘出するので、発情期自体がなくなるのです。


偽妊娠をしてしまう原因を取り除くことで、予防に繋がる事になります。


避妊手術をする事で、雌犬の発情によるストレスもなくなるでしょう。

補足:ぬいぐるみやおもちゃを可愛がる?

雌犬が偽妊娠をすると母性本能が働く事があります。


ぬいぐるみやおもちゃを自分の子供のように、大切に扱うのです。


いつもなら噛んだり、投げたりして遊んでいるボールを抱え込んでいる事があります。


ぬいぐるみは特に子犬に近い触感だったりする事から、守る為に隠そうとする時もあるようです。


この時に飼い主が無理に取ろうとすると、怒って鳴く事があるので注意しましょう。


偽妊娠ではありますが、自分の子供を守ろうとして警戒心が高くなっているのでそっと見守る様にしましょう。


普段はその様な様子が見られないのに、急におもちゃやぬいぐるみを大切に扱っているようであれば、偽妊娠の可能性が高いと考えられます。

偽妊娠(想像妊娠)になりやすい犬種や年齢は?


発情によるホルモンの分泌が活発になる年齢であれば偽妊娠になる可能性が大きいと考えられます。


成犬になる1歳から高齢になる前の6歳までの期間が目安になるでしょう。


人間と同じように高齢になるにつれホルモンの分泌が弱まっていきます。


ですが発情可能な雌犬であれば、年齢関係なく偽妊娠は起こりえるのです。


では偽妊娠しやすい犬種はいるでしょうか?


どの犬種でも雌犬であれば発情は起こりますので、すべての種類の雌犬が対象となります。


特定の犬種に限るものではないという事になります。


愛犬が雌犬であれば偽妊娠になる可能性が十分あります。


偽妊娠をする可能性が高いのであれば、ペット保険で補償されるのか気になる所ですよね。


次の項目で詳しくご紹介致します。

犬の偽妊娠(想像妊娠)はペット保険で補償される?


犬の偽妊娠はペット保険補償されるのでしょうか?


残念ながら病気ではない為、補償の対象外になる場合がほとんどのようです。

ただ乳腺炎等の症状を引き起こしている場合は補償対象内になります。


もちろん、避妊手術予防の為に行うものなので、保険を使うのは難しいでしょう。


では、実際に避妊手術をした場合どのくらいの費用がかかるのでしょうか?

避妊手術費用3~5万円
期間1泊2日・2泊3日
費用は病院によって違いますが、おおよそ平均して表示してあります。

それなりに金額は掛かりますが、偽妊娠を防げるのであればそれ程高くないように感じます。

雌犬ですと腹部を切る手術になるので、最低1泊の入院が必要になります。

ワンちゃんの体調によっては、念のため2泊する事もあるようです。
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まとめ:犬の偽妊娠(想像妊娠)について

いかがでしたでしょうか。今回の記事のポイントは、

  • 偽妊娠すると、乳房やお腹が膨らむ、おもちゃやぬいぐるみを守ろうとするなどの症状が現れる
  • 発情期がくる雌犬であれば、どの犬種でも年齢関係なく起こりえる
  • 発情期がくる度に、犬にストレスや負担がかかる
  • 避妊手術で予防することができる
  • 避妊手術は、ペット保険の補償対象外
以上の点でした。

偽妊娠は生き物の自然現象ですので、有効な治療法は少ないです。

もちろん悪い病気ではないので、必ずしも治療が必要な訳ではありません。

ですが妊娠していないのに、赤ちゃんを守るような行動は切なく感じますよね。

飼い主さんが行動しなければ予防する事はできません。

避妊手術をする事で偽妊娠はなくなり、発情のストレスからも犬を守る事が出来るのです。

予防注射とは違って一度しておけばこの先ずっと予防できます。

しかし避妊手術も犬に負担がかかるので、よく考えた上で決断して頂けたらと思います。

MOFFMEでは、他にもペットに関する記事を公開しておりますのでぜひご覧ください。