本記事では犬の角膜炎について紹介をしています。角膜炎の症状や原因、治療・手術方法、予防方法、かかりやすい犬種・年齢、ペット保険の補償等を紹介しています。角膜炎は慢性化すると治療期間が長くなります。そうなる前に本記事を読んで角膜炎の予防や対処に努めましょう。
この記事の目次
目次を閉じる犬の角膜炎とは?
眼の病気と言うと、結膜炎や角膜炎というのはよく聞く病気ではないでしょうか?自分がこれらの病気にかかったという方もいるでしょうが、犬はどうなのでしょうか?
そもそも犬って角膜炎になるの?と思う方も多いことでしょう。実は犬も角膜炎になり、角膜炎は犬にとっては割と身近な目の病気です。
しかし、犬が角膜炎になったときどのように対処すればいいのかを知っている方は少ないのではないでしょうか。
そこで、今回「MOFFME」では
- 犬の角膜炎について 原因や症状、予防法
- 角膜炎と犬種や年齢の関係
- 角膜炎はペット保険の補償対象なのか?
についてご紹介します。この記事をお読みいただければ、犬の角膜炎について詳しくお分かりになるかと思います。どうぞ最後までお読みください。
またMOFFMEではペット保険のランキングについても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧下さい。
黒目の一番外側にある無色透明な膜(角膜)に炎症が起きる病気です
そもそも角膜炎の角膜がどの部分なのか分からない方もいるでしょう。角膜は無色透明で黒目を覆っている一番外側にある膜です。
角膜炎というのは、この角膜に炎症が起こってしまう病気であり、角膜炎は大きく分けて2種類あります。
1つ目は、非潰瘍性角膜炎です。これは、角膜上皮が欠損している状態で、角膜上皮だけのタイプとそれより深い部分まで欠損しているタイプなどさまざまです。
2つ目は、潰瘍性角膜炎です。これは、角膜上皮よりも深い部分まで炎症が及んいるものです。
角膜炎はどちらの場合でも治る過程でパンヌスと呼ばれる細い血管が、眼球内に発生します。角膜には血管が無いため、治すために自然治癒力で血管を伸ばすようです。
その後、血管が無くなるときに眼球が白濁したようになってしまうことが多いので、白濁を防ぐためにも病院で治療を受けた方が良いでしょう。
壱岐動物病院のサイトに犬の角膜炎について詳しい説明が記載されているので、ぜひ一度ご覧ください。
犬の角膜炎の症状
犬の角膜炎の症状としては、
- 目に違和感がある
- 痛みがある
- 前肢で目をこする
- 床などに目をこすり付ける
- 涙が増える
- 白目が充血する
- 黒目が白く見える
などがあります。
また、潰瘍性角膜炎の方が非潰瘍性角膜炎より、傷や炎症が深くまで達しているため、強い痛みを感じることが多いです。
犬の角膜炎の原因は?白内障も原因の一つ?
犬の角膜炎の原因は、
- 物理的な刺激
- 細菌などの感染
- ドライアイ
などがあります。
物理的な刺激の具体的な例としては、目をぶつける、ゴミが入るなどの他、逆さまつげや顔のしわの接触なども原因となります。
また、白内障の他、アレルギー性疾患や緑内障なども角膜炎の原因になると言われています。
犬種特有の角膜炎もあるようで、ジャーマンシェパードドッグやグレーハウンドは、角膜に肉芽腫ができる「慢性表在性角膜炎」になることがあります。
ミニチュアダックスフンドやシェットランドシープドッグでは、角膜に点状の傷ができる「点状表層性角膜炎」になることがあるそうです。これらは免疫が介在していると言われている角膜炎になります。
犬の角膜炎の治療・手術方法は?点眼薬が用いられることが多い!
犬の角膜炎の治療は、それぞれの症状によって異なってきます。
軽症の場合は、抗菌用の点眼薬や消炎用の点眼薬を症状に合わせて投与して治療します。
また、涙の量を調べて涙の量が少ない場合は、涙の分泌を促進させるための点眼薬を使うこともあります。
専門病院や大学病院などでは、少し重症になると角膜の再生を促す点眼薬を投与したり、犬用コンタクトレンズを使用して目を保護する場合もあります。
さらに重症になると手術が必要となり、角膜についてしまっている浮遊上皮を取り去る手術や、角膜移植が行われることもあります。
角膜炎がどのくらいで治るか、治療期間が気になる方も多い思います。症状の軽い角膜炎の場合、3日程で治ると言われているようです。思ったより短い治療期間ですね。
しかし、発見が遅れてしまったり、少し症状の重い角膜炎の場合、何度か通院が必要で、治療期間は2週間ほどになるケースもあります。
さらに症状が重く手術が必要な場合など、治療期間は1カ月にも及ぶこともあるようです。たかが角膜炎と甘く見ずに、しっかりと早めに治療を受けるようにしましょう。
角膜炎かはどう検査するの?診断方法を紹介
- 視診
- 細隙灯検査(スリットランプ検査)
- フルオレセイン染色
- シルマーティア試験
などがあります。
視診は目視で直接犬の目が濁っていないか充血していないかなど観察することで、目がどの程度悪くなっているのか、なっていないのかがおおよそ分かります。
加えて詳しい検査として、目に光を当てて角膜の状態を調べるのが細隙灯検査で、人の場合も眼科で良く行われています。
さらに、フルオレイン染色は角膜に傷があるとそこに浸透するために、角膜異常を見つけることができるという検査です。
シルマーティア試験は目じりに試験紙を一定時間あてて涙の量をはかり、角膜を保護するだけの涙がでているかどうか調べる検査です。
角膜炎の症状によって、これらの方法を取捨選択して検査が行われます。
犬の角膜炎の予防方法
犬の角膜炎の予防法としては、
- 目の周りの毛をカットする
- シャンプーが眼に入らないようにする
- 散歩中枝などが目に入らないように注意する
などがあり、要するに目に刺激となるものが入らないように注意することが、予防につながります。
早期に発見できるように、日ごろから愛犬のチェックを行い、何か異常を感じたら早めに動物病院を受診するようにしましょう。
角膜炎にかかりやすい犬種や年齢は?
犬の角膜炎はどんな犬でもかかることのある病気になります。
しかし、角膜炎にかかりやすいことが先に分かれば、予防することができるかもしれないと思う方もいるのではないでしょうか?
角膜炎に犬種や年齢は関係あるのでしょうか?詳しくご紹介します。
角膜炎にかかりやすい犬種
角膜炎にかかりやすい犬種として代表的なものが、短頭種と呼ばれる種類の犬になります。
具体的には、
- パグ
- フレンチブルドッグ
- ペキニーズ
- シーズー
などになります。
短頭種の犬は目が大きいため、そもそも涙の量が足りていないことが多いようで、目が乾きやすく、角膜炎になりやすいと言われています。
さらに鼻が短いため、散歩中などに木の枝などで負傷することが多いのも、角膜炎にかかりやすい原因の一つとされています。
また、先ほどもご紹介したように、免疫介在性の角膜炎を起こしやすい犬種として
- ミニチュアダックスフンド
- シェットランドシープドッグ
- ジャーマンシェパード
- イタリアングレーハウンド
などがいます。
これらの犬種の犬を飼っている場合、日ごろのチェックをしっかりと行ってあげるようにしましょう。
角膜炎にかかりやすい年齢
角膜炎にかかりやすい犬種はたくさんありましたが、角膜炎と年齢はあまり関係が無いようです。
角膜炎の好発年齢は4~7歳と言われているようですが、どの年齢の犬でもかかるため常に注意を払う必要があります。
そのため、予防法の項でご紹介したように、日頃から愛犬のチェックを行うのが良いでしょう。
犬の角膜炎はペット保険で補償される?
犬の角膜炎はペット保険で補償されるのでしょうか。
犬の角膜炎の治療費は、
- 手術あり 13万円
- 通院 14,000円
- 通院1回のみ 5,000円
程になることが多いようです。手術が必要な場合、手術費用だけでも7万円から8万円程かかるようです。
その後何度か通院し、手術をした場合の治療費の合計は13万円程になることもあります。
内容 | 金額 |
---|---|
入院・手術 | 80,000円 |
通院(10日) | 50,000円 |
計 | 130,000円 |
症状が軽く、手術の必要が無い場合でも、治療のための目薬は1,000~2,000円程のことが多く、診察と角膜炎の検査、目薬を貰うだけでも5,000円前後になることが多いようです。
内容 | 金額 |
---|---|
診察料 | 1,000円 |
検査料 | 1,000円 |
目薬(2種類) | 3,000円 |
計 | 5,000円 |
さらに何度か通院するような場合は、治療費の合計が14,000円程になることが多いようです。
ちょっと目薬を貰うくらいだから、それほど治療費はかからないだろうと甘く見ていると、治療費の合計金額に驚いてしまう方も多いでしょう。
そこで気になるのがペット保険ではないでしょうか?
犬の角膜炎は、ほとんどのペット保険で補償対象となっているので、加入しておけば治療費の負担を減らすことができます。
保険の種類はいろいろありますが、飼い主さんの負担が3割の保険に入っていた場合、13万円の治療費が39,000円程の負担で済むようになります。
特に角膜炎にかかりやすいとされている犬種を飼育している場合、ペット保険への加入を考えてみてもいいかもしれません。
まとめ:犬の角膜炎について
犬の角膜炎について解説してきましたが、いかがでしたか。
今回の記事のポイントは
- 角膜炎は目の一番外側にある透明な膜が炎症を起こす病気である
- 症状として目をこする、涙が増える、充血や白く濁るなどがみられる
- 角膜炎の原因は角膜への物理的刺激や細菌による感染などが考えられる
- 予防法としては目に異物が触れないようにする
- 角膜炎は軽症であれば点眼薬で、重症となると手術が必要になることもある
- 犬の角膜炎はペット保険で補償される
でした。
角膜炎は軽症であれば点眼薬を投与して数日で治ると言われているために、軽い病気だと思ってしまいがちです。
しかし、その段階で気づかず放置してしまうと、痛みが強くなったり、さらに重症になると失明するリスクもある病気です。
そうならないようにするために、可愛がると同時に日ごろの注意深い観察が必要であり、あらかじめペット保険にも加入しておくと安心ですね。
MOFFMEには、このほかにも読んでおきたいペット保険に関する記事が多数掲載していますので是非ご覧ください。