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犬の僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓病の一種です。咳が多くなり、進行すると肺水腫を引き起こす恐ろしい病ですが、僧帽弁閉鎖不全症に対する手術はまだまだ一般的ではなく、手術が行える病院や獣医師もかなり限られています。そちらをふまえて少し表現を変えていただけますでしょうか。今回はそんな犬の僧帽弁閉鎖不全症の原因や症状、治療法について解説します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬の僧帽弁閉鎖不全症とは?心臓病の一種?


記事モデル:ぽんた(@ponta0527)


犬の僧帽弁閉鎖不全症という病気について知っていますか?


僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓病の一種とされています。

心臓病と聞くと、もう治らないのではないかと胸が締め付けられますよね。


僧帽弁閉鎖不全症と呼ばれる心臓病は確かに愛犬の命にかかわる病気なのですが、心臓病自体は不治の病ではありません。


今回「MOFFME」では、

  • 僧帽弁閉鎖不全症とはどんな病気なのか
  • 僧帽弁閉鎖不全症になってしまう原因
  • 僧帽弁閉鎖不全症の治療法や手術について
  • 僧帽弁閉鎖不全症になりやすい犬種や年齢
  • ペット保険について
詳しく解説してきます。

犬の僧帽弁閉鎖不全症という心臓病は、難しい治療が必要です。
しかし、もう治らないというわけではないので、この記事を読んで前向きに治療に取り組んでいってほしいと思います。

またMOFFMEではペット保険の比較ランキングについても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧下さい。

心臓の弁がもろくなり血液の逆流が起きてしまう病気


犬の僧帽弁閉鎖不全症とは、簡単に解説すると僧帽弁がもろくなったり厚くなったりすることで血液が逆流する病気のことを言います。


血液が逆流するとなぜ問題なのかというと、きれいな血液を全身に送り出せなくなってしまいます。

通常、ドクンと心臓が1回動くことで血液を流していたのが、逆流して全身に血液を送りにくくなったために心臓の動く回数を増やしてしまいます。


そうすることで、心臓は疲労困憊になってしまい、色々な病気を引き起こしてしまうのです。


では、僧帽弁閉鎖不全症になったときの症状や原因、治療方法を見ていきましょう。

犬の僧帽弁閉鎖不全症の症状!咳に始まり肺水腫も

犬の僧帽弁閉鎖不全症では初期症状はほとんどありませんが、進行すると夜から朝方にかけて乾いたような咳をします。

他にも、

  • 疲れやすくなった
  • 元気がない
  • 寝る時間が増える
などの症状が現れる場合もあります。

心臓が血液をうまく送り出せなくなることで、肺にたまっていきます。
それが限界を超えてしまうと、毛細血管から血液中の水分があふれてしまい肺の中に溜まってしまうのです。

これが「肺水腫」と呼ばれる状態で、呼吸困難を引き起こす可能性があり、命にかかわる場合もあります。

犬の僧帽弁閉鎖不全症の原因!老化が原因?

犬の僧帽弁閉鎖不全症の原因として最も多いのが、老化です。


僧帽弁閉鎖不全症は弁が閉まらなくなることで起こる血液の逆流のことです。

この僧帽弁閉鎖不全症の原因には、老化にともなう僧帽弁の粘液腫様変性が多いといわれています。


僧帽弁がうまく閉まらないことで心臓に負荷がかかり症状が悪くなっていきます。

犬の僧帽弁閉鎖不全症の治療法・手術法!薬は効くの?

犬の僧帽弁閉鎖不全症の治療法や手術法について解説します。


まず治療には、手術や食事療法、薬物療法があり、重度の場合は酸素吸入を行うこともあります。


食事療法は、バランスの良い食事を続けていきまます。

心臓病における食事療法食のポイントは具体的に、

  • ナトリウム(塩分)の制限
  • タウリンなどの栄養成分の配合
  • リンの量制限
  • 活性酸素への配慮

等です。


薬物療法は、様々な薬を投与して状態を見ていきます。

主に利用される薬としては、

  • 血管拡張薬
  • 利尿薬
  • β遮断薬
  • 強心薬
等です。

薬については、治す目的ではなく病気の進行を遅らせる、症状を緩和させるためのものだと考えておきましょう。

手術は、僧帽弁修復術(僧帽弁腱索再建術+弁輪縫縮術)という方法が一般的です。
基本的に年齢に制限はなく、体重2キロ以上が理想です。全身状態や重症度などから総合的に判断されます。

犬の僧帽弁閉鎖不全症になりやすい犬種・年齢は?


犬の僧帽弁閉鎖不全症は、なりやすい犬種や年齢があるといわれています。

実際、病気になってしまった犬たちの統計を取ると、小型犬が多いことがわかりました。


詳しく解説していきます。

犬の僧帽弁閉鎖不全症になりやすい犬種は?

犬の僧帽弁閉鎖不全症になりやすい犬種は以下の通りです。

  • キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
  • チワワ
  • マルチーズ
  • シー・ズー
  • ポメラニアン
  • トイ・プードル
  • ペキニーズ
  • パピヨン
  • ミニチュア・シュナウザー
  • ヨークシャテリア
などが多いといわれています。

見てみるとわかるように、小型犬がほとんどです。

なぜ小型犬が多いのか、はっきりとした原因はわかっていませんが、加齢と遺伝子が関係している可能性が高いとされています。

犬の僧帽弁閉鎖不全症になりやすい年齢は?

犬の僧帽弁閉鎖不全症になりやすい年齢は、5~8歳といわれています。


シニア期に入ると急に罹患率が上がるというデータがあり、加齢とともに罹患率は上がっていきます。10歳以上の小型犬は30%以上、12歳では20%以上が僧帽弁閉鎖不全症にかかっているそうです。


さらに僧帽弁閉鎖不全症にはステージもあり、ステージAからDまである中でステージA、Bまでは症状がありません。


なので、症状が出ていないというだけですでに僧帽弁閉鎖不全症になっている犬もいる可能性も考えられます。

犬の僧帽弁閉鎖不全症はペット保険で補償される?

犬の僧帽弁閉鎖不全症はペット保険で補償されるのでしょうか。


まず治療費について、簡単に解説します。

  • 内服薬(月1~2万程度)
  • レントゲンなどの定期検診(2~4万程度)
  • 手術費用(100~150万程度)

ペット保険には様々な種類があり、それぞれ特約も違ってきます。
  • 通院、入院、手術全て補償してくれる
  • 手術費用のみ補償
  • 利用回数制限付き
など、条件も違っています。

補償内容が少なくなれば、毎月の料金は安くなりますがいざというとき困る可能性もあります。
また、ペット保険も人間と同様、年齢を重ねると保険料が高くなりますし、12歳になると加入できる商品が少なくなります。

僧帽弁閉鎖不全症になってしまった際も、加入していた保険内容によって補償割合も変わります。
特に手術となると、人間と変わらないほど料金がかかってきます。

若いうちから、お守り代わりに加入しておくと安心かと思います。

まとめ:犬の僧帽弁閉鎖不全症について

犬の僧帽弁閉鎖不全症という病気について解説しましたが、いかがだったでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 犬の僧帽弁閉鎖不全症は心臓の弁に異常が生じて、血液が逆流することによって起こる病気
  • 犬の僧帽弁閉鎖不全症の原因は、老化によって起こる場合が多い
  • 犬の僧帽弁閉鎖不全症は、小型犬が多くかかりやすい
  • 治療費が高額なので、ペットを飼うときに保険に加入してくと安心
犬の僧帽弁閉鎖不全症は正しい治療を行うことで、元気に過ごしている犬もたくさんいます。
まずは医師の指示にしたがって、前向きに治療を行いましょう。

犬の僧帽弁閉鎖不全症は、小型犬に多くなりやすいとされていますが、大型犬であってもかかってしまうリスクはあります。

動物の場合も治療費は人間と同じようにかかりますが、公的な保険がないため100%実費となります。
安心して治療を受けるためにも、条件の合うペット保険に加入しておくと安心できるでしょう。

MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

現在闘病中のぽんたくん、心より応援申し上げます。