犬の病気の一つとして膵炎というものを聞いたことのある方もいらっしゃると思います。りんご、ささみ、おやつ・ドッグフードが原因の1つとなるか、新薬とは何か、ペット保険で補償されるか知っておく必要があります。この記事では犬の膵炎のあれこれについて詳しく解説します。
犬の膵炎とは?
皆さんは膵炎という病気をご存じですか?
膵炎は膵臓が炎症を起こしてしまう病気です。
しかし、膵臓が何をする臓器なのか、膵炎になるとどのような症状が出るのかを知っている方は少ないのではないでしょうか?
今回「MOFFME」では、
- 膵炎の原因や症状・治療法について
- 膵炎にならないための予防法は?
- 膵炎になりやすい犬種や年齢はある?
- 膵炎の治療費はどれくらいかかるの?
についてご紹介します。
この記事をご覧いただければ、犬の膵炎について詳しくお分かりになるかと思います。
またMOFFMEではペット保険のランキングについても解説しておりますので、ぜひそちらもご覧ください。
膵液が活性化し膵臓を傷つけてしまう病気
皆さんは膵臓がどのような臓器なのかご存じですか?
膵臓では様々な酵素が作られ、これらの酵素は膵液と呼ばれ、十二指腸へと送られます。
膵臓では膵液以外にもインスリンなど血糖値をコントロールするホルモンを作る重要な臓器です。
膵液は膵臓から送られる時点では消化を行うことはなく、十二指腸へ送られた後、腸液と混ざることで活性化し、消化液の役目を果たします。
膵臓にある時点では本来ならば膵液は活性化していない状態なので、膵臓自体を傷付けることはありません。
しかし、何らかの原因で膵臓にある膵液が活性化してしまうと、膵臓自体が消化酵素によって消化され、傷ついてしまいます。
この膵液で膵臓自体を傷つけてしまう病気が膵炎になります。
一度膵炎になってしまうと完全に治るということはなく、生涯食事療法などの治療を続けなくてはならない、とても恐ろしい病気です。
膵炎の症状
犬の膵炎には「急性膵炎」と「慢性膵炎」の二種類が存在します、犬の場合ほとんどの症例が急性膵炎になります。
急性膵炎の症状としては、
- 嘔吐
- 下痢
- 激しい腹痛
などがあります。
激しい腹痛のため、抱っこされるのを嫌がったり、ふせの状態でお尻を上げるようなポーズをとったりすることもあるようです。
さらに、症状が重い場合、ショック症状になってしまい、血圧の低下や意識障害を起こすこともあり、最悪命を落とすこともあると言われています。
慢性膵炎は、急性膵炎が繰り返されたり、膵臓が長期にわたり糖尿病の影響を受け続けると慢性膵炎に落ち入る事が知られています。また、犬の場合殆どが肝臓や腸の炎症性疾患に併発すると言われています。
犬では慢性膵炎はほとんど見られませんが、猫では慢性膵炎が問題視されており、症例も多いです。
ドッグフードやささみなどの食事、おやつも関係する?膵炎の原因
膵炎の原因はまだはっきりとは分かっていないようですが、膵炎の発症に関係があると言われているものには
- クッシング症候群
- 甲状腺機能低下症などの病気
などがあると言われています。
クッシング症候群について詳しく知りたい方はこちらの記事からどうぞ。
新薬って何?膵炎の治療法を紹介
膵炎の治療法としては、絶食絶水を行うことが基本になるようです。
症状の重さによって絶食絶水の期間は違ってきますが、おおよそ3日が目処になるようです。
入院をして静脈内点滴、痛み止めや吐き気止めの薬を使用しながら絶食絶水をし、吐き気が治まってきてからは口から水を与え始めます。
その後、低脂肪食を少しづつ与えていくのが基本的な治療方法になります。食事療法としては、低脂肪のものを与えることが基準で、誤って高脂肪の食べ物を与えないように注意が必要です。
自分で治療食を手作りする飼い主さんも多いようです。
膵炎の犬に与えていい食べ物としては、
- 低脂肪のフード
- 大根
- 無脂肪ヨーグル
- ジャガイモ
- キャベツ
- ささみ
- 白身魚
- リンゴ
- パスタやご飯
などになるようです。
これらの食べ物をうまく組み合わせて、治療食を手作りしてあげたり、低脂肪フードにトッピングしてあげるのもいいかもしれません。
膵炎の犬におやつを与えるときは、ささみを茹でたものや、リンゴを与えるといいようです。
ただし、リンゴの種には毒があるので、与えるときは種を取って小さく切ってから与えるようにして下さい。
犬の膵炎の治療には効果的な薬が無いと言われていましたが、最近膵炎に効果が期待できる新薬が開発されました。
「ブレンダZ」という薬で、膵炎の悪化を防ぐ効果が期待できるとのことです。
今まで膵炎の薬が無かっただけに、この新薬には期待が高まります。
膵炎の予防法
膵炎の予防法としては、
- 脂肪分の高い食べ物をあまり与えないようにする
- 肥満にならないようにする
- ごみ漁りなどで不意の高脂肪食を防ぐ
などが挙げられます。
ドッグフードは基本的にはそれほど脂肪分が高い食べ物ではないかもしれません。
しかし、人が唐揚げを食べていると愛らしい顔で寄ってくる犬も多いのではないでしょうか?
一個くらいいいかな、と与えてしまうと、それが原因で膵炎を発症してしまう可能性もあります。普段のフードだけでなく、人の食べ物をよく与えている、という方は特に注意するようにしてください。
肥満も膵炎の発症の一因かもしれないと言われているので、適度な運動を心がけて、肥満を予防しましょう。
やんちゃな犬では、いたずらでごみ漁りをしたり、食卓に乗って食べ物を食べてしまう、という犬もいるかもしれません。
このようないたずらで不意に高脂肪の食べ物を食べてしまう可能性もあるので、ごみ漁りなどいたずら癖のある犬は十分気をつけるようにしてください。
膵炎の予防法をご紹介しましたが、これらの予防法を実践しても、確実に膵炎が防げる、という訳ではありません。
ドッグフードしか食べておらず、運動を適度にして肥満にもなっていない犬でも、発症したケースがあるようなので、うちの犬は大丈夫と過信しすぎないようにしましょう。
膵炎になりやすい犬種・年齢は?
膵炎になりやすい犬の特徴には、肥満であることや、高脂肪の食べ物を食べている、というものがありますが、犬種や年齢でなりやすさに差はあるのか、気になる方も多いのではないでしょうか?
自分の愛犬が膵炎になりやすいと分かれば、予防法を実践して膵炎になってしまう可能性を減らせるかもしれません。
ここでは膵炎になりやすい犬種や年齢をそれぞれご紹介します。
膵炎になりやすい犬種
膵炎になりやすいと言われている犬種には
- プードル
- ミニチュアシュナウザー
- ヨークシャテリア
- ウエストハイランドホワイトテリア
- コッカースパニエル
などがあるようです。
もし愛犬がこれらの犬種だった場合、高脂肪食や肥満に注意するようにして下さい。
膵炎になりやすい年齢
膵炎になりやすい年齢としては、高齢の犬が膵炎になりやすいと言われているようです。
また、年齢とはあまり関係が無いかもしれませんが、クッシング症候群や糖尿病などの内分泌疾患のある犬も膵炎になりやすいと言われています。
これらの病気を持つ犬の場合、嘔吐や腹痛が現れたら、ただの胃腸炎以外にも、膵炎の可能性もあるということを心に留めておきましょう。
犬の膵炎の治療費はどのくらい?ペット保険で補償される?
犬の膵炎の治療は、入院や点滴などが必要になるようですが、一体どれくらいの治療費がかかるのか、気になる方も多いかと思います。
さらに、その治療費がペット保険の補償対象なのかが気になる方もいるのではないでしょうか?
ここでは膵炎の治療費やペット保険で補償されるのかをご紹介します。
膵炎の治療費の例
膵炎の治療費は膵炎の症状の度合いや、病院によって変わってきます。膵炎が軽症で、入院の必要が無いような場合は、2~3万円ほどの治療費で済むようです。
膵炎の症状が重く、入院が必要な場合は、5万円から10万円ほどの治療費となることが多いようです。
さらに膵炎の症状が重く、手術が必要な場合の費用としては、10万円から15万円になることもあるようです。
ほとんどのペット保険で補償される
犬の膵炎の治療費をご紹介しましたが、意外と高額な治療費に驚いている方もいるのではないでしょうか?
いきなり15万円請求されてどうしよう、となることもあるかもしれません。そうならないためにも、ペット保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか?
犬の膵炎はほとんどのペット保険で補償対象になっています。
保険の種類にもよりますが、飼い主さん3割負担のペット保険に入っていれば、15万円の治療費は3割の4万5千円になるという計算になります。
ペット保険では膵炎以外にも、犬が意外とよくかかる皮膚病や外耳炎などの治療費も補償対象となっていることがほとんどなので、犬の病気の治療費が気になる方は、ペット保険への加入をおすすめします。
まとめ:犬の膵炎について
ここまで犬の膵炎について解説してきましたが、いかがでしたか?
今回の記事のポイントは、
- 犬の膵炎の症状は嘔吐や下痢、腹痛
- 犬の膵炎の原因は、高脂肪な食べ物や肥満
- 治療方法は食事療法が主だが、最近新薬が開発された
- 犬種によっては膵炎になりやすいことがある
- 膵炎の治療費は高額だが、ペット保険での補償が可能
です。
犬の膵炎は一度なってしまうとそのあとずっと食事の制限が必要になる、犬にとってはつらい病気ですが、飼い主さんにとってもつらい病気です。
完全に予防できるという訳ではありませんが、犬に高脂肪の食べ物、特に人の食べ物を与えないように注意してください。
また、肥満にならないように適度な運動もさせるように心がけましょう。
MOFFMEでは他にも読んでおきたい保険に関しての記事がありますので、犬の保険や病気について気になる方はぜひご覧ください。