犬の白内障は、目の中の水晶体が白く濁って視力が損なわれる病気で、手術しないと失明する恐れもあります。この記事では犬の白内障の原因や症状、治療・手術費用、予防法、おすすめのサプリメントや目薬などを紹介します。また、ペット保険で白内障は補償されるのか解説します。
この記事の目次
目次を閉じる犬の白内障とは?
みなさんは「白内障」という病気をご存知でしょうか?
目の中の水晶体が白く濁って光を透過しにくくなり、視力が低下し最悪の場合失明してしまう恐れのある白内障は、人間だけでなく犬にも発症する可能性がある病気です。
家族の一員でもあるペットには、いつまでも元気で過ごしてほしいですよね。
そこで今回「MOFFME」では、犬の白内障について
- 犬の白内障の症状や原因、治療法、手術費用、予防方法など
- 白内障にかかりやすい犬種や年齢
- 犬の白内障はペット保険の補償対象になるかどうか
以上のことを中心にご説明していきます。
この記事を読んでいただければ、犬の白内障についてしっかりと理解でき、予防や早期発見によって、いつまでも愛犬が元気に過ごせるようになるはずです。
ぜひ、最後までご覧ください。
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犬の目の水晶体が白く濁る病気
記事モデル:なる(@t_129_)
※記事モデルのわんちゃんが白内障というわけではございません。
白内障は、目の水晶体が白く濁ることによって光を透過しづらくなり、視力が落ちたり失明してしまう病気です。
発見が遅れてしまうと、手術をしても視力が回復しない場合もあります。日頃から愛犬の様子をよく観察して、できるだけ早い段階で発見してあげることで、視力が回復したり進行を遅らせたりすることができます。
また、白内障は高齢の犬に発症するイメージですが、遺伝性の白内障は若い犬でも発症することがあります。
年齢に関わらず、どの犬にも発症する可能性がある病気なので、愛犬の年齢がまだ若いからといって油断は禁物です。白内障の症状や原因をしっかりと理解し、白内障の予防・早期発見に努めましょう。
白内障についての詳しい説明がハート動物病院どうぶつ眼科センターのサイトに記載されているので、一度チェックしてみてください。
犬の白内障の症状
白内障の症状には、主に「目に直接現れるもの」と「視覚障害を示す行動」の2つがあります。
目に直接現れるもの
- 目が白く濁っている
- 瞳孔が常に開いている
- 目が充血している
- 物にぶつかる
- 階段や段差につまずく
- 壁伝いに歩く
- 散歩をしたがらない
犬の白内障の原因
白内障のメカニズムは、はっきりとは分かっていません。原因には下記のものがあり、遺伝的な要素と加齢によって発症することが多いといわれています。
- 先天性(遺伝性)
- 後天性(外傷性、代謝性、加齢性、続発性)
先天的な場合(遺伝性)
先天性の白内障の場合は、水晶体内の代謝機能が先天的にうまく働かずに水晶体が濁ってしまいます。
白内障は加齢に伴って進行するものが多いですが、若い年齢(6歳以下)で発症した場合は、遺伝性によるものが多いようです。
また、遺伝性白内障にはなりやすい犬種が存在します。下記に列記していますので、ぜひ参考にしてください。
外傷性の場合
事故やケガなどの外傷によって、水晶体やその周辺が損傷して白内障を発症します。多頭飼いの場合には、犬同士のじゃれ合いや喧嘩で目を傷つけてしまう場合もあるので、傷や異常を見つけたら放っておかずにしっかりと治療しましょう。
代謝性の場合
糖尿病などの代謝性の病気が原因となって発症します。糖尿病の場合、水晶体の中に入ってしまった脂質が結晶化して白濁化が進むといわれています。
加齢性の場合
犬の加齢に伴って進行する加齢性の白内障は、主に7~8歳ころから症状が見られるようになります。
続発性の場合
水晶体脱臼や網膜の異常(網膜異形成 進行性網膜萎縮など)などによって発症します。
犬の白内障の治療・手術方法、手術費用
治療・手術方法
白内障の治療は、内科的治療と外科的治療の2つに分けられます。内科的治療は、進行を遅らせたり混濁を減らしたりするために行います。
主に内服薬や目薬が処方されますが、これらの治療で白内障を完治させることはできません。根本的な治療のためには、外科的治療(手術)が必要です。
濁った水晶体を取り除き、人口レンズを挿入する手術を行いますが、白内障の進行具合やその他の眼疾患によっては、手術を行えない場合があります。
手術費用
白内障の手術をするとなった場合、その費用は片目でおよそ20~30万円ほどです。
- 診察:500円
- 入院(5日程度):22,900円
- 検査・全身麻酔・手術:280,000円
- 処方薬:5,000円
こちらはあくまでも目安であり、犬の状態のほか検査項目や手術の難易度などによって変動します。
犬の水晶体は人間と比べて厚みがあり、手術の難易度が高いため、白内障の手術費用は比較的高額です。
手術後の自宅で行う治療方法とは
白内障の手術の後は、自宅でステロイドなどの目薬を点眼したり薬を服用するという治療を継続することになります。同時に、飼い主が愛犬の眼の様子をチェックすることも怠らないようにしましょう。
また、プロの目で経過を確認することも必要です。そのため、定期的に病院に通い、検査や診察を受けるようにしてください。
必要な通院の頻度は、個々の状態や合併症があるかなどにより異なります。かかりつけの獣医師の指示に従い、根気強く治療と検査を続けましょう。
犬の白内障の予防方法
白内障は、作用機序がいまだに解明されておらず、その予防法は確立されていませんが、目薬やサプリメント、日々のケアで予防できるといわれています。
抗酸化作用や免疫力を高める作用を持つ食べ物・サプリメントを与えることで、白内障を予防できるのではないかと考えられています。
市販のドックフードで、ビタミンやミネラルなどの豊富な栄養素を摂るのはなかなか難しいものです。そんなときは、必要な栄養素をサプリメントで補うことができます。
また、外傷によって白内障を発症する場合もあるので、お散歩など外出から帰ってきたときに、目薬や人工涙液を点眼し、目の中に汚れが残らないようにしましょう。
一方、紫外線が白内障の原因になる場合もありますので、お散歩の時間帯を紫外線が多い日中を避けたり、犬用のサングラスを着用させてあげたりすることで、紫外線から目を守ることができます。
何といっても一番の予防方法は「早期発見」です。初期症状を少しでも早期発見することができれば、「手術しない」という選択肢もありますので、日頃から愛犬の様子をしっかりと観察してあげましょう。
愛犬が白内障になった際気をつけることは?
愛犬が白内障になったとき、愛犬の安全のため、飼い主は以下のようなことに留意しなければなりません。
- 部屋に置いてあるものの配置を変えない
- 家具などの角にはクッション材を取り付ける
- 愛犬に触れるときには声をかける
- 散歩中は電柱などの障害物に注意する
白内障になるとどうしても視界が悪くなります。
家具の配置を変えることにより、歩きなれた場所に障害物があることに気づかず衝突してしまい、怪我をすることがあり得ます。
また、角になっている部分にはクッション材を設置することで怪我を未然に防げます。
散歩中も、障害物の存在に常に気を配ることが大切です。
視界が悪くなっているので、見えないところから不意に体に触れられると、犬はびっくりしてしまいます。そこで、愛犬に触るときには声をかけてあげることも、愛犬のストレス軽減につながります。
参考:犬の白内障のサプリメント、目薬に関して
犬の年齢や白内障の種類・状態によっては、手術しない・できない場合があります。
その際には、目薬やサプリメントを服用して、少しでも症状の進行を遅らせる方法もあります。
白内障にかかりやすい犬種や年齢は?
白内障にかかりやすい犬種
白内障にかかりやすい犬種として、以下の犬種が報告されています。
- シベリアン・ハスキー
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- コッカー・スパニエル
- プードル
- ビーグル
- ゴールデン・レトリーバー
- ボストン・テリア
- 柴犬
- シー・ズー
- グレート・デーン
- オーストラリアン・シェパード
白内障にかかりやすい年齢
白内障は、6~7歳以上から発症する加齢性のものがほとんどです。
しかし先天的な白内障(遺伝性)の場合は、6歳以下の若い年齢でも発症する場合があるので、年齢が若いからといって油断は禁物です。
白内障は、高齢の犬に発症するイメージですが、年齢に関係なく発症する可能性がある病気です。
「まだ、若いから」と油断せずに、日ごろから愛犬の様子をしっかりと観察してあげることで、白内障の早期発見につなげることができます。
まとめ:犬の白内障について
犬の白内障について、お分かりいただけたでしょうか。
要点をまとめます。
- 白内障は、目の中の水晶体が白く濁って光を透過しにくくなり、視力が低下し最悪の場合失明してしまう病気である
- 6~7歳以上から発症する加齢性のものが多いものの、年齢に関わらず、どの犬にも発症する可能性があるので油断は禁物
- 早期発見により症状を軽く、かつ医療費も安く抑えられることが多いので、愛犬の眼の異常に気づいたら、早めに動物病院を受診した方がよい
- 治療方法には内科的治療と外科的治療があるが、完治させるには外科的治療(手術)が必要
- 白内障の手術費用は高額なので、ペット保険への加入がおすすめ
- 白内障になった際には自宅の家具や散歩時の障害物に配慮したり、愛犬に触れるときに声をかけるということに注意するとよい
- 状況によっては、手術ができなかったり手術をしないという判断が下されることがあるが、その場合は目薬やサプリメントで進行のペースを落とすという手段が採られる
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