内容をまとめると
- 日本のペット保険加入率は16.4%と低い
- 今後25〜30%ほどに加入率が推移しても不思議ではない
- ペット保険加入を検討、迷っている方はペット保険のお見積もりが可能!
日本のペット保険加入率は、スウェーデンなどヨーロッパの国に比べると低いです。本記事では、日本と海外のペット保険加入率の比較、今後の推移についての考察、ペット保険の必要性などについて解説していきます。加入率が低いからといって、加入しなくて良いというのは早計です。
この記事の目次
目次を閉じる海外と比較!日本の犬・猫のペット保険加入率は低い?
- 日本の加入率の現状や低い理由
- 今後の加入率の推移について
- 欧州を例に挙げて世界のペット保険を紹介
そもそもペットを飼っている割合は?
そもそも、ペットを飼育している人の割合はどれぐらいかご存知でしょうか。
毎年、一般社団法人ペットフード協会が発表する飼育頭数調査による「2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査」によると、犬:710万6千頭、猫:894万6千頭という結果が出ています。
また、近年ペットは犬や猫の他にうさぎやフェレット、インコをはじめとした鳥類、爬虫類など多岐に渡ります。
マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが2021年に実施した、20~69歳の男女1,100人を対象にした調査によると、現在ペットを飼っている人は26.6%。
そのうち第1回緊急事態宣言後にペットを迎えた人は19.8%というリサーチ結果が出ています。
飼育している動物の種類は犬、猫の他に魚類、鳥類、爬虫類(カメ、トカゲなど)、げっ歯類(ハムスターなど)と続きました。
男女の割合では男性では犬を、女性では猫を飼育する割合が多いという調査結果が出ています。
日本のペット保険の加入率は他国と比較しても低い!
以下は日本・イギリス・スウェーデンの加入率を比較した図です。
日本の加入率は、現在16.4%に留まっています。
この数値は、「アニコム ホールディングズの現状 2022」と一般法人団体日本ペットフード協会が平成29年に実施した「全国犬猫飼育実態調査」、ペット保険会社の保有契約件数を抜粋・参考に算出しています。
スウェーデンを始めとしたヨーロッパ諸国の加入率の高さに比べ、日本では加入者が少ないと言わざるを得ません。
そもそも日本は、ペット保険に関しては後進国です。
1890年にスウェーデンでペット保険が誕生しましたが、日本で販売が開始されたのは1995年です。
日本では、2006年に設立された「ペット&ファミリー損害保険」が、正式に認可された日本初の少額短期保険会社です。
少額短期保険というのは簡単に言うと、保険金が少額で契約が1年以下の保険のことです。
ペット保険に関する歴史については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は参考にしてください。
日本のペット保険加入率が低い理由
日本のペット保険加入率はなぜ低いのでしょうか。考えられる要因は4つあります。
保険制度のスタートした時期が遅い
1つ目の要因として、ペット保険制度のスタートが遅いのが考えられます。
先ほど述べたように、日本で販売が始まったのは今からやく25年ほど前とずいぶん最近なのです。
ペットを飼っている方でもペット保険の存在を知らない方も多く、完全に周知されていないことが理由の1つです。
ペット保険の悪いイメージ
ペットの重要度が低い
4つめの要因として、日本と世界ではペットの見方が違うことです。
ヨーロッパのスウェーデンでは、犬のペット保険の加入率は約80%と非常に高いです。
スウェーデンの特色として福祉国家であり、人間の保険に加入するようにペットも家族の一員なので入るのが当たり前の考え方です。
スウェーデンだけでなくイギリスなどの欧州では、
- ペットは家族の一員である
- 病気になる前に備える
- 常に適切な治療と獣医を
- 月々の保険料の負担が大きい
- ペットがまだ若く健康だから
- ケガや病気、年齢制限で審査が通らない
- ほとんど動物病院を利用しない
シェア率No.1はアニコム損保
数あるペット保険のなかで、(株)富士経済発行「2021年ペット関連市場マーケティング総覧」調査の結果、シェア率が最も高いペット保険は10年連続でアニコム損保がNO.1という調査結果が出ています。
アニコム損保のペット保険「どうぶつ健保」は保有契約件数が100万件を突破し、アニコム損保は日本で最大級のペット保険会社となります。
補足:ペットの治療費の具体例
ペットの治療費が高額で驚いた経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ペット保険に加入することで、高額な治療費を抑えることができます。
それでは、実際にかかった治療費の具体例を、ペット保険に加入をしていた場合と比較してみましょう。
70%補償のペット保険に加入していると仮定します。
【(小型犬)歯周病のため、全身麻酔下での歯石除去・抜歯】
治療項目 | 治療費 |
---|---|
診察 | 800円 |
半日入院 | 1,500円 |
検査 | 16,000円 |
全身麻酔 | 15,000円 |
歯科処置 | 35,000円 |
抜歯 | 24,000円 |
点滴 | 3,000円 |
薬 | 2,000円 |
合計 | 97,300円 |
合計97,300円⇒ペット保険加入の場合:自費負担合計29,190円
【(猫)皮膚炎のため投薬治療】
治療項目 | 治療費 |
---|---|
診察 | 1,500円 |
検査 | 3,000円 |
薬 | 2,500円 |
合計 | 7,000円 |
合計7,000円⇒ペット保険加入の場合:自費負担合計2,100円
補足:ペット保険大国「スウェーデンの現状」
スウェーデンでは、加入率の高さから、加入していることが前提で話を進められることが多いです。
例えば動物病院にかかるとき、受付では保険番号を聞かれます。また、保険金請求の手続きも全て動物病院がやってくれるのです。
日本の窓口精算と同じようなシステムが、どこの動物病院でも利用できるのです。飼い主が支払うお金は、治療費から補償額を引いた金額だけで良いのです。
日本でも窓口精算を行っているペット保険がありますが、3社のみです。しかも3社と提携している動物病院でしか利用できません。
また、里親になるために加入を義務付けることもあり、むしろ加入していないことが非常識といった雰囲気もあるようです。
元々ブリーダー経由でペットを飼い始めることが多く、加入していた保険をそのまま継続することが多いです。
日本ではペットショップから購入する人が多く、飼い始めにペット保険へ加入することが習慣化されていないことも、加入率が低い原因と推測できます。
今後のペット保険の市場や加入率の推移
記事モデル:@minuet_coco_lala
ペット保険の市場規模や加入率は、今後はどのように数値が推移するのでしょうか。
毎年、ペット関連市場規模は安定して拡大しています。
以前までは、そこまでペットの食事にこだわらずにドッグフードなどを与えていましたが、ペットの家族化の影響で、様々な食事や玩具の種類が増え、ペットにお金や手間をかけるようになりました。
それと同様に保険料収入は拡大傾向にあり、2009〜2014年のペット保険会社12社の正味収入保険料の合計と前年に比べての伸び率を下の表にまとめました。
正味収入保険料(億円) | 伸び率(%) | |
---|---|---|
2009 | 117.6 | - |
2010 | 153.4 | 30.4 |
2011 | 197 | 28.4 |
2012 | 244.8 | 24.2 |
2013 | 287.4 | 17.2 |
2014 | 352.6 | 22.7 |
表をもとに2009〜2014年の平均の伸び率を計算すると24.4%であり、2桁成長と需要が高まっているのが分かります。
現在でも毎年20%程度市場規模は成長しており、今後もますます伸びていくことが期待されます。
日本のペット保険加入率の推移は今後どうなっていく?
歴史が浅いゆえに、現在はペット保険の発祥地のスウェーデンに比べて、加入率が非常に低いことは間違いありません。
しかし今後、日本の加入率は増加していくと考えます。
まずはペットの高齢化が進んでいることです。2020年の犬の平均寿命は14.5年、猫は15.5年と、10年前と比較すると犬は0.5年、猫は1年も長くなっているのです。
フードの品質向上や、正しい飼育方法に関する情報が簡単に手に入るようになったこと、快適な環境である室内で飼われるペットが増えたことなどが要因だと考えられます。今後も伸びてくるかもしれません。
高齢化が進むと、病気のリスクや生涯にかかる治療費が増大します。動物医療もどんどん高度になってきていますし、治療費が高価格化することも可能性としてあります。
このようにペット保険の必要性は今後どんどん高まっていくのではないでしょうか?
さらに、加入率が高まることによって、今後治療費がペット保険で補償してもらうこと前提の料金設定になっていくかもしれません。
しかし、1番の問題は認知度の低さです。ペットを飼っていない方はもちろんのこと、ペットを飼っている方でもペット保険について知らない方はたくさんいます。
実際、MOFFMEがペットを飼っている方に対して行ったアンケート(期間:2020年8月1日〜2日)では、457人中51人がペット保険について知らなかったと回答しています(無回答:135名)
認知度が今後より高まっていけば、イギリスのように25〜30%ほどの加入率には達することも十分に考えられます。
ペット保険の加入率や市場規模が拡大している理由
保険料収入が増えたのは、ペット保険の加入のしやすさが大きく影響しています。
今では、ペットショップで購入する際に契約も一緒にするスタンスも増え、後からでも簡単にスマートフォンやパソコンで申請ができます。
保険金請求や保険相談をLINEで行える会社もあり、このようなサービスは今後ますます増えていくでしょう。
スウェーデンでは、スーパーやコンビニでも保険申込みができてしまうほど身近なものです。
また、最近ではコロナウイルスによる緊急事態宣言の影響で家にいる時間が増えたことや、旅行やレジャーなどに使うはずだったお金が余ったことで、犬や猫をはじめとするペットを飼う人が増えました。
結果ペット保険に加入する人も増え、アニコム損害保険やアイペット損害保険などの大手の会社では、2020年4-9月の新規加入者数が半期で過去最高を記録しました。
一時的ですが、コロナウイルスの影響も最近の加入率には影響しています。
海外のペット保険加入率は?国別に紹介!
日本のペット保険加入率は、諸外国に比べてどのようになっているのでしょうか。
欧米諸国の国別の加入率のランキングを紹介します。
順位 | 国名 | 加入率 |
---|---|---|
1位 | スウェーデン | 50% |
2位 | イギリス | 25% |
3位 | ノルウェー | 14% |
4位 | カナダ | 2% |
5位 | アメリカ | 1% |
ご覧のとおり、ヨーロッパでは加入率が高くなっています。
そしてやはり、ペット保険発祥の地であるスウェーデンの加入率が群を抜いています。
アメリカではまだ1%と低いですが、実はtrupenionという会社を筆頭に、ペット保険市場が急速に拡大しています。
中国でも加入率は低いものの、市場は成長しています。アリババなどの巨大企業のグループ会社も参入しており、「鼻紋認証」というペットを認識する技術なども取り入れており、今後も伸びていくと予想されます。ペット保険市場は、世界規模で拡大しているということができますね。
ペット保険の必要性やメリット・デメリットを紹介!
ご自宅でペットと一緒に暮らしている方はの中には、一度は動物病院にお世話になったことがあるという方が多いのではないでしょうか。
大切な家族の一員であるペットも、人間と同じように保険に加入する事ができます。ここからは、以下について解説をしていきたいと思います。
- 加入するメリット
- 加入するデメリット
- 必要かどうか
ペット保険に加入するメリット
ペットにかかる治療は言うまでもなく、飼い主の自己負担になります。
1番のメリットは当然、高額になるペットの治療費を補償してくれることです。実際に加入していなかったことで、高額な費用を払えないために手術を諦めたと言う方も少なくありません。
ただし最近では、「窓口精算」の人気が高まっており、小さな病気に対する低額な治療費の補償へのニーズも高まってきています。
また、加入するペット保険によっては様々な特約を付けることができます。
【特約の例】
- ガン手術保険金特約
- 高度後遺障害保険金特約(ペット用車イス費用特約)
- 葬祭保険金特約
- 診断書費用保険金特約
- ペット賠償責任特約
特約を付加することによって保障になる対象が増え、更に万が一のときに備えることができるようになります。
ペット保険に加入するデメリット
ペット保険のデメリットとしては、
- 補償対象外の病気が多い
- 年齢が上がるにつれ保険料が高くなる
- 保険料が無駄になる場合もある
といったことでしょうか。
ペット保険では、去勢手術や避妊手術、狂犬病などのワクチン接種、健康診断などは保障の対象外となります。
また、歯科治療なども対象外としている会社が多いため、加入する前によく確認をしておきましょう。
また、年齢が上がるにつれて保険料は上がるため注意が必要です。これは、毎年契約の更新が必要であり、歳をとるにつれて病気のリスクが高まることが理由です。
ちなみに1,2歳時よりも0歳のペットの方が保険料は高いです。0歳時には免疫力が低いことや、骨折や誤飲などのリスクが非常に高いことが理由です。
保険料は掛け捨てのため、貯蓄性はありません。そのため、ペットがもし病院にほとんどかかることなく亡くなった場合、補償額よりも支払った保険料の方が高くなるという可能性があります。
予めデメリットになる理由を知っておくことで、納得のいくペット保険を見つけることができるようになるでしょう。
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去勢・避妊 | ペット保険は犬や猫の去勢・避妊手術に適用できる? |
健康診断 | ペット保険で犬猫の健康診断費用の補償はできる? |
歯科治療 | 歯科治療はペット保険の対象?犬や猫の歯石取りや抜歯などは? |
誤飲 | 犬や猫の誤飲はペット保険の対象?手術費用なども解説 |
メリット・デメリットについては以下の記事でより詳しく解説しています。気になる方はぜひ一緒にお読みください。
ペット保険はいらない?必要性について解説!
筆者の意見としては、ペット保険はほとんどの方に必要だと思っています。
必要ないという方は、ペットのために貯金が100万円以上あり、どんなに治療費がかかっても家計に影響がないという方でしょう。
ペットの高齢化についてお話ししましたが、実はペットが幼い頃から保険に加入しておくことがベストです。
幼年期には先ほども述べたように、骨折や誤飲に対する手術などで数十万円の費用が必要になるというケースもあります。
また、シニア期に入る直前に加入しようとすると、年齢制限や既往症などで加入できる保険や補償内容などが制限されてしまう可能性もあります。
よく、保険ではなくペットのために貯金をするといった方もいらっしゃいますが、おすすめはできません。
なぜなら、十分に貯金を積み立てる前に高額な治療費が必要になる可能性もあるためです。保険であれば、支払い期間に関わらず補償してくれます。
1番あってはならないことは、治療費が原因で満足に治療してあげられなかったということです。
貯金や家計を見直し、いざというときに治療費を払えるのかということを、加入するかどうかを決める基準にしましょう。
うさぎ・セキセイインコ・ハリネズミなどの動物もペット保険に入るべき?
以前は「ペット」と言ったら犬や猫を思い浮かべるのが一般的でした。
近年はペットの種類も増え、うさぎやフェレット、テグー、ハリネズミなどの他の哺乳類、イグアナやカメ、ヒョウモントカゲモドキなどの爬虫類、セキセイインコやオカメインコ、文鳥などの鳥類、さらに珍しいところではナマケモノなど、いわゆるエキゾチックアニマルもペットとして多く普及してきています。
エキゾチックアニマルとは正確な定義はありませんが、日本では犬や猫以外のペットとしては少し珍しい種類の動物を指すことが多く、そんなエキゾチックアニマルもペット保険に加入することが推奨されています。
2019年のアニコム損保の調査によると、エキゾチックアニマルにかけた年間の費用で一番高いのはうさぎで、年間88,410円、割合として一番高いのは怪我や病気の治療費という調査結果が出ています。
専門店も増え始めているうさぎですが、以前は平均寿命が7〜8年とされていました。
ですが、近年の飼育環境の向上や医療の進歩により、10歳以上になるうさぎも多くいます。
ペット保険に加入していない場合、10年以上、年間8万円以上の出費が全額自己負担になってくるかもしれません。
また、小さい体をしたセキセイインコですが、こちらも以前は平均寿命は8年ほどでしたが今では10年以上が当たり前となってきました。
同じインコの仲間のヨウムとういう大型インコは50年以上生きる例もあるほどです。
さすがにヨウムのように50年生きる動物は限られてきますが、カメなどの爬虫類は元々長生きで有名です。
このように寿命の長いエキゾチックアニマルは病院にかかる確率もその分増えてきます。
もしペット保険に加入していなければ、その間の医療費は全額自己負担となってしまいます。
ペット保険は併用することがおすすめ!
ペット保険は保険会社も商品も多く、商品によってさまざまな特徴があります。
そこでおすすめなのがペット保険の併用です。
まず、ペット保険のタイプとして
- 通院、手術、入院の全てを補償
- 入院・手術を特化して補償
- 通院に特化して補償
大きくこの3つに分けられます。
「入院・手術のみ」と「通院のみ」は「通院・入院・手術のフルカバー」より保険料は低く設定されています。
そのため、うまく併用することによって日々の小さな通院から、高額になりがちな入院・手術までしっかりとカバーすることが可能です。
ペット保険の併用の組み合わせとして
- 全てを補償するタイプ+全てを補償するタイプ
- 全てを補償するタイプ+入院・手術に特化したタイプ
- 全てを補償するタイプ+通院に特化したタイプ
- 入院・手術に特化したタイプ+通院に特化したタイプ
上記の組み合わせ方があります。
①の場合、組み合わせ方によっては医療費を100%補償してもらえることもあります。
②の場合、高額になりがちな手術や入院にさらにしっかり備えることができます。
③の場合、皮膚炎などの通院回数が多くなりがちな病気をカバー。
④は限度額がフルカバー型に比べて高いというメリットがあります。
以下の記事では、ペット保険の併用について、さらに詳しくご紹介しておりますので、参考にしてみてください。
ペット保険に加入しない・やめた理由をご紹介!
前述もしましたが、日本のペット飼育者のペット保険の現在の加入率はまだ16.4%ほど。
加入していない人は、どのような理由でペット保険に加入していないのでしょうか。
その理由の一部に
- 毎月の費用が高いから
- 周りが加入していないから必要性を感じない
- 飼うのに疲れて保健所に預けたいから
①毎月の費用が高いから
ペット保険はペットの種類、年齢などによって月々の保険料が変わってきます。
安いものは月1,000円台から、高齢になり保険料が高くなると月5,000円近くになることもあります。
特に、加入したばかりのペットが若い頃と、シニアになってからではかなり保険料に開きがあります。
このような保険料を毎月の出費として「高い」と感じる人もいます。
確かに、ずっとペットの健康な状態が続き、年に1回も病院にかからない場合「その分毎月貯金すればいいのでは?」と、ペット保険を不要と思うかもしれません。
②周りが加入していないから必要性を感じない
前述の通り、日本のペット保険の加入率は現在16.4%。
つまり、動物を飼育している人100人中、ペット保険に加入している飼い主は8人にも満たないということになります。
したがって、周りにペット保険に加入している人はとても少なく感じるでしょう。
ですので、ペット保険に加入している人のリアルな声が届きにくく、ペット保険に加入したことによるメリットも知りにくい状況になっています。
そのため、ペット保険の必要性を感じないのも加入しない理由のひとつとして言えるでしょう。
③飼うのに疲れて保健所に預けたいから
近年、コロナ禍の影響でお家時間が増え、新しくペットを飼い始めた人も増えてきました。
動物系のメディアや動画投稿サイトなどでは、動物のかわいい面をアピールし、飼うことによるデメリットをきちんと伝えているものはとても少ないと言えます。
そのため、いざペットをお迎えしてみたら「全然懐かない」「思ったよりも世話が大変だった」「鳴き声がうるさい」「しつけが大変」「テレワークが廃止され飼えなくなった」など、飼うのに疲れてこれ以上飼いたくない・飼えなくなったという心無い飼い主が保健所にペットを預けてしまう…というケースが増えています。
また、動物がシニアになり、介護が必要になってきたので飼うのに疲れてしまったというケースも見受けられます。
このように、保健所や里親に預けたいと思っているため、ペット保険に加入しなくてもいいと考えている人がいるのも事実です。
飼うのに注意が必要な人は?飼ってはいけないの?
上の項目でご紹介したような、飼うことに疲れてしまってどこかに預けてしまう、というのは、あまりにも自分勝手ですし、ペットを不幸にさせてしまいます。
では、このような悲しい結果を招かないために、飼うのに注意が必要な人を理解する必要があります。
- 一人暮らしの学生は経済的に厳しい
- 共働きの家庭はお世話が不十分な場合も
- 二匹飼いよりも多い多頭飼い
- 飼いたい・欲しいという気持ちだけで覚悟のない人
①一人暮らしの学生は経済的に厳しい
一人暮らしの学生は、学業の合間にアルバイトをしても生活費にほぼアルバイト代が費やされてしまうケースがほとんど。
アニコム損害保険株式会社の2019年の1年間にペットにかけた年間支出費用の調査結果によると、平均で犬にかける年間費用は30万円、猫では16万円という調査結果が出ています。
さらにペットが大きな怪我や病気にかかってしまった場合、ここからさらに数十万円もかかってしまう可能性も。
そのため、アルバイトをしてもカツカツの経済事情の一人暮らしの学生には、ペットを飼うのは難しいと言え、注意が必要になってきます。
②共働きの家庭はお世話が不十分な場合も
次に共働きの家庭があげられます。
共働きの場合、朝に家を出て、日中は留守にし、帰ってくるのは夜になってしまうケースも多いとおもいます。
犬は散歩が必要なので、仕事前か帰ってきてから散歩に行くことになるでしょう。
子供がまだ身の回りの世話が必要な年齢であれば、もしろん子供が優先になってしまうことも。
そのため、ペットのお世話に使える時間が少なく、お世話が不十分になってしまうこともあります。
ペットも一日の大半を一人で過ごすことになるため、ストレスがたまってしまうこともあるでしょう。
共働きのご家庭は、ペットをお迎えする前にきちんとペットに十分な時間がさけるかを考える必要があります。
③二匹飼いよりも多い多頭飼い
二匹より多頭飼いをしようと思っている人も注意が必要です。
当然のことながら、ペットの数が多いとお世話に費やす時間もその分増えてきます。
多頭飼いをするにあたり、きちんと全員分お世話できるか考えなくてはいけません。
食事の世話はもちろん、散歩にスキンシップ、定期検診に日常的なお世話をペット全員に平等にする時間と体力、経済力はあるでしょうか?
近年、動物をどんどんお迎えし、自分の管理能力を超えたにも関わらず、本人にその自覚がなく、周囲の人に迷惑をかけるアニマルホーダーが増え、社会現象にもなっています。
ペットの数を増やす前に、今一度管理ができるかを考える必要があるでしょう。
④飼いたい・欲しいという気持ちだけで覚悟のない人
SNSや動画投稿サイトなどで可愛いペットの動画を見て「自分もペットが飼いたい!欲しい!」と思ったことがある人は多いと思います。
ですが、犬や猫をはじめ、命ある動物を飼育するためにはそれ相応の覚悟が必要になってきます。
毎日の世話や散歩、スキンシップに定期的な健康診断、怪我や病気にかかったときの治療費。
さらに、長い間家を開けられないので旅行にも行けず、行くとしてもペットホテルに預ける必要もあります。
動物によっては家の中を荒らされたり傷つけられることもあり、ペット可能な賃貸はそれだけで家賃も高くなります。
その他、あげるとキリがありませんが、ペットをお迎えするということは、例えそれが1頭だけでも時間と体力、経済力が必要になってきます。
飼いたいという気持ちだけで、覚悟がない人はペットをお迎えするのは向かないと言えます。
まとめ:日本や海外のペット保険の加入率について
日本のペット保険の現状について、お分かりいただけたでしょうか。
今回の記事のポイントは以下のとおりです。
- 日本のペット保険加入率は、2022年現在16.4%程度
- 日本のペット保険加入率はヨーロッパと比べると低い
- 理由はペット保険の歴史が浅い、ペットは家族という意識がまだ低いことなど
- 全世界で加入率は高くなってきている
- 今後も右肩上がりに推移していくと考えられる
- ペット保険は、いざというときに治療費を払えるかどうかで加入を決めることが重要
日本でもペット保険の加入率が上がってきましたが、海外と比較するとまだ低いのでペットと万が一の時のためにぜひ加入を検討してみてはいかがでしょうか。