スパイスの王様と呼ばれることもある『シナモン』。漢方の世界では桂皮と呼ばれ、健康にさまざまなポジティブ作用があるとされています。しかし、それらの効果は犬に与えても得られるのでしょうか。今回のMOFFME記事では、犬にシナモンを与えることを詳しく解説します。
この記事の目次
目次を閉じる犬にシナモンを与えても大丈夫?犬がシナモンを食べる際の注意など
少しスパイシーでエキゾチックな香りのあるシナモンは、シナモンロールやアップルパイ、紅茶やカレーに至るまで、世界中で使われ親しまれている香辛料です。
古くから薬としても用いられ、内科的な疾患には様々な効果が認められています。
シナモンは犬の健康にとっても良い効果があるのですが「犬にシナモンを与えるのはNG!」と言われます。
もちろんごく少量なら それほど問題になることはないのですが、シナモンの種類や摂取する量によっては、イヌの健康をおびやかすことになってしまうのです。
犬にシナモンを与えても大丈夫なのでしょうか。犬がシナモンを食べる際には何に注意したら良いのでしょう?
そこで今回のMOFFME記事では
- 犬にシナモンを与えない方が良い理由を紹介
- 犬がシナモンを食べてしまった際の対処方法を解説
- 犬はシナモンの香りが嫌い?少量のシナモンなら大丈夫?
について詳しく解説します。
犬にシナモンを与えない方が良い理由を紹介
シナモンは犬にとって「毒」というわけではありませんが、シナモンの香りの成分である「クマリン」は、大量に長期に摂取すると肝臓機能障害を起こすことが確認されています。
肝機能がダメージを受ければ解毒作用もうまく働かず、毒素が体に蓄積されていってしまいます。
人間より体が小さい犬は、少量でも健康を損ねる可能性があるので「犬には与えない方が良い」と言われるのです。
シナモンは古くから薬としても用いられ、漢方薬にも使われてきました。
犬の健康にとっても多くの薬効がありますが、与える量を間違えればクマリンによる肝毒性のため、かえっ
て健康を害してしまいます。
次にシナモンにはどんな薬効性があるのか、またどんな栄養素が含まれるのかを確認してみましょう
- 高い抗酸化作用を持つ反面、肝毒性もあるから
- シナモンに含まれる栄養素
高い抗酸化作用を持つ反面、肝毒性もあるから
シナモンにはフラボノイドという高い抗酸化作用を持つ成分が含まれています。抗酸化作用は、老化やがんの原因にもなる活性酸素を抑えて免疫力をアップさせる働きをします。
炎症を抑える抗炎症作用や抗菌作用もあるので、風邪などの感染症を予防しますし、血糖値を安定させる働きがあるので糖尿病の改善も期待されるなど、シナモンには医学的にも様々な優れた効能があり、昔から特効薬としても利用されてきました。
そんな優れた効能がある反面、クマリンによる肝毒性があるので、摂取量には注意が必要です。
ちなみにシナモンの1日の摂取量は、子どもで0.5gぐらいと言われているので、人間よりも体も小さく体重も軽い犬にはさらに微調整が必要です。
シナモンに含まれる栄養素
シナモンに含まれる栄養素としては、植物繊維や炭水化物、脂肪、タンパク質をはじめ、ビタミンAやC、E、ビタミンB、カルシウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛などたくさんの栄養が含まれています。
カルシウムは牛乳の10倍以上、血液の流れをスムーズにするビタミンEの含有量は他のスパイスよりも高いことが認められてます。
体を温める効果があるので冷え性を改善し、食欲不振や胃もたれを改善する働きもあるので、健医薬として胃腸薬に配合されたり、解熱作用があるので葛根湯などにも配合されています。
料理には不可欠な香辛料ですし、栄養豊富で抗酸化作用など薬としての効能もあるシナモンは、まさにスパイスの王様です。
犬がシナモンを食べた際の対処法を解説
犬がシナモンを含む食べ物を食べたり、シナモンスティックをかじってしまったとわかったら、まず飼い主があまり慌てて騒いだりしないで落ち着きましょう。
犬が不必要に不安になってしまいます。落ち着いて食べた食品とその量、食べてからどのくらい時間がたっているかなどを確認します。
犬が嘔吐や下痢、心拍数が増加していないかなどを確認し、自己判断で無理に吐かせたりせずに動物病院に連れて行った方が良いでしょう。 特に子犬や老犬の場合は少量でも健康に害を及ぼすことがあります。
次は
- 犬がシナモンを食べた際の対処法
- シナモンを含む食べ物を紹介
について詳しく解説します。
犬がシナモンを食べた際の対処法
犬がシナモン入りお菓子を食べてしまったとしても、お菓子の上にシナモンパウダーが少量かかっている程度なら心配はないですが、シナモンスティックを食べてしまったときは、クマリンを多く摂取している恐れもあります。
呼吸困難などの症状が出ていないか確認して動物病院に相談した方が良いでしょう。
現在日本で流通しているシナモンはに大きく分けてセイロンシナモンとカシアシナモンの2
種類があり、カシアはクマリンを大変多く含み、セイロンシナモンの場合はごく微量です。
食べてしまったお菓子に使われていたのがセイロンシナモンなら、あまり心配する必要はないでしょう。
またお菓子やパンに、シナモンだけでなくチョコレートやレーズンなども混じっていたら、即刻動物病院に連れて行った方が良いでしょう。
チョコレートは犬にとって与えてはいけない食品の代表であり、中毒症状を起こします。
シナモンを含む食べ物を紹介
シナモンを含む食べ物と言えば、クッキーやシナモンロール、アップルパイなどが挙げられますが、特にスイーツとの相性が良く、ココアやカプチーノなどのドリンクにもシナモンパウダーを一振りするだけで、スパイシーな香りがアクセントになって一層美味しくなります。
紅茶やホットワインにはシナモンスティックを添えて香りを楽しみます。
また肉類との相性もいいので、豚の角煮やカレーはシナモンスティックと一緒に煮込めば、隠し味として味に深みを増してくれます。
犬はシナモンの香りが嫌い?少量のシナモンなら大丈夫?
シナモンはアロマオイルとしてもその匂いの成分が利用されています。
シナモンオイルには強い抗菌作用があるため部屋で香らせると、部屋のカビ防止や虫よけにもなります。また、体を温め痛みを取る作用があり、元気がない時や気持ちが落ち込んでいる時に気分を高揚させてくれる、アロマセラピーとしての効果もあります。
しかし犬や猫は人間より嗅覚に対する感受性が大変強く、犬の嗅覚は人間の100万倍も鋭いと言われています。またシナモンには、匂い成分に肝毒性のあるクマリンも含まれているので、犬や猫が同居している場合は控えた方が良いでしょう。
次は
- 犬はシナモンの香りが苦手なことが多い
- 人間には健康に良いが、少量でも犬に与えるのは控えよう
について解説します。
犬はシナモンの香りが苦手なことが多い
犬は一般的には刺激的なシナモンの香りが苦手なことが多いようですが、パンやお菓子に入れた場合は、香りも薄れて抵抗が少なくなるのかもしれません。
しかし猫を一緒に飼っている場合、犬以上に猫にとってはシナモンの匂いを強い刺激臭と感じ、それだけで具合が悪くなることもあるので注意が必要です。
猫は犬とは異なり肝臓の解毒機能の一部が弱く、シナモンを少量食べてもショック症状を起こすことがあります。少しでも様子がおかしかったらすぐに病院へ連れて行った方が賢明です。
人間には健康に良いが、少量でも犬に与えるのは控えよう
シナモンの種類のうち、クマリンの含有量が多いカシアは、安価なこともあって一番流通し使われているシナモンです。
しかしシナモンロールなどの包装にも、香辛料としてのシナモンの瓶にも、シナモンの種類までは表示していないことが多く、またクマリンの含有率がごく微量なセイロンシナモンとカシアをブレンドして「シナモン」として売っていることもあります。
犬にシナモンをサプリのように毎日与えようとすれば、与える量には注意が必要です。人間の体重を基準にしてさらに微調整をして毎日量の管理をしなければなりません。
人間には健康に良いシナモンですが、体の小さな犬ではクマリンの肝毒性の影響は大きく、少量でも与えるのは控えた方が良いでしょう。
まとめ
今回のMOFFME記事では、
- 犬にシナモンを与えない方が良い理由を紹介
- 犬がシナモンを食べた際の対処法について
- 犬はシナモンの香りが嫌い?
について解説してきました。
シナモンには素晴らしい薬効効果もありますが、肝毒性のあるクマリンも含まれているので、体の小さな犬には与えない方が良いでしょう。
犬は目を離した隙にテーブルの上のシナモンクッキーなどを食べてしまうことがありますが、戸棚の中に完全にしまって管理することが必要ですね。特に子犬の時はなんにでも興味を持ちますから、食べ物のかけらが床などに落ちていないかの確認も必要です。
飼っているペットの命を守るのは飼い主の仕事です。普段から犬や猫に与えてはいけない食べ物や対処法などを知っておくことは、とても大切です。
MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!