
内容をまとめると
- お腹がパンパンにかたい原因は便秘や肥満以外にも、病気の可能性も高い
- 手遅れになる前に早めに獣医師の先生に診てもらおう
- 猫の治療費用は全額自己負担のため、万が一に備えてペット保険への加入がおすすめ
猫のお腹がパンパンにかたい時は、病気の可能性があります。猫のお腹に出っ張りや腫れがある時、下半身の下っ腹が硬い時、たるみが出ている時は、内臓の病気のサインかも。お腹がパンパンにかたい状態になる前に、飼い主さんが気付いてあげることが大切です。
この記事の目次
目次を閉じる猫のお腹がパンパンに張ってる!お腹の膨らみの見分け方は?
愛猫にはいつも健康で、長生きしてほしいですよね。そのためには、病気になってしまったら早期発見と早期治療がとても大切です。
ですが猫ちゃんには、痛みがあったり病気である事を隠そうとする習性があると言われています。「病気が発覚した時には、手遅れだった…」なんて悲しい事にならないように、飼い主さんは猫ちゃんの生活をよく観察しましょう!
常に猫ちゃんと触れ合っていると、身体的な変化にも気が付きやすいでしょう。
今回のMOFFMEでは、猫ちゃんのお腹がパンパンに張ってかたい場合の、原因や治療法について解説していきます。
- お腹がかたい場合、どの部分に張りがあるかが大切
- 猫のお腹がパンパンの場合、考えられる症状と治療法
- 猫のお腹がパンパンにかたい時、原因はどう診察する?
- 猫は便秘になりがち!猫が排便に詰まった時の解消方法を紹介!
お腹がかたい場合、どの部分に張りがあるかが大切
モデル:きなこ
もし愛猫と触れ合っていて、お腹がパンパンに張っていてかたいようなら、どんな部分が張っているのか確認しましょう。嫌がらないように優しく触れて、腫れの範囲や場所を見つけましょう。
恐らく以下3か所のいずれかが膨れている事でしょう。
- 皮膚部分が張っている場合
- 皮膚の下側が膨らんでいる場合
- 下腹部・お腹の中がかたい場合
皮膚部分が張ってる場合
お腹の毛をかき分けて見て、皮膚の表面に腫れがある場合は「基底細胞腫」「皮膚型リンパ腫」「メラノーマ」などが考えられます。
基底細胞腫やリンパ腫の見た目は、人間のニキビのような物や、腫れにカサブタが付いているような物まで様々です。また腫瘍には良性・悪性があり、良性であれば転移もなく大きくなる速度もゆっくりですが、悪性であれば一気に肥大化したり、全身に転移する可能性もあります。
腫瘍の良性・悪性の判断は、獣医師に調べてもらう他ありませんので、早急にかかりつけ医を受診するようにしましょう。
皮膚の下側が膨らんでいる場合
下腹部・お腹の中が硬い場合
下腹部やお腹の中がパンパンに膨らんでいたり、かたくなっている場合は様々な原因が考えられます。単なる食べ過ぎや、他の病気からの内臓の膨張、腹水が溜まっているなど一概には判断できないので、早めに動物病院を受診しましょう。
発症率が多い病気に関しては、以下の章で解説しています。
猫のお腹がパンパンの場合、考えられる症状と治療法
モデル:きなこ
猫ちゃんのお腹がパンパンになる病気は様々あります。張っている場所やかたさによって以下のような病気が考えられます。
- ①:便秘による便の詰まり・ガスが溜まる
- ②:膀胱が膨らんでいる
- ③:内臓の拡張・肥大
- ④:腸閉塞
- ⑤:猫伝染性腹膜炎
- ⑥:妊娠している・子宮が膨らんでいる
- ⑦:気腹症
- ⑧:腹水貯留
- ⑨:単なる食べ過ぎ・肥満
①:便秘による便の詰まり・ガスが溜まる
猫ちゃんも人間と同じく便秘になる事があります。遺伝や体質的に便秘しやすかったり、ストレスや食生活が原因で便が詰まってしまう事があります。
普段と比べて食欲が無かったり、便の量や回数が少ないようであれば便秘の可能性が高いです。引っ越しなどの環境の変化も原因となりうるので、安心できるように愛用しているタオルやベットなど、匂いの付いている物を用意してあげると良いでしょう。
3日間便が出ない場合は、動物病院を受診して診てもらいましょう。便の排出を促す下剤や、浣腸を処方してもらう事ができます。
②:膀胱が膨らんでいる
何らかの理由で尿が外に排出できないと、お腹を触った時に膀胱がパンパンになっているのを感じ取れます。尿は腎臓で作られているので、排出できない尿は腎臓にも溜まっていき「水腎症」となってしまいます。
尿が排出できない原因として多いのは「尿路結石」です。尿の通り道に石が出来てしまい、道を塞いでしまいます。石を除去する為には外科的手術が必要ですが、この道は直径が1ミリ程と大変細いため、困難な手術となるでしょう。
早期に発見でき、完全に尿の道が塞がっていなければ、内科的な治療法を行う事もできるので、普段の尿やお腹の腫れ具合をよく観察しておきましょう。
③:内臓の拡張・肥大
お腹の中の臓器に腫瘍ができてしまう、「肥満細胞腫」という病気があります。肥満細胞とは本来免疫細胞ですが、何らかの原因により腫瘍化してしまう事があります。
高齢の猫ちゃんに多く発生し、皮膚の表面以外にも、脾臓や消化器に腫瘍ができます。脾臓は摘出しても問題ない臓器と言われているので、脾臓に肥満細胞腫ができてしまった場合は、手術にて全摘出します。
一方消化器は、全摘出をしてしまうと、今後の生活に支障があるので、手術で腫瘍のみを摘出する事になります。発見が遅れると全身に転移してしまう恐れがあり、全身に転移している場合は手術適応外となることがほとんどです。
残ってしまった肥満細胞腫は、薬や放射線での治療法もあります。猫ちゃんの症状に合わせて、かかりつけ医と相談しましょう。
④:腸閉塞
腸閉塞とは胃などの消化器から来た食べ物が、腸で詰まってしまい排出できなくなってしまう事です。腸詰まる原因は、サイズの大きな食べ物や、おもちゃの誤飲などがあげられます。
軽度の場合は食事ができますが、嘔吐したりや便が少なくなります。そのまま進行して、完全に腸が塞がってしまうと、食事がとれず栄養を得る事が出来なくなってしまいます。詰まりが起きている腸の部分は、血流が悪くなって壊死してしまう事もあります。
腸閉塞は自然には解消しないため、手術で詰まってしまった物を取り除く必要があります。腸自体にもダメージがある場合は、切除して腸を繋ぎ合わせる必要があるため、大掛かりな手術になるでしょう。
⑤:猫伝染性腹膜炎
猫伝染性腹膜炎はFIPと呼ばれています。多くの猫が持ち毒性の薄い「猫腸コロナウイルス」が変異し、強毒化した「猫伝染性腹膜炎ウイルス」というウイルスが原因です。
このFIP自体は猫から猫に感染することはありませんが、変異前の「猫腸コロナウイルス」はウイルスに感染した猫の排泄物や唾液を、別の猫が舐めたりする事で伝染します。症状は2種類あり、腹膜・胸膜などに炎症ができ水が溜まる事で呼吸への影響が出るウエットタイプ。もう1つは様々な臓器に肉目腫という腫瘍ができるドライタイプです。
特にウエットタイプ進行が早く、現在の医療ではほぼ致死率100%の恐ろしい病気です。もし発症した場合は、有効な治療方法が確立されていないため、炎症や痛みを抑える対症療法を行う事になるでしょう。
⑥:妊娠している・子宮が膨らんでいる
避妊手術を行っていない猫ちゃんであれば、妊娠の可能性もあります。多頭飼いや外へ出入りができる猫ちゃんであれば、飼い主さんの気が付かぬうちに妊娠してしまう事もあります。
また避妊をしていない事で、「子宮蓄膿症」などの病気の発症も考えられます。子宮内に菌が繁殖してしまい、膿が溜まって子宮がパンパンに膨らんでいきます。猫での発症リスクは少ないと言われていますが、いつもより多く水を飲んでいたり、陰部から膿が出ているようであれば獣医師に診てもらいましょう。
どちらも適切なタイミングでの避妊手術で避ける事ができます。出産を希望しない場合は、猫ちゃんの為にも避妊手術を行うようにしましょう。
⑦:気腹症
猫ちゃんの消化器にはガスが溜まります。食事や消化の際に溜まったガスがゲップやオナラとして体外に排出されます。しかし胃や腸などの消化器に穴が開き、ガスがお腹の中漏れ出てしまうと気腹症となります。
消化器に穴が開いてしまう原因は、腫瘍や潰瘍などとされています。排出されずに体内に漏れ出たガスは溜まっていき、お腹が膨れていきます。常にお腹が苦しい状態なので、食欲がなくなったり、運動したがらないようになります。
治療法は、お腹に穴を開けてガスを抜いてあげます。しかしこれだけだとまたガスが溜まってしまうので、漏れ出ている原因を突き止め対処する必要があります。
⑧:腹水貯留
腹水貯留はその名の通り、お腹の中に水が溜まってしまう事をいいます。お腹の中と言っても、胃や腸ではなく、臓器から漏れ出して皮下に水分が溜まります。この症状は様々な病気が原因とされています。代表的な3つの病気を紹介します
悪性腫瘍
腫瘍の中でも悪性のもので、ガンと呼ばれるものです。ガンになると体液や血液がお腹の中に漏れ出してしまい、腹水貯留となる事があります。
心不全
右心不全を起こしていると、体中に血液を送るポンプ機能が低下します。その結果腹水貯留を引き起こす事があります。
猫伝染性腹膜炎
⑤で紹介した猫伝染性腹膜炎も、腹水貯留を起こす代表的な病気です。猫伝染性腹膜炎による腹水貯留の場合、病気の進行がとても速いです。
⑨:単なる食べ過ぎ・肥満
食べ過ぎや肥満状態でお腹がパンパンに張っている事考えられます。一時的なものであれば問題ありませんが、慢性的な肥満は猫ちゃんの寿命に影響します。
猫ちゃんの品種によって適正な体重がありますが、猫ちゃんを真上から見た時の状態によって肥満度を確認できる方法があります。BCS(ボディコンディションスコア)と呼ばれていて、5段階で計測します。
ランク | 評価 | 状態 |
---|---|---|
BCS1 | 痩せ | 肋骨や骨盤が外から容易に見える |
BCS2 | やや痩せ | 背骨と肋骨が容易に触れる |
BCS3 | 理想的 | 肋骨は触れるが見えない |
BCS4 | やや肥満 | 肋骨の上に脂肪あるが触れる |
BCS5 | 肥満 | 肋骨や背骨が容易に触れない |
肥満傾向である場合は、キャットタワーなどでの運動を取り入れてダイエットしましょう。しかし肥満度が高い場合は、急な運動でケガなどのリスクもあるので、食事管理などから始めると良いでしょう。
猫のお腹がパンパンにかたい時、原因はどう診断する?
モデル:きなこ
ここまで猫ちゃんのお腹がパンパンに膨れてしまう病気について紹介してきました。どれも気になったら、直ぐに病院で診てもらった方が良いものばかりでしたが、実際に病院ではどのような診察が行われるのでしょうか?
様々な病気が考えられる中、原因となっている病気を特定する為には、以下のような検査方法があります。
- 直接触診を行う
- 超音波やX線での精密検査
いざという時に焦らないように、動物病院で行われる検査や診断方法について解説していきます。
直接触診を行う
超音波やX線での精密検査
触診でお腹の中がパンパンに張っている原因であると判明した場合、超音波やX線を使った検査を行います。それぞれの検査は、体の中を映し出すという点では同じですが、疑わしい病気によって使い分けられています。
超音波検査
エコー検査とも呼ばれています。お腹に超音波を発生させる機械を当てて、超音波の跳ね返りから体の中を診る事ができます。機械を当てている間中、エコー画像を見る事が出来るので、臓器の動き方や血液の流れ方なども確認できます。
X線検査
レントゲン検査と呼ばれています。X線はいわゆる放射線の一種であり、生き物の体を貫通する特性を活かして、体の中を透かして見る事ができます。臓器の大きさや形が分かるだけでなく、空気が入っている場所や骨の形状を確認する事に長けています。
猫は便秘になりがち!猫が排便に詰まった時の解消法を紹介!
モデル:きなこ
猫ちゃんは便秘になりやすいと言われています。遺伝などでどうしても改善しにくい場合もありますが、便が排出できないと腸の中でカチコチになって腸を傷つけてしまいます。
普段の排便サイクルを観察して、変化があれば排便を手助けしてあげましょう。排便を促す方法にはこんなものがあります。
①水分の補給
水分が少ないと、便が固くなり排出しにくくなります。水入れを複数用意したり、こまめに水を取り替えて、水を飲んでもらうよう工夫してみましょう。なかなか飲んでくれない場合は、ドライフードからウェットフードに変更する事で、食事と一緒に水分を取る事が出来ます。
②トイレの環境を整える
猫ちゃんによっては、トイレの環境にこだわりがある場合があります。周りから見えないようにしたり、猫砂を少しずつ変えると気に入る物が見つかるかもしれません。
③マッサージを行う
嫌がらない場合は、お腹をゆっくりマッサージしてあげましょう。のの字を書くように、温かい手てさすります。怒ったり緊張状態になる場合は、触らないでおきましょう。
このような方法でも排便できない場合は、病院で獣医師に相談する必要があります。摘便で便を取り除いたり、下剤を処方してもらえるでしょう。
まとめ:猫のお腹が膨れてかたい時は、まず病院へ!
今回は猫ちゃんのお腹がパンパンにふくれてかたい時の病気や症状について解説してきました。考えられる症状はこんな物でした。
- 皮膚表面がかたい時:腫瘍の可能性
- 皮膚の下がかたい時:脂肪や臍ヘルニアの可能性
- お腹の中がかたい時①:便秘による便やガスの溜まり
- お腹の中がかたい時②:膀胱が膨らんでいる
- お腹の中がかたい時③:内臓の拡張・肥大
- お腹の中がかたい時④:腸閉塞
- お腹の中がかたい時⑤:猫伝染性腹膜炎
- お腹の中がかたい時⑥:妊娠している・子宮が膨らんでいる
- お腹の中がかたい時⑦:気腹症
- お腹の中がかたい時⑧:腹水貯留
- お腹の中がかたい時⑨:単なる食べ過ぎ・肥満
- 触診で場所は範囲の特定
- 超音波で臓器の動きをチェック
- X線で空気や骨の状態をチェック