内容をまとめると
- 猫の「できもの」は病気以外で皮膚にできることはない!
- 「できもの」を見つけたら放置せずに動物病院で診てもらおう
- 考えられる病気は5つあり、治療費用は40万円近くかかることも
- 猫の治療費用は全額自己負担のため、万が一に備えてペット保険への加入がおすすめ!
猫に白いできものができる原因・理由は何でしょうか。猫の背中・お腹の皮膚や耳、顎、唇、口、目や鼻に白やピンク、赤いしこり・腫瘍があれば痛がらない場合も心配ですよね。このような腫れてるしこりは放置しても良いのでしょうか。今回は猫の白いできものについて解説します。
この記事の目次
目次を閉じる猫に白い・黒いできものができるのはなぜ?対処法まで徹底解説!
猫を撫でていたら、ぷっくりしたできものを発見したことありませんか?
最初は、どんなできものでも米粒くらいの大きさで、急激に大きくなったりします。
猫のできものは、病気以外で皮膚にできることはありません。皮膚にできものがある場合、悪化しないできものでも、病気の名前があるんです。
なぜ、猫に白や黒のできものができるのでしょうか?
また、できものができた時はどのように対処するといいのでしょうか?
今回MOFFMEでは、
- できものとは何か
- 白や黒のできもの原因となる病気は?
- 治療法と治療費は?
そもそも猫のできものとは?できものを見つけた際の対処法も紹介
モデル:よもぎ
猫のできものは、良くも悪くも病気です。
原因もいろいろありますし、状態も痛みも多様です。
うちの猫は、乳腺近くに小さな固まりがあり、本当にコロっとした白いできもので、見つけた時は何かゴミが付いているのかなと思いました。
皮膚異常によるできものは少なく、猫では腫瘍であることが多いです。
この項では、
- 猫のできものとニキビ等と違い
- できものを見つけた時の対処法
について解説します。
できものを見つけた時の対処法を知っておけば、いざという時に安心ですね。
そもそも猫のできものとは?ニキビ等との違いも解説!
猫のできものは、メディカル的には「腫瘤(しゅりゅう)」といいます。
毛穴の詰まりによるニキビや、腫瘍までいろいろなものを含み、体の表面にできたり、肝臓や腸などの内臓にできたりします。
全身どこにでもできるので、できた場所で良性や悪性かは分かりません。
また、色も「白・ピンク・黒」などがありますが、色でも良性か悪性かは分かりません。
ですが、「肥満細胞腫」という悪性腫瘍であれば、すべての足や鼻などの先端部分や皮膚と粘膜の境目にできたできものは、他の場所にできた時より悪性度合が高くなります。
猫の顎下や口周りにできたブツブツは「猫ニキビ」で、皮脂が被毛に絡んで黒い砂粒のように見えます。最初は、かゆみもあまりありません。
ただ、ニキビも放っておくと脱毛したり、出血して膿んだりするので注意が必要です。
また、顎下を家具にこすりつける行動をします。
猫にできものを見つけたらどうする?放置せずに動物病院を受診!
できものを見つけたら、場所を覚えておきましょう。
できものが大きくなるスピードが治療をする上でとても重要のため、どのくらいの間隔でどのくらい大きくなったかを把握しておきましょう。
急激に大きくなる時は、悪性腫瘍の可能性があるので、かかりつけの動物病院を受診してください。
病院では、できものに注射針を刺して細胞を少し取って顕微鏡で検査をします。
検査自体は30分くらいで終わります。
大きな病院ではその場で結果がわかることもありますが、小さな病院では外注検査となり結果がわかるまでに1週間程度必要になります。
病名が確定する検査ではありませんが、炎症なのかまたは腫瘍なのかといったざっくりとした診断ができるので、治療方針の元になりますよ。
猫のできものは、病気です。
様子見をして、治療が手遅れになると命に関わることがあります。
猫の白い・黒いできものの原因として考えられる5つの病気とは
モデル:よもぎ
猫のできものの原因には、何があるのでしょうか?
いくつか原因はあって
- 炎症
- 外傷や虫さされ
- 膿や水が貯まる
この他に腫瘍が原因であることもあります。
この項では、できものの原因と思われる以下の5つの病気
- 乳腺腫瘍
- 扁平上皮癌
- 肥満細胞腫
- リンパ腫
- その他皮膚疾患
について解説します。
原因の病気を知っておけば、普段からのボディチェック時に意識してチェックできますね。
①:乳腺腫瘍
乳腺腫瘍は、避妊をしていないメス猫や年を取ってから避妊をした猫に発症しやすい腫瘍です。
早期発見がカギになる腫瘍です。
ごく稀ですが、オス猫に発症することもあるのですよ。
はじめは、後ろ足に近い乳首のそばに硬いしこりができます。猫には8個の乳腺があり、そのそれぞれに腫瘍が発生する可能性があります。
乳房の周りだけではなく、広い範囲にしこりができるので注意が必要ですね。
犬の場合は50%が悪性ですが、猫の場合は80~90%が悪性で、早い段階で肺やリンパ節に転移することがあります。
治療は外科手術による摘出です。
腫瘍の大きさが3㎝より小さい時に摘出すれば、再発確率が低くなると考えられています。
10歳前後に発症しやすいですが、シャム猫は他種にくらべて発生リスクが高いと言われており、より若い年齢で発症する事例もありますよ。
避妊手術をしない猫の方が、乳腺腫瘍になる確率が高くなるので、子どもを望まないのであれば、1歳未満での避妊手術をしましょう。
②:扁平上皮癌
扁平上皮癌は、猫の代表的な腫瘍の1つで、
耳の先や鼻、口の中などのメラニン色素が少ない部位にできる扁平上皮由来の悪性腫瘍で、老齢での発症が多くみられます。
症状が他の病気と似ているので、様子をみる飼い主さんも多いですね。
症状が悪化すると、化膿して潰瘍になりやすいです。
治療しても延命が厳しい腫瘍です。
口の中にできものができると、膿や血液混じりの唾液が出ることもあります。
また、できものが妨げとなってご飯を食べにくくなりますよ。
8歳から9歳以降の発症確率が高いようです。
発症しやすい特徴として
- 長時間、日光(紫外線)に当たる
- 毛が薄い
- 毛色が白い猫、毛に白い部分がある
③:肥満細胞腫
肥満細胞腫は、肥満細胞(アレルギーや炎症に関わる免疫細胞の1つ)が腫瘍化したものです。
肥満という響きから、太った猫が発症しやすいと思いがちですが、そうではなく、体形関係なく発症します。
肥満細胞腫は、「皮膚型」と「内臓型」に分けられます。
皮膚型は、頭から首を中心に数ミリから数センチくらいのできものが1個または複数個できます。皮膚型は良性なものが多いですよ。
内臓型は、脾臓や消化管に発症することが多いです。
内臓にできた時は、悪性が多く転移リスクも高いです。
シャム猫は内臓型の発症確率が高く、若年でも発症します。
肥満細胞腫の症状は以下の通りです。お腹にしこりを見つけたときは、動物病院を受診しましょう。
- 嘔吐
- 下痢
- 痩せた
- あまり動かなくなった
- 発熱
- 血便
できものの発症した場所によって、危険度が変わります。
④:リンパ腫
リンパ腫は、免疫を担う細胞であるリンパ球がガン化したものです。
加齢や猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)の感染によって発症する可能性があります。
猫の腫瘍で約1/3を占めるほどに多くみられる腫瘍です。
リンパ球は、免疫細胞なので全身にあるので、どこで発症してもおかしくない病気です。
発症した場所で「縦隔型」・「消化器型」・「多中心型」に分類されていますよ。
「縦隔型」
胸腺や縦隔リンパ節にできものができる型です。
胸水が溜まり、呼吸困難や嘔吐などの症状があります。
2~3歳の若い猫に多く発症しますよ。
「消化器型」
腸管や腸間膜のリンパ節にできものができる型です。
老齢の猫が発症しやすく、下痢や嘔吐の症状がみられます。
「多中心型」
顎の下やひざの裏などにあるリンパ節が大きく腫れる型です。
若い猫に多く、猫白血病ウイルス(FeLV)に感染していると発症しやすいです。
元気がなかったり、食欲がないなどの症状が出ますね。
⑤:その他皮膚疾患
その他の皮膚疾患は、
- ワクチン誘導性肉腫(注射部位肉腫)
- 肉芽腫
- 炎症性の腫瘤
補足:悪性だけでなく良性の腫瘍の場合もある
腫瘍は良性と悪性があります。
良性は、ひとつの場所に留まって大きくなるだけの腫瘍です。
他の細胞との境界線がはっきりしていて転移がありません。
悪性は、他の正常な細胞に入り込みながら素早く増殖します。
他の細胞との境界腺がわかりにくく、転移があります。
病院で腫瘍と聞くと、すぐに「ガン」だと頭に浮かびますよね。
ですが、腫瘍すべてが悪性ではないのです。
乳頭腫・脂肪腫・毛芽腫は、良性腫瘍になりますよ。
皮膚上や皮膚のすぐ下にできものができることが多く、痛みもありません。
猫の白いできものはどのように治療する?治療費用の目安も紹介!
モデル:よもぎ
できものの治療はどのようにするのでしょうか?
人間と同じように、抗がん剤や放射線などを用いて治療をします。
ただ、治療費も高額になるので飼い主さんにとっては厳しい状況ですね。
治療の代表的なものとして
- 外科治療
- 化学療法
- 放射線治療
- 免疫療法
などがあります。
- 治療方法
- 治療費用はいくらかかる
猫の白い・黒いできものはどのような治療が行われる?
できものの治療は、
- 外科治療
- 化学療法
- 放射線治療
- 免疫療法
などが行われます。
外科治療
転移がなく切除可能な場合、外科手術が一般的です。
腫瘍を手術で切除する時は、再発や転移予防のために組織を大きく切り取ります。
そのため、失う部位が多くなり傷跡も残りますが、被毛や皮膚の伸縮性であまり目立ちません。
化学療法
リンパ腫などの悪性腫瘍には化学療法(抗がん剤)が確立しています。
副作用の可能性もありますが、重い副作用にならないように抗がん剤の量を調節します。
放射線治療
がんを小さくする治療で、一部の悪性腫瘍には効果があります。
ただ、対応している病院が限られていて、費用も高額ですね。
免疫療法
リンパ球にがん細胞を攻撃させて治療します。
研究が進んでいて一部の病院では治療に取り入れています。他の治療と組み合わせて治療することが多いようですね。
猫のできものの治療費用の目安はどれくらい?
できものの治療費用は、できものや治療内容によって変わります。
たとえば、乳腺腫瘍の治療だと1回の通院で、平均約5,600円ほどです。
手術をすれば、80,000円から100,000円以上の費用が必要です。
うちの猫は、乳腺腫瘍の手術と1日の入院で86,000円でしたよ。
本当に高額で、ビックリしますよね。
また、リンパ腫の治療だと、1回の通院で、平均約9,700円ほどです。
抗がん剤を使えば1回で10,000円から35,000円くらいです。
放射線治療は、1回で30万円から40万円くらいかかりますよ。
大切な家族の愛猫に治療を受けさせたいけど、高額な治療費を前に治療を諦めることもあります。
愛猫を守るためにもペット保険があると安心できますよ。
まとめ:猫の白いできもの・イボは放置してはダメ!
ここまで、猫のできものについて解説してきました。
できものの色やできる場所では、良性か悪性か分かりません。
とにかく、できものやイボなどを猫の体で見つけたら場所を覚えておいて、
早めに動物病院を受診しましょう。
この記事では、
- できものとは
- できものの原因になる病気は
- できものの治療方法や費用