内容をまとめると
- 子猫の時は肛門で見分ける
- 去勢済みの場合はしっぽの膨らみで見分ける
- 体毛、骨格、行動、顔つきなども性別を見分ける判断材料になる
- 将来の病気を防ぐために去勢・避妊手術を早めにしてあげることが大切
- 猫の治療費用は全額自己負担になるため、万が一に備えてペット保険への加入がおすすめ
猫の雄雌は、股間部分の付け根を見て判別できます。生まれたての時には、オス特有の膨らみがありませんが、生後2ヶ月頃から肛門部分に膨らみが出てきます。他にも、猫のオス・メスの見分け方はたくさんあります。この記事では、猫のオス・メスの見分け方を解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じる猫の性別はどう判断する?オス・メスの見分け方を解説!
あなたは、たまたま出会った猫を見たとき、その子がオスなのかメスなのか見分けることができるでしょうか?
一般的には性器の部分に睾丸がある子がオス、ない子がメスというふうに判断するかと思います。
しかし、去勢手術をして睾丸を取ってしまった子でもオスだとわかるでしょうか?
去勢をしていなくても稀に睾丸が体内に隠れてしまって見えない子もいます。
では、他に雄雌の見分け方を判断できるところはないでしょうか?
そこで今回のMOFFMEでは、
- オスとメスを見分けるポイント!簡単な雌雄の特徴とは?
- これ以外のオス・メスの見分け方は?
- 補足:三毛猫は基本メスしかいない
- 猫が交尾を始める時期はいつ頃?去勢・避妊手術は必要か
- まとめ:猫の性別は、しっぽ付け根の膨らみで見分けられる!
オスとメスを見分けるポイント!簡単な雌雄の特徴とは?
猫のオス・メスの見分け方として分かりやすいのは、
やはり生殖器やおしり周りで確認するのが分かりやすいでしょう。
生まれたての子猫の場合は、まだ生殖器が発育しきっていないため性器では判断しにくいですし、
成猫でも去勢済みの場合は分かりにくいかと思います。
しかし、そのような場合でも生殖器・おしり周りで性別の判断ができます。
この頁では、
- 子猫の時は、おしり(肛門)で見分ける
- 去勢前の成猫は、生殖器で見分けるのが簡単な見分け方
- 去勢済みの場合は、しっぽの付け根の膨らみで見分けられる
子猫の時は、おしり(肛門)で見分ける
生後2ヶ月もすれば生殖器で判断することができるようになるのですが、
生まれたてのうちは生殖器で判断するのは難しいです。
子猫の場合、おしり(肛門)で見分けることができます。
オスの場合
肛門の下に陰部が見えますが、メスに比べてこの肛門から陰部までの距離が長いというのがオスの特徴になります。
個体差はありますが、生まれたてで約1.3cm、生後1ヶ月で約2㎝になります。
肛門の下に睾丸がありますが、生まれたてのうちは隠れていることがほとんどです。
メスの場合
オスの子猫とは逆に、肛門から陰部までの距離が短いのがメスの特徴になります。
生まれたてで約0.7cm、生後1ヶ月で約1.1㎝になります。
生殖器はコーヒー豆のような形をしていて陰部は毛が少なく、肛門から陰部までピンク色をしています。
去勢前の成猫は、生殖器で見分けるのが簡単な見分け方
成猫の場合、去勢前であれば生殖器で簡単にオス・メスを見分けることができます。
オスの場合
生後半年も経てば睾丸が十分発育してきて、肛門の下に睾丸を確認できるようになります。
ごくまれに睾丸が体内に隠れていて見えない子もいますが、肛門から陰部までの距離が長いという特徴は子猫の場合と同じです。
メスの場合
オスほど大きな変化はなく、肛門の下にコーヒー豆のような形をした陰部が見えるのは子猫の時とほぼ同じになります。
去勢済みの場合は、しっぽの付け根の膨らみで見分けられる
去勢済みの場合、成猫でも生殖器をパッと見ただけでは見分けるのが難しくなってきます。
オスの場合
去勢する際、睾丸のみ取りますので睾丸を入れていた袋は残ります。
見た目としては去勢前のオスとメスの中間といった具合になります。
ですので、しっぽを優しく持ち上げてその付け根を見ると肛門の下がわずかに膨らんでいるのが確認できます。
メスの場合
しっぽの付け根を確認すると、肛門から陰部まで平らになっており去勢したオスとは違うのが分かります。
これ以外のオス・メスの見分け方は?
これまで、生殖器などの分かりやすい部分での説明をしてきましたが、
これ以外にオス・メスの見分け方があるでしょうか?
私たちは同じ人間なら、男女の見分け方ってどうするでしょう。
話をしてみたり、服装や体形など見ただけである程度は、その人が男性なのか女性なのか判別できますよね。
実は人の男女が見た目や行動で違いがあるように、猫にも同じようにオスとメスとで違いがあります。
ここからは、
- ①:毛の色
- ②:体重(オス猫の方が体重が重い)
- ③:体格(オス猫の方が太りやすい)
- ④:骨格(オス猫の方が足が長い)
- ⑤:行動(発情の仕方)
- ⑥:顔つき
①:毛の色
毛の色でオス・メスの見分け方ってあるのでしょうか。
完全に見分けられるわけではありませんが、毛の色も見分け方のヒントになります。
性染色体と毛色は強い関係性があります。
茶トラ猫は高い確率でオスになります。
理由としては染色体の話でややこしいのですが簡単に説明しますと、
聞いたことがあるかもしれませんが、染色体はメスは「XX」、オスが「XY」となります。
そして、オスの場合「XY」と「X」は1つですので毛を作る遺伝子「O」が1つあれば茶色が受け継がれますが、メスは「XX」と「X」が2つですので「Oo」でも「oo」でもなく、「OO」と2つ揃っていないと茶色が受け継がれません。
そういった経緯からオスのほうが生まれやすいのです。
②:体重(オス猫の方が体重が重い)
体重での見分け方はどうでしょうか。大きいメスも、小さいオスもいますよね。
しかし統計的に体重でもオス・メスの見分け方の判断材料になります。
オスは縄張り意識が強く、発情期にはメスをめぐっての争いごともあります。
そのため、筋肉や骨格がメスに比べ発達しています。
その結果、骨格もしっかりしており体重もメスよりは重くなります。
2015年に日本獣医生命科学大学チームが調べたところ、雌猫89頭の標準体重3.52㎏に対し、雄猫101頭の標準体重は4.91㎏だったということです。
このデータ自体、室内飼育の猫に限定されており、去勢・避妊手術も受けているか不明なため一概には言えませんが、やはりオス猫の方が体重が重い傾向にあると言えるでしょう。
③:体格(オス猫の方が太りやすい)
体格での見分け方を見ていきましょう。
人間ならば男性はガッチリ、女性はなで肩な感じでしょうか。
体重の項目でも言いましたが、縄張り意識や発情期にメスをめぐっての争いを考えると猫もオスのほうが太りやすいと言えるでしょう。
特に去勢手術した子は、男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が減ってしまい、
メスを探す行為や、狩りをするという本能が弱まってしまいます。
そうなると運動して消費するエネルギーが減るため結果として、太りやすくなってしまうのです。
食べさせすぎるとオスにしてもメスにしても太ってしまい、肥満から病気も増えてくるかと思うので、去勢・避妊している子は特に体重管理に気をつけてあげましょう。
④:骨格(オス猫の方が足が長い)
骨格での見分け方はどうでしょうか。
オス猫は骨格も大きく筋肉質です。
それに比べるとメス猫は華奢で、オス猫より小さい子が多いです。
では、同じような体重の子でのオス・メスの見分け方ですが、
下記のような記事を見つけました。
"ブラジルUNESPの調査チームによると、10頭のオス猫(うち9頭は去勢済み | 1~4歳 | 3.1~6.8kg)と8頭のメス猫(全頭避妊済み | 1~6歳 | 3.3~4.75kg)を対象とした感圧マットによる歩様解析(0.54m/秒)を行いました。
その結果、最大垂直力、垂直力積、体重の分散はオスもメスも前足の方が大きいことが判明したといいます。また歩幅に関してはオス(68cm)の方がメス(57cm)よりやや長かったものの、単純に骨格がやや大きいからだろうと推測されています。"
(引用元:https://www.konekono-heya.com/karada/gait.html#four-one)
とあるように、オス猫の方が足が長い傾向にあるようです。
⑤:行動(発情の仕方)
発情期に関しても、オスとメスで違いがありますので見分け方の指針となります。
避妊手術を受けていないメス猫は生後半年~1年ほどで暖かい季節に発情期を迎えます。
発情期間は個体差があり通常1~3週間ほど続き、以下のような行動をするようになります。
- 大きな声で鳴く(人間の赤ん坊の泣き声に似ている)
- ニオイ付けのために体をこすりつける
- 外へ出たがる
- スプレーする(おしっこを物にかける)
- 食欲がなくなる
これ以外にも「あれ?いつもより甘えてくるな」など普段と違う行動をとることがあります。
これに対しオス猫は生後9ヶ月~1年ほどで発情するようになりますが、発情期というのは決まっていません。
自分から発情するのではなく、発情したメス猫に誘発される形で発情し、以下のような行動を起こします。
- 大きな声で鳴く
- 外へ出たがる
- スプレーする(おしっこを物にかける)
- 攻撃的になる
- 同居猫や人の足にまたがりペニスをこすりつける(赤い突起がペニス)
上記のような行動は去勢・避妊手術した猫では見られなくなることも多いです。
⑥:顔つき
最後に顔つきでの見分け方はいかがでしょか。
人もある程度は顔つきで見分けれますよね。
猫の場合は一般的にオス猫の方が顔の面積が広いとされています。
また、頬の肉や皮の部分は厚くなっていることから、
オスの方がメスに比べ横長に見えることが多いです。
頬の肉や皮が厚くなっている理由は、オス特有の縄張り争いや、メスを奪い合ってのケンカが多いため、噛まれる可能性が高いことが理由と考えられています。
補足:三毛猫は基本メスしかいない
これまでオス・メスの見分け方について話してきました。
補足になるのですが、三毛猫ってご存じでしょうか?
3色柄の昔から「招き猫」として福を呼ぶ猫として親しまれています。
実はこの三毛猫、基本的にメス猫しか存在しないのです。
なぜかというと、「毛の色」の項目で説明した延長線上の話になるのですが、
一般的に三毛猫の色は黒・茶・白になります。
そしてこの黒と茶に関してはそれぞれに「X」が必要で「X」が二つ無いと黒と茶が同時には出てこないということになります。
そんな理由から「XX」のメスしか3色持てず、ほとんどがメス猫なのです。
「あれ?オスの三毛猫ってたまにいるよね?」と思った方はいますでしょうか。
では、なぜ「XY」のはずのオスに三毛猫がごくまれに存在するのかと言いますと、
基本は「XY」なのですが染色体異常で「XXY」として生まれてくる子がいるのです。
確率としてはかなり低いので、古くよりオスの三毛猫は縁起が良いとされています。
猫が交尾を始める時期はいつ頃?去勢・避妊手術は必要か
猫が交尾を始める時期ですが、メス猫が生後半年~1年、オス猫が9ヶ月~1年で発情できる時期になるとお話ししました。
そして発情はメス猫次第でオス猫はメス猫に誘発されて発情しますので、1年でちょうど暖かくなる時期の春(2月~4月)が交尾を始める時期になります。
去勢・避妊手術に関してですが、もし飼い猫を外に出すことがあれば検討したほうが良いです。
人間とは違い、メス猫は交尾をすればほぼ確実に妊娠します。
これは人間や犬と違い、猫の「交尾排卵」によるためです。
間違えて脱走してしまって帰ってきたら妊娠していたというのはよくある話です。
ですのでメス猫を飼っていて、子猫を生ませてあげる予定がないのであれば早めに避妊手術をしてあげましょう。
オス猫はいいのかというと、そうではありません。
野良のメス猫を妊娠させてしまうと、その子猫たちはどうなるでしょう。
野良猫の場合、すべての子たちが成猫になれるわけではないのです。
去勢・避妊手術することによって発情時期の問題行動を防げますし、
なによりも、手術することにより将来の病気を予防できるのです。
発情するとホルモン分泌により乳腺が刺激され、乳腺腫瘍になる可能性があります。
これはオス猫も然りです。ホルモン分泌からくる将来の病気を防ぐためにも去勢・避妊手術は早めにしてあげましょう。
まとめ:猫の性別は、しっぽ付け根の膨らみで見分けられる!
いかがでしたでしょうか。
ここまで猫のオス・メスの見分け方、交尾を始める時期、去勢・避妊手術に関して解説してきました。
この記事では、
- オスとメスを見分けるポイント!簡単な雌雄の特徴とは?
- これ以外のオス・メスの見分け方は?
- 補足:三毛猫は基本メスしかいない
- 猫が交尾を始める時期はいつ頃?去勢・避妊手術は必要か