
内容をまとめると
- 猫の嗅覚は人間の数万倍〜数十万倍
- 猫の嫌いな匂いはしつけや野良猫の侵入防止に役立つ
- 猫にとって有害な香りを理解することが重要
- ペットの医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心
猫の嫌いな匂いは何ですか?という質問には、様々な猫が嫌う匂いがあります。害獣を寄せ付けない方法として、ファブリーズの臭いや足元が不安定になる砂利を置く方法などがあります。この記事では、猫の嫌いな匂いや猫が嫌がるものを解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じる猫の嫌いな匂いは何?猫除けのために、猫が苦手な匂いを解説!
猫の嫌いな匂いをご存知ですか?
ハーブ、柑橘系、アロマオイルなど、人間にとっては好まれる匂いが猫にとっては苦手な匂いとなるものが多いです。また、ハーブやオイルに関しては、種類によって猫の命に関わるものがあるため、猫と暮らしている方は極力香り系の商品は自宅に置かないようにしましょう。
飼い猫だけどキッチンに上ってきて困る、野良猫が庭に入ってきてフンやおしっこをされて迷惑…などという経験をされてる方もいらっしゃることでしょう。
猫が来ないようにするには「猫が好む場所」から「猫が嫌う場所」に変える必要があります。
そこで、猫除けのために猫の嫌いな匂いを知っておくとよいでしょう。
この記事では猫の嫌いな匂いについて解説します。
- 猫の嗅覚は、人間の1万倍!
- 猫の嫌いな匂いをランキング形式で紹介!
- 猫の嫌な匂いは、どう役立てれば良い?
- 猫が嫌いな物を活用した、野良猫の忌避剤の作り方
- まとめ:猫の嫌いな匂いを猫対策に活用してみよう!
猫の嗅覚は、人間の1万倍!
モデル:ろいず
嗅覚といえば犬ですが、意外とあなどれない猫の嗅覚。
猫の嗅覚は人間より遥かに優れており、その嗅覚は人間の数万倍〜数十万倍といわれています。
これは、猫の個体差や生活環境、遺伝的要因、年齢や病気の有無によっても異なります。
また、嗅覚が鋭いからと言って、人間より強く匂いを感じているかといえばそうではありません。
この数万倍優れているというのは、空気中に漂うにおい分子が数万分の1になっても嗅ぎとれるという意味です。
あくまで人間が感じ取っている匂いが薄くても、遠く離れた場所からその優れた嗅覚で匂いを察知できるということになります。
においによっては、人の1億倍ともいわれる犬ほどではありませんが、猫も十分優れた嗅覚の持ち主です。
本来、猫は肉食動物で食事が腐ってないか、食べても大丈夫そうか嗅覚で判断してきました。
猫にとって、食事は味覚より嗅覚が重要と言っても過言ではありません。
ですから、鼻腔疾患を中心とする嗅覚に影響が及ぶ病気や老衰などで、嗅覚が落ちると食欲を落としてしまう猫もいます。
猫の嫌いな匂いをランキング形式で紹介!
モデル:ろいず
嗅覚が人間より数万倍〜数十万倍も優れているといわれる猫。
猫は嗅覚が鋭いがゆえに苦手な匂いは本当に多いです。
基本的に強い匂いや、刺激的な匂いが苦手とされます。
その猫たちが実際どのような匂いが嫌いでダメな匂いなのか、猫の嫌いな匂いをランキングで紹介します。
- ①:柑橘系の匂い(みかん、レモン、オレンジ、ゆずなど)
- ②:メントールの匂い(ハッカ、ミントなど)
- ③:アロマやハーブの匂い(ジャスミンやラベンダーなど)
- ④:香辛料の匂い(唐辛子や胡椒、シナモン、コーヒーなど)
- ⑤:タバコの匂い
- ⑥:塩素系漂白剤・洗剤や香水・芳香剤の匂い
- ⑦:食用酢、木酢液の匂い
- ⑧:蚊取り線香やお香の匂い
- ⑨:蚊取り線香
①:柑橘系の匂い(みかん、レモン、オレンジ、ゆずなど)
柑橘系の匂いは、香料としてよく使われますが、猫の嫌いな匂いです。
もともと猫は肉食動物で、自力で目の前にある肉が食べられるか食べられないか、腐ってないか酸っぱくないか、嗅覚で判断する必要がありました。
その名残があり、猫は今も酸っぱい匂いが苦手のようです。
柑橘系の酸っぱい匂いは肉や魚の腐った匂いを連想させるため猫は本能的に毒だと認識しているようです。
また、柑橘類の皮に多く含まれる「リモネン」と呼ばれる成分は、猫の身体に酵素を分解する機能が備わっていないため危険です。
嘔吐や麻痺、かぶれの原因となるため猫の口の中に入れないよう注意が必要になるでしょう。
②:メントールの匂い(ハッカ、ミントなど)
マタタビや痒み止め、湿布などに多く使われているハッカ(メントール)の匂いも猫は苦手です。
柑橘系と同じように刺激が強く「酸っぱい匂い」匂いがすることから腐敗臭を連想させるためだといわれています。
しかし、メントール臭をマタタビに似た心地よい匂いだと感じて舐める猫もいるようです。
ハッカやミントは猫が嫌う匂いですが、ミント自体はシソ科に含まれる植物で猫に害はありません。
室内で飾れる数少ない植物として猫好きの間では人気のようです。
③:アロマやハーブの匂い(ジャスミンやラべンダーなど)
アロマやハーブは猫にとって苦手なだけじゃなく、猫には分解できない成分が含まれており、中毒性を引き起こす危険性も持っています。
猫の体には、アロマの精油に含まれる有害成分を分解する「グルクロン酸抱合」の機能がないため、毒が身体に溜まってしまうのです。
特に柑橘系にも含まれる成分「リモネン」は猫が分解できず体内に蓄積されて運動失調や手足の震えなどを起こす恐れもあります。
嫌いな匂いという以前に、身体に入ると命にかかわる危険があるので注意しましょう。
④:香辛料の匂い(唐辛子や胡椒、シナモン、コーヒーなど)
唐辛子や胡椒、タバスコなどの強い香辛料も猫の嫌いな匂いの一つです。
匂いだけでなく香辛料に含まれる成分は猫にとって刺激が強すぎるため、胃腸炎や内臓障害を引き起こす原因になってしまう場合もあります。
カレーなどの加工品であっても食べさせないよう注意してください。
コーヒーの匂いも猫の嫌いな匂いです。
こちらも匂いだけでなく、コーヒーに含まれるカフェインが中毒症状を引き起こす危険なものとなるため注意が必要です。
キッチンにあるものも猫にとっては危険ということになります。
⑤:タバコの匂い
タバコの匂いは人間にとっても良い匂いとはいえませんが、猫にとってももちろんダメな匂いです。
また、受動喫煙での影響は人間の5〜6倍という結果も。
タバコの煙はカーテンやカーペットにも付着します。
猫や犬、ペットなどは人間よりも小さくて床に近い位置にいるため、タバコの有害物質の影響を受けやすいのです。
猫は自分の身体を舐めてきれいにするので、タバコの有害物質が犬より身体に入りやすいのだそうです。がんの発症リスクも高まるので、猫がいる場所では絶対にタバコは吸わないようにしましょう。
もちろん、猫はアルコールの匂いも苦手です。
もしも、猫にアルコールを飲ませた場合、猫の肝臓はアルコールを分解しきれません。
そもそも猫はアルコールを飲む習慣がなく、体の仕組みそのものが人間とは違い死に至る可能性もあります。
猫にとってアルコールの匂いはダメな匂いであるので充分注意が必要です。
⑥:塩素系漂白剤・洗剤や香水・芳香剤の匂い
洗剤のフローラル系の香りは人間にとって心地いいもの。しかし、猫にとっては有害なものが多いのです。
香りの強い洗剤や香水に敏感な猫は、ファブリーズやシャンプー、ボディソープでも嫌がる場合も。
そして、猫は塩素系の漂白剤の匂いが好きなのをご存知ですか?
多くの猫は塩素系の匂いを嗅ぐと発情期のようにそわそわし、興奮して部屋の中を走り回るという行動が見られます。
塩素系の漂白剤は強アルカリ性のため、舐めたり飲んだり皮膚に付いたりすると、口や皮膚のただれ、よだれ、嘔吐、吐血、涙がでたり、眼が充血するといった胃腸や皮膚の炎症などを引き起こすのです。
塩素系漂白剤を使用するのは十分に気を付けましょう。
⑦:食用酢、木酢液の匂い
食用酢、木酢液などの匂いも酸っぱい匂いがするので猫には苦手な匂いでしょう。
ただ、木酢液に「木酢タール」「木酢原液」が含まれているときには強い殺菌効果があるため、猫除けに使用する際は使う量に気を付けなくてはなりません。
また、猫避け用の木酢液にホルムアルデヒドという化学物質が含まれていると発がん性があるので、木酢液を使用している人間にも悪影響があるといえるでしょう。
⑧:蚊取り線香やお香の匂い
お香は様々な植物の原材料で作られています。
その中には猫にとって有害な植物も含まれており、中でも猫への毒性が高い「リモネン」が成分に含まれ「モノペルテン炭化水素」が含有されているのです。
お香の中には、エッセンシャルオイル(精油)が入っているものもあり、お香よりも猫に対する毒性が強いものあります。
現状ではお香が猫に与える影響に対してのデータが少ないため、どれが危険でどれが安全なのか解明されてない部分が多いのです。
⑨:蚊取り線香
蚊取り線香の匂いは嫌がる猫が多いようです。
しかし、煙を直接吸い込んだり、狭い室内などで煙が充満している状態だったりで、調子を悪くするのは猫でも人間でも変わりはありません。
蚊取り線香の成分はかつて、除虫菊(シロバナムシヨケギク)から作られていました。
殺虫効果があるのは、除虫菊に含まれる天然のピレスロイドという成分です。
今のものは科学的に合成したピレスロイドを混ぜて作られています。
除虫菊時代に作られていた蚊取り線香のイメージを保つためわざわざ緑色に着色しているのです。
猫の嫌な匂いは、どう役立てれば良い?

これまで、猫の嫌いな匂いについて解説しました。
- 猫のしつけのために、しつけスプレーとして使う
- 野良猫が庭に入って来ないよう、侵入防止剤として使う
猫のしつけのために、しつけスプレーとして使う
猫の嫌いな匂いをしつけのために利用するというものです。
猫が嫌う柑橘系の匂いをつけた「猫しつけスプレー」などが発売されています。
「叱ってもいうことを聞かない、でもしつけたい」というときは猫しつけスプレーを使ってみるのも一つの手です。
つけスプレーは、猫に近寄ってほしくない場所に噴射するのが基本です。
噛んだり舐めたりしてほしくない場所には、苦味のある味付きタイプのものを吹きかけると効果が期待されます。
また、しつけスプレーは直接吹きかけることも可能です。ただし、商品によって異なるので、商品ごと注意事項や使用方法をしっかりと確認してから使ってください。
姿や顔を隠し、ふんわり吹きかけることがポイントになります。
飼い主が愛猫に面と向かって吹きかけた場合、愛猫との関係が悪くなってしまうことがあるため、直接吹きかける場合は注意が必要です。
野良猫が庭に入って来ないよう、侵入防止剤として使う
猫が敷地内に入ってくるのは、その場所が猫にとって「快適な場所」であるためです。
猫の嫌がる匂いを撒いて「快適な場所」と認識させないように猫が嫌がるものを理解し、侵入させないようにしましょう。
ただし、やり過ぎは良くありません。
虐待行為は犯罪です。
「撃退」はせず、猫の嫌いな匂いを上手に使って共生をはかりましょう。
猫が嫌いな物を活用した、野良猫の忌避剤の作り方

- ①:とがった小石や卵の殻を撒いて、肉球を不快にする
- ②:猫避け剤を撒く
- ③:木酢液・竹酢液、コーヒーかすなどを撒く
- ④:香りの強い植物を植える
①:とがった小石や卵の殻を撒いて、肉球を不快にする
通路など猫が通りやすい場所に、とがった小石や卵の殻などを撒いて肉球を不快にするという方法です。
足元が痛いので嫌がります。
また、猫の通り道に大きめの砂利を敷き詰めたり、トゲのある植物植え、葉を撒いたりする方法も。
棘のある植物は、ヒイラギ、サボテン、カラタチ、バラ、ピラカンサ、地面に沿って伸びるタイプのコニファーなどがあります。
ヒイラギの葉を花壇等の表土に織り交ぜると効果的との声もあるようです。
②:猫避け剤を撒く
ホームセンターやペットショップ、薬局などで販売されている市販の忌避剤を利用します。
多くの種類が販売されているため、ご自宅の庭に適したものを使用しましょう。
ただし、長期にわたって効果が持続するわけではありません。
雨や風などで段々と効果が薄れてくるので、ある程度、期間ごとに繰り返し撒く必要があります。
また、猫が臭いに慣れて効かなくなる場合もありますので、同じものを長期間利用するのではなく、時々種類を変える必要があるでしょう。
※猫の個体差で反応が鈍かったり、効かない場合もあります。
③:木酢液・竹酢液、コーヒーかすなどを撒く
こちらもホームセンター等で販売されているものを薄めて散布します。
500mlの空のペットボトル容器に、木酢液または竹酢液400mlを入れ、唐辛子10〜15本、レモンバームの葉20〜30枚を加えて1〜2日置き、その後唐辛子とレモンバームの葉を取り除いたものを4〜8倍に薄めたものを撒きます。
また、コーヒーを淹れたあとの「かす」や、ドクダミ茶の茶殻などもこまめにまんべんなく撒くと良いでしょう。
乾燥してしまった後の効果は不明ですが、花壇にも撒けます。
④:香りの強い植物を植える
猫の嫌がる香りのするハーブを花壇に植えたり、鉢植えして置きます。
ハーブの香料を猫の通り道に撒くのも良いでしょう。
効果があるといわれる植物の例を紹介します。
ランタナ、ユーカリ、ゼラニウム、ヘンルーダ、ローズマリー、レモングラス、柑橘類、ペパーミント、ニンニク、マリーゴールド、チャイブ、ドイツで開発されたコリウスの一種で犬にも有効といわれる「カニナハイブリット」などが効果があるとされています。
まとめ:猫の嫌いな匂いを、猫対策に活用してみよう!
ここまで、猫の嫌いな匂いを重点に猫を寄せ付けない方法を紹介してきましたが、いかがでしたか?
この記事は、
- 猫の嗅覚は、人間の1万倍!
- 猫の嫌いな匂いをランキング形式で紹介!
- 猫の嫌な匂いは、どう役立てれば良い?
- 猫が嫌いな物を活用した、野良猫の忌避剤の作り方