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三井住友信託銀行はペット信託の保険を提供しています。飼い主の老後のペットの世話や終活・遺品整理のために、おひとりさま信託として利用される方が多いです。この記事では、三井住友信託銀行のペット信託の特徴やメリット・デメリットなどを解説していきます。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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三井住友信託銀行のペット信託を紹介!特徴やメリット・評判は?

突然ですが、みなさんは『終活』について、どう思われますか?


まだ、何もされていない方から、少しずつ準備されている方まで、様々だと思います。


若くてまだまだ縁の無いと思われる様な方でも、ご家族の中には必要としている方もいらっしゃるのではないでしょうか?


そして、そのご家族がペットを飼っていた場合、どうすればいいのでしょうか?


実はそんな方に紹介したいサービスがあります。『三井住友信託銀行』が手掛ける遺言信託のペット信託と言うサービスです。


頼れるMOFFME」が扱う今回のテーマは、


三井住友信託銀行のペット信託を紹介!特徴やメリット・評判は?です。


そもそも、『終活』自体がよく解らないという方にもタメになる情報をお届けしたいと思います。ぜひ、最後までご覧ください。

三井住友信託銀行の遺言信託(ペット安心特約付)とは?

三井住友信託銀行の遺言信託を簡単に言うと、依頼した人の『終活から、お亡くなりになられた後の遺言の執行まで三井住友信託銀行がワンストップで行う』サービスのことです。


後記で

  1. 三井住友信託銀行のペット信託とは?
  2. 仕組みや契約内容三井住友信託銀行のペット信託は、どんな人におすすめ?
  3. 費用はどれくらいかかる?44万円と99万円プランの2種類
  4. 三井住友信託銀行のペット信託のメリット・デメリットは?
について詳しく解説したいと思います。

ペット信託は遺言信託に特約として付加します。遺言信託について簡単説明すると、下記の通りです。

  1. 遺言書の作成
  2. 遺言書の保管
  3. 遺言の執行

そして遺言書作成時には以下のサポートを受けることが可能です。
  • 財産額と相続税額の算出
  • 財産の権利、形態の把握
  • 財産分与遺言の執行者の選定
  • 遺言書の精査   など
繰り返しになりますが、上記のサービスの特約として、ペット信託を付加します。

三井住友信託銀行のペット信託とは?仕組みや契約内容を解説

では三井住友信託銀行のペット信託の具体的な仕組みや契約内容を解説したいと思います。

  1. ペットの為の遺言について、事前にヒアリング
  2. 作成した遺言書の保管と執行を行う
  3. ペットを引き渡す人が以内場合、引き渡しが可能な団体を紹介
  4. ペット手帳の作成と保管
ペットの為の遺言書の作成で一番のポイントは、飼い主が亡くなられた以降の飼育費です。

実は民法では、法定相続分と異なる相続分を飼育費として、ペットのお世話人に遺すことができます。そうして、相続発生時には、ペットのお世話をしてくれる人への資金の交付を行うことができるのです。

ペットの引き渡し先は、個人の他にも老犬ホームや動物の愛護団体などの法人も選択できます。

また、三井住友信託銀行が作成を推奨しているペット手帳とは、ペットの成長記録の様な物です。
  • ペット自身の事
  • ペットの健康に関わる事
  • ペットの性格や特技など
  • ペットの食事の事
  • ペットの飼育環境の事
  • その他、ペットに関して伝えたい事 など
できるだけ詳細に記録します。

もちろん、相続発生時にペット手帳もペットをお世話してくださる方の手へ渡ります。

この様に、ペット安心特約があれば、飼い主に万が一のことがあっても、三井住友信託銀行が責任を持ってペットをお世話してくださる方への橋渡しを行うことができるのです。

三井住友信託銀行のペット信託は、どんな人におすすめ?

三井住友信託銀行のペット信託は、「おひとりさま」には特におすすめです。


他にも同居・別居に限らず、家族はいるがマンションに住んでいたり、犬アレルギーを持っていたりと、「ペットを引き取る事ができる家族がいない飼い主」の場合にも、ペット信託の存在が頼りになります。


特に「おひとりさま」の場合だと、ペットの無事と所在の確認(※1)が急務です。


ペットには、個体を特定できるマイクロチップの搭載が義務付けられていたり、ペットの頭数に上限があったりと、条件はあります。


それらをクリアできれば、「おひとりさま」や「ペットを引き取る事ができる家族がいない飼い主」にとっては、この上ない安心をもたらしてくれる。それが三井住友信託銀行のペット信託なのです。


(※1)原則、自宅を確認します。

費用はどれくらいかかる?44万円と99万円プランの2種類

それでは、三井住友信託銀行の遺言信託(ペット安心特約付)の費用はどのぐらいでしょうか?


基本手数料を抑えた『プランI』とお支払い総額を抑えた『プランII』の2種類のプランがあります。それぞれを分かりやすく比較してみましょう。


プランIプランII
ペット安心特約
基本手数料
44万円99万円
遺言書保管料6.6千円/年無料
遺言書を変更する場合5.5万円5.5万円
遺言執行報酬A + B
(最低報酬額 110万円)
(A + B)- 77万円
(最低報酬額 33万円)


Aの算出方法

  1. 三井住友信託銀行と契約中の預金・信託商品・投資信託・国債・保険商品・金融商品の合計額の0.33%

Bの算出方法(上記A以外の財産に対して)
  • 5,000万円以下 ・・・・・・・・・2.20%
  • 5,000万円超、  1億円以下・・・・1.65%
  • 1億円超、  2億円以下・・・・・・1.10%
  • 2億円超、  3億円以下・・・・・・0.88%
  • 3億円超、  5億円以下・・・・・・0.66%
  • 5億円超、  1 0億円以下・・・・・0.44%
  • 10億円超  ・・・・・・・・・・・0.33%
上記の他にも不動産売却や不動産登記に関する手数料や、印紙などの諸費用の実費は依頼主(飼い主)の負担となります。

初期費用は『プランI』の方が安価ですが、資産総額と遺言書を保管する期間によっては『プランII』の方がお得です。

三井住友信託銀行のペット信託のメリット・デメリットは?

ここまでは、ペット信託の内容と費用について解説しました。まとめの意味も込めて具体的なメリット・デメリットを上げてみたいと思います。


三井住友信託銀行・ペット信託のメリット


  1. 遺言書の作成前の相談は無料(相談内容によっては有償となる場合もございます)
  2. 遺言の執行を三井住友信託銀行が行ってくれる
  3. 面倒な手続きをサポートしてくれる為、楽である
  4. 銀行に一任する安心感
  5. ペットを新しい世話人にスムーズにお届けできる  など

三井住友信託銀行・ペット信託のデメリット
  • コストがかかる
  • 相続に関して、あらかじめトラブルが良そうされる場合は断られる可能性がある
上記を比較すると、メリットの数は圧倒的に多い事に対して、デメリットは、ほぼコストの1点と言えます。

しかし、コストのかからないサービスは存在しません。分からない事が気軽に聞ける、面倒な手続きを代行してくれる、など価値の部分に目を向けると、「メリットしかない」という答えが見えてくるのではないでしょうか?

なぜペット信託が必要?飼い主の死後、ペットに財産を遺す方法


前途で、ペット信託の内容、費用、メリット・デメリットについてお話しました。


では、なぜペット信託が必要なのでしょうか?飼い主の死後、ペットに財産を遺すにはどうすればいいのでしょうか?


ペット信託が注目されているのは、ここ数年の事です。これまでは『負担付き遺贈』が一般的でした。 


 負担付き遺贈とは、簡単に言うと「相続するなら、残されたペットの世話をしなければならない」と言う事です。これには大きな問題が2つあります。


1つ目は、飼い主の死後、ペットの飼育状況のチェックは難しいです。これも簡単に言うと「遺産だけ相続して、ペットの世話をしない」と言う相続人もいるかもしれません。


2つ目は、相続人が相続放棄する場合です。この場合、当然、ペットを飼育する義務はありません。


しかしペット信託では、法定相続分と異なる相続分を飼育費として、ペットのお世話人に遺すことができます。


また、信託監督人を設定することで、飼育状況を定期的に確認することができるのです。


ペット信託は費用がかかりますが、負担付贈与よりも大きい効力を持つと言えます。

ペット信託を申し込める場所は、他にどこがある?

三井住友信託銀行の他にペット信託を申し込める場所として下記の機関、団体はどうでしょうか?

  1. 銀行・保険会社
  2. ペット信託を取り扱う専門のNPO法人
  3. 行政書士・弁護士・司法書士
先ずは遺言信託のそもそも論をお話します。

遺言信託を扱うことができるのは、上記で銀行と行政書士、弁護士、司法書士です。

銀行は、資産の管理に特化していますが、相続人トラブルがある場合はサービスを受けられません。ただ、法人と言う安心感があります。

保険会社はペット信託に通じる商品を販売していますが、資産の管理、相続人トラブルの解決はできません。

ペット信託を取り扱うNPO法人も保険会社同様にペット信託のサービスを展開していますが、資産の管理や相続人トラブルを治めることはできません。

弁護士は相続人とのトラブルを解決できる唯一の存在です。行政書士・司法書士は相続人トラブルの解決はできませんが、弁護士よりも費用が安価になっています。ペット信託については、得意な人なら受けてくれます。

①:銀行・保険会社

銀行でペット信託を扱っているところは、ほぼ三井住友信託銀行のみです。そもそも、遺言信託を扱っている銀行が大手の都市銀行に限られています。


地方銀行や信用金庫は、大手の都市銀行の扱う遺言信託の仲介を行っています。


保険会社では、遺言信託は扱っていませんが、魅力的なサービスを扱っています。

例えばプルデンシャル生命のペット信託は、生命保険信託をペットに利用することができます。


詳しくは ペット信託でのプルデンシャル生命の評判は?保険内容や契約を紹介! をご覧ください。


保険会社は銀行と比べると費用が安くなります。当然ながら、遺言の執行は行えません。これらは銀行、行政書士、弁護士、司法書士に別途、依頼しなくてはなりません。

②:ペット信託を取り扱う専門のNPO法人

ペット信託を取り扱う専門のNPO法人のメリットは専門で扱っている為、実績が豊富です。その為、プランや料金が様々で、飼い主の要望に近い方法を探しやすいと言えます。

プランによっては費用を抑えることもでき、かつ、ペットを育てる施設やお世話をしてくれる人を探してくれるなど、環境が整っています。

ただし、ペットを託す施設はNPO法人ごとに異なる為、可能であれば、ペットが暮らす施設を確認する事を強く推奨します。

また、繰り返しになりますが、遺産信託(遺言書の作成、遺言書の保管、遺言の執行)や相続人とのトラブルの解決はできません。これらを行う場合は、別で銀行や行政書士、弁護士、司法書士に依頼しなければなりません。

③:行政書士・弁護士・司法書士

行政書士・弁護士・司法書士へ遺言信託と併せてペット信託を依頼する場合はどうでしょうか?

ペット信託は、信託契約を結ぶ能力があれば、成立します。その為、行政書士、弁護士、司法書士であれば契約することは可能です。

前途にもありますが、弁護士は子の認知や相続人の廃除など、相続人とのトラブルを解決できる唯一の存在です。行政書士や司法書士はそれができない分、弁護士よりも相場が低く設定されています。

あくまでもペット信託に限ってお話しすると、費用は信託銀行より安価です。しかし、個人だった場合、飼い主より先に死んでしまうことも考えられます。(法人でれば問題ありません)

その点は法人である、信託銀行や保険会社の方が安心と言えます。
ペット保険の一括比較はこちら

まとめ:迷ってる方は三井住友信託銀行のペット信託もおすすめ!

この記事でも取り上げている三井住友信託銀行のペット信託には以下のメリットがあります。
  • 遺言信託ごと行ってくれる
  • 相続発生時に遺言の執行をしてくれる
  • 負担付贈与ではなく、ペット信託を受けてくれる
  • おひとりさまに特にむいている
その他の窓口では、それぞれの業務に特化していたとしても、専門外の業務は他に頼まなくてはなりません。

三井住友信託銀行の最大のメリットは『終活から、お亡くなりになられた後の遺言の執行までワンストップで行う』でした。つまり、相続人とのトラブルさえなければ、複数の窓口を訪ねなくても済む、と言う点が最大のメリットと言えます。

MOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてください!