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ペット信託契約を結ぶ際は、行政書士や司法書士など専門家に頼む事がおすすめです。飼い主の死後や認知症になる前に、ペットの世話を引き取りしてくれる先を探しておく事が大切です。では、実際に行政書士はペット信託契約時に何をしてくれるのでしょうか?

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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ペット信託は行政書士に頼むべき?よくある相談内容を解説!

ペットを飼っている方なら、一度はペット信託という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?


約10年前に商標登録された新しい言葉ですが、自分が病気や寿命により、ペットの世話が出来なくなった時にペットを守る一つの手段としてペット信託が挙げられています。


しかし、そもそもペット信託とは何かを知っている人はそこまで多くいないのが現状です。


そこで、今回MOFFMEでは、

  • ペット信託とは?飼い主が死後、ペットに財産を相続する方法
  • ペット信託に行政書士は必須?行政書士は何をしてくれる?
について詳しくご説明します。

今自分に関係ない出来事だと感じている方でも、知識として知っておくだけで、ペットを守る為の選択肢が広がるため、最後までご一読下さい。

ペット信託とは?飼い主が死後、ペットに財産を相続する方法


ペット信託とは飼い主の方が、やむを得ない事情によりペットを飼う事が出来なくなってしまった場合に備え、信頼出来る第三者にペットの世話をしてもらえる仕組みの事です。


ペット信託は、契約で次の3者を設定する必要があります。

  • 委託者:ペットの飼い主
  • 受託者:信託財産を管理する者
  • 受益者:実際にペットを飼育する者
そもそも、信託とは自分の財産の一部を信頼できる第三者に任せて運用をさせる仕組みの事を指します。

そのため、ペット信託を委託しようと考えている人は、受託者と受益者を選抜しなくてはいけません。

もし、受託者と受益者が見つかったら、以下の点に注意して信託契約を結びましょう。
  • 飼い主を委託者、信託財産を管理する者を受託者、実際にペットを飼育する者を受益者とする前提を確認する。
  • 飼い主の希望する飼育条件を盛り込んでいるかどうか確認する。
  • 信託の終了後の残余財産の貴族権利者をどうするかを考えておく。
上記の内容に気を付けてペット信託を結べば、もし自分がペットを飼い続けることが出来なくても、ペットの安全は確保されます。

しかし、ペット信託を結ぶ際、飼い主が認知症の疑いがある場合は契約自体が無効になってしまう点も留意しておく必要があります。

信頼出来る第三者にペットと自分の財産を引き渡して、ペットを飼ってもらう仕組みがペット信託なため、留意すべき点には気を付けて契約をするようにしましょう。

ペット信託に行政書士は必須?行政書士は何をしてくれる?


一般的に行政書士は、公的な物から民事に至るまで、幅広く書面の作成から締結までをサポートしてくれる人達の事を指しています。


勿論ペット信託を結ぶためには、受託者・受益者を選び、双方とペット信託に関する書類を交わす必要があるため、書類関係の知識があまりない方にとっては、行政書士は強い味方になってくれます。


ペット信託で必要な書類は以下の2種類になります。

  • 信託契約書:面倒を見てくれることの約束事
  • 遺言書:ペットの世話をしてくれた人にどれほどの財産を残すかを記載
また、行政書士によっては、身近に自分のペットの世話を任せられる人が見当たらない方に向け、信頼出来るNPO法人の紹介や里親のマッチングを手助けしてくれる場合もあります。

必要な書類面でも大変力になってくれる行政書士ですが、ペット信託に関わる事全般の支援もしてくれる所もあるため、契約について不安を感じている方は、一度相談をしてみる事をお勧めします。

信託契約を行政書士に頼む以外に、方法はある?


ペット信託を契約する際に、行政書士は強い味方になりますが、勿論その分のコストはかかってしまいます。

そもそも、ペット信託とは、未来のペットの生活費などを用意する事が前提にあるため、まとまったお金を用意しておく必要があります。

そのため、あまりお金をかけないで契約を結べた方が、ペットに残してあげられる資産も多くなります。

そこで、多くの手段からコストの低いものを検討する為にも、この項では、
  • ①:弁護士や司法書士に頼む
  • ②:ペットを保護してくれるNPO法人に頼む
  • ③:信頼出来る家族や友人を受託者・受益者にする
  • ④:ペット信託を受け付けている保険会社に頼む
について、詳しくご説明していきます。

①:弁護士や司法書士に頼む

行政書士以外にも、弁護士や司法書士に頼むという方法もあります。


弁護士と司法書士の違いはそこまでなく、司法書士とそれぞれの違いもそこまでありません。


認識としては、それぞれで専業分野はあるけど、公的な手続きに関してはどの職業の人に頼んでも問題無くこなしてくれる人達と覚えておけば問題ありません。


また、弁護士や司法書士に頼むことで、違った視点から文章作成などを手伝ってくれる事があります。


特に、弁護士の方は全ての法律に詳しいため、契約書の内容について様々なリスクを考えた上で書類を作成してくれるので、とても安心できます。


その分、料金も高い傾向にありますが、お金の心配はあまりしていないという方にとっては、安心感を十分に感じることが出来るため、お勧めです。

②:ペットを保護してくれるNPO法人に頼む

NPO法人の中には、ペット信託を中心に、人とペットとの今後を考えようというコンセプトの法人が幾つか存在しています。


そういったコンセプトのNPO法人は、ペット信託に関する知見が幅広く深いため、どんな悩みを相談しても問題無く回答を頂ける安心感があります。


また、行政書士や弁護士などと違い、書類関連以外にも多くの事を相談できるため、じっくりと時間をかけてペット信託をしていきたいという方にとっては、大変お勧めできる選択肢です。


現時点で、ペット信託についてカジュアルな相談をしたい方は、是非ペット信託をしているNPO法人にご連絡下さい。

③:信頼できる家族や友人を受託者・受益者にする

ペット信託は信頼の基成り立っています。

そのため、依頼者が何を信頼するかが大変重要になっています。


一番は、受託者・受益者が信頼しきれる場合です。

その場合は、面倒な書類を作成する事も、遺言書などを書く必要もいらないと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。


一方で、信頼が出来る人だけど、一緒に過ごしてきた期間が短いため、家族などと比べると信頼が薄い方にペット信託を任せる場合は、契約書に信頼を置く事も大切な事です。


ペット信託は、依頼者である飼い主さんがペットの世話を問題無くしてくれる第三者を保証する制度です。


確実に信頼出来る第三者を見つけてしまえば、細かな書類作業もいらないのかもしれません。

④:ペット信託を受け付けている保険会社に頼む

ペット信託を受け付けているペット保険会社も存在しています。


ペット保健会社は、ペットを動物病院に連れて行った際の料金を一部負担してくれるサービスをメインにしている会社です。


そのサービスの中で、ペット信託を請け負っているペット保健会社も存在していますが、あまり一般的ではないため、ペット信託を任せることが出来る保険会社はそこまで多くはありません。


そのため、もし今ペット保健に加入していて、その流れでペット信託もその会社で任せてみたいと考えている方以外は、NPO法人や法律の専門家などを第一に頼る事をお勧めします。

ペット信託の契約を受け付けている行政書士事務所はどこがある?


飼い主の方が病気や寿命などで亡くなった後、保健所にペットを引き取られてしまう事が嫌な方は、ペット信託を考える必要があります。


しかし、何から始めればよいか分からないといった方が多い事も事実としてあります。

そういった場合は、先程ご紹介した4種類の方々か、行政書士の方に相談をすると解決する場合がほとんどです。


その中でも、実際にペット信託に関する悩み相談を受け付けている行政書士事務所は以下事務所が挙げられます。

  • ねこのて行政事務所
  • 司法書士・行政書士 村田美和子事務所
  • ひらおか恵子行政書士事務所
  • 宮本行政書士事務所
勿論、ここでご紹介した事務所以外にも、ペット信託を請け負ってくれる行政事務所は多く存在しています。

そのため、なるべく住んでいる所から近い場所で、信頼出来る事務所を見つける事は不可能ではないため、ぜひ一度調べてから相談先を決めて頂く事をお勧めします。

ペット信託でよくある相談内容を4つ紹介!


ここまでは、ペット信託の概要に合わせ、どんな所へ相談するのがお勧めなのかについてご紹介してきました。


しかし、ペット信託について相談してみようと考えている方の中には、具体的に何から相談すれば良いか分からないという方も多く存在しています。


そこでこの項では、

  • ①:負担付遺贈や負担付死贈与契約との違いとは?
  • ②:飼い主が亡くなった後でも、ちゃんと飼育してくれる?
  • ③:ペット信託には、どれくらい費用がかかる?
  • ④:ペットに直接財産を残すことはできる?
このよくある4個の質問について詳しくご説明していきます。
NPO法人や、行政書士に相談する前にこの4個については、ここで理解しておきましょう。

①:負担付遺贈や負担付死因贈与契約との違いは?

ペット信託を結ぶ際に、よく出てくる契約方法として、負担付遺贈と負担付死因贈与契約というワードが良く出てきます。


負担付贈与と負担付死因贈与契約の概要は以下の通りです。

  • 負担付遺贈:
     特定の条件を守る事を前提とし、遺書により贈与される資産が決定される契約
  • 負担付死因贈与契約:
     特定の条件を守る事を前提とし、双方合意の基贈与される資産が決定される契約
この2個の契約の最も違う点は、負担付遺贈は一方的な契約で、負担付死因贈与契約は双方が合意して結ばれる契約という点です。

つまり、負担付遺贈は遺産を受け取る受遺者に、遺産を受け取るか否かの選択権を付与する契約で、負担付死因贈与契約はお互いが合意して契約するため、確実に契約は守られるという点が大きな違いです。

この2点については、しっかりと理解しておきましょう。

②:飼い主が亡くなった後でも、ちゃんと飼育してくれる?

ペット信託の前提は、関係者同士の信頼で守られているものなため、基本的にはちゃんとペットを飼育してくれる人も環境も揃っています。


しかし、あくまで人なので気持ちが変化して保健所などにペットを預けたくなってしまう可能性も存在しています。


そういった場合は、先ほどご紹介した契約方法によってちゃんと飼育してくれるかどうかが変化してきます。


負担付遺贈の場合は、飼い主が亡くなった後、受遺者に選択権が付与されるだけなので、遺産を受け取らない事を選択した場合は、ペットを飼育する義務は発生しません。


一方で、負担付死因贈与契約の場合は、飼い主が亡くなった後でも、契約内容が確実に実行される仕組みになっているため、契約を結んだ時点でペットを飼育する義務が発生します。


人間は感情によって行動を変化させる事が度々あるため、公的な書類を交わす事をお勧めします。

③:ペット信託には、どれくらい費用がかかる?

一般的に踏まれる手続きである行政書士に一定の仕事を依頼して、ペット信託を契約す場合に必要なお金は、100万円~450万円になります。


費用の内訳は、以下の通りです。

  • 行政書士への相談料:5,000円~10,000円
  • 信託契約書の作成費用:15万円
  • ペットの飼育費用:100~400万円
勿論、飼い主が亡くなった後、ペットがどれほど長く生きるかによりますが、最もお金がかかるのが飼育費用になってきます。

そのため、ペット信託を考えている人は、飼っているペットの今の暮らしを寿命までさせるために必要な費用を概算しておく必要があります。

費用の概算はとても細かな作業になりますので、家族や相談できる相手と一緒に概算をし、ペット信託にかかる費用を想定しておきましょう。

④:ペットに直接財産を遺すことはできる?

現時点でのペット信託の仕組みでは、ペットに直接財産を遺す事は出来ません。


法律上、ペットというのは飼い主の所有物という位置付けなため、遺産を残す対象には含まれません。


そのため、ペットの為に遺産を使ってくれる第三者に遺産を遺贈する他手段はないのが現状です。


もちろん、ペットの生活のために遺産を残したいという気持ちが大きいと思いますが、ペットにお金などを管理する能力がないのは明白であり、遺産を守っていくことも不可能です。


そのため、自分で面倒を見切れない範囲の事は信頼出来る第三者に任せる事で、ペットの生活を守ることが可能になるため、信頼出来る第三者を見つけることが最も大切な点である事を留意して頂ければと思います。

ペット信託のメリット・デメリットを解説!


ペット信託は、何が出来て、何が出来ないのかをご存じでしょうか?


ペットの生活を担保出来るけど、自分の資産を第三者に譲るのは少し不安だなと感じる方も多いと思います。


そこでこの項では、

  • ペット信託のメリット
  • ペット信託のデメリット
について詳しく解説していく中で、ペット信託で任せられる点とそうでない点についてもご説明していきます。

この項を通じて、ペット信託で賄える点を理解し、賄えない点をどう補っていくかを議論するきっかけになればと考えているため、ぜひ読み漏れの無いようご一読ください。

ペット信託のメリット

ペット信託の代表的なメリットは以下の3点になります。

  • メリット①:自分が亡くなった後でもペットの世話をして貰える
  • メリット②:受託者はペットにしか財産を支出出来ない仕組みになっている
  • メリット③:契約内容次第で飼い主の希望に沿った生活をさせることが出来る
他にも、幾つかメリットは存在しますが、主なメリットとしては上記の3点になります。
ペット信託では、ペットの生活を守ることは当たり前として、財産管理や細かな生活についても言及することが出来ます。

また、受益者を監視する監査人もついているため、自分が世話をすることが出来なくなってしまっても、従来の生活をペットに保証してあげることが出来る点がペット信託のメリットと言えるでしょう。

ペット信託のデメリット

ペット信託の代表的なデメリットは以下の2点になります。

  • デメリット①:受託者の選任が困難
  • デメリット②:ペット信託の料金が高額
他にも、幾つかデメリットは存在しますが、主なデメリットとしては上記の2点になります。

ペット信託で最も重要なのが、受託者を誰にするかです。
人として信頼出来て、自分がペットにしてあげたい事を変わりにしてくれるような人を探すことは大変難しい場合がほとんどです。

そのため、少し条件を緩くしたりして調整していかないとペット信託の契約を結ぶことすら困難になってしまいます。

また、費用も多くかかるため、ペット信託を考えている方は、今一度頼れる相手と十分なお金はあるかについてご確認下さい。

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まとめ:ペット信託では、行政書士など専門家を頼る事がおすすめ

いかかでしたでしょうか?


この記事のまとめは以下の通りです。

  • ペット信託とは、ペットを第三者に飼ってもらえる仕組みの事
  • ペット信託に必要な書類は法律のエキスパートに頼むことがお勧め
  • ペット信託を頼む関係者は信頼を持てる人を選任しよう
  • ペット信託には多額の費用がかかる
ペット信託は、ペットの未来を飼い主の方が守れる素晴らしい仕組みです。
そのため、是非今回ご紹介した内容を踏まえ、信頼出来る行政書士や受益者を見つけ、ペットの生活を守って頂ければと思います。

MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!