ペット信託っていくらかかるの?ペット信託の基本を詳しく解説のサムネイル画像

ペットを飼っている方は『ペット信託』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ペット信託とは、飼い主が亡くなったり、ペットの飼育が難しくなった際に残されたペットの生活を担保するものです。今回のMOFFME記事では、ペット信託はいくらかかるのかなど解説します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

目次を閉じる

ペット信託っていくらかかるの?ペット信託の基本を詳しく解説

飼い主が病気や事故などでペットを飼えなくなってしまう。
このような万が一に備えるためにペット信託という仕組みがあります。

そこで今回「MOFFME」では「ペット信託」について解説していきます。

解説する内容は、

  • ペット信託の基本的情報を紹介
  • ペット信託とは
  • ペット信託の契約フロー
  • ペットの飼育を託すことは可能?
  • ペット信託はいくらかかるのか詳しく解説
  • ペット信託契約1年目にかかる費用
  • ペット信託の費用相場
  • ペット信託においてよくある質問を紹介
  • よくある質問①受託者の義務は?
  • よくある質問②受託者がペットの飼育を拒否したら?
  • よくある質問③飼い主よりペットが先に亡くなった場合は?
  • よくある質問④金銭以外で飼育費を託すことは可能?
  • まとめ:ペット信託がいくらかかるかしっかり理解して選ぼう
以上の内容を解説していきます。

今後、自分自身に何が起きるかわかりません。
もし自分がペットを飼育できなくなってしまったら、ペットはどうなってしまうんだろう。

ペット信託はそのような万が一の場合に備えるための仕組みです。
ペット信託についてしっかり理解することで、今後の不安の解消へとつながります。

ぜひ最後までご覧ください。

ペット信託の基本的情報を紹介


そもそもペット信託とはどのようなものなのか。

ここでは、ペット信託の基本情報を3つ紹介します。

  • ペット信託とは
  • ペット信託の契約フロー
  • ペットの飼育を託すことは可能?
そもそも「ペット信託ってどういう仕組み?」「契約までの流れは?」「ペットの飼育も託せるの?」このような疑問が出てくると思います。

ペット信託の基本情報として、はじめにしっかり理解した方が良い内容になります。

自分自身に万が一のことが起きてペットのお世話ができなくなってしまったとき、ペット信託を契約しているとどのような対応になるのか把握しておきましょう。

それぞれ詳しく解説していきますので、今後ペット信託を利用するかどうか判断するためにも、ぜひ参考にしてください。

ペット信託とは

信託とは、自身(委託者)の財産の一部、または全部を信頼できる人物(受託者)に託して、信託目的に従って管理と運営してもらうことです。


ペット信託は、この信託の仕組みを活用した制度になります。


飼い主の病気やケガ、死亡などによりペットの世話ができなくなった場合に備えて、信頼できる第三者と契約します。


契約した第三者(受託者)にペットの飼育費の管理と運営をしてもらい、ペットの飼育を託すのがペット信託です。


受託者は、託された飼育費としての信託財産をペットのためにしか使用できないことになっています。


そうはいっても本当に信託財産として適切に飼育費が使用しているのか不安という方は、費用はかかってしまいますが、信託監督人をつけることも可能ですので、こちらも検討してみてください。

ペット信託の契約フロー

それではペット信託の契約の流れを解説します。


まずは信託契約書を作成し、ペットのお世話をしてくれる信頼できる人物と締結します。

信託契約書には、ペットの面倒を見てもらうこと、必要な費用を信託財産から支払うことなどを記載。


契約に関して不安な方は、まだ数は少ないですがペット信託の専門業者もいますので、専門業者にお願いする方法もあります。


また、委託者に相続人が存在する場合には、ペット信託について記載した遺言書を作成しておくことで、今後のトラブル回避につながります。


信託内容が守られているか監視するために監督人を選任することもできます。

必ず監督人を選任する必要はないですが、選任しておくと安心材料にもなるので、ぜひ検討してみてください。

ペットの飼育を託すことは可能?

ペット信託でペットの飼育を託すことは可能です。


また、ペット信託以外に飼育費を遺す方法として「負担付死因贈与」「負担付遺贈」があります。


ただし、贈与された財産はペットの飼育以外にも使うことができるうえに、適切に使われているのか第三者にチェックしてもらうこともできません。


それに加えて、ペットの飼育を条件にされた相続人または第三者の人は、遺贈の放棄が可能になっています。


遺贈の放棄をされてしまうと、ペットの行き場がなくなってしまいますので、事前にペットの飼育を依頼する相続人または第三者に飼育の承諾を得るようにしてください。

ペット信託はいくらかかるのか詳しく解説

実際のところペット信託はいくらかかるのか気になるところだと思います。

ここではペット信託の費用について

  • ペット信託契約1年目にかかる費用
  • ペット信託の費用相場
以上の2つを解説します。

万が一に備えてペット信託を利用したいけど費用がいくら必要なのかわからない。このような方はぜひこちらの解説をご覧ください。

必要な費用がわからないとそもそも検討できないと思いますので、ここで解説する「契約1年目にかかる費用」「費用相場」を参考に検討してみてください。

飼っているペットが、犬か猫かによっても必要な費用は変わってきます。
自身の経済状況などを考慮して無理のないように、ペット信託の契約を検討していただけたらと思います。

ペット信託契約1年目にかかる費用

こちらではペット信託の契約1年目に必要な費用を犬と猫の場合で紹介します。


ペットの年齢や持病の有無でも変わってきますので、あくまでも平均的な料金としての参考にご活用ください。

犬(税別)猫(税別)
契約書の作成150,000円150,000円
公正証書遺言作成
120,000円120,000円
ノミ・ダニ予防15,000円15,000円
シャンプーなどのケア50,000円40,000円
諸費用(トイレ砂、シーツ等)40,000円60,000円
病気・ケガの治療150,000円60,000円
初年度の合計額515,000円445,000円

確実な契約になるように契約書の作成は行政書士に依頼するのがおすすめです。


また専門家のチェックが入り、遺言内容が無効になることが少なくなる公正証書遺言も作成しておきましょう。

ペット信託の費用相場

それではペット信託を契約した場合の費用相場を確認してみましょう。


ペット信託を始める方法は2つ

  1. 自分で管理会社を設立し、第三者に経営や運営を任せる
  2. ペット信託の専門業者に依頼する
以上の2つ方法があります。

ただし、ペット信託の利用を検討している人で、会社を設立する人はほとんどいないと思いますので、ここではペット信託の専門業者に依頼する場合の費用を解説します。

まず専門業者と契約締結をすると約25万円

次にペットの健康診断を獣医師に依頼して大体の余命を診断してもらいます。

余命がわかったら、ペットの1ヵ月分の飼育費用×12ヵ月×余命で大体どのくらいの費用が必要かわかります。

例としてペットが犬で1ヵ月の飼育費が約2万円で余命10年だとすると
2万×12ヵ月×10年で約240万円の費用がかかることになります。

もちろん依頼する業者や飼っているペットによって価格は違ってきます。契約前の参考費用の計算方法として活用してみてください。

ペット信託においてよくある質問を紹介

ここではペット信託についてのよくある質問を紹介します。

紹介する質問は以下の4つ

  • よくある質問①受託者の義務は?
  • よくある質問②受託者がペットの飼育を拒否したら?
  • よくある質問③飼い主よりペットが先に亡くなった場合は?
  • よくある質問④金銭以外で飼育費を託すことは可能?
以上4つのよくある質問と、それに対する回答を紹介していきます。

ペット信託を利用する前に、多くの人が疑問に思っていることを確認しておきましょう。

利用開始前に、よくある質問の内容を把握しておくことで、ペット信託についての理解が深まります。

契約後のトラブル防止にもなるので、よくある質問の内容は事前にしっかり把握してから、実際に利用するかどうか検討していきましょう。

よくある質問①受託者の義務は?

ペット信託で新しく飼い主になった受託者は、自身の財産と託されたペットの飼育費用は分けて管理しなければいけません。


受託者は委託者から託されたペットの飼育費から、ペットを飼育する義務が発生します。

他にも新しく飼い主になる受託者の義務はありますが、これは委託者と受託者の契約内容によって異なります。


基本的に発生する義務は

  1. ペットの面倒をみること
  2. 飼育費用は信託財産から支払うこと
以上の2つの義務が発生します。

よくある質問②受託者がペットの飼育を拒否したら?

任意にはなりますが、新しい飼い主になる受託者が、ペットの飼育や飼育費の管理を適切におこなっているかチェックするために「信託監督人」を選任することができます。


信託監督人に選任されるのは、信託契約に携わった行政書士や司法書士が選任されることが多いです。


ペット信託は信頼できる人物にペットの飼育を託すことなので、託した人物が飼育を拒否することは基本的にないと思います。


ただ、不安な場合は信託監督人を選任して、信託財産の管理やペットの飼育状況を監督してもらいましょう。

よくある質問③飼い主よりペットが先に亡くなった場合は?

飼い主に万が一が起きた時の備えとしてのペット信託ですが、万が一が訪れずに最後まで看取った場合は、託した飼育費を飼い主に戻すことができます。


また、新しい飼い主である受託者がペットを飼育後、そのペットが亡くなった場合に残った飼育費をどうするかは飼い主とのヒヤリングで確認します。


もしくは自費で飼育してくれる里親が見つかり、飼い主が譲渡を希望する場合での残った飼育費についても同様に飼い主とのヒアリングで決めていきます。

よくある質問④金銭以外で飼育費を託すことは可能?

基本的にペット信託の飼育費は、金銭で託されることが多いです。


ただし、飼育費が足りなくなった時の備えとして、不動産や生命保険金を信託財産として設定することもできるようになっています。


ペット信託は飼い主の希望を叶えるために、ある程度柔軟に契約内容を決めることができます。


しかし、ペット信託の内容を決めるためには専門的な知識が必要になります。後々問題にならないように契約内容に関しては専門家に依頼した方が安心です。

ペット保険の一括比較はこちら

まとめ:ペット信託がいくらかかるかしっかり理解して選ぼう

今回の記事ではペット信託の基本情報と費用がいくらくらいかについて

  • ペット信託の基本的情報を紹介
  • ペット信託とは
  • ペット信託の契約フロー
  • ペットの飼育を託すことは可能?
  • ペット信託はいくらかかるのか詳しく解説
  • ペット信託契約1年目にかかる費用
  • ペット信託の費用相場
  • ペット信託においてよくある質問を紹介
  • よくある質問①受託者の義務は?
  • よくある質問②受託者がペットの飼育を拒否したら?
  • よくある質問③飼い主よりペットが先に亡くなった場合は?
  • よくある質問④金銭以外で飼育費を託すことは可能?
以上の内容を解説しました。

ペット信託の初年度の費用は犬と猫で差がありますが45万~52万くらい。
余命診断でさらに費用がかかってきます。

けっして安いとは言えない金額ですので、今回の記事を参考にしっかりペット信託について理解したうえで、実際に利用するかどうか判断しましょう。

またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!