
ペットを飼っている方は『ペット信託』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ペット信託とは、飼い主が亡くなったり、ペットの飼育が難しくなった際に残されたペットの生活を担保するものです。今回のMOFFME記事では、ペット信託について問題点を含め解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じるペット信託について徹底解説!メリット・デメリットを紹介します
「ペット信託」という言葉をご存じでしょうか?
初めて聞いたという方や、聞いたことはあるけれど詳しくは知らないという方、いざという時のためにきちんと調べてすでに準備している方など様々だと思います。
ペット信託は、飼い主であるあなたがペットより先に亡くなってしまったり、さまざまな理由でペットの面倒が見れなくなってしまうなど、もしもの時に頼りになる仕組みです。
では、ペット信託とは具体的にどのような仕組みなのでしょうか。
また、メリットやデメリットはどんなことがあるのでしょうか。
そこで今回の「MOFFME」ではペット信託について徹底解説!
- ペット信託について解説
- ペット信託の仕組みを解説
- ペット信託のメリット・デメリットを解説
ペット信託について解説
ペットを飼育するにあたって、自分がペットより先に亡くなってしまったり、事故などで大きな怪我を負ってしまい、その後遺症が残ってしまったりなど、さまざまな理由から自分自身でペットの飼育が困難になることがあると思います。
このような事態を想定して自分の代わりにペットをお世話してくれる人を考えておくことはとても大切なことです。
犬や猫なら長くて20年前後、大型のインコなどになると50年以上も生きる種類も存在します。
そんな長い間、飼い主が五体満足で一生ペットと添い遂げられる可能性は決して100%ではありません。
そんなときに頼りになるのが「ペット信託」です。
この項目では
- ペット信託とは
- ペットの飼育を託すことは可能?
ペット信託とは
そもそも信託とは、自分の財産を、信頼できる人に託し、自分の目的通りに管理や運用をしてもらうシステムのことです。
それをペットに適用したのがペット信託です。
もう少し具体的な例えをすると、飼い主が病気や怪我を負って自分で飼育できなくなったときや死亡してしまったときに、あらかじめ信託関係を結んでいた人にご自身の財産から飼育費を支払うことで、ペットが生涯安心して生活できるようにする仕組みになります。
ペットの飼育を託すことは可能?
結論から言いいますと、ペットの飼育を託すことは可能です。
ですが、ペット信託を考慮するとしても、信託関係を結んだ人が責任をもってご自身のペットの飼育をしてくれるのかが気になるところだと思います。
飼育を託すことで、もし自分の手の離れてしまったところで、不適切な飼育をされてしまうのではないか心配ですよね。
ですが、ペット信託の大きな特徴のひとつに、「信託監督人」を置くことが可能です。
信託監督人は文字通り監督するのが役割。
信託内容通りに適正な飼育がなされていない場合は、信託監督人が信託契約を受託した人に指摘・改善し、契約通りに飼育・管理をさせることができます。
ペット信託の仕組みを解説
ご自身のもしもの時に備えて、ペット信託の導入を考えている人もいるかもしれませんね。
ペット信託はまだ日本で比較的新しい制度です。
また、そのシステムの特徴的に何度も利用するものでもありません。
そのため、詳しく契約の流れや費用などの仕組みを詳しく知っている人はあまり多くはありません。
実際にペット信託を利用する時のために、契約の仕組みなどを知っておくととても便利です。
そこでこの項目では
- ペット信託の契約の流れ
- ペット信託の費用を紹介
ペット信託の契約の流れ
ペット信託を実際に利用するにあったっての流れは以下のようになります。
①契約を受託してくれる人を見つける
ペット信託の費用を紹介
実際にペット信託を利用するにあたり、初期投資や将来ペットにかかってくる費用が前もって必要になってきます。
初期投資は信託契約書作成料など。
そしてペットにかかる費用は、ペットの食事やトイレ用品やおもちゃなどの飼育用品、医療費などになります。
ペットにかかる費用はペットの種類や余命、病気の有無などによって変わってきますので、一概にいくらだ、と明記はできませんが、下記が参考的な金額になってきます。
- 信託契約書作成料:15万円程度〜
- ペットにかかる費用(小型犬の場合):1年あたり25万円程度〜
ペット信託のメリット・デメリットを解説
ペット信託は、自分の死後や万が一があった時に、次の飼い主を決めておける便利な仕組みです。
それだけで大きなメリットですが、どんなことにもメリットがあればデメリットも存在します。
今後ご自身が利用する時にも、きちんとデメリット把握しておくことをおすすめします。
そこでこの項目では
- ペット信託のメリット①飼い主が亡くなった後もペットの世話が行える
- ペット信託のメリット②信託財産はペットのためにのみ使える
- ペット信託のデメリット①受託者が見つけにくい
- ペット信託のデメリット②ペット信託を扱う専門家が少ない
ペット信託のメリット①飼い主が亡くなった後もペットの世話が行える
飼い主が亡くなった後もペットの世話をしてくれる人が事前に決まっていることがペット信託の最大のメリットと言っても過言ではありません。
最近は日本で高齢化が進み、仕事をリタイアしたシニア世代が新しくペットをお迎えするケースも増えています。
もちろん、ペットをお迎えするにあたり、終生飼養が鉄則ではありますが、当初にたてた計画が100%叶うわけではなく、飼い主が先に亡くなってしまう場合いもあります。
また、飼い主が亡くなってしまうのは最悪のケースですが、病気や怪我などで飼育が困難になった場合、自分に変わって信用できる人が世話をしてくれるので、安心して治療やリハビリに専念できます。
また、最愛のペットがいることで、治療やリハビリを頑張る活力にもなるでしょう。
ペット信託のメリット②信託財産はペットのためにのみ使える
たとえその財産を管理している受託人であっても、ペット信託のための財産は、ペットにかかる費用にしか使用できません。
そのため、財産を他人に管理させるのが不安な方でも安心して利用できるシステムになってます。
また、それでも不安な方は、前述した信託監督人を置くことで、財産がきちんと管理されているか監督してもらうことも可能です。
ペット信託のデメリット①受託者が見つけにくい
ペット信託は素晴らしい仕組みですが、デメリットも存在します。
ペット信託にはまず、契約を受託してくれる受託者と、ペットの実際の飼い主になってくれる将来の飼い主(受託者と同一の場合もあり)を見つけなければいけません。
しかし、その受託者と将来の飼育者が見つかりにくいというのがデメリットとなってきます。
ペットは家族なので「誰でもいい」わけにはいきません。
世話を希望通りにしてくれる方や、愛情を同じようにかけてくれる方など、飼い主の希望はさまざま。
また、ペットも高齢となると介護が必要になってきます。
そのような条件を全て受け入れてくれる受託者や次の飼育者がなかなか見つかりにくく、デメリットと感じてしまうでしょう。
ペット信託のデメリット②ペット信託を扱う専門家が少ない
ペット信託のデメリットのもうひとつの点として、専門家が少ないというデメリットがあげられます。
信託契約の内容を決めたり、契約を交わしたりするためには、専門家の知識が必要になってきます。
ですが、ペット信託は比較的新しい仕組みのため、専門に取り扱っている事務所や専門家が多いとは言えません。
近年はインターネットで探すことができますが、納得できる事務所や専門家を探すのに労力がかかるのがデメリットと言えるでしょう。
まとめ:ペット信託のデメリットも理解してから選ぼう!
今回はペット信託の仕組みやメリットやデメリットについてご紹介してきました。
ポイントは
- ペット信託は飼い主に万が一があった場合、信頼できる第三者にペットの飼育や管理を任せられる仕組みのこと
- ペット信託は、信託契約書の作成をし、締結させる必要がある
- ペット信託を利用するために、初期投資や将来ペットに必要になる費用が事前に必要になる
- 飼い主が亡くなった後もペットの世話の心配がなく、財産もペットのためのみに使えるなどのメリットがある
- 受託者が見つけにくかったり、専門家が少ないなどのデメリットがある
ペット信託は、残されてしまったペットのためになる素晴らしい仕組みです。
ですが、メリットだけでなく、デメリットがあるのも事実。
デメリットにもしっかりと目を向け、利用することをおすすめします。
またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!