ペット信託を提供している保険は様々あります。飼い主が死亡した後、ペットの犬や猫をどう守るかは、高齢者の飼い主にとって大きな問題です。そのため、自分の死後、ペットが野良猫にならないよう引き取りしてくれる、ペット信託があります。では、どんな保険が良いのでしょうか?
この記事の目次
目次を閉じるペット信託で人気の保険は?おすすめ3つのペット信託を紹介!
具体的には以下の内容について解説します。
- ペット信託とは?飼い主亡き後、ペットを守るために大切
- 保険会社や銀行が提供する、ペット信託は主に2種類
- NPO法人と直接契約するペット信託もある
- 認定NPO法人ピーサポネットが提供する、ラブポチ信託
- 三井住友信託銀行が提供する、遺言信託(ペット安心特約付)
- ペットの里が提供する、ペットの安心信託
- 負担付遺贈・負担付死因贈与とペット信託は何が違う?
ペット信託とは?飼い主亡き後、ペットを守るために大切
まずはじめに、そもそもペット信託とは何なのかについて解説していきます。
結論からいうと、ペット信託とは飼い主にもしものことが起きても、ペットが安心して暮らせるように備える事のできる信託のことで、飼い主の死後もペットを守ることができる仕組みとなっています。
ペット信託は以下のような方におすすめです。
- 自分のペットに財産を残したい方
- ペットを飼いたいけど飼えない高齢者の方
- 持病を抱えており、ペットとの共同生活に不安のある方
- 自分にもしもの時があった時にペットの引き取り先がいない方
また、ペット信託のメリットとしては主に2つあります。
1つ目が法律に基づいて監督人を選べることです。
もし、遺言などでペットを飼ってほしいといって、誰かに財産を分け与えたとしましょう。しかし、その人が本当にそのペットを大切にしているかはわかりません。
そこで、監督人を選任することで、法律に基づいて本当に契約に沿って、飼育をしているかを監督することができます。
2つ目はあらかじめ飼い主を選任することができる点です。
ペット信託では飼い主に何かがある前に次の飼い主を信頼できる個人や団体などから決定することができ、安心してペットが暮らすことができます。
保険会社や銀行が提供する、ペット信託は主に2種類
ペット保険を提供しているところはいくつかあります。
具体的には以下のペット信託について解説してきます。
- 金銭信託型の信託商品
- 生命保険型の信託商品
①:金銭信託型の信託商品
まず、金銭信託型のペット信託について解説してきます。
金銭信託の信託商品は300万以上の財産を信託財産として預け、実際に相続などが発生した際に信託会社を通して、信託財産が受益者に支払われるという仕組みとなっています。
あらかじめ、自分の死後に行ってほしいことをエンディングノートに記入しておくことで、亡くなる前に希望したことをきちんと実行してくれるため、安心して任せることができるのもメリットとなります。
ペットの飼育費に加えて、設定時報酬や運用報酬、終了時報酬などの信託会社(銀行や保険会社)に支払う費用が必要となるため、ある程度、経済的に余裕のある方におすすめとなります。
②:生命保険型の信託商品
次に生命保険型のペット信託について解説していきます。
基本的な内容としては金銭型信託と特に変わりなく、エンディングノートに書かれた死後にしてほしいことに基づいて事務処理などを行ってくれます。
ただ、生命保険型は金銭信託型と異なる部分は銀行や保険会社などの信託会社が用意する生命保険に加入することで、金銭信託型で必要となっていた300万円を50万まで引き下げることができる点です。
つまり、生命保険型のペット信託は少額の信託金と保険金を合わせることで、信託財産を用意するという仕組みになっています。
そのため、比較的に少ない費用でもペット信託を行う事が出来るので、あまり資金がない人にもおすすめできる信託商品となります。
NPO法人と直接契約するペット信託もある
先ほどまでで保険会社や銀行が提供しているペット保険について解説していきました。
銀行や保険会社などが提供するペット信託は
- 金銭信託型と生命保険型の2種類がある
- 金銭信託型は300万円以上の資産がある人向け
- 生命保険型は生命保険の加入を条件に50万円から可能
- どちらも銀行や保険会社が手続きの代行などをしてくれる
認定NPO法人ピーサポネットが提供する、ラブポチ信託
では、直接契約ができるペット信託にはどのようなものがあるのでしょうか。
具体的には以下の内容となります。
- 仕組み:ピーサポネットが里親や最適な保護施設を探してくれる
- 特徴:ペット相続士が信託をサポートしてくれる
- ラブポチ信託のメリット・デメリットは?
仕組み:ピーサポネットが里親や最適な保護施設を探してくれる
ラブポチ信託の基本的な仕組みとしては飼い主が加入している生命保険の贈与先をピーサポネットとし、飼い主の死亡保険金をペットの飼育費とします。
もし、生命保険などに入っていなかったり、加入できなかったとしても行政書士や司法書士などに遺言としてピーサポネットが保険金の贈与先とすることは可能です。
飼い主が亡くなった後や長期入院などでペットと一緒に暮らすことが困難となってしまった場合にピーサポネットが里親や業務提携している13施設の優良な保護施設の中から最適な保護施設を探してくれるという事です。
提携先の中には高齢犬や猫を専門とした施設もあるので、今飼っているのが高齢犬、猫だから引き取ってもらえるか心配な方でも安心です。
特徴:ペット相続士が信託をサポートしてくれる
ラブポチ信託の特徴としてペット相談士が信託のサポートをしてくれます。
というのも、飼い主の死後には様々な手続きが存在します。そのため、ペットが生涯幸せに暮らすことのできるようにペット相続の専門家であるペット相談士がピーサポネットとの手続きを行ってくれます。
ペット相談士は一般社団法人日本ペットトラスト協会が発行しているラブポチ信託を取り扱う事ができる唯一の資格となります。
相談例として以下のようなものがあげられます。
- 引き取り先が見つかるかわからない
- 家族が自分と同じように大切に育ててくれるか心配
- 自分になにかあった時に、家族に飼育ストレスをかけたくない
ラブポチ信託のメリット・デメリットは?
ラブポチ信託のメリットとしては主に2つあります。
1つ目は経済的な負担が軽いことです。
ラブポチ信託では生命保険を活用して、その保険金を信託財産としてぺっとの飼育費に活用するため、飼い主自身の経済的な負担が軽いといえるでしょう。
2つ目は手続きが簡単なことです。
本来ならペットの飼育費に関する契約、遺言書の手配、死因贈与契約などの様々手続きを自身が行わなければいけません。しかし、その手続きをペット相談士がサポートしてくれるため、手続きが簡単となります。
デメリットとしてはラブポチ信託を発行しているピーサポネットが設立したのが、2017年であることから、まだ歴史が浅く、ラブポチ信託を取り扱うことのできる事業所も少ないことがあげられます。
三井住友信託銀行が提供する、遺言信託(ペット安心特約付)
遺言信託(ペット安心特約付)は三井住友信託銀行が2021年6月にサービスを開始したペットのための遺言サービスとなります。
- 仕組み:一般社団法人安心サポートと提携してペットを保護
- 特徴:遺言書やペット手帳を用意できる
- ペット安心特約付のメリット・デメリットは?
仕組み:一般社団法人安心サポートと提携してペットを保護
遺言信託(ペット安心特約付)の仕組みとしては一般社団法人安心サポートと提携してペットを保護を行います。
一般社団法人安心サポートとは2018年に三井住友信託銀行が母体となって設立した一般社団法人です。主に高齢者の方々に向け介護サービスの契約代行や任意後見、死後事務などの財産管理サービスを行っています。
三井住友信託銀行は事前の相談、遺言書の保管及び執行を担当し、一般社団法人安心サポートは相続が発生したときにペットの引き渡し先との事務を代行する死後事務委任契約を飼い主と結びます。
そうすることによってペットの引き渡し先との連絡や引き渡しなどを代行し、飼い主のペットに幸せな暮らしを届けています。
特徴:遺言書やペット手帳を用意できる
特徴としては三井住友信託銀行が遺言やペット手帳の相談や保管を行ってくれることがあげられます。
遺言書を書くことで法定相続分の割合と異なった相続分を指定することができ、ペットを引き取ってくれる人に飼育費などを支払うことができるようになります。
また、ペット手帳の準備、保管をすることでペットの世話をする人にペットの性格や食事などの情報共有が事前に行われす。
それによって、飼い主がいなくなって不安なペットたちも早く新しい環境に馴染みやすくなったり、新しい飼い主と暮らすことの手助けとなります。
ペット手帳には以下のような目次があります。
- ペットのこと
- 健康にかかわること
- 性格や特技のこと
- 食事のこと
- 飼育環境のこと
- 伝えておきたいこと
ペット安心特約付のメリット・デメリットは?
遺言信託(ペット安心特約付)のメリットとデメリットについて解説していきます。
まず、メリットとしては手続きが簡単であることがあげられます。
三井住友信託銀行が遺言書の相談や執行などを行ってくれ、一般社団法人安心サポートが死後における事務を行ってくれるため、手続き自体は非常に少なくなります。
ただ、デメリットとして費用がかかるということがあげられます。
遺言信託(ペット安心特約付)の支払いプランは2つあります。
プランⅠ | プランⅡ | |
---|---|---|
基本手数料 | 440,000円 | 990,000 |
遺言書保管料 | 6,600円/年 | 0円 |
遺言書変更手数料 | 55,000円 | 55,000円 |
遺言執行報酬 | 最低1,100,000円 | 最低330,000円 |
手数料だけでこの費用が掛かるのはデメリットと言えるでしょう。
ペットの里が提供する、ペットの安心信託
最後にペットの安心信託について解説していきます。
また、離れていても状況が知りたいという方にもメールやSNSで預けた犬や猫がどのように過ごしているのかを見ることができます。
具体的には以下の内容について解説していきます。
- 仕組み:宗教法人「宝寿院」のペットの里で、ペットを保護
- 特徴:ペット専用の広大な土地がある
- ペットの安心信託のメリット・デメリットは?
仕組み:宗教法人「宝寿院」のペットの里で、ペットを保護
ペット安心信託の基本的な仕組みとしては飼い主が契約した保険の受益者をペットの里とすることで飼い主の亡き後のペットの生涯をペットの里が保証してくれます。
もし、飼い主にもしものことがあった際に、専任スタッフが日本全国どこでもペットを迎えに来て預かります。
その後、岩手県滝沢市にあるペットの里にて医療や介護なども含めてお世話をしてくれます。
さらに、家族の要望に合わせて、適宜ペットの暮らしぶりや状況などをメールやSNSを通じてお知らせをしてくれ、最終的には桜の樹木葬として埋葬まで行ってくれます。
特徴:ペット専用の広大な土地がある
ペットの里の特徴として岩手県滝沢市にある広大な土地があげられます。
広大な土地であるペットの里は5000坪ものドッグランを有しており、訓練士などのペットにおけるプロのスタッフが駐在しているため、非常に質の良い保護施設となります、
ドッグランの他にも12万坪の敷地を有しているため、預けられたペットたちものびのびと生活ができるでしょう。
また、ペットの里では人とペットがともに幸せに暮らすために以下の4つを掲げています。
- 殺処分ゼロを目指す
- 高齢者に健康と生き甲斐を
- 心豊かな子どもたちを育む
- 社会的弱者の雇用促進
ペットの安心信託のメリット・デメリットは?
ラブポチ信託のメリットは2つあります。
1つ目は経済的な負担が軽いことがあげられます。
ペットの安心信託ではラブポチ信託と同様に保険を活用しているため、飼い主の方々が経済的に負担する金額は多くないといえます。
2つ目は事前に見学ができることです。
ペットの里は事前に見学をすることが可能です。そのため、自分の愛犬を預けるところがどんな場所なのかをあらかじめ把握しておきたい人には見学することができます。施設側も一度見学することを推奨しているので、できれば見学をするようにしましょう。
デメリットとしては保護犬や保護猫たちと同じ場所で暮らすことになるため、そのようなことを気にする飼い主の方の場合はあまりおすすめはできません。
負担付遺贈・負担付死因贈与とペット信託は何が違う?
ペット信託と似ている制度として負担付遺贈と負担付死因贈与があげられます。
しかし、これらは似て非なるものとなります。
具体的にはどのようなことが違うのでしょうか。解説していきます。
ペット信託と負担付死因贈与契約の違いは主に2つです。
1つ目は契約実行の監督人を選任できること。
実際に負担付死因贈与契約を締結しても飼い主の亡き後に本当に世話をしているかがわからないという問題があります。そこで、監督人を選任することで、信託内容に準じていない場合、監督人が改善させることができます。
2つ目は飼い主にお願いできる人がいなくても利用できること 。
一人暮らしの方などはペットを任せることのできる人がいないかもしれません。そのような場合でもペット信託は利用できることができます。
以上がペット信託と負担付死因贈与契約の違いとなります。
まとめ:ペット信託を利用し、自分の死後もペットに安心の生活を
これまででペット信託について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
この記事では
- ペット信託は金銭信託型と生命保険型がある
- おすすめはラブポチ信託、遺言信託(ペット安心特約付)ペットの安心信託
- ペット信託は引き渡し先に監督がつくため、ペットも安心して暮らせる