猫に近づくと逃げるのはなぜ?逃げる理由と猫への正しい接し方を紹介のサムネイル画像

飼っている猫が触ろうとしたり近づいたりすると逃げるようになってしまった、という場合にはまず逃げる理由を知ることが大切です。猫の警戒心を刺激しない、適度な距離感を保つといった猫に逃げられないように正しい接し方を解説していきます。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫に近づくと逃げられる?逃げられない方法とは

飼い猫を撫でたいのに逃げられてしまう、という経験はありませんか?

なぜ飼い主になつかないのか、猫の気持ちを知りたいですよね。

そこで、今回「MOFFME」では、猫が逃げる理由について紹介します。

  • 猫が逃げる理由とは?
  • 飼い猫が逃げない正しい接し方や触り方を紹介!
  • 飼い猫になつかれるためのポイント
  • 飼い猫が家から脱走した時はどうすればいい?
以上の項目に沿って、詳しく解説していきましょう。

飼い始めたばかりの猫と距離を縮めたい方や、ずっと飼っているのに飼い主に慣れない猫がいる方はぜひ参考にしてみてください。

猫が逃げる理由とは?

猫が逃げる理由は、主に次の5つが挙げられます。

  • 猫が逃げる理由①:テリトリーへの侵入
  • 猫が逃げる理由②:猫が嫌いな匂い
  • 猫が逃げる理由③:警戒心が強い
  • 猫が逃げる理由④:大きな音や目線が怖い
  • 猫が逃げる理由⑤:急に動くとびっくりしてしまう
 飼い猫の心理と、逃げてしまう原因を探っていきましょう。

猫が逃げる理由①:テリトリーへの侵入

猫は縄張り意識が強いため、室内飼いの場合でも自分のテリトリーを待っています。テリトリー内に異変がないか、定期的にパトロールしている姿をよく見るのではないでしょうか?


猫に近寄ると逃げて行く場合は、知らず知らずのうちにそのテリトリーに侵入してしまっている可能性があります。

猫が逃げる理由②:猫が嫌いな匂い

猫は匂いに敏感で、人間の数十万倍の嗅覚を持つと言われています。そのため、猫は以下のような強い匂いを嫌う傾向があります。

柑橘系
生肉を食べていた野生時代、猫は酸っぱい匂いがするかどうかで腐敗具合を判断していました。猫にとって酸っぱい匂いは腐った食材毒物を意味しているため、不快感を覚えて逃げていきます。

香辛料

猫は刺激が強い香辛料の香りが苦手です。また、香辛料を食べると胃潰瘍などを引き起こす恐れがあるので、猫がキッチンに入る場合は注意しましょう。

コーヒー

コーヒーに含まれるカフェインは、中毒症状を引き起こす可能性があります。猫にとっては毒物であるため、コーヒーの匂いを警戒して離れて行くのです。

ハーブ・アロマ

ハーブは猫よけとして庭に植えられることもあるほど、猫にとっては嫌な匂いです。アロマの匂いも、猫には刺激が強いので気を付けましょう。

猫は体内でエッセンシャルオイルの成分を分解できないため、中毒を引き起こすことがあります。猫を飼育する場合は、ハーブやアロマの取り扱いに注意しましょう。

男性の汗

男性の汗に含まれる成分は、猫にストレスを与えると言われています。そのため、汗を流すことで猫に逃げられにくくなります。

猫が逃げる理由③:警戒心が強い

猫は元々警戒心が強い動物です。そのため、慣れていない人間には近づきません。人見知りの猫は特に警戒心が強く、家族以外の人が来た場合は隠れて出てこないことがほとんどです。


猫が身を潜めながらこちらをじっと見つめてる場合は、警戒している可能性があります。またその際、猫の耳が後ろや横に倒れていたら恐怖心を抱いているサインです。


猫が警戒や恐怖を感じているときは、刺激しないようにそっとしておきましょう。


また、爪切りなどのケアが苦手で、爪切りの気配を感じると警戒して逃げる猫もいます。爪切りは自宅でなく動物病院で行うことも、猫に逃げられないための対策として有効です。

猫が逃げる理由④:大きな音や目線が怖い

猫は人間の3~4倍の聴力を持つため、大きい音が苦手です。


猫に近づくときに大声を出していたり大きな足音を鳴らしてはいませんか?


飼い主さんが大きな音を出しながら近づくと、猫は恐怖不安を感じて逃げたり、物陰に隠れることがあるのです。


また、猫はじっと見つめられることを嫌います。猫にとって目が合う行為は、敵意を意味するためです。


飼い主さんが意味なく見つめている場合でも、猫は恐怖を感じている可能性があるので注意しましょう。

猫が逃げる理由⑤:急に動くとびっくりしてしまう

飼い主さんが急に動くことで、猫は驚いて逃げることがあります。


例えば、

  • 突然立ち上がる
  • 突然猫に近づく
  • 撫でようとして上から手を出す
などの動きは、猫に恐怖や不安を与える行為です。特に、警戒心の強い猫の場合は注意しましょう。部屋の隅に隠れて出てこない、飼い主さんが近づくだけで逃げるなど、猫との関係が悪化してしまう可能性があるのです。

猫は人間の大げさな動作が苦手です。また、一度された嫌なことは覚えてしまいます。猫の性格によっては、飼い主さんになつかなくなる場合もあるため注意が必要です。

猫が近くにいるときには、ゆっくりと落ち着いた動作を心がけましょう。

飼い猫が逃げない正しい接し方や触り方を紹介!

ここまで、猫が逃げる理由についてお伝えしました。猫が嫌いなことや苦手な動作、本能など様々な要因がありましたね。


続いては、猫が逃げない触れ合い方についてご紹介します。

  • 適度な距離感で近づきすぎない
  • 目を見つめたり、大きな声を出したりして怖がらせない
  • 匂いを嗅がせて慣れさせる
  • タイミングや場所を選んで触る
それぞれを実践しながら、飼い猫との距離を縮めていきましょう。

適度な距離感で近づきすぎない

猫と接するためには、距離感を大切にしましょう。

実は、猫の距離感は4段階に分類されています。自身を中心に円のように広がっており、外側から逃走距離、臨界距離、社会的距離、個人的距離という範囲に分けられています。

次のように、相手との関係性によって侵入を許す範囲が異なります。

逃走距離

猫から半径2m程度の範囲を指し、知らない相手に近づかれると身の危険を感じて逃げ出します

臨界距離

よく知らない相手に対する距離感です。この範囲に侵入されると威嚇や攻撃など自己防衛の反応が出ます。

社会的距離

顔見知りの相手が入れる範囲です。個人的距離のように密着することはありませんが、飼い猫が懐いてきたことが伺えます。

個人的距離

信頼できる相手だけが入れる範囲です。猫同士で添い寝をしたり飼い主の膝に乗るなど、相手との距離がない状態を指します。

以上を参考に、飼い猫との関係性を把握しながら適切な距離を保ちましょう。猫のパーソナルスペースを大切にすることで、少しずつ関係が良くなっていきますよ。

目を見つめたり、大きな声を出したりして怖がらせない

目を見つめたり大きな声を出すなど、猫の恐怖を煽るような行動はやめましょう。

猫は静かな人を好みます。そのため、必要以上に猫と目を合わさず、落ち着いたトーンで話す人に寄って行くことが多いのです。

可愛いからといって急に抱っこをしたり、むやみに猫に近寄ることは猫に嫌われる原因になるので注意してください。

もし猫と目が合った場合は、次の行動で猫の不安を拭えますので実践してみてください。
  • 目を逸らす
  • ゆっくり瞬きする
どちらの動作も「敵意がない」ことを表していますが、ゆっくりの瞬きは愛情表現を意味しています。信頼度が高まると、猫からも瞬きを返してくれるようになりますよ。

匂いを嗅がせて慣れさせる

猫も犬と同じように匂いを嗅ぎ合って挨拶をしたり、匂いから相手を認識します。そのため、猫と触れ合う際はまず匂いを嗅がせ、猫を安心させましょう。


尖ったものを嗅ぐ猫の習性を利用して、人差し指の匂いを嗅がせます。指の匂いを嗅がせるときには、猫の頭上からではなく下から鼻に近づけると猫が怖がりにくいです。


猫が匂いを嗅ぎ、危険かそうでないかを判断する行為を「キャットスキャン」と言います。キャットスキャンを終えたあとも猫が逃げない場合は、飼い主さんを安全だと判断した証拠です。撫でるのであれば、このタイミングがいいでしょう。


人差し指を差し出したときに猫が逃げる場合は、深追いはせず別の日に挑戦してみてください。

タイミングや場所を選んで触る

さっきまで甘えていたと思ったら突然怒るなど、コロコロ変わる猫の気分に振り回されることも多いですよね。猫は気まぐれな性格で、甘えたいときや一人になりたいときがはっきりと分かれています。


そのため、以下のように猫が求めるタイミングで触れることが大切です。

  • 飼い主さんに体や頭を擦りつける
  • 飼い主さんの膝の上に乗る
  • ゴロンとひっくり返ってお腹を見せてくる
  • 飼い主さんを見上げて鳴いてくる
また、猫が気持ちいいと感じる場所は次のとおりです。
  • 鼻筋
  • 顎の下
  • 背中
  • 尻尾の付け根
毛並みに沿って優しく撫でたり、尻尾の付け根を軽く叩くように触ると喜ぶ猫が多いです。

猫が甘えたいときのサインを見逃すことなく、求められたらすぐに優しく触れてあげましょう。

飼い猫になつかれるためのポイント

ゴロゴロと喉を鳴らしながら甘えられたり添い寝したり、そんなイメージを抱きながら猫を飼う方が多いはず。それなのに、猫に逃げられてしまったらとても悲しいですよね。


そんな状態を避けるために、飼い猫になつかれるためのポイントを紹介します。


猫のペースを優先する

猫が構ってほしいとき、反対に構われたくないときなど、猫の気分に合わせてあげることが重要です。


特に子猫を飼い始めた場合には、可愛さ故にたくさん構いたくなりますよね。しかし子猫には睡眠や、新しい環境に慣れるために落ち着く時間が必要です。


猫にとってリラックスできる時間があることで、飼い主さんや新しい環境が安心だと覚えていくのです。


ボディーランゲージを理解する

猫の心理を理解するためには、ボディーランゲージを知る必要があります。

  • 尻尾を左右にゆっくり振る=満足
  • 尻尾を早く振る=イライラ
  • 耳がピンと横向きに張る=警戒・不満

など、猫のしぐさから分かることはたくさんあります。猫の気持ちを汲み取ってあげることで、仲良くなるスピードは各段に上がるでしょう。


猫が喜ぶことをする

猫にとって「良い人」になりましょう。

  • エサをあげる
  • おもちゃで遊ぶ
  • 叱る機会を減らす
身も蓋もないと思うかもしれませんが、エサをくれる人に懐きやすいことは間違いありません。また、猫はおもちゃで遊ぶことも好きなので、飼い猫の好きなおもちゃでたくさん遊んであげましょう。

猫は大きな声で怒られることを嫌います。そのため、なるべく叱ることがないよう倒されて困るものは片付けるなど、イタズラ対策をしておきましょう。

飼い猫が家から脱走した時はどうすればいい?

猫を飼っていると、いつの間にか家から出て行ってしまうことも珍しくはありません。


猫はなぜ家出をしてしまうのか、またその対策についてご紹介します。

  • 家出しても必ず帰ってくる?猫が家から逃げる理由
  • 猫が帰ってこない!家出した猫の探し方
  • 猫を見つけたときの捕まえ方
  • 補足:脱走防止のネットなどがおすすめ
それでは、1つずつ確認していきましょう。

家出しても必ず帰ってくる?猫が家から逃げる理由

まずは、猫が家から逃げる理由について解説しましょう。

外で狩りがしたい

猫は元々狩りをしながら暮らしていました。飼い猫の場合は狩りの機会が少ないため、有り余ったエネルギーを発散しにくいのです。


そのため、外で飛んでいる鳥を見た場合など、狩りへの欲求が高まったときにふらりと外出することがあります。戸締りはもちろん、おもちゃで遊ぶなど猫のエネルギーを発散することで家出を防止できます。


また、外への興味が強い猫の場合は、リードをつけて散歩に連れ出してもいいでしょう。


ストレスによるもの

多頭飼いで猫同士の相性が悪いとき、花火や雷などでパニックになったときなど、大きなストレスが原因で家を出てしまうことがあります。


日頃から猫の様子を観察し、ストレスの原因を取り除いてあげましょう。


発情期

避妊や去勢がされていない猫の場合は、繁殖のためにパートナーを探しに行くことがあります。望まない妊娠を防ぐために、猫が発情期を迎えたときは注意が必要です。

猫が帰ってこない!家出した猫の探し方

散歩が日課の猫がいつもの時間になっても帰ってこないとき、普段家から出ない猫が外に出てしまったときなどは、急いで猫を探しにいきましょう


家出した猫の探し方は、以下を参考にしてください。


必要なものを準備する

猫を探しに行くときには、次のものを揃えましょう。

  • キャリーバッグ
  • 猫を包むバスタオルや洗濯ネット
  • 懐中電灯
  • エサ
  • 聞き込み用に猫の写真

家の周辺を探す

まずは家の周辺から探し、見つからなければ徐々に範囲を広げていきます
  • 家の裏や両隣の家
  • 車の下や草むらなど身を隠しやすいところ
  • 屋根や木の上など高いところ
以上のように、身を隠せる場所や高い位置など、猫にとって安全な場所を重点的に探します。

保健所や愛護団体に連絡

保健所や愛護団体に保護されている可能性があるので、連絡してみましょう。また、飼い猫の特徴を伝えておくと、保護されたときに他の猫と区別がつきやすくなります

SNSで呼びかける

飼い猫の写真や特徴をSNSに投稿し、拡散してもらいましょう。投稿を見た相手が見つけてくれる可能性があります。

猫を見つけたときの捕まえ方

家出した猫は迷子になって不安を感じていたり、猫同士のトラブルにより興奮している可能性があります。


そのため、猫を見つけた場合に、すぐに駆け寄るとパニックになり逃げだしてしまうことがあるので、落ち着いた対応を心がけましょう。


まずは、低姿勢になり名前を呼びながら手を差し出し、猫が近づいてくるのを待ちます。その際に、エサおやつを置くとより効果的です。


猫が落ち着いたら抱っこし、キャリーケースに入れます。


もし猫の興奮が冷めない場合は、毛布や洗濯ネットを頭から被せ、強制的に捕獲します。猫はパニック状態なので、ケガなどに注意しながら行いましょう。

補足:脱走防止のネットなどがおすすめ

猫は玄関やベランダ、窓から外に出てしまうことが多いため、しっかりとした対策が必要になります。


例えば、

  • ベランダに脱走防止用のネットを掛ける
  • 玄関前に猫用の脱走防止フェンスを設置
  • 窓は開けない
などの対策がおすすめです。

猫が外に出てしまうと、猫同士のケンカや交通事故などのトラブルに巻き込まれやすく、最悪の場合は命を落とすこともあります。万が一のことが起こらないよう、脱走防止の対策は大切です。

まとめ:猫が逃げる理由や逃げられない接し方

猫が逃げる理由や、逃げられない接し方についてお伝えしました。


改めて記事のポイントをまとめます。

  • 猫は縄張り意識が高いためテリトリーに侵入されると逃げてしまう
  • 匂いに敏感なので柑橘系や香辛料、男性の汗などの香り嫌う
  • 猫は警戒心が強いため急な音や人間の大きい動作に驚くことがある
  • 猫と関わるためには距離感を保ち、近づき過ぎないことが大切
  • 触るのは猫に求められたときだけにする
  • 猫が脱走した場合は、自宅近くにいることが多いので自宅周辺から探す
  • 草むらや車の下、木や屋根の上などを重点的に探す
  • 猫の特徴をSNSに投稿し、拡散してもらうことで見つかる確率が上がる
いかがでしたでしょうか?

この記事を参考に飼い猫との距離を縮め、良い関係性を築いてくださいね。

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