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野良猫を触りたいけど、感染症がこわいという心配を抱える人は少なくないと思います。野良猫を触ることは、最悪死に至る病を患うリスクがあります。そこで今回は、野良猫に触らない方が良い理由と野良猫を触る際の対策などを解説していきます。

記事監修者「中西 涼馬」

この記事の監修者中西 涼馬
一般社団法人愛玩動物健康管理協会(CAHA)理事

子供の頃から多くの保護犬や保護猫と暮らしてきた。その他、野生動物や昆虫類含め、全ての動物に対して深い愛を持つ。現在、ドーベルマン(元保護犬)・ボルゾイ・ゴールデンレトリバー(悪徳ペットショップから保護)・ボーダーコリーや猫たちと暮らす。主に猫に関しての記事監修者として活躍している。【保有資格:猫健康管理士(一般財団法人全日本動物専門教育協会)】

この記事の目次

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野良猫に触るのは危険?病気や感染症など触ることの危険性を解説

猫好きや動物好きは野良猫を見ると思わず立ち止まってしまう人が多いのではないでしょうか。


野良猫も家猫と変わらず可愛い動物です。


しかし外で暮らす野良猫ちゃんたちには見た目には分からない感染症などの病原体を持っている場合があります。


猫を飼っている人はもちろん、引っ掻かれたり噛まれたりすることで人にうつる病気を持つ猫ちゃんもいるため無闇に触るのはとても危険。


今回MOFFMEでは、

  • 野良猫に触ると危ない理由
  • 触る時に気を付けるべきこと
  • 野良猫に触らない方がいい人
について解説します。

触ってもいい猫の見分け方や、注意すべき触り方、触る方法についても解説していますので、猫好きさんや野良猫を保護したいと考える人は参考にしてください。

またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

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野良猫に触ることはなるべく避けよう


野良猫に触るのはできるだけ避けた方が無難です。


というのも、野良猫、しかも子猫に触ってしまうと人間の匂いが子猫に付いてしまうからという理由もあるのです。


子猫に人間の匂いが付いてしまうと、親猫が育児放棄してしまうため子猫にとっては危ない状況になってしまうのです。


猫からの感染症を防ぐ・子猫の育児放棄を防ぐために野良猫には安易に触らない方がいいでしょう。


ペットを飼っている、家に幼児がいるなど触る人によっては予期せぬ二次感染を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。


野良猫に触るとどのような危ないことが起こり得るのか解説していきます。

病気・感染症を発症する可能性がある

野良猫を触ると病気や感染症を発生する可能性があります。


人間にもうつる可能性のある病気や感染症を持っている野良猫がいるため、触る際は注意が必要です。


猫を触ることで感染する可能性がある病気・感染症は、

  • 細菌・真菌
  • 寄生虫(マダニ・ノミなど)
  • ウイルス
などがあります。

触るだけで感染するもの、引っ掛かれることで感染してしまうものなど様々です。

引っ掻き傷や猫が噛んだ傷などから体内に感染症や病原体などの菌が入り込み、発症してしまうかもしれません。

さらに、菌を持って帰ってしまうことで飼い猫や飼い犬など飼育しているペットに感染してしまう恐れがあるため危険です。

ほとんどの野良猫にとって、人間は怖い存在であるため、触られそうになると引っ掻く・噛むなどの攻撃をしてしまうこともあります。

場合によっては傷口などから死に至る感染の恐れがあるため十分な注意が必要です。

過去には野良猫に噛まれて「SFTS」を発症し、亡くなった人もいます。

触るだけなら大丈夫と思うかもしれませんが、接触するだけで感染する可能性もあるため危険です。

野良猫に触る時は『手洗い』を徹底しよう

野良猫と接触した後は、自分のためにも飼っているペットのためにも、手洗いを必ずするようにしましょう


野良猫を触った手で顔などを触らないようにしてください。病原体を家に持って帰らないよう注意しなければいけません。


野良猫の場合、ほとんどの猫ちゃんにダニやノミが寄生していることが考えられます。


ダニやノミは様々な感染症を媒介すると言われており、「SFTS」と呼ばれる感染症はマダニに噛まれることで感染します。


SFTS」はマダニに直接噛まれたり、マダニに噛まれたねこに、引っ掻かれたり噛まれたりすると人間も発症してしまう恐ろしい病気です。


また、猫から猫に感染するウイルスは、

  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)
  • 猫白血病ウイルス感染症
  • 猫伝染性腹膜炎
  • クラミジア感染症
などがあります。

これらの感染症は、猫には症状が出ない場合があり、見ただけでは病原体や感染症を持っている猫かどうかの判別ができません。

飼い主さんが野良猫を触った後に飼い猫を触ったことで感染してしまう可能性もあるため、注意が必要です。


ウイルスや病原体を洗い流すためにも野良猫を触った後は必ず手洗いをしてください。


保護などを目的としており、どうしても接触が必要な時は手袋などをした上ですぐに動物病院へ連れて行ってあげるといいでしょう。

もしかゆみ・腫れが出たらすぐに病院へ

野良猫に触った後、かゆみや腫れが出た場合すぐに病院で診てもらう必要があります。


注意すべき症状は、

  • 発熱
  • かゆみ
  • 腫れ
  • 引っ掻き傷や噛まれた跡
  • 舐められた跡
上記のような症状、状況が見られた場合は病院で診てもらうのがおすすめです。

感染してもすぐに発症せず、日にちが経ってから発症が分かるケースもあります

野良猫から人にうつる病気や感染症は、
  1. 強いかゆみを引き起こす真菌症疥癬症
  2. 引っ掻き傷が化膿するパスツレラ菌
  3. 発熱や倦怠感を引き起こすバルトネラ菌
などが考えられます。

他にもトキソプラズマやサルモネラ菌なども動物から人にうつる可能性がある細菌です。

猫から猫、猫から他の動物に感染する病気もあるため、野良猫と接触した後は注意しましょう。

飼っているペットや猫に感染被害を防ぐためにも、衣服などもすぐに洗う・着替えるのがおすすめです。

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飼い猫の外出リスクと特に野良猫に触る行為を避けた方がいい人を紹介


猫を飼っている、または飼ったことがある人は「猫の感染症」について知っているかもしれません。


猫には猫同士で接触することでうつる感染症があり、ウイルスを持つ猫からの飛沫感染、接触感染、排泄物からの感染などで発症します。


外飼いしている猫だと感染症を発症するリスクが高くなるため注意が必要です。


室内で飼っている猫でも、感染のリスクはゼロでは無いため、猫用のワクチンで感染を防いでおくことも重要です。


猫のワクチンには3種〜5種があり、それぞれの役割は以下の通りです。

ワクチン予防できる感染症
3種混合ワクチン猫ウイルス性鼻気管炎
猫カリシウイルス感染症
猫白血球減少症
4種混合ワクチン上記+猫白血病ウイルス感染症
5種混合ワクチン上記+猫クラミジア感染症

外に出さないなら3種混合ワクチンで十分だと言う獣医さんもいます。


獣医さんと飼育環境を相談しながらどのワクチンが最適なのか検討するのがおすすめです。


基本的に外猫と家猫では寿命にも大きな差があるとされており、飼い猫を外に出すのはおすすめしません。


ウイルスによっては感染症の発症確率が95%といわれているものもあります。


野良猫を触った飼い主さんから感染する可能性もあるため注意しましょう。


また、人にうつる病気もありますが、野良猫に触ると必ず感染するものではありません。


ただし、

  • 免疫力が低い人
  • 高齢者・幼児・妊婦
などは感染のリスクが高くなるため触るのは避けた方がいいでしょう。

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まとめ:野良猫に触ることは避けて眺めるだけが賢明

この記事でお伝えしたかったことは、

  • 野良猫は感染症や病原体を保有している可能性が高い
  • 猫から人にうつる病気がある
  • 最悪の場合死に至る可能性がある
  • 猫から猫にうつる感染症は多い
  • 野良猫を触った後は必ず手洗い&着替え
  • 子猫に人の匂いが付くと育児放棄される可能性がある
  • かゆい・腫れる・発熱などの症状が出たらすぐに病院へ
です。

猫好き・動物好きだとつい野良猫に反応してしまいがちです。

しかし、野良猫は外で生活をしており、定期的に動物病院に受診しているわけではありません。

どんな病原体を持っているか分からないことは覚えておきましょう。

それでも触りたい、または保護を目的とした接触は手袋などをした上で触ると安心です。

動物から人にうつる病気は少ないかもしれませんが、リスクはゼロでは無く、触る人の体調などによっては発症する確率も上がります。

見た目だけでは触っても大丈夫な猫かどうかはわかりません。

野良猫には十分注意して接するようにしてください。

MOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてください!