犬のヒート(生理)について解説!犬のヒート期間や注意点などのサムネイル画像

『ヒート』という言葉をご存知でしょうか。これは犬の生理を意味しています。ですが、犬のヒートは人の生理と異なる点が多々あります。今回のMOFFME記事では、犬のヒートに関する期間や注意点、症状などを詳しく解説していきます。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

目次を閉じる

犬のヒート(生理)について解説!犬のヒート期間や注意点など

犬にも生理があるって知ってますか?


犬の生理は「ヒート」と呼ばれており、生殖機能が整うとヒートがきます。


個体差があるので、ヒートがおこる決まった月齢はありませんが、

通常は小型犬で生後半年から10ヶ月、


大型犬で生後10ヶ月から1年でヒートがはじまります。


愛犬がヒートになった時に慌てずに対応できるように


今回MOFFMEでは、

  • 犬のヒート期間
  • ヒートの症状
  • ヒート期間の注意点
について詳しく解説します。

この記事を読めば、犬にヒートがきても飼い主さんがやるべき対処方法が分かります。

また、ヒートの仕組みを知ることで望まない妊娠を防ぐことができますよ。

メス犬を飼っている飼い主さんは、ぜひ最後までご覧ください。

犬のヒートについて解説


犬のヒートは、「発情」を意味します。


通常は、子宮内膜が充血することで出血し、犬が子どもを宿す準備ができた証になります。


健康なメス犬なら生後6ヶ月くらいからヒートがおこりますが、それぞれの体によって変わります。


ヒートがくると、陰部が赤くなったり落ち着きがなくなって頻尿になります。


食欲もなくなりますよね。


また、独特のフェロモンを出してオス犬を引きつけますが、時期によって交尾しません。


犬のヒートは子宮内膜の充血なので、痛みはないと思われていますが、


ストレスやホルモンバランスの崩れで体調が優れない場合は、痛みがあると考えられることもありますよ。


犬のヒートをもっと知るために


この項では

  • 犬のヒート期間
  • ヒートの始まる年齢
  • 人の生理との違い
について詳しく解説します。

犬のヒート期間はどのくらい?

犬のヒート期間は、だいたい1週間から3週間弱くらいです。


個体差で違いがあるものの、だいたいはこの期間ですね。


1か月を超えても出血が止まらない場合は、他の病気の疑いがあります。


気づいたら、早めの病院受診して獣医師に診断を仰ぎましょう。


出血が少なくて、犬が陰部を舐めてしまうとヒート期間がわからないこともあるので、注意しましょう。


うちの例だと、床や犬のベッドに血がついていたので、生理の期間を把握できましたよ。


ヒートの最中でも、ぜんぜん出血がない症例も確認されています。


他の犬が興奮したりするのを見て、愛犬がヒートだと感じるケースもありそうです。

犬のヒートが始まる年齢は?

犬のヒートが始まる年齢は、生まれてから半年または10ヶ月の間が一般的です。


個体差があるので、生後1年後から始まる可能性もあります。


うちの犬は、生後7か月くらいにヒートが始まりました。


最近は小型犬化が進み成長期の栄養制限により、一般的な月齢になってもヒートがこないこともあります。


犬のヒートが始まるのは性成熟期(生殖機能が備わる時期)になってからです。

人の生理との違いは?

犬と人の生理には大きな違いがあります。


人の生理は、周期が28日前後で排卵後に妊娠しなかった時に、子宮内膜が剥がれ落ちることで生理がおこります。


犬の生理は、周期が6ヶ月から12か月で、出血するのは発情期の妊娠に備えて

子宮内膜が充血することで生理がおこります。


簡単に言えば、人の生理は妊娠しなかった時に生理がおこり、犬の生理は妊娠する準備ができて生理がおきます。


また、人は高齢になると閉経(生理はこなくなる)になりますが、

犬の場合は高齢になっても、避妊手術をしない限り生涯続きます。

犬のヒートによる症状を解説


犬にヒートがおきると、どのような症状が出るのでしょうか?


陰部乳房が膨らんだり、落ち着きがなくなったりと体と行動に変化が出てきます。


体や行動の変化はホルモンバランスによっておこります。


例えば、ホルモンの一種であるエストロジェンが多く分泌されると食欲が抑えられて

ご飯をあまり食べなくなります。


ヒート前後の症状を知っておくことで、愛犬の変化に気づきやすくなりますね。


この項では
  • ヒート前の症状
  • ヒート中に症状
  • ヒート後の症状
について詳しく解説します。

ヒート前の症状

ヒート前の症状は、

  • 陰部のふくらみ
  • 陰部から少量の分泌液が出る
  • 陰部をやたら気にする
  • おしりを気にする
  • 毛づやがよくなる
などが挙げられます。

うちの愛犬は、普段は腰のあたりを触られるのを嫌がりますが、ヒート前は自ら私の前に腰を出してきます。

周期が決まっていれば、次のヒート予定が測できますが、

初ヒートや周期が乱れている時は普段の愛犬と違うところを観察するとヒートに気づく可能性が上がりますね。

ヒート中の症状

ヒート中の症状は、

  • 落ち着きがなくなる
  • いつもと違う声で鳴く
  • 人や物に自分の陰部をこすりつける
  • 食欲の増減
  • 水をたくさん飲む
  • 頻尿
  • 便秘
などが挙げられます。

ホルモンの一種であるエストロゲンの影響で脱毛の症状が出ることもありますよ。

うちの犬は、ぬいぐるみや抱き枕を足に挟んで陰部をこすりつける交尾の真似をして
ました。

また、散歩に行ったら、おしっこの回数の多さにビックリしたこともあります。

ヒート後の症状

ヒート後の症状は、

  • 乳腺が発達
  • 乳汁が微量でる
  • 偽妊娠
などが挙げられます。

ホルモンの影響を受けて、妊娠した時と同じように母乳が微量出たり、

ぬいぐるみやおもちゃをケージに入れて子育ての真似ごとをするようになります。

またこの時期は、子宮に膿が溜まる「子宮蓄膿症」になりやすいので、陰部から膿が出ていないかの確認をしましょう。

犬の発情周期を解説

犬のヒートには周期があります。


小型犬でも大型犬でも関係なく、4つのサイクルがあり、


生涯このサイクルを繰り返します。


メス犬にだけ発情周期があり、オス犬には通常ありません。


オス犬は、1歳くらいから年中子作りできるんですよ。


周期は大きく分けてこの4つです。
  • 発情前期
  • 発情期
  • 発情休止期
  • 無発情期

簡単に説明すると、それぞれ
  • ホルモンの濃度が上昇して、子宮や卵巣が子どもを宿すための準備期間
  • 受精することが可能な時期で、この発情前期と発情期の間にヒートがおきる
  • 妊娠、出産、子育ての期間
  • 出産終了後の4ヶ月~8ヶ月は卵巣機能をケアする期間
となります。

この項では上記4つの周期について詳しく解説します。

発情前期

発情前期は、約1週間で、陰部が大きくなったり出血が始まる時期です。


エストロゲンは、発情期に向かって分泌量が増えるので、陰部が大きくなったり乳房が張ったりします。


トロミのある赤みを帯びたオレンジ色の液体が陰部から出たりしますが、だんだん色もトロミも変化して赤色で水っぽくなります。


この時期は、犬がせわしなく動き、おしっこを何回もしてビックリしますよ。


メス犬から特有のニオイが出てオス犬を呼びますが、オス犬と交尾はしません。

発情期

発情期は、約10日で出血が減り、2日~3日で排卵がおこります。排卵前後の5日間妊娠可能な期間になります。


出血が少なくなるので、ヒートが終わったと思いがちです。


ですが、犬は出血が終わってから妊娠可能になるので、オス犬と接触させないようにしましょう。


発情期は、ジェスタージェンやコルチコステロイドというホルモンが出ることで免疫抑制作用が働くので、免疫が低下してしまうので感染症に注意が必要です。

発情休止期

発情休止期は、約2か月で、発情出血が止まりオス犬を受け入れない時期になります。


犬は、妊娠の有無にかかわらず、黄体からプロゲステロンが分泌される量が変わらないので、妊娠したと体が勘違いをすることもあります。


犬自身も妊娠したと勘違いをして、ケージにぬいぐるみを入れたりして子育てのような仕草を見せることもあります。


無理やりぬいぐるみなどを取り上げると、興奮して噛みついたりすることがありますので

そっと、見守りケアをしてあげましょう。

無発情期

無発情期は、次の発情期までの約4ヶ月から8ヶ月までの期間になります。


この期間の長さで、発情周期が決まります。


卵巣は完全に休止していて卵胞も黄体もない状態です。


犬にとって心と体がいちばん安定する健康な時期で、問題になるような症状や行動はありません。

犬のヒートにおける注意点を紹介


犬がヒートの時には、どんなことに注意すればいいのでしょうか?


出血があると、家の床やカーペットなどに血液がつくこともありますよね。

家を汚さないための方法として、マナーパンツを使用しましょう。


マナーパンツを使うことで、他の犬の飼い主さんにヒートであることを知らせることができます。


気になることは動物病院へ聞いてみるのもいいですね。


この他に注意点はないのでしょうか?


この項では

  • ワクチン接種は可能か
  • 散歩は可能か
  • お風呂やトリミングは可能か
  • 旅行は可能か
について詳しく解説します。

犬のヒートにおける注意点①ワクチン接種は可能か

ヒート中のワクチン接種は、基本的に問題ありません。


ですが、いつもと違って興奮していたり、下痢や嘔吐があればワクチン接種予定を見送った方がいいですね。


ヒート中だとワクチン接種を断る動物病院もあります。


ワクチン接種は、体の中に病気に対抗する抗体を入れます。


体からすると異物が入ってきたことになるので、副作用が出やすくなりますよね。


健康体でも副作用はきついです。


ヒート中だと心身共に変化がありますし、免疫機能が低下するので動物病院で獣医師に相談してから決めると安心です。

犬のヒートにおける注意点②散歩は可能か

ヒート中の散歩は、愛犬が行きたくなければ無理に連れていく必要はありません。


ですが、散歩に行かないとストレスがたまりそうですよね。


どうしても散歩に行きたい時は、家の周りだけ散歩したり、自宅の庭で運動させたりするだけでも大丈夫です。


外に出る時は、マナーパンツを使用して他の犬の飼い主さんにヒートであることを知らせるようにしましょう。


また、メス犬のフェロモンでオス犬が寄ってきますから、オス犬に注意しましょう。


ドッグランは、他の犬に迷惑がかかるので行くのは控えたほうがいいですね。

犬のヒートにおける注意点③お風呂やトリミングは可能か

ヒート中のお風呂やトリミングは、体調が普通と変わらないなら可能です。


お店を利用する時は、必ず犬がヒートだと伝えて下さい。

受け入れてくれるお店も多いとは思いますが、断られることもありますよ。


陰部を清潔にするのも病気予防になるので、ケアは大事です。


必ず、犬の体調をいちばんに考えて下さい。

いつもよりデリケートになっているので、気をつけましょう。

犬のヒートにおける注意点④旅行は可能か

ヒート中の旅行は、避けたほうがいいです。


他のお客様やペットたちに迷惑がかかるので、宿泊施設は利用できません。


おむつを着用させても、オス犬の嗅覚は騙せません。


複数のペットが利用する場所は、愛犬を守るためにも予定を変更したほうがいいですね。

まとめ:犬のヒート対策の一つとして避妊手術も視野に入れよう

ここまで、犬のヒートの症状注意点などを解説してきましたが、いががでしたでしょうか?


この記事は

  • 犬のヒート期間は約1週間から3週間
  • ヒートがおきると、体と行動に変化が出てくる
  • 犬のヒートには、4サイクルの周期がある
  • 犬のヒート期間は、複数の犬が利用する場所は避ける

以上の内容を解説してきました。


いろいろなヒートの症状を解決する方法として「避妊手術」があります。


避妊手術の適した時期は、生後半年ごろです。避妊手術をすることで、ヒート中の体や行動の変化をなくして、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍、卵巣腫瘍などの発症リスクを低下させることもできます。


ですが、手術は全身麻酔なので、死亡する可能性もあります。高齢で手術するとさらにリスクも増えますよ。また、太りやすくなるなどのデメリットもあります。


獣医師とリスクなどを話し合って決めるのがいいと思います。


人の生理も大変ですが、犬のヒートもストレスが多いなと感じました。ヒート期間中も爽快であってほしいですね。


またMOFFMEでは、様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!