
甘くておいしいとうもろこしは、犬に食べさせても大丈夫なのでしょうか?若干注意は必要ですが、とうもろこしは犬でもおいしく食べることができる食材です。この記事では、犬にとうもろこしを食べさせるメリットや注意点、アレルギーの症状や防止法などについて説明します。
この記事の目次
目次を閉じる犬はとうもろこしを食べても大丈夫!栄養や適切な量について解説
とうもろこしは犬が食べてもいいのでしょうか?
結論から述べると「食べても大丈夫!」です。
とうもろこしは特に問題がある野菜ではありません。成分中に有害な物質が含まれるということもなく、安心して与えられます。
とうもろこしはお米や麦と並ぶ三大穀物のひとつで、カロリーが高く糖分が主成分です。
甘みが強く、小粒で食べやすいとうもろこしですが、犬に与える際にはいくつか注意しなければならないことがあります。
とうもろこしの栄養とあわせて、犬に与える際に気を付ける点を見ていきましょう。
とうもろこしの栄養は犬にも良い影響を与える
食べておいしいとうもろこしですが、犬の体にとってもうれしい栄養が豊富に含まれています。
ここでは、
- 葉酸
- カリウム
- 良質なエネルギー源
犬にあげるなら粒を少量程度が適切
おいしいだけでなく、栄養も豊富なとうもろこし。では、どのくらいの量をあげればいいのでしょうか。
適切な量は犬の大きさによっても変わりますが、目安としては「15~20g」です。とうもろこしには食物繊維が多く含まれているので、食べ過ぎると消化不良を引き起こし下痢になってしまう可能性があります。
体の大きさ別に与える目安量をまとめましたので参考にしてみてください。
- 小型犬(体重 4㎏程度)・・・ 64g(1/4本)
- 中型犬(体重10㎏程度)・・・127g(1/2本)
- 大型犬(体重25㎏程度)・・・253g(1本)
犬にとってとうもろこしは消化しにくい食べ物
ここまででとうもろこしの栄養、与える量をみてきました。次に与え方についてご紹介していきます。
犬にとうもろこしを与えるときは必ず「茹でる」ようにしましょう。
生の状態のとうもろこしの皮(外皮ではなく、実を包んでいる皮)はとても固いため、消化不良を引き起こしてしまいます。
消化不良を起こすと、下痢になってしまう可能性もあるので注意しましょう。
過熱をすることで、とうもろこしの皮は柔らかくなるので、犬もおいしく食べることができます。
芯の誤飲に注意!
犬にとうもろこしを与える際には、芯を与えないように気を付けましょう。
とうもろこしの芯を誤飲してしまうと、のどに詰まらせ窒息してしまう可能性があります。 さらに、とうもろこしの芯は食物繊維のかたまりです。
整腸作用があり、お通じをよくする効果がある食物繊維ですが、とうもろこしの芯に含まれる食物繊維の量は非常に多くなります。
そのため犬にとっては消化しきれないほどの量であり、仮に誤飲してしまった場合の症状を見ていきましょう。
初めてあげる際はアレルギー反応が出ないか確かめよう
初めてとうもろこしを与える際には、アレルギー反応が出ないか確かめるようにしましょう。というのも、実はとうもろこしは犬のアレルギー源としても有名です。
しかしとうもろこしはドッグフードの原料としても使われているため、アレルギー反応が出る可能性は低いでしょう。とはいえ、注意するに越したことはありません。
とくに成長段階の犬の場合、消化器官が成熟しておらず免疫がず弱いのでアレルギー反応を起こす可能性があります。
そのため初めて与える際には、注意深く観察するようにしましょう。
犬のとうもろこしアレルギーの症状と予防
犬のとうもろこしアレルギーについてもっとくわしく見ていきましょう。そもそも、「アレルギー」とは何でしょうか?
犬だけではなく、動物はウイルスや細菌などの病原体の侵入から体を守る「免疫」という働きを持っています。
本来は体を病原体から守ってくれる役割をする免疫ですが、本来無害であるはずの食べ物などに過剰に反応して、自分自身を傷つけてしまうことがあります。この状態がアレルギーです。
犬にも様々なアレルギーがあることがわかっていますが、今回はとうもろこしアレルギーについてみていきましょう。
犬の食物アレルギーの症状は下痢や嘔吐、かゆみなど
それでは実際に犬が食物アレルギー反応を引き起こした場合に、どのような症状が出るのかを見てみましょう。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚のかゆみ
- 目の充血
- 元気がない
- フケが出る
- 抜け毛が増える
飼い主ができる犬の食物アレルギー予防法
アレルギー症状が出てしまったときには、なるべく早く獣医師に見せるようにしましょう。
それではアレルギー症状が出ないためにできる予防法は何があるでしょうか。順番に見ていきましょう。
- 皮膚を守ってくれるセラミドを補う
- 腸内細菌のバランスを整える
- 日ごろから適度な運動を心がけ、ストレスをためさせない
- 部屋の掃除を徹底し、こまめに空気を入れ替える
とうもろこしが使われているドッグフードは良くない?
とうもろこしが使われているドッグフードは良くないといった言葉を耳にすることがあります。
しかし実際には問題ありません。特に肉類にとうもろこしを組み合わせて、幅広い栄養摂取をカバーしているフードであれば、まったく問題はありません。
むしろとうもろこしを多く使うことによって、フード自体の価格を抑えられるなどメリットもあります。
とうもろこしが含まれているかどうかを見分ける際には「コーングルテン」の表記があるかどうかを確認してください。
コーングルテンとはとうもろこしから取れる植物性たんぱく質のことを指します。
しかしコーングルテンには、必須アミノ酸のトリプトファンが非常に少ないという特徴があります。
「コーングルテン」は消化には良いが栄養は少ない
コーングルテンの成分は約60%が植物性たんぱく質です。
しかしコーングルテンにはたんぱく質の中の必須アミノ酸である「トリプトファン」という栄養素が非常に少ないため、これだけでたんぱく質を摂取するのは難しいといえるでしょう。
トリプトファンは摂取されると体内で「セロトニン」という成分へ変換されます。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれることもあります。
このセロトニンが不足すると、ストレスがたまったり、落ち着きがなくなってしまいます。そのため、肉類などで不足した栄養素が補われているフードを与えることが理想的です。
参考:ドッグフードの原材料の見方
とうもろこしが含まれるドッグフードは犬の健康に悪いというわけではありません。
しかし、気になる方も多いと思いますのでドッグフードの原材料の見方をご紹介します。売り場ですぐに見分けるためにもぜひ参考にしてくださいね。
まず原材料の表記は「配合量が多い順」になっています。そのため最初にとうもろこしやコーンと表記されていたら、主原料はとうもろこしです。
ほかにも
- とうもろこし粉
- コーンミール
- コーングルテン
犬ととうもろこしについてのまとめ
犬ととうもろこしについて、詳しく説明してきましたがいかがでしたか?もう一度おさらいをしておくと、
- とうもろこしは犬が食べても安心
- 芯は絶対に与えないこと
- 生ではなく、茹でてから与えること
- 与える目安は「15~20g」
- とうもろこしアレルギーに気を付けよう
- アレルギーが出た際には獣医師に相談する
- とうもろこしが原材料に含まれるドッグフードも健康に害はない
- ドッグフードの原材料に「とうもろこし粉」「コーンミール」「コーングルテン」の表記があれば、とうもろこしが含まれる