犬にとってメロンは、水分補給を兼ねることができる果物です。基本的には食べても問題ありませんが、過度に与えることには注意が必要です。この記事では、犬がメロンを食べてもいい理由と共に、注意してほしいポイント、アレルギーの危険性などについてわかりやすく解説します。
この記事の目次
目次を閉じる犬はメロンを食べても大丈夫!
メロンには犬の害となる成分は含まれていないため、メロンは犬が食べてもいい果物です。
メロンには食物繊維やカリウム、ビタミンCなど犬にとっても良い栄養がたくさん含まれており、これらの栄養素は犬にとってメリットをもたらしてくれます。
メロンに含まれる食物繊維は、犬の便秘解消に役立ちます。
カリウムはミネラルの一つで、細胞が正常に機能するためには欠かすことのできない栄養素です。このカリウムは、調理すると流出しやすい栄養素なので、調理せずに食べられるメロンは効率的にカリウムを摂取するのに向いている果物です。
そしてビタミンCは老化予防や、がんの抑制などの効果を犬にもたらしてくれます。
このように犬にとっても嬉しい成分が含まれているメロンですが、欲しがるからといってたくさんあげていいわけではありません。続けて、犬にメロン与える注意点を解説していきます。
犬にメロンを与える際の注意点を5つ解説
ここからは、犬にメロンをあげる際の注意点を詳しくご紹介していきます。私たち人間にとっては大したことのないものだったとしても、犬にとっては健康に大きな影響を及ぼすこともあり得ますので、しっかりと確認しておきましょう。
下記5つの注意点について解説していきます。
- 消化に悪い皮・種・わたは取り除く
- メロンを小さく切り分ける
- 熟れすぎたメロンは下痢や嘔吐など食中毒の原因になる
- 食べ過ぎないよう少量にとどめる
- 腎臓が悪い場合はメロンを与えない
注意点①:消化に悪い皮・種・わたは取り除く
メロンには、犬にあげる際には取り除かなくてはならない部分が存在しています。その部位には皮や種、わたが該当します。
これらの部位は消化に悪く、腹痛や嘔吐などの原因になる恐れもあるため、必ず取り除く必要があります。
種やわたに関しては、取り除かなければメロンの果肉と一緒に食べてしまうことは簡単に想像できますが、皮は硬いため、皮付きのまま出しても問題中のように思います。
しかし、メロンの香りがついた皮は犬にとっておいしそうに見えて、誤って食べてしまう可能性もあります。
犬は口に入れたものをほとんど噛まずに丸呑みしてしまうことがあり、消化に悪いだけでなく、窒息などの危険もあるので、必ず取り除きましょう。
注意点②:メロンを小さく切り分ける
犬にメロンをあげる際には、一口大に切り分けたものをあげるようにしましょう。大きいサイズだと、丸呑みにしてのどに詰まらせてしまう恐れがあります。
皮を取り除く理由でも少し触れましたが、犬は口に入れたものをよく噛まずに丸呑みしえしまうことがあります。その時、メロンのサイズが大きいとのどに詰まらせてしまう危険性が高くなります。
犬にメロンをあげる際には、私たち人間でも食べやすいサイズに切り分けてからあげるといいでしょう。
切り分けたりするのが大変な場合は、すでにカット済みのメロンを購入するのも一つの手段です。その際はシロップに浸かっていたり、加糖されているなど何かしら加工されているものは避けるようにしましょう。
注意点③:熟れすぎたメロンは下痢や嘔吐など食中毒の原因になる
メロンは熟れたものが一番美味しいと感じる方もいるかと思いますが、犬には熟れたメロンは要注意です。
メロンにはククルビタシンという成分が含まれています。この成分はメロンが熟すにつれて増加していくのですが、実は犬にとって中毒症状を引き起こす危険なものなんです。
ククルビタシンは熟れたメロンの皮やヘタの近くに多く含まれている苦味成分です。この成分を犬が摂取すると、胃が痙攣したり嘔吐や下痢といった食中毒症状が現れることがあります。
もしメロンをあげたあとにこのような症状が見られた場合は、すぐに獣医にみせてください。
食べきれずに残してしまい熟れすぎたメロンや、完熟になるまでとっておいたメロンは絶対に犬にあげないようにしましょう。
注意点④:食べ過ぎないよう少量にとどめる
メロンは甘くてみずみずしくて、私たち人間でも大好きな方は多いかと思いますが、その甘さやみずみずしさは、犬の健康を崩すきっかけになることもあるんです。
甘いということはそれだけ糖分を含んでいるということであり、糖分の摂りすぎは糖尿病などの疾患を招くことになります。
また、メロンは実はカロリーも100gあたり42kcal(果肉部分のみで1/8個分強)と高めになっているため、メロンの食べ過ぎは肥満の原因にもなりえます。
そしてメロンに含まれている水分量も体調を崩す要因になります。
水分は欠かすことのできない大切なものですが、水分を必要以上にとることは便が柔らかくなり、下痢を引き起こすこともあります。
以上のようなことを引き起こさないためにも、犬にメロンをあげるときは少量にとどめるようにしましょう。
具体的には、犬種やサイズによって違いはありますが、メロンは犬の1日摂取カロリーの20%以内ほどの量にしておくのが良いでしょう。
注意点⑤:腎臓が悪い場合はメロンを与えない
腎臓が悪い犬は、メロンが原因で「高カリウム血症」という病気を引き起こす恐れがあります。そのため、腎臓が悪い犬にはメロンは絶対にあたえないでください。
メロンはカリウムを豊富に含んでいる果物です。そして腎臓は小腸で吸収されたカリウムを排出する役割を持っています。
腎臓が悪い場合はカリウム排出がうまくいず、血中のカリウムの濃度が高くなってしまいます。
高カリウム血症の症状としては、
- 四肢のしびれや筋力低下
- 吐き気
- 不整脈や頻脈
- 死亡
犬にメロンを与える際はアレルギーにも注意が必要
犬に食べ物をあげる際にはアレルギーにも注意する必要があります。実は犬はアレルギーが多い動物のため、初めて食べるものをあげるときには特に注意して観察しながらあげるようにしましょう。
アレルギーで起こる症状についてらなければ、アレルギー症状が出ても異変に気づけないかもしれません。ここからは犬のアレルギーの症状と注意点について解説していきます。
アレルギーはメロンに限らず様々な食材で起きる可能性があります。よく読んでいただいていざという時に備えましょう。
犬に見られるアレルギーの症状と注意点
アレルギーが出た場合、代表的な症状として皮膚疾患があります。
- 体をかゆがる
- フケが出る
- 抜け毛が多い(ハゲができる)
- 下痢、嘔吐
- 顔や耳の内側、目の周り、口周り、股の内側などが赤くなっている
- 足の裏や指の間など、執拗に舐めたり噛んだりする
交差反応(交叉反応)には注意
アレルギーは聞いたことあっても、交差反応(交叉反応)は聞いたことがない人も多いのではないでしょうか。アレルギーに注意する以上、同じように交差反応にも注意する必要があります。
交差反応(交叉反応)とは、違う種類の食べ物でも、アレルギーの原因物質の形が似ていることで起きてしまうアレルギー症状のことです。
メロンは以下の植物で交差反応が起こる可能性があります。
- 西洋オオバコ
- ニワトコ
- ブタクサ
- ヨモギ
補足:メロンの加工品は大丈夫?
メロンと言えばジュースやゼリー、メロンパンなど様々な形に加工されて食べられていますよね。そういった加工品は味も香りもよく、食べていると犬が物欲しそうに近寄ってくるかもしれません。
そんな人間向けに作られた加工品の数々ですが、犬が食べても大丈夫なのでしょうか。もし食べても大丈夫なら、一緒に美味しいメロンの加工品を楽しめそうですね。
ここからはメロンの加工品を犬が食べても大丈夫なのか解説していきます。
市販のゼリーやジュースを食べるのはあまり良くない
市販のゼリーやジュースは基本的には犬でも食べたり飲んだりすることができますが、あまりおすすめはできません。
人間向けに作られた加工品は人間でも栄養が偏ってしまう可能性があるものです。犬にとっては少量でも糖分過多な状態になってしまうことでしょう。
さらに、人間が食べる加工品には添加物が含まれていることが多くあります。添加物は癖になってしまったり、人間には好影響でも犬にとっては毒となるものも存在します。
以上の理由で、犬が市販のゼリーやジュースを食べることは避けたほうがいいでしょう。もしあげる際には、含まれている成分や食べる量に十分注意をしてください。
手作りのジュースやゼリーなら大丈夫
糖分や添加物を追加しないで手作りをしたジュースやゼリーなら犬でも安心してあげることができます。市販品の問題点は糖分や添加物が過分に含まれていることでした。手作りなら、犬でも安心して食べられるジュースやゼリーを作ることができます。
ジュースであれば、さきほどご紹介したメロンのわたをしぼったジュースが簡単で直ぐにできるのでおすすめです。
ゼリーであればメロンの果汁を寒天やゼラチンに混ぜて冷やすだけで簡単に作ることができます。ただし、ゼラチンはアレルギーの原因になる場合もありますので、メロン同様少量から試すようにしてください。
犬用のゼリーを作る時に、人間用の味付けのゼリーも作っておけば、犬と一緒に楽しいおやつタイムを過ごすことができますね。
まとめ:犬はメロンを食べても大丈夫!しかし食べ過ぎは禁物!
ここまで「メロンは犬が食べても大丈夫な果物なのか」について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
今回の記事のポイントは
- メロンは犬にあげても大丈夫。しかし熟れたメロンには要注意
- メロンを犬にあげるときには皮や大きさ、食べる量に注意
- メロンを犬にあげるときはアレルギーと交差反応に注意
- 犬に加工品はおすすめできない。しかし手作りなら大丈夫
記事モデル:トーフ