猫に人参は食べさせてもいいのでしょうか?また、葉や皮もあげていいのか気になりますよね。実は人参は猫が食べることができ、栄養も豊富で猫にとっても人間と同様、健康的な食べ物です。しかし、与え方を間違えてしまうと、健康を害してしまう原因にもなりかねません。そこで、今回の記事では人参の適切な与え方や皮や葉は食べられるかなどを解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じる猫はにんじんを食べても大丈夫!
猫がにんじんを食べてもいいのかどうか、結論を先に述べると、問題はありません!
にんじんは猫にとっても栄養価が高いので、人間同様、健康的な食べ物です。
上手に与えることによって、
- 猫のダイエットの手助けになる
- 健康を維持することができる
人参にはビタミンや食物繊維が豊富!
にんじんはとても栄養価が高い食べ物です。
にんじんの主な栄養には下記の3種類が入っており、さまざまな効果が期待できます。
- βカロチン・・・抗酸化作用に優れている。アンチエイジング作用で、老化による活性酵素から身体を守ったり、肌のターンオーバーを促進してくれるので、カサカサした肌やフケなども防止してくれます。人間や犬の場合、このβカロチンを摂取していると、体内で必要なときにビタミンAへと変換しますが、猫ではその機能が体内にないので、ビタミンAが必要なときは、直接ビタミンAを摂取する必要があります。
- ビタミンB2・・・体内に取り入れることによって、他の栄養素の吸収をよくして、エネルギーへの変換をしてくれます。肥満気味の猫におすすめです。他にも、ビタミンB2の働きで、脂質を使い細胞の再生を促進するので、成長期などには積極的に摂りたい栄養です。
- 食物繊維・・・水溶性の食物繊維なので、腸の中で水分を吸収し、蠕動運動を促して便秘解消の効果が期待できます。
猫に適切な人参の与え方
猫にとってもにんじんは栄養価が高く健康的な食べ物であると紹介しましたが、与え方や調理方法には注意が必要です。
にんじんは生のままでは固いので、調理せずにそのまま与えることは少ないかと思いますが、にんじんは消化に悪いので、加熱してから細かくカットして与えるようにしてあげてください。
消化に悪いだけでなく、小さくカットしておかないと、喉に詰まらせて最悪の場合は、死に至ることもあります。
また、にんじんの栄養のほとんどが水溶性なので、加熱の中でも茹でる場合は水に栄養が溶けてしまいます。加熱する場合は蒸すのがおすすめです。蒸すことによって、βカロチンは吸収性が高まります。
加熱以外の方法でも、すりおろして与える方法もおすすめです。すりおろすことによって、にんじんの各細胞に閉じ込められていた酵素が外に出てくるため、加熱したり、生のまま食べるよりも酵素を効率的に摂取することが可能になります。すりおろすので、消化もよくなります。
人参の葉っぱや皮は食べられる?
結論からお伝えしますと、葉っぱは与えない方がいい、皮は調理をすれば与えても問題ありません。
にんじんはセリ科の一種で、実はネコがセリ科の食べ物を食べたことによって、嘔吐や胃腸炎などの中毒症状が出たことも過去に報告されています。できればにんじんの葉っぱは、猫に与えない方が無難であるといえるでしょう。
一方で、にんじんの皮には毒素は含まれていないので食べさせても問題ありません。ただし、皮には農薬がそのままついていることも考えられるので、与える前にしっかりと洗い流して、さらに加熱までして食べさせた方が無難でしょう。
朝鮮人参は食べられる?
朝鮮人参も通常のにんじんと同じように猫に与えても問題はありません。
ただし、過度な量を与えた結果、中毒症状を引き起こしてしまったという症例もあるので、与えすぎには気を付けてください。
朝鮮人参には様々な成分が含まれていますが、その中でも特筆すべきは「ジンセノサイド」です。
ジンセノサイドには、毛並みをサラサラにする効果があるといわれており、朝鮮人参入りの猫用シャンプーも販売されているほどです。毛の長い猫にはぜひ与えてみてください。
ほかにも、朝鮮人参にはミネラル、鉄分やカルシウムなど生命を維持するのに必要な成分が含まれているので、正しい量を守って与えてみてください。
猫に人参を与える際の注意点
猫ににんじんを与えることは、健康維持や便秘解消の面でおすすめをしましたが、与える際には注意を払わなければいけません。
例えば過度な量を与えてしまったり、調理をせずに生のままで与えてしまうと体調をくずしてしまうこともあります。また、にんじんには橙色の根の部分、皮、葉の部分に大きく分類できますが、部位によっても注意すべき点が変わるため覚えておくといいでしょう。
栄養面でいえば、キャットフードを食べていれば十分な栄養を摂取できますが、猫のなかにはにんじんが好きな子もいるので、適度な量、正しい調理方法で与えましょう。
極端な量を与えると様々な症状がでる
過度な量のにんじんを猫に与えると、体調を崩すことがあります。体内に取り込んだ大量のにんじんによって消化不良起こして、下痢や嘔吐などの症状などがみられます。
また、にんじんにはミネラルがたくさん含まれており、このミネラルによって尿路結石を引き起こすことがあります。猫は尿路結石を患いやすい生き物であることで知られているので、注意をしてあげましょう。
尿路結石になると、おしっこの回数がいつもより増えたり、排尿のなかに血液が混じったりするので、そのような症状が出てきた場合はすぐに病院へ連れていってあげてください。
にんじんを与えるときの1日での目安量は、10g~30gです。個体差はありますが、この量を守ってにんじんをあげるようにしてください。
皮には栄養素が豊富なのでなるべく残した方がよい
普段の料理のなかで、にんじんの皮はピーラーで剥いてそのまま捨ててしまうという人のほうが多いとおもいます。しかし、実はにんじんの皮は、中心部の実の部分よりも栄養価が高いことで知られています。
にんじんの皮には、βカロチンやポリフェノールがより多く含まれているので、使わない手はありません。ポリフェノールには抗酸化作用があり、活性酵素を無害な物質に変えて、生活習慣病を予防する働きがあります。
ただし、にんじんの皮を与える際は、生の状態だと農薬が付着したままになっている可能性があるので、与える前にしっかりと洗うようにしてください。
人参を作る際のおすすめのレシピ
にんじんを使ったおすすめのレシピを紹介します。
◆猫用人参クッキー 用意するもの・・・
- にんじん30g
- にぼし5尾
- サラダ油小さじ1/2
- 薄力粉50g
- ベーキングパウダー小さじ1/2
- にぼしをすりつぶす
- すりつぶしたにぼしとベーキングパウダー、薄力粉を混ぜる
- にんじんをすりつぶして、レンジで1分加熱をする
- にんじんとサラダ油をまぜます
- "2"と"4"を合わせて、ゴムべらで混ぜます
- 粉っぽさが無くなるまで混ぜて、ラップに包みます
- ラップの上から棒状のもので生地をのばしていきます
- お好みの型で切り抜き、180℃に熱したオーブンで12分間焼く
- 完成
まとめ:猫に人参を与えても問題はない!
にんじんを猫に与えても問題ないのかについて説明をしてきましたがいかがでしたでしょうか。今回の記事のポイントは下記の通りです。
- 猫ににんじんを与えること自体は問題にはならない
- にんじんは栄養価が高く、猫にも健康面にメリットがある
- 猫ににんじんを生のままあげると消化不良を起こして、嘔吐や下痢などを引き起こすことがある
- 猫にんじんの葉っぱはあげない方が無難
- にんじんの一種である「朝鮮人参」も栄養価が高いので、過度な量を与えないように気を付けていれば与えてもいい
- 猫はにんじんに含まれるミネラルを摂取しすぎると、尿路結石を引き起こしやすくなる